後席の快適性は30系クラウンセダンの圧勝!
内装比較
220系クラウン、フロントシート
220系クラウン、リヤシート
220系クラウン、トランク
220系クラウンセダンでは本革シートが標準装備と、贅沢な仕様となっている(RSアドバンス、Gエクスクルーシブ、G系)。Gエクスクルーシブは、ショーファーカーとしても使えるように、リヤシートにパワーシートが標準装備された。
30系クラウンセダン、フロントシート
30系クラウンセダン、リヤシート
30系クラウンセダン、トランク
30系クラウンセダンの内装装備は、贅を尽くしている。
- プレミアムナッパ本革シート表皮
- 除電スタビライジングプラスシート(運転席)
- シートベンチレーション(運転席・助手席・後左右席)
- リフレッシュシート(後左右席)
- リヤパワーシート
ショーファーカーとしての価値も高く、リヤシートの装備が充実しており、快適に過ごせる。
ディスプレイにこだわった220系
インパネデザイン
220系クラウン、インパネ
220系クラウンセダンのインパネデザインは、ドアノブ付近まで回り込んでおり、包み込まれるような感覚だ。新開発のダブルディスプレイは、遠方配置の8インチディスプレイと、操作性を考慮し手前側に配置した7インチディスプレイの2つを連携させた。タッチパネル式なのだが、アイコンがやや小さいため押しにくい。階層が深くなる機能もあり、使い勝手は少々微妙だ。
30系クラウンセダン、インパネ
30系クラウンセダンは、他のクラウンセダンと同じ、水平基調のスッキリとしたデザインだ。シフトノブ周りに異なるデザインを与え、セダンらしさをアピールしている。
全64色に色替え対応可能なLED照明は、インパネ左右や前席足元、リヤドアトリム左右に配置された。行燈のような柔らかい灯りによる間接光で、心地よさを提供している。
メーターパネル
220系クラウン、メーター
220系セダンのメーターパネルは、当時定番の2眼オプティトロンメーターだ。視認性は良好だが、グラフィックなどにやや古さを感じる。カラーヘッドアップディスプレイは一部グレードに標準装備されている。
30系クラウンセダン、メーター
30系クラウンセダンのメーターパネルは、12.3インチTFTカラーメーター+マルチインフォメーションディスプレイとなった。フルデジタルで、4つのデザインテイストと、3つの情報レイアウトの計12タイプから好みの表示形式を選択できる。視認性や鮮やかさ、情報の豊富さは、220系を大きく上回る。
最先端のパワーユニットを採用した30系
燃費、走行性能比較
220系クラウンセダンと30系では、まったく異なるパワーユニットとなっている。直接比較できないので、短評とした。
220系クラウンセダンのパワーユニット出力と燃費(WLTCモード)は以下の通り。
2.5Lハイブリッド
- システム出力:226ps
- 燃費(FR):20.0km/L
220系クラウンセダンで最も人気があったパワーユニットだ。力強さは十分で、燃費もよくバランスがとれている。
3.5Lマルチステージハイブリッド
- システム出力:359ps
- 燃費(FR):16.0km/L
パワフルなシステム出力が魅力だ。G系グレードを選ぶと、高級セダンらしい、余裕ある走りが可能になる。さらに、10段変速により、走りに優れたレスポンスとダイレクト感が生まれた。スポーティなRS系グレードだと、気持ちの良い走りが楽しめる。ただし、新車価格が700万円を超える高価なグレードに設定されていたため、販売台数は伸びなかった。
2.0Lターボ
- 最高出力:245ps
- 最大トルク:350Nm
- 燃費(FR):12.4km/L
わずか1,650回転で最大トルク350Nmを発揮する、いわゆるダウンサイジングターボエンジンだ。街中では、とくに力強く走る印象が強い。ただし、高回転域ではパンチにやや欠け、スポーティな印象には欠ける。2.5Lハイブリッドより、やや力強い印象だ。使用燃料がハイオクで燃費が良いわけでは無いので、燃料費は高めになる。
220系クラウンセダンの走行性能
220系クラウン、エンジンルーム
220系には、RS系とG系の2つのグレードが存在する。RS系は従来のアスリートで、スポーティな仕様で、G系は乗り心地重視のロイヤル系だ。人気はスポーティなRS系が勝っていた。
RSアドバンスとG系には、AVSが標準装備されている。サスペンションの減衰力を走行状況に合わせ可変されるものだ。AVSにはドライブモードが設定されており、7つのモードから設定が可能だ(SPORT S+/SPORT S/NORMAL/ COMFORT/ECO/CUSTOM/SNOW)。
RS系でSPORTモードを選択すると、サスペンションがグッと引き締まり、よりスポーティな走りが楽しめる。SPORTモードでも、乗り心地はそれほど悪くならないのもよい。
対する30系クラウンセダンのパワーユニット出力と燃費(WLTCモード)は以下の通りだ。
2.5Lマルチステージハイブリッド
30系クラウンセダンは、新開発の2.5Lマルチステージハイブリッドをトヨタ車で初搭載した。従来のハイブリッドシステムに加え、4段の変速機が加わった。駆動力が向上し、低車速からの最大パワー使用が可能になったため、より力強い走りが可能になった。
また、変速機が加わったことで、模擬10段変速制御となった。リズミカルな変速やドライバーの意図に忠実なエンジン回転数変化と加速感が可能となり、より走りが楽しめるハイブリッドシステムとなっている。
FCEV
- モーター最高出力:182ps
- モーター最大トルク:300Nm
- 燃費:148km/kg
- 一充填走行距離(参考値):約820km
すでに発売されているFCEVであるトヨタ ミライと同じパワーユニットを使っている。最高出力こそ182psと少々アンダーパワー気味に見えるものの、最大トルクは300Nmもある。モーターは、アクセルを踏んだ瞬間から最大トルクを発揮するので、数値以上に力強く感じる。一充填走行距離は約820kmと十分だが、まだまだ水素ステーションが少ない点が難点だ。
30系クラウンセダンの走行性能
30系クラウンセダン、エンジンルーム
30系と220系は、同じGA-Lプラットフォームを使用している。しかし、ボディサイズが大きく異なるため、走行フィールも違う。車名は同じでも、全く違うクルマだと理解した方がよいだろう。
また、220系クラウンセダンは、スポーティセダンを目指しているが、30系はショーファーカーを視野に入れているため、乗り味も異なる。220系は、ややカッチリしたフットワークをもつが、30系はしっとりとした乗り心地重視のセッティングになっている。街中でのぼり心地は、ややフワフワしているが、高速道路のカーブではフラットな姿勢を維持して、意外なほどスポーティな走りを披露する。これは、AVSという可変式減衰力調整機能付きダンパーによるものだ。走行シーンに合わせた最適な乗り心地と走りを実現している。30系クラウンセダンの走りは、このAVSが支えているようにも感じるほどだ。
コストパフォーマンスで圧倒する220系。新車比較ではバーゲン価格の30系
価格比較
デビュー時の220系クラウンセダン(ハイブリッド)の新車価格帯と中古車相場は以下の通り。
- 新車価格帯:4,978,800円(Sグレード、FR)~7,187,400円(Gエグゼクティブ、FR)
- 中古車相場(2021年式):約330~470万円
30系クラウンセダンの新車価格は以下の通り。
- Z(ハイブリッド) 730万円
- Z(FCEV) 830万円
30系クラウンセダン(ハイブリッド)の新車価格は約730万円と、かなり高価に感じるかもしれない。しかし、220系でも最上級グレードのGエグゼクティブでは約720万円程度だったので、それほど価格はアップしていない。むしろ、ボディサイズが大きくなり数々の先進装備などがプラスされたことを考えると、30系のクラウンセダンはお買い得だ。
さらに買い得感があるのが30系のFCEVだ。830万円と高価だが、購入時には約140万円の補助金や優遇税制が加わる(デビュー時)。そのため、車両価格は実質約690万円になるからだ。水素を燃料として走る最先端のFCEVでこの価格は、かなり競争力がある。近隣に水素ステーションがあるならば、お勧めのモデルだ。
【30系クラウンセダン、プラス査定装備】
プラス査定装備 | パノラマルーフ、ブラックパッケージ |
ボディカラー | 黒もしくは白 |
対する220系クラウンは、すでに中古車でしか購入できない。中古車相場(2021年式)は約330~470万円だ。単純に購入価格を比べるなら、30系を圧倒するリーズナブルさを持つ。
220系クラウンは、他メーカーと比べるとやや高めのリセールバリューになっている。セダンの人気が低いものの、トヨタブランドの魅力が付加価値を後押ししているからだ。しかし、人気のSUVと比較すると、リセールバリューは低い。そのため、中古車も買い得感がある。
クラウンの中古車情報をチェックする>
【220系クラウンのプラス査定装備】
年式 | 2020年11月以降 (トヨタセーフティセンスの機能向上後) |
グレード | RSアドバンス |
カラー | 黒もしくは白 |
以下が装備されていれば、さらにお勧めだ。
- ムーンルーフ
- パーキングサポートブレーキ&パノラミックビューモニター
- アクセサリーコンセント(AC100V・1500W)
- トヨタプレミアムサウンドシステム
予算次第で大きく変わる選択肢
オススメは30系?それとも220系?
クルマの性能で選ぶなら、30系クラウンセダンがお勧めだ。性能は、驚くほど大差がついているので、よりよいクルマで予算も十分というのであれば30系クラウンセダンが良いだろう。30系でもFCEVは近未来のクルマとして、さらにお勧めと言える。水素ステーションが近隣にあることが条件だ。
予算重視ならば、220系クラウンセダンがお勧めだ。2021年式という高年式で、中古車価格は新車価格の65~66%にまで落ちてきている。高級セダンがこの価格帯で購入できるのであれば、コストパフォーマンスはかなり高い。ブームに乗って高額なSUVを買うよりも、より質の高いクルマに乗ることができる。
予算を新車の30系と比べると、約300万円も節約できる。クルマのパフォーマンスは30系が圧倒するものの、多額の予算が節約できるのであれば、220系という選択もありだ。クラウンは高級セダンなので、中古車とはいえ、未だそのパフォーマンスは高いレベルにある。倹約を考えるのなら220系はお勧めだ。
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新型30系トヨタ クラウンセダン燃費、ボディサイズなどスペック
代表グレード | クラウンセダンハイブリッドZ |
全長×全幅×全高 | 5,030mm×1,890mm×1,475mm |
ホイールベース | 3,000mm |
トレッド(前/後) | 1,620mm/1,615mm |
車両重量 | 2,020kg |
エンジン型式 | A25A-FXS |
エンジンタイプ | 直列4気筒DOHC16バルブ |
総排気量 | 2,487cc |
システム最高出力 | 245ps |
燃費(WLTCモード) | 18.0km/L |
駆動方式 | 後輪駆動 |
トランスミッション | マルチステージハイブリッドトランスミッション |
サスペンション | 前後マルチリンク式 |
タイヤ(前/後) | 235/55R19 |
最小回転半径 | 5.7m |
220系トヨタ クラウンセダン(後期型)燃費、ボディサイズなどスペック
代表グレード | クラウンセダン 2.5LハイブリッドRSアドバンス |
全長×全幅×全高 | 4,910mm×1,800mm×1,455mm |
ホイールベース | 2,920mm |
トレッド(前/後) | 1,560mm/1,560mm |
車両重量 | 1,770kg |
エンジン型式 | A25A-FXS |
エンジンタイプ | 直列4気筒DOHC16バルブ |
総排気量 | 2,487cc |
システム最高出力 | 226ps |
燃費(WLTCモード) | 20.0km/L |
駆動方式 | 後輪駆動 |
トランスミッション | マルチステージハイブリッドトランスミッション |
サスペンション | 前後マルチリンク式 |
タイヤ(前/後) | 225/45R18 |
最小回転半径 | 5.3m |