スバル レヴォーグ レイバック後悔・失敗しないための試乗記・評価 ニッチ戦略は〇? それとも✕? 燃費、価格は?
スバル レヴォーグ レイバック試乗記・評価の目次
- 都会的なクロスオーバーSUVが新型レヴォーグ レイバック
- さり気ないタフネスさとラグジュアリーの融合
- やや唐突感のある1.8Lターボエンジンだが後悔しない!? でも、燃費は?
- しなやかさが際立つフットワーク
- 静粛性、乗り心地共にレヴォーグを上回る!?
- 豪華装備が標準装備で、コスパはレヴォーグ以上!? レイバックの価格は?
- トヨタと同じではダメ? スバル流ニッチ戦略!
- 新型スバル レヴォーグ レイバック、失敗・後悔しないためのグレード選び 価格も予想
- 新型スバル レヴォーグ レイバックの燃費を予想
- スバル レヴォーグ レイバック価格予想
- スバル レヴォーグ レイバック燃費、ボディサイズなど諸元表
都会的なクロスオーバーSUVが新型レヴォーグ レイバック
日本のスバルファンのために開発され、送り出された快速AWDスポーツワゴンがレヴォーグだ。その第2世代は、デザインが輝きを増しただけでなく自慢の走行性能と安全性能もワンランク高いレベルへと引き上げられた。
だが、アウトドアイメージを好むスバルの一部ファンからは物足りなく感じられたのも事実である。XVからバトンを託されたクロストレックの販売は好調だ。しかし、もう少しボディサイズが大きく、都会的なイメージのクロスオーバーSUVが欲しい、という声も聞かれた。そういったファンの声に応えて開発され、送り出されたのがレヴォーグシリーズに追加された「新型レヴォーグ レイバック」である。
ターゲットにしたのは、安全性、利便性、そしてデザインにこだわる30〜60代のファミリー層だ。そのため、レヴォーグの美点であるスポーティさと先進安全はそのままに、上質ムードを加味し、SUVの醍醐味である走破性能にも磨きをかけた。
さり気ないタフネスさとラグジュアリーの融合
エクステリアは、サテンメッキの加飾で力強さとでワイド感を強調した専用フロントマスクを採用。フェンダーまわりには、サイドクラッディングを追加することで踏ん張り感を演出した。
最低地上高は200㎜に引き上げられ、足もとは225/55R18サイズのオールシーズンタイヤとスーパーブラックハイラスター塗装のアルミホイールの組み合わせだ。
インテリアもラグジュアリーな仕立てとしている。運転席10ウェイ&助手席8ウェイパワーシートと10スピーカーのハーマンカードンサウンドシステムをおごり、メーターは12.3インチのフル液晶、センターインフォメーションディスプレイは11.6インチの大型サイズだ。
アッシュとカッパーステッチのオシャレなシートとトリムも目を引く。トリコットとファブリックのコンビシートが標準だが、オプションでレザーシートも用意した。
やや唐突感のある1.8Lターボエンジンだが後悔しない!? でも、燃費は?
最終プロトタイプのステアリングを握ったのは、佐渡島を代表する観光道路の大佐渡スカイラインだ。注目のパワーユニットは、1795ccのCB18型水平対向4気筒DOHC直噴ターボだけを設定している。これにパドル付きCVTのリニアトロニックを組み合わせた。
財布にやさしいレギュラーガソリン仕様だが、ターボ車らしい軽やかな加速を披露する。リニアでダイレクト感のある加速フィールは、最新作のレイバックでも健在だ。ほとんどのステージでパワー不足を感じさせなかった。力強さという点では後悔することはないだろう。
新型レヴォーグ レイバックの試乗コースとなった大佐渡スカイラインは、アップダウンがあり、道が狭いうえにタイトなコーナーが連続する。登坂路で非力と感じさせないように、と配慮しているのか、発進直後はターボが過敏に反応し、唐突な加速と感じることが何度かあった。
最近はフラットなトルク特性のターボ車が多いが、新型レヴォーグ レイバックは坂道でアクセルを踏み込んだときの初期応答性が鋭く、ちょっと戸惑った。
平坦路や下り坂では、リニアトロニックの巧みな制御によりスピードをコントロールしやすい。パンチの利いたSモードもいいが、Iモードのジェントルな走りが新型レヴォーグ レイバックには似合っている。
気になるレヴォーグレイバックの燃費は、基本的にベースとなるレヴォーグに準ずる。レヴォーグの燃費が、13.6~13.7㎞/L(WLTCモード)。最低地上高が高くなったこと、ボディサイズが少し大きいことなどのマイナス要因が加わるので、若干だが燃費は悪化するのは避けられない。だからといって、大幅に燃費が悪くなることはないので、心配は無用。レヴォーグレイバックの燃費は、レヴォーグよりわずかに悪くなるくらいだろう。
しなやかさが際立つフットワーク
新型レヴォーグ レイバックは、スバル・グローバル・プラットフォーム(SGP)に加え、フルインナーフレーム構造を採用。サスペンションは、レヴォーグと同じストラットとダブルウイッシュボーンの組み合わせだ。
だが、タイヤの大径化とレイバックの性格に合わせ、ダンパーやコイルスプリングなどの最適化を図った。電動ステアリングは2ピニオン式を受け継いでいる。強靭なプラットフォームと相まって、前後のサスペンションはしなやかに動く。
オールシーズンタイヤを履いているが、ワインディングロードでしたたかな接地フィールを披露した。連続するコーナーでは軽やかな身のこなしを見せ、クルマの挙動は素直だ。
タイトコーナーや切り返しのあるコーナーでもアンダーステアに悩まされないのがいい。ホットな走りではそれなりにロールは許すが、ジワッと車体が傾き、頭部や身体の揺れと動きを上手に抑え込んでいる。もちろん、素直なハンドリングを受け継いでいるから狙ったラインに乗せやすいし、修正舵をあててラインを引き戻すのも難しくなかった。
静粛性、乗り心地共にレヴォーグを上回る!?
電動ステアリングは、意識して操舵初期の応答フィールを過度にクイックにせず、スッキリとさせている。操舵時の重さも想定内だ。タイトコーナーでも速い走りでも扱いやすい。
リニアリティあふれる軽やかな走りに加え、乗り心地のよさも高く評価できる。試乗した大佐渡スカイラインは凹凸がたくさんあり、評価には最適な場所だった。ストローク感たっぷりのサスペンションは、継ぎ目や段差を乗り越えたときも路面からのショックを上手に受け流してくれる。
また、クルージング時はエンジン音も静かだ。レヴォーグと比べてもロードノイズの遮断は上手だし、同乗者との会話もわかりやすいなど、快適性は高い。
全長と全幅は少しだけ大きくなっている。だが、視界のよさと死界の少なさはレヴォーグ譲りだ。全幅も25㎜広がっているが、取り回し性は悪くなかった。最低地上高が200㎜になったことの弱点もまったくない。というより、少しヒップポイントが上がり、乗り降りしやすくなった。
豪華装備が標準装備で、コスパはレヴォーグ以上!? レイバックの価格は?
レヴォーグに追加された新型レイバックは、リミテッドEXだけのモノグレード設定だ。走りの装備と快適装備に加え、3つのカメラで危険回避性能を強化したアイサイトと、低速域でハンズオフが可能なクルーズコントロール機能をもつアイサイトXも標準装備とした。
新たに加わったフロントビュー自動表示も、見通しの悪い交差点などでは重宝する。気になるレヴォーグ レイバック車両価格は、レヴォーグのSTIスポーツとGT-H EXの間だと言われているから、買い得感と魅力は大きいと言えるだろう。土臭さを感じさせない粋な4WDクロスオーバーSUVの誕生だ。懐が深く、走りの奥行きを増したレヴォーグのレイバックの正式発売、今から楽しみである。
<レポート:片岡英明>
トヨタと同じではダメ? スバル流ニッチ戦略!
新型スバル レヴォーグ レイバックのようなステーションワゴンベースのクロスオーバーSUVは、国産車ではレガシィ アウトバックのみ。国産他メーカーからは、発売されていないニッチなモデルとなる。
スバル以外の国産メーカーが参入しない理由は、多くの販売台数が見込めないからだ。それでも、スバルがあえてニッチカテゴリーに参入する理由はシンプル。例えば、トヨタと同じことをしていても、圧倒的な営業力をもつトヨタには勝てないからだ。あえて、ニッチなカテゴリーに参入することで、スバルに対してロイヤリティの高い顧客をより満足させ、長期間に渡りスバルファンでいてもらうことを選択している。
こうした戦略を取るメーカーは、他にもある。例えば三菱のデリカD:5。オフローダー的ミニバンは、国内外でデリカD:5だけともいえるほどニッチなカテゴリー。デリカD:5も販売台数こそ少ないものの、安定して売れているのが特徴。多くのファンに愛され、順調に売れている。
こうしたニッチモデルは、一部のファン用モデルながら、80%ではなく100%顧客を満足させるモデルであることが重要。新型スバル レヴォーグ レイバックもそんなニッチ戦略モデルとして、存在感をアピールできるか注目される。
新型スバル レヴォーグ レイバック、失敗・後悔しないためのグレード選び 価格も予想
すでにレポートした通り、新型レヴォーグ レイバックは、リミテッドEXと呼ばれる1グレードのみの設定。エンジンも1.8Lターボのみだ。新型レヴォーグ レイバックには、より余裕のある2.4Lターボが最も似合うように感じるが、選択肢を与えられていないのは残念なポイント。
しかし、装備はかなり充実。低速域でハンズオフが可能なクルーズコントロール機能をもつアイサイトX、11.6インチセンターインフォメーションディスプレイ、ハーマンカードンサウンドシステム、ハンズフリーパワーリヤゲートなど豪華装備も標準装備で満足度は高い。
オプション設定は、本革シートやサンルーフ、スマートリヤビューミラーが用意された。オプションもこの3つとシンプルだ。オシャレで豪華な本革シートがお勧めだ。その一方で、ディーラーオプションは、かなり豊富だ。
取材時、スバル関係者から聞けたのは、新型レヴォーグ レイバックのコストパフォーマンスに優れているという点。上記のような豪華装備を標準装備化しながら、レヴォーグレイバックの価格は抑え気味だという。つまり、新型レヴォーグ レイバックは、レヴォーグ以上にコストパフォーマンスに優れたモデルということになる。
そこで、新型レヴォーグ レイバックの価格を予想。価格は、レヴォーグの上級グレードSTIスポーツEXより安価で、GT-H EXよりやや高めと予想。おおよその価格は、400万円前後になるとみられる。新型レヴォーグ レイバックの価格にも期待したい。
新型スバル レヴォーグ レイバックの燃費を予想
新型レヴォーグ レイバックの燃費に関しては、スバルからのインフォメーションは無かった。1.8Lターボエンジン搭載したレヴォーグの燃費は、13.6~13.7㎞/L(WLTCモード)。
新型レヴォーグ レイバックは、レヴォーグより約20㎏車重が増していることや、最低地上高が145mmから200mmにアップしたこと、ボディサイズが大きくなっていることなどを含めると、若干、レヴォーグより新型レヴォーグ レイバックの燃費は悪化すると予想できる。燃費悪化はわずかだろう。そこで、新型レヴォーグ レヴォーグの燃費は、13.2~13.5㎞/L(WLTCモード)程度と予想した。これくらいの燃費悪化なら、スバルファンなら許容範囲ではないだろうか。
スバル レヴォーグ VS トヨタ カローラツーリング徹底比較
スバル レヴォーグ レイバック価格予想
・レヴォーグ レイバック価格予想 400万円前後
スバル レヴォーグ レイバック燃費、ボディサイズなど諸元表
代表グレード レヴォーグ レイバック リミテッドEX
ボディサイズ 全長×全幅×全高[mm]: 4,770x1,820x1,570
ホイールベース[mm]: 2,670
最低地上高[mm]: 200
最小回転半径[m]: 5.4
車両重量[kg]: 1,600
トランク容量[L]:492+69(荷室下サブトランク分)
エンジン型式、種類:CB18型 水平対向DOHC16バルブ4気筒直噴ターボ
総排気量[㏄]:1,795
最高出力[kw(ps)/rpm]:130(177)/5,200-5,600
最大トルク[N・m(kg-m)/rpm]:300(30.6)/1,600-3,600
WLTCモード燃費[km/L]:-
駆動方式:4WD
ミッション:リニアトロニック(CVT)
サスペンション前/後:ストラット/ダブルウィッシュボーン
タイヤサイズ前後:225/55R18(オールシーズンタイヤ)
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