日産ノート ニスモS(NOTE NISMO S)試乗記・評価 1度は乗れ! 使いきれる適度なパワーと、乗り心地を犠牲にしないスポーティなハンドリング性能

はてなブックマークに追加 Googleブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録
【日産】2015/10/10

 

日産ノート ニスモS(NOTE NISMO S)

日産ノート ニスモ(NISMO) シリーズは、ノート をベースに、ニスモが内外装に専用の仕様を与え、エンジンや足回りなどにもチューンを施したたノート ニスモと、さらに専用エンジンを搭載し、5MTを搭載したノート ニスモSの2モデルを追加設定した。

日産のモータースポーツ部門を受け持つニスモは、多くのレースで実績を残しているが、最近はレースフィールドから得られたノウハウを生かした市販車作りにも力を入れるようになってきた。ノート ニスモは市販車ベースのニスモモデルとしては、マーチ ニスモやフェアレディZニスモ GT-Rニスモジューク ニスモRSに続く5番目のモデルである。

試乗したのは、よりこだわったチューニングが施されたノートニスモSのほうだ。ベースのノートには、国内では3気筒1.2Lエンジンと1.2Lスーパーチャージャーが搭載されている。ノートニスモは、1.2Lスーパーチャージャー仕様エンジンをベースとしている。

しかし、ノートニスモSの搭載エンジンは、国内のノートには設定の無い1.6L自然吸気DOHCのHR16DE型が搭載されている。それもニスモののチューンを受けて103kW(140ps)/163N・mを発生。標準のノートとは全く違う走りを示すのは当然だ。

今どきのエンジンとしては、103kWという数字はそんなに凄い数字ではない。だが、排気量によって低速域のトルク感が確保された上で、ニスモチューンによる吹き上がりの良さがプラスされる。ノートニスモS専用となる5速MTも用意され、きっちり高回転まで回るだけでなく、回ったときに気持ち良いエンジン音や排気音を聞かせてくれるので、スポーツモデルを操っているという気分にさせられる。

1.6Lエンジンの実力は、正直なところ箱根ターンパイクの急な登りでは物足りないシーンもあるくらいだ。でも逆にいえば、それだけアクセルを開けられるということでもある。大パワーであるがゆえに、アクセルを開けられないクルマに比べたら、ずっと気持ち良く走れるのだ。エンジンパワーを使いきる楽しさがある。ビギナーユーザーには、こうした気持ち良さを知ってほしいと思う。

日産ノート ニスモS(NOTE NISMO S)
日産ノート ニスモS(NOTE NISMO S)
日産ノート ニスモS(NOTE NISMO S)
 
日産ノート ニスモS(NOTE NISMO S)

■さすがニスモ! ボディ強化の恩恵で、乗り心地と高い操縦安定性を確保

日産ノート ニスモS(NOTE NISMO S)

 ノートニスモSの足回りは、良くできている。スポーツモデルにありがちな、硬い乗り心地ではないのだ。これは路面の良いターンパイクを走らせたためでもあるが、高い操縦安定性を確保しているのに乗り心地が硬くない。

もちろん、標準のノートに比べたからはるかに硬い足回りであるが、乗り心地をスポイルしていないのは、ボディを含めた補強によって足回りがしっかりストロークしているからだろう。これまた走りの気持ち良さにつながる。

ノートは、コンパクトなボディのクルマなので、自然吸気エンジンを搭載したマニュアル車を運転していると、本当に自分でクルマを動かしているという実感を強く持つことができる。標準のノートをこれくらいに仕上げたら、日本車全体のレベルがグンと高くなると思うが、標準車に対して良くなっている部分には確実にコストがかかっているので、そう簡単にはいかないのだろう。

ノートニスモとノートニスモSは、標準車に対して内外装の仕様に大きな違いが設けられている。試乗したニスモSを中心に紹介すると、ニスモ専用にチューニングされたレカロのシートがオプションで用意されるのがまず注目されるところ。バケットタイプで運転姿勢を保ちながらしっかりしたハンドル操作ができるシートだ。内装は、ほかにアルミ製のペダルやフットレストなどが専用の仕様だ。

 

ひと目でノートニスモSと分かるスポーティな外観デザイン

 外観デザインはやや控えめながら、前後バンパーやサイドシルプロテクター、ドアミラーなどにニスモの赤が使われ、標準車との違いを強調している。ニスモSでは16インチのポテンザRE080タイヤが装着されている。ひと目でニスモと分かる仕様である。

内外装の仕様を中心としたノートニスモが195万円ほどで、専用エンジンやミッションが用意されたノートニスモSが224万円ほどの価格。この価格差であれば、ニスモS選びたいと思うが、AT免許や家族の問題でMT車は乗れないという人もいるだろう。また、いきなりニスモSではハードルが高過ぎるという人などは、通常のニスモでも十分楽しめる。ノートニスモSは、そういう意味ではかなりふっ切れた人が乗るこだわりのハイパフォーマンスカーといえるだろう。これだけのパフォーマンスをもちながら、ノートニスモSの価格は約224万円。これは、バーゲンプライスといえる。

日産ノート ニスモS(NOTE NISMO S)
日産ノート ニスモS(NOTE NISMO S)
日産ノート ニスモS(NOTE NISMO S)

■日産ノートニスモ/ノートニスモS価格

日産ノート ニスモS(NOTE NISMO S)

■日産ノートニスモ/ノートニスモS価格
・ノートニスモ CVT 1,967,760円
・ノートニスモS 5MT 2,244,240円

■ノートNISMO、ノートNISMO S共通の主要装備

NISMO専用フロントグリル、フロントバンパー、サイドシルプロテクター、リヤバンパー、ルーフスポイラー
NISMO専用LEDハイパーデイライト(車幅灯連動)
NISMO専用エンブレム(センタークラスター)
NISMO専用車速感応式電動パワーステアリング
NISMO専用レッドフィニッシャー(エアコン吹き出し口、プッシュエンジンスターター)
NISMO専用ダークシルバーフィニッシャー(センタークラスターサイド、パワーウインドウスイッチベース、オートエアコンセンター)
サイドターンランプ付電動格納式リモコンカラードドアミラー(NISMO専用レッド)
リヤフォグランプ
シャークフィンアンテナ
全4色のカラーバリエーション:
ブリリアントホワイトパール(3P) <特別塗装色>、ダークメタルグレー(M)、スーパーブラック、ブリリアントシルバー(M)

<NISMO専用装備(上記共通装備に加えて)>

NISMO専用本革・アルカンターラ巻3本スポークステアリング(レッドセンターマーク、レッドステッチ付)
NISMO専用エンブレム(フロント・リヤ)
NISMO専用サスペンション
NISMO専用チューニングコンピューター(ECM)
NISMO専用シート地(トリコット)&専用ドアトリムクロス
NISMO専用シフトノブ&シフトベース
NISMO専用エキゾースト(φ85)
NISMO専用ボディ補強(フロントトンネルステー/リヤトンネルステー)
ブリヂストンPOTNZA RE080(195/55R 16 87V)タイヤ&16インチアルミホイール

<NISMO S専用装備(上記共通装備に加えて)>

NISMO S専用本革・アルカンターラ巻3本スポークステアリング(レッドセンターマーク、レッドステッチ付)
NISMO S専用エンブレム(フロント・リヤ)
NISMO S専用サスペンション
NISMO S専用チューニングコンピューター(ECM)
NISMO S専用エキゾーストシステム(φ100)
NISMO専用ブレーキシステム(リヤディスクブレーキ)
NISMO専用スエード調スポーツシート(nismoロゴ入り、レッドステッチ付)&ドアトリムクロス
NISMO専用コンビメーター(nismoロゴ入り、260km/hスケール)
NISMO専用シフトノブ&シフトベース(レッドフィニッシャー付)&シフトブーツ(レッドステッチ付)
NISMO専用アルミ製アクセル・ブレーキ・クラッチペダル、フットレスト(nismoロゴ入り)
NISMO専用ブリヂストンPOTENZA S007(205/45R17 84W)タイヤ&17インチアルミホイール
NISMO専用ボディ補強(フロントトンネルステー/リヤトンネルステー、フロントサスペンションメンバーステー、リヤクロスバー、リヤアンダーフロアVバー、リヤサスペンションメンバーステー)
NISMO専用エアインテークシステム
HR16DEエンジン(NISMO S専用チューン)エンジンの最高出力は103kW(140PS)/6400rpm、最大トルクは163N・m(16.6kgf・m)/4800rpm
5速マニュアルトランスミッション

 

価格.com 自動車保険

 

■日産ノートニスモSスペック、燃費、パワーなどスペック

代表グレード 日産ノートニスモS
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 4,190×1,695×1,515mm
ホイールベース[mm] 2,600mm
トレッド前/後[mm] 1,470/1,470mm
車両重量[kg] 1,080kg
総排気量[cc] 1,597cc
エンジン最高出力[kw(ps)/rpm] 103(140)/6400
エンジン最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] 163(16.6)/4800
ミッション 5速MT
タイヤサイズ 205/45R17
定員[人] 5人
税込価格[円] 2,244,240円
レポート 松下 宏
写真 編集部
 

【関連記事】

(レポート:松下 宏

【オススメ記事】

【関連記事】

【オススメ記事】