メルセデス・ベンツEクラス新車試乗評価 パワフル&低燃費となったパワーユニット、ハイブリッドの追加、最新の安全装備と死角なしのマイナーチェンジ! [CORISM]

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【メルセデスベンツ】2013/07/10

■最もおすすめできるメルセデス・ベンツE250試乗評価

メルセデス・ベンツEクラス
 メルセデス・ベンツEクラスが、大幅なマイナーチェンジを受けた。普通のマイナーチェンジとは思えないくらいに外観デザインを変更し、Eクラス初のハイブリッド車の設定を始めとするパワートレーンの変更、運転支援システムの充実化、AMGの強化などが行われた。

 外観デザインは、フロント回りを中心にかなりアグレッシブな印象。最近は、こうした傾向が強まるばかりで、ついにEクラスまでがフロントグリル内にスリー・ポインテッド・スターを設けるようになった。

 メルセデス・ベンツEクラスについては、2回に分けてレポートしたい。今回はまず新エンジンに切り替わったE250と、その対極にあるAMG Sモデルについて紹介したい。

 新しいメルセデス・ベンツEクラスでベースグレードとなるE250と同アバンギャルドに搭載されるエンジンは、新開発の直列4気筒2.0Lの直噴ターボ仕様エンジンだ。このエンジンにはさまざまな新技術が盛り込まれていて、世界で初めて成層燃焼リーンバーンとターボチャージャー、排ガス再循環装置(EGR)の組み合わせを実現している。

 こうした最新の燃焼制御テクノロジーに加え、ECOスタートストップ機能(アイドリングストップ機能)を採用することで、従来のE250を上回る動力性能と燃費を向上させている。

 最高出力の155kWは従来モデルに比べ+5kWだが、最大トルクの350N・mは+40N・mと大幅な向上、また燃費も従来に比べ約23%向上した15.5km/L達成した。これによってエコカー減税は免税扱いになる。

 メルセデス・ベンツE250アバンギャルドを走らせると、これで十分といった印象を持つ。Eクラスにはさらにパワフルなエンジンがいろいろと搭載されているから、それと比べたら物足りなさを感じるのは当然だが、350N・mのトルクは3.5Lエンジン並みのもの。Eクラスのボディに対して十分に見合った性能である。

 7Gトロニック+の変速フィールは相変わらず滑らかそのもので、一体何速のギアを使って走っているのかかが分からないという不満点はあるものの、それくらいに滑らかに走ってくれる。

 メルセデス・ベンツE250は、フロントグリルにスリー・ポインテッド・スターのないエレガンス系のデザイン(個人的にはこちらのほうが好み)となるほか、安全装備がオプションになったりするので、買うならE250アバンギャルドになる。最新の安全装備も標準で備えたE250アバンギャルドが655万円というのはかなりリーズナブルな設定だと思う。

 V型6気筒エンジンにこだわりがあるというユーザーでなければ、E250で十分である。というか、今回のマイナーチェンジを受けたメルセデス・ベンツで最もお勧めできるのがE250アバンギャルドである。

メルセデス・ベンツEクラス
メルセデス・ベンツEクラス
メルセデス・ベンツEクラス

メルセデス・ベンツEクラス

■セダンなのに、フェラーリやポルシェ以上? メルセデス・ベンツE63AMG S 4MATIC試乗評価

メルセデス・ベンツEクラス
 メルセデス・ベンツE63AMG S 4MATICは、十分にパワフルな性能を持つAMG車のパフォーマンスをさらに高めたのがSモデルで、セダンのE63AMG S 4MATICは0-100km/h加速をわずか3.6秒で駆け抜ける。ポルシェやフェラーリではあるまいし、という感じの加速性能である。

 メルセデスAMG社が開発した最新鋭のV型8気筒5.5L直噴ツインターボエンジンに、さらに専用チューニングを施すことで、430kW/800N・mの圧倒的な動力性能を持つ。E63AMG SはFRの2WDと4MATICの4WDがあるが、これだけの動力性能を有効に路面に伝えるには4WDのほうが有利なは言うまでもない。

 周囲の状況が許すところで、停止状態から思い切りアクセルを踏もうとしたが、たちまちのうちに盛り上がる豪快なトルクによる加速感から、すぐにアクセルを戻すことになった。このエンジンの性能を味わい尽くすのは簡単ではない。当然ながら一般道での試乗では、実現不可能だ。

 環境性能や安全性能を徹底追求すると同時に、こうしたハイパフォーマンスモデルも用意するのがメルセデス・ベンツらしいところ。FR車は右ハンドルなのだが、4MATICだと左ハンドル車になってしまうのも、メルセデス・ベンツ車でしばしばある設定だ。価格はE250とは、まさに桁違いの1780万円(FRは1750万円)である。

メルセデス・ベンツEクラス
メルセデス・ベンツEクラス
メルセデス・ベンツEクラス

■左ハンドルのみでは論外? メルセデス・ベンツE400ハイブリッド試乗評価

メルセデス・ベンツEクラス

メルセデス・ベンツE400ハイブリッド、メーター

 マイナーチェンジを受けたメルセデス・ベンツEクラスには、ハイブリッドが設定された。Eクラスとしては初のハイブリッド車の設定である。

 V型6気筒3.5Lエンジンを搭載したE350をベースに、エンジンルーム内にリチウムイオン電池を搭載し、エンジンとトランスミッションの間に電気モーターを設定するなどの方式はSクラスと共通。ただ、モーターの出力は20kW/250N・mとされていて、Sクラス用よりもやや強力なモーターを搭載している。

 ハイブリッド化することで、動力性能を向上させながら15.2km/Lの燃費を達成している。E350は12.4km/Lだから、20%以上の向上だ。

 アクセルを踏み込むと、瞬間的に電気モーターの加速が加わって力強い加速が得られるが、リチウムイオン電池の搭載量が少ないために電池はすぐに使い切って通常のガソリン車の走りに戻る。

 このあたりの感覚は、基本的にSクラスのハイブリッドと同じで、F1のKERSを思わせるようなごく限定的な電気の使い方をするハイブリッド車である。

 ただ、E400ハイブリッドアバンギャルドは、E350アバンギャルドに比べてたったの18万円しか高くない。BMWのハイブリッドも同じだが、電気モーターや電池を搭載してこの価格差というのは信じられない感じだ。

 使い勝手の面でも、トランク容量はガソリン車と変わらず、ハイブリッド化によるデメリットはほとんど感じさせない。

 こうなるとE350の存在意義は薄くなってしまうのも仕方がない。V型6気筒エンジンの搭載車を買うユーザーはたいていがE400ハイブリッドを選ぶことになるだろう。

 と言いたいところだが、E400ハイブリッドには大きな問題点がある。左ハンドル車しか設定されていないのだ。ハイブリッド車が人気を集めるアメリカ向けに作られたものらしく、右ハンドル車は作られていない。日本で左ハンドルでは話にならない。

メルセデス・ベンツEクラス

メルセデス・ベンツE400ハイブリッド、メーター

メルセデス・ベンツEクラス
メルセデス・ベンツEクラス

■距離を走る人はクリーンディーゼル車がオススメ! メルセデス・ベンツE350ブルーテック試乗評価

メルセデス・ベンツEクラス

メルセデス・ベンツE350ブルーテック、メーター

 もう1台の試乗車は、メルセデス・ベンツE350ブルーテックステーションワゴンアバンギャルドだ。V型6気筒3.0Lの直噴ディーゼルターボを搭載したモデルで、このエンジンも今回のマイナーチェンジで改良が図られ、やはり動力性能と燃費を向上させている。

 まだ、正式に型式指定が取れていないということで、並行輸入されたクルマでの試乗だった。動力性能は欧州参考値ということになるが、185kW/620N・mの実力で、トルクは従来のモデルに比べて80N・mもの向上を見ている。

 E350ブルーテックアバンギャルドは、コモンレール直噴ターボディーゼルの持つトルクの太さによって、とても走りやすいクルマという印象だった。アクセルペダルに軽く足を乗せるだけといった感じでも滑らかで力強い走りが得られるからだ。

 車外でアイドリング音を聞くと、多少はディーゼルらしさが感じられるものの、走行中の室内は高い静粛性が確保されていて、ディーゼル車に乗っていることを感じさせない。

 そのことは、エンジンの吹き上がりについてもいえ、吹き上がりのスムーズさはガソリン車並みの感覚である。タコメーターのレブリミットの回転数が低くなっていることを除けば、ディーゼル車とは思えないような感じだった。E350ブルーテックも今回のマイナーチェンジでの進化の幅が大きいモデルだった。

 軽油の安さと燃費の良さ、余裕のトルクなどを考えると、距離を走るユーザーにはE350ブルーテックがお勧めモデルになる。今年度はディーゼル車に対する補助金も出るので、積極的に選んで良いと思う。

■もはや自動運転も可能? 高い完成度を誇るメルセデス・ベンツの最新安全装備

メルセデス・ベンツEクラス
 今回の試乗では、大磯プリンスホテルの駐車場を使って最新の安全装備の体験もした。飛び出し検知機能の付いたブレーキアシストプラス、歩行者検知機能付きのプレセーフブレーキ、ステアリング制御も加わった全車速追従型のディストロニックプラス、アクティブパーキングアシストwithブレーキ、リヤCPAといった具合にさまざまな機能を体験した。

 さすがにメルセデス・ベンツの最新の安全装備であり、注目の追突を回避・軽減する自動ブレーキも最高レベルの仕上がりだった。

 また、ディストロニックプラスは、全車が左右に動いたり、あるいは道がカーブしていたりするのに対応し、一定のステアリング制御が加わるようになっていた。ドライバーが手を離すと警告が出るようにして自動運転をさせるわけではないのだが、クルマの進化していく方向性が見えたような気がした。

■メルセデス・ベンツ安全装備解説動画

■メルセデス・ベンツEクラス価格、スペック、燃費など

<メルセデス・ベンツEクラス セダン価格>
・E 250 ¥5,950,000
・E 250 アバンギャルド ¥6,550,000
・E 300 アバンギャルド ¥7,200,000
・E 300 4MATICアバンギャルド ¥7,500,000
・E 350 BlueTECアバンギャルド ¥7,980,000
・E 350 アバンギャルド ¥8,720,000
・E 400 HYBRID アバンギャルド ¥8,900,000
・E 550 アバンギャルド ¥11,200,000
・E 63 AMG ¥14,950,000
・E 63 AMG 4MATIC ¥15,200,000
・E 63 AMG S ¥17,500,000
・E 63 AMG S 4MATIC ¥17,800,000

<メルセデス・ベンツEクラス ステーションワゴン価格>
・E 250 ステーションワゴン ¥6,300,000
・E 250 ステーションワゴン アバンギャルド ¥6,900,000
・E 300 ステーションワゴン アバンギャルド ¥7,550,000
・E 300 4MATIC ステーションワゴン アバンギャルド ¥7,850,000
・E 350 BlueTEC ステーションワゴン アバンギャルド ¥8,330,000
・E 350 ステーションワゴン アバンギャルド ¥9,070,000
・E 550 ステーションワゴン アバンギャルド ¥11,550,000
・E 63 AMG 4MATIC ステーションワゴン ¥15,570,000
・E 63 AMG S 4MATIC ステーションワゴン ¥18,170,000

代表グレード メルセデス・ベンツ E250アバンギャルド
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 4,890×1855×1455mm
車両重量[kg] 1750kg
総排気量[cc] 1991cc
最高出力[ps(kw)/rpm] 211ps(155kw)/5500rpm
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] 35.7kg-m(350N・m)/1200-4000rpm
ミッション 7速AT
JC08モード燃費[km/l] 15.5km/l
定員[人] 5人
税込価格[万円] 655.0万円
発売日 2013/5/14
レポート 松下 宏
写真 編集部

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(レポート:松下 宏

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