トヨタ クラウンクロスオーバーvsトヨタ ハリアーハイブリッド徹底比較・評価 失敗・後悔しないためのクルマ選び
トヨタ クラウンクロスオーバーvsトヨタ ハリアーハイブリッド徹底比較・評価の目次
失敗・後悔しないクルマ選び、 今回は高級SUV対決!
日本を代表するセダンであるトヨタ クラウンが、2022年9月に高級SUVとして生まれ変わった。しかも、駆動方式はFF(前輪駆動)ベースの4WDとなっている。クラウンという車名こそ同じだが、従来のクラウンとはまったくの別物だ。
そんなクラウンクロスオーバーだが、クラウンのもつブランドイメージは継承。質の高い走りと内外装となっている。
そして、クラウンクロスオーバーと比較したのは、同じトヨタブランドで高級SUVの代名詞でもあるハリアー。この2台、やや異なる仕様になっているが、同じGA-Kプラットフォーム(車台)がベースとなっている。また、2.5Lハイブリッドシステムも基本的に同タイプを使用。
今回は、そんな似ていないようで少し似ているトヨタの高級SUVを徹底比較評価。クラウンクロスオーバーやハリアー購入時に、失敗・後悔しないクルマ選びの参考にして欲しい。
車名は同じでも、まったく異なる新型車
トヨタ クラウンクロスオーバーの特徴
先代トヨタ クラウンは、従来通り、世界的な高級セダンと同じくFR(後輪駆動)ベースのセダンだった。
しかし、国内のセダンマーケットは壊滅的な状態。さらに、居住性に勝るアルファードやヴェルファイアに顧客が流出。
しかも、クラウンはほぼ国内専用車だったこともあり、収益という面では厳しいモデルとなった。
一般的には、グローバルモデルと共通化しコストを圧縮するが、トヨタブランドでクラウンサイズのFRセダンはほぼ存在しない状態。ボディサイズが近かったレクサスGSも撤退し、ISも近い将来撤退すると予想されている。FRセダンは、もはやプレミアムブランドのレクサスLSのみ。こうなると、クラウンを存続させることは困難だった。
一方、北米で人気のセダンは、FF(前輪駆動)モデルのカムリやレクサスESだ。こうしたモデルをベースとして、クラウンを維持することも検討されたはず。しかし、今後セダンが売れる見込みもない。ならば、従来のセダンとしてのクラウンを延命しないことをトヨタは決断した。
とはいえ、歴史ある名車クラウンの名を消すのは、営業面ではデメリットばかり。そこで、トヨタは開発中のFFベースのグローバルクロスオーバーモデルをクラウンとし、歴史をつなぐ大変革を行った。
新型クラウンクロスオーバーに採用されたプラットフォーム(車台)は、FFベースのGA-K。国内では、RAV4やハリアー、カムリ、レクサスES、レクサスNXなどと共通だ。これをクラウン用に改良した。
ただし、後輪駆動の走りを求める顧客もわずかだがいる。そのため、多くのモデルがFF車を用意している中、クラウンクロスオーバーは全車後輪をモーターで駆動するE-Fourを選択した。
そして、注目のパワーユニットは、2タイプが用意された。1つ目は、多くのモデルで使われている2.5Lハイブリッドをベースとしたもの。そして、2つ目はトヨタ初の2.4Lターボエンジンを使ったデュアルブーストハイブリッドだ。このパワーユニットは、燃費性能よりもパワフルさを追求している個性派だ。
リヤサスペンションは、新設計されたマルチリンクサスペンションを装備。DRS(ダイナミックリヤステアリング)が走行状況に合わせ、リヤタイヤを同位相または逆位相に操舵する。駐車時には逆位相にリヤタイヤを操舵することで、最小回転半径を小さくし小回りが効くようにできるメリットもある。
新型トヨタ クラウンクロスオーバーは、クラウンの名を冠したこともあり、多くの新技術が投入された。先代クラウンとは全く異なるクルマだが、非常に完成度の高い1台となっている。
優れた快適性を誇る高級SUVの代名詞
トヨタ ハリアーハイブリッドの特徴
トヨタ ハリアーは、長い歴史と輝かしい成果をもつラグジュアリーSUVだ。初代は1997年に登場した。初代と2代目は、北米でレクサスRXとして発売されている。
初代ハリアーは、現在のラグジュアリーSUVのパイオニアとも言える存在。当時のSUVは、トラックなどに使われるラダーフレームが中心だったが、初代ハリアーは乗用車のプラットフォームを採用。圧倒的に優れた乗り心地や静粛性、運動性能を得て大ヒットした。
2代目ハリアーは、初代ハリアーのキープコンセプトモデル。だが、2005年に早くもハイブリッド車が投入され、ブランド力の強化に繋がった。3代目ハリアーからはレクサスRXと決別し、独自の道を歩み始める。
現行の4代目トヨタ ハリアーハイブリッドは、2020年にデビュー。RAV4ハイブリッドと姉妹車関係にあり、パワーユニットやプラットフォームなどが共通化されている。
それぞれのキャラクターに合わせた異なる味付けが施されており、ハリアーハイブリッドはトヨタブランドの高級SUVとしての価値を追求し上質な乗り心地と高い静粛性を重視した。
搭載されている2.5Lハイブリッドシステムは、このクラスで世界トップレベルの低燃費性能を誇る。4WDモデルのモーターは、先代モデルよりもパワフルで、より楽しい走りと悪路走破性を高めた。また、PHEVも追加設定されている。
両車僅差! 世界トップレベルの低燃費性能
1.燃費比較
クラウンクロスオーバーの評価 4.5
ハリアーハイブリッドの評価 4.0
トヨタ クラウンクロスオーバーの燃費は以下の通り(4WD、WLTCモード)。
・2.5Lハイブリッド 22.4km/L
・2.4Lターボハイブリッド 15.7km/L
トヨタ ハリアーハイブリッドの燃費は以下の通り(4WD、WLTCモード)。
2.5Lハイブリッド 21.6km/L
基本的に同じ2.5Lハイブリッドを採用しているものの、クラウンクロスオーバーがハリアーハイブリッドを上回る燃費値を実現している。ハリアーハイブリッドのシステムをさらに改良し、高効率なハイブリッドシステムを用いたからだ。
システム上の大きな違いは、駆動用バッテリーにある。ハリアーハイブリッドがリチウムイオンバッテリーを使うのに対し、クラウンハイブリッドは、新開発のバイポーラ型ニッケル水素電池を採用している。
クラウンハイブリッドは、低速でのレスポンス向上、電池出力を活用した中〜高速域でのダイレクトな加速を実現しながら、低コスト&低レアメタル化に成功した。
新開発された2.4Lターボのハイブリッドシステムは、燃費性能というより走行性能を重視したシステムだ。エンジンとモーターを直結させたシンプルな構造。ターボラグをモーターが補い、アクセルレスポンスに優れたパワフルな加速が魅力。後輪には、水冷式大出力モーターのeAxle(イーアクスル)を設置し、よりトルク感ある走りをアシストする。
機能差を含めるとコスパに優れるクラウンクロスオーバー
2.価格比較
クラウンクロスオーバーの評価 3.5
ハリアーハイブリッドの評価 3.0
トヨタ クラウンクロスオーバーと、トヨタ ハリアーハイブリッドの新車価格帯は以下の通りだ。
エントリーグレード | ハイエンドグレード | |
クラウンクロスオーバー | 4,350,000円(X 4WD) | 6,050,000円(RS 4WD) |
ハリアーハイブリッド | 3,938,000円(S 4WD) | 5,148,000円(Zレザーパッケージ4WD) |
クラウンクロスオーバーのRSは、ハリアーハイブリッドとは異なるハイブリッドシステムを使うため、直接的な比較にならない。そのため、クラウンクロスオーバーの最上級グレードは、Gアドバンスト・レザーパッケージの5,700,000円ということになる。
先代クラウンハイブリッドは、約500万円からがスタート価格で、最上級グレードでは約740万円。高価な価格設定が、販売低迷の要因のひとつとなった。そのためクラウンクロスオーバーでは、RSを除くすべてが500万円台以下に抑えられている。
クラウンクロスオーバーGアドバンスト・レザーパッケージと、ハリアーハイブリッドZレザーパッケージの価格差は、約55万円と微妙だ。装備で比較すると、クラウンクロスオーバーには以下が標準装備されている。
・パノラミックビューモニター
・100V1500Wコンセント
・パワーイージーアクセス
この差を入れても、約55万円の価格差は埋まらない。ハリアーハイブリッドの方が安価に感じる。
だが、クラウンクロスオーバーのほうが、歩行者検知式自動ブレーキを含む予防安全装備パッケージ「トヨタセーフティセンス」の機能が優れており、差は大きい。
さらに後輪を操舵するDRSや、新開発のマルチリンクサスペンションなどの機能差も含めると、クラウンクロスオーバーの方がコストパフォーマンスに優れる。
両車、値引きは期待できないが手段はある
3.購入時の値引き術
クラウンクロスオーバーの評価 2.0
ハリアーハイブリッドの評価 2.5
トヨタ クラウンクロスオーバーは、2022年9月にデビューしたばかりの新型車だが、納期が超長期化している。コロナ禍における半導体や部品不足によるものだ。
この状況だと、値引きも端数のカット程度となるだろう。それでも、何もしないと本当に値引きゼロになるので、しっかりとライバル車と競合させたい。
ライバル車は、500万円以上のSUVだ。国産車では、ほとんどライバル車が無い。少し高価だが、レクサスNXと競合させるのも面白い。
ただし、経営母体が異なる販売店同士と競合させることが重要だ。経営母体が同じだと、裏で情報交換されているため、値引きを引き出すことが難しいからだ。
クラウンが下取車の場合、トヨタディーラーも顧客を守りたいので、値引きには多少対応するはずだ。値引きだけでなく、下取価格のアップなども交渉するとよい。
また、納期などの早さをメリットとして、高年式の中古車と競合させるのも良いだろう。競合車は、BMW X3やメルセデス・ベンツGLBやGLCなどだ。
対するハリアーハイブリッドは、2022年9月に一部改良が施された。ただでさえ納期が超長期化しているため、ハリアーハイブリッドもほぼ値引きゼロ状態といえる。
日産エクストレイルやマツダCX-60などの最上級グレードをベースに競合させたい。また、異なる経営母体の販売店同士で、ハリアーハイブリッドを競合させるのもよい。
やや古さを感じさせるデザインのハリアー
4.デザイン比較
クラウンクロスオーバーの評価 4.5
ハリアーハイブリッドの評価 3.5
先代クラウンの影響を受けない斬新なデザイン
トヨタ クラウンクロスオーバーのデザインは、全高も1,540mmと低く、一見するとSUVらしさが少ない。どちらかというと、流麗なルーフラインをもつ4ドアクーペのようだ。少しフロア高を高くしてSUVらしさを出しているのと同時に、乗り降りしやすい高さになっている。
フロントフェイスは、セダンやSUVにありがちな大きな顔を回避している。デザイントレンドを追わず、シャープでスポーツカーのようなフェイスデザインとした。
サイドビューは大径21インチタイヤが前提のデザインだ。大径タイヤとフェンダーギリギリまで、タイヤを外に出すツライチにこだわった。ドッシリと安定した姿勢とホイールとボディが見事に調和した美しさを誇る。
リヤビューは、流行りの横一文字のコンビネーションランプを採用。デザイントレンドを追っているものの、安定感とワイド感を表現している。
トヨタデザインは、アルファードやヴォクシーに代表されるように、ターゲットユーザーに好まれるようなマーケットインのデザインが施されるケースが多い。先代クラウンもそうした傾向が強かった。
しかし、クラウンクロスオーバーは、先代クラウンの影響を全く受けず、非常にオリジナリティあふれるデザインとなったのが大きな特徴だ。
リヤウインカーの位置が見にくいハリアーのデザイン
対するハリアーのデザインは、流麗なクーペフォルムをベースとしながら、スタイリッシュかつ逞しいシルエット「Simple Beauty」を目指した。
姉妹車関係にあるRAV4がいかにもアウトドア感に溢れたタフなイメージなのに対し、ハリアーは完全にラグジュアリーSUVとしてデザインされている。ハリアーも流行りの迫力系フェイスを追わず、独自路線のフェイスデザインとした。
リヤビューは、クラウンクロスオーバー同様、流行りの横一文字型コンビネーションランプを採用した。2020年デビューのモデルだが、少し古さを感じさせるようになってきている。
惜しいのは、リヤのウインカー位置だ。バンパー下部に取り付けられていて、後方の車両からはウインカーの点滅が分かりにくい。
後席スペース重視ならクラウンクロスオーバー、使い勝手はハリアーが良い
5.室内空間と使い勝手
クラウンクロスオーバーの評価 4.0
ハリアーハイブリッドの評価 4.0
トヨタ クラウンクロスオーバー(4WD)と、トヨタ ハリアーハイブリッド(4WD)のボディサイズ、ホイールベース、室内サイズは以下の通りだ。
全長×全幅×全高 | ホイールベース | 室内長×室内幅×室内高 | |
クラウンクロスオーバー | 4,930×1,840×1,540mm | 2,850mm | 1,980×1,540×1,170mm |
ハリアー ハイブリッド | 4,740×1,855×1,660mm | 2,690mm | 1,880×1,520×1,215mm |
両車GA-Kプラットフォームをベースとして採用しているが、ホイールベースが異なる。クラウンクロスオーバーが、リヤサスペンションを新開発したからだ。ホイールベースが伸びた分、全長も190mm長くなった。室内長もクラウンクロスオーバーの方が長く、後席の広さに繋がっている。リヤシートが大幅に広く、足元は余裕たっぷりだ。
ただ、後席頭上のスペースは、全高の高いハリアーハイブリッドが上回る。
荷室容量は、クラウンクロスオーバーが450Lとなった。ボディサイズを鑑みると、もう少しスペースが欲しいところだ。SUVらしい積載性はあまり期待しない方がよい。
ハリアーハイブリッドの荷室容量は、さらに小さい409Lだ。580LあるRAV4とは、かなりの差がついた。ハリアーハイブリッドは、キャンプなどのアウトドアレジャー用の使い勝手より、ラグジュアリーSUVとしての価値を追求している。
最新世代のトヨタセーフティセンスを搭載したクラウンクロスオーバーが良い
6.安全装備の比較
クラウンクロスオーバーの評価 4.5
ハリアーハイブリッドの評価 3.5
トヨタ クラウンクロスオーバーに搭載されている予防安全装備パッケージは、最新世代の「トヨタセーフティセンス」だ。自動ブレーキは、昼夜の歩行者と自転車、昼間の自動二輪車を検知し、衝突回避もしくは被害軽減を実現した。
よりリアルな交通事故シーンにも対応する。事故の多い交差点内で、右折時の対向車や歩行者、自転車、左折時の対向する歩行者と自転車も検知可能だ。
対するハリアーハイブリッドの「トヨタセーフティセンス」は、残念ながら1世代以上前のタイプとなる。自動ブレーキは、昼夜の歩行者と昼間の自転車に対応するが、交差点内の自動ブレーキ機能などは無い。フロントクロストラフィックアラートという、交差点進入時に死角となるクルマとの出会い頭事故防止をサポートする装備もない。この差は大きい。
運転支援機能にも大差が付いた。クラウンクロスオーバーには、PDA(プロアクティブドライビングアシスト)機能がある。歩行者や自転車、駐車車両がある場合、接近し過ぎないようにステアリング操作をアシストしてくれるのだ。横断歩行者がいる場合も、減速をアシストする。
さらに、カーブ手前での減速アシストも行う。街中でアクセルオフの際、先行車との車間距離が近いと自動減速、停止直前まで一定の距離を保ってくれる。ちょっとした自動運転のようで、ブレーキの踏みかえ回数も大幅に減り疲労軽減と安全面でも大きなメリットがある。(停止には自らブレーキを踏む必要がある。)
クラウンクロスオーバーで高速道路を走行中にクルーズコントロールを使用する際、一定の条件を満たすとアドバンストドライブ機能も使用可能になる。約40km/h以下の渋滞時にステアリングから手を放しても、車線を維持しながら先行車に追従走行ができるのだ。疲労軽減・安全運転にかなり寄与する機能のひとつである。
予防安全装備や運転支援機能の差は、とても大きい。ハリアーハイブリッドも業界平均レベルなのだが、クラウンクロスオーバーはさらにその先をいく業界トップレベルの実力を誇る。
ハリアーを上回る優れた乗り心地と静粛性のクラウンクロスオーバー
7.走行性能の比較
クラウンクロスオーバーの評価 4.5
ハリアーハイブリッドの評価 3.5
トヨタ クラウンクロスオーバーとトヨタ ハリアーハイブリッドのシステム出力と車重は以下の通り。
システム出力 | 車重 | |
クラウンクロスオーバー2.5Lハイブリッド | 234ps | 1,750~1,790kg |
クラウンクロスオーバー2.4Lターボハイブリッド | 349ps | 1,900~1,920kg |
ハリアーハイブリッド 2.5Lハイブリッド | 222ps | 1,620~1,690kg |
トヨタ クラウンクロスオーバーとハリアーハイブリッドには、基本的に同じ2.5Lハイブリッドシステムが使われている。だが、クラウンクロスオーバーに搭載されている2.5Lハイブリッドシステムは改良型で少しパワフルだ。
しかし、ボディサイズも大きく、車重がやや重くなっていることもあり、加速感はハリアーハイブリッドが勝る。どちらも十分な出力で、高速道路でも余裕ある走りが可能だ。
異彩を放っているのが、クラウンクロスオーバーRS系の2.4Lターボハイブリッドだ。
RS系は、燃費より走行性能に振り切っている。フロントモーターは、エンジン直結だ。ターボエンジンの悪癖であるターボラグを、瞬時に最大トルクを発揮するモーターと組み合わせることで補完している。
搭載されている2.4LターボのT24A-FTS型エンジンは、ターボラグも少なく、高回転域まで伸びパンチ力もある。完成度の高いエンジンにモーターが直結されたことで、抜群のアクセルレスポンスと高回転域まで伸びのある加速力を誇る。とてもパワフルで、気持ちの良いパワーユニットに仕上がった。
加えて後輪側にはeAxle(イーアクスル)という水冷式高出力モーターを装備し、出力は80.2ps&169Nmだ。このモーターにより、RSの前後トルク配分は前100:後0から前20:後80と幅広い範囲で制御可能となった。走行シーンによりきめ細かく制御される。
後輪操舵システムのDRSと組み合わされたことで、カーブではクルマの大きさを感じさせない軽快なハンドリングを披露した。登坂ではFR(後輪駆動)車のように、リヤタイヤにしっかりとトルクを分配する。アクセルコントロールで自在にクルマの向きを操作できるような制御で、FF(前輪駆動)車がベースとは思えない運転の楽しさも感じた。
クラウンクロスオーバーのサスペンションは、2.4L、2.5Lターボ車共に柔らかめだ。高級車らしく、乗り心地を重視した仕様である。カーブでは車体の傾きが大きめに出るので、スポーティさはあまり感じられなかった。よりスポーティな走りを望む人は、今後投入予定のクラウンスポーツに期待して欲しいとのことだ。
乗り心地と静粛性の比較でも、クラウンクロスオーバーがハリアーを上回る。ハリアーハイブリッドの乗り心地も悪くは無い。だが、クラウンクロスオーバーの乗り心地がとくに優れているのだ。
これには、新開発のマルチリンクサスペンションが実力を発揮している。ハリアーハイブリッドでは、多少タイヤのゴツゴツ感や路面のザラザラした感じが伝わってきたが、クラウンクロスオーバーはこうした感覚がほとんど伝わってこない。
大径21インチタイヤをしっかりと履きこなし、ソフトでゆったりとした乗り心地を提供してくれた。クラウンクロスオーバーの乗り心地は、トヨタブランドの中で最良と言える。
静粛性も同様だ。ハリアーハイブリッドも高いレベルにあるが、クラウンクロスオーバーはさらにその先を行く。車外の騒音を見事にカットし、エンジンが始動したことが分からないほどの静粛性を得た。この静粛性の高さもトヨタブランドトップレベル。まさに、クラウンの名に恥じない静粛性と乗り心地だった。
多くの部分でハリアーハイブリッドを上回る走行性能を誇るクラウンクロスオーバーだが、悪路は苦手だ。クラウンクロスオーバーの最低地上高は、わずか145mmである。先代クラウンが135mmだったので、一般的なセダン並みの高さだ。この最低地上高で悪路に入るのはリスクが高い。
一方、ハリアーハイブリッドの最低地上高は190mmと十分だ。ラグジュアリーSUVだが、悪路でも十分に走行できる。ただしリヤの駆動力はモーターなので、少しトルクが小さくトラクション不足を感じる。ハードな悪路での走行は難しい。
クラウンクロスオーバー VS ハリアー比較の結果は? 続きをcar-topicsで見る
両車とも超絶高リセールバリューが期待できる
8.リセールバリュー比較
クラウンクロスオーバーの評価 4.5
ハリアーの評価 4.5
トヨタ車は、総じて高リセールバリューを維持しているケースが多い。加えて人気のSUVであることや、新車納期が超長期化によって、リセールバリューはかなり高い傾向にある。
クラウンクロスオーバーは、転売目的の未使用車が徐々に増えてきている。新車価格を大幅に上回る価格が付く状態がしばらく続くとみられているので、リセールバリューもかなり高値となることは確実だ。新車販売も好調なので、長期的にみても高リセールバリューを維持するだろう。
ハリアーハイブリッドも、転売目的の未使用車が流通している。クラウンクロスオーバーほどの高値ではないものの、新車価格を軽くオーバーしている車両がほとんどだ。
ハリアーハイブリッドも納期が超長期化しているので、新車購入を諦めた人が高年式の中古車を買う傾向にある。中古車相場は急上昇し、現行モデルでは、ほとんどの車両が新車並みの中古車価格となっている。ハリアーハイブリッドのリセールバリューも非常に高くなっている。
新車の超長期納期が解消されない限りは、異常ともいえる高リセールバリューが続くと予想できる。仮に異常事態が収束しても、歴代ハリアーはとても高いリセールバリューを誇ってきた人気モデルなので、乗換え時にも十分メリットのあるモデルだ。
<レポート:大岡智彦>
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トヨタ クラウンクロスオーバー 価格・スペック
クラウンクロスオーバー価格
2.5Lハイブリッド(4WD)
CROSSOVER G | 4,750,000円 |
CROSSOVER G “Advanced・Leather Package” | 5,700,000円 |
CROSSOVER G “Advanced” | 5,100,000円 |
CROSSOVER G “Leather Package” | 5,400,000円 |
CROSSOVER G X | 4,350,000円 |
2.4Lターボハイブリッド(4WD)
CROSSOVER RS | 6,050,000円 |
CROSSOVER RS “Advanced” | 6,400,000円 |
クラウンクロスオーバー 燃費、ボディサイズなどスペック
代表グレード | クラウンクロスオーバーGアドバンスト・レザーパッケージ |
ボディサイズ | 4,930mm×1,840mm×1,540mm |
ホイールベース | 2,850mm |
最低地上高 | 145mm |
最小回転半径 | 5.4m |
車両重量 | 1,790kg |
総排気量 | 2,487cc |
エンジン種類 | A24A-FXS型 直4 DOHC |
エンジン最高出力 | 137kW(186ps)/6,000rpm |
エンジン最大トルク | 221N・m/3,600~5,200rpm |
フロントモーター最高出力 | 88kW(119.6ps)/-rpm |
フロントモーター最大トルク | 202N・m/-rpm |
リヤモーター最高出力 | 40kW(54.4ps)/-rpm |
リヤモーター最大トルク | 121N・m/-rpm |
駆動用バッテリー種類 | バイポーラ型ニッケル水素 |
WLTCモード燃費 | 22.4km/l |
サスペンション前/後 | マクファーソンストラット/マルチリンク |
タイヤサイズ | 225/45R21 |
トヨタ ハリアーハイブリッド 価格・スペック
ハリアーハイブリッド価格
2.5Lハイブリッド(4WD)
S | 3,938,000円 |
G | 4,339,000円 |
Z | 4,848,000円 |
Z レザーパッケージ | 5,148,000円 |
ハリアーハイブリッド 燃費、ボディサイズなどスペック
代表グレード | ハリアーハイブリッド Z レザーパッケージ |
ボディサイズ | 4,740mm×1,855mm×1,660mm |
ホイールベース | 2,690mm |
最低地上高 | 190mm |
最小回転半径 | 5.7m |
車両重量 | 1,750kg |
総排気量 | 2,487cc |
エンジン種類 | A24A-FXS型 直4 DOHC |
エンジン最高出力 | 131kW(178ps)/5,700rpm |
エンジン最大トルク | 221N・m/3,600~5,200rpm |
フロントモーター最高出力 | 88kW(120ps)/-rpm |
フロントモーター最大トルク | 202N・m/-rpm |
リヤモーター最高出力 | 40kW(54ps)/-rpm |
リヤモーター最大トルク | 121N・m/-rpm |
駆動用バッテリー種類 | リチウムイオン |
WLTCモード燃費 | 21.6km/l |
サスペンション前/後 | マクファーソンストラット/ダブルウィッシュボーン |
タイヤサイズ | 225/55R19 |
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