6代目新型日産セレナ(C28)試乗記・評価 仕上がり上々、新e-POWER搭載!

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【日産】2022/11/28

6代目新型日産セレナ フロントスタイル

国内販売を支える基幹車種がセレナ

 

2022年11月28日、6代目新型日産セレナ(C28型)がデビューした。ガソリン車を2022年冬から、e-POWER 車を2023年春に発売する。そんな新型6代目日産セレナに試乗した。

セレナは、国内日産にとってとても重要な車種。国内販売でメインとなっているのは、デイズやルークスといった軽自動車にノートシリーズ。この3車種で、全体の5割弱を占め、収益の高く売れているモデルが少ないのが現状。

セレナは、唯一、大人気Mクラスミニバンであるトヨタ ヴォクシーと同等レベルの販売台数を誇るモデルだ。それだけに、新型セレナの売れ行きは、日産の国内販売の運命を握っている。

 

セレナのDNA「BIG, EASY, FUN」を継承した6代目

 

当然、6代目新型セレナ(C28)のフルモデルチェンジは、かなり力が入っている。まず、初代から受け継いできた「BIG, EASY, FUN」を継承しながら、徹底的に磨き上げた。

その上で、6代目新型セレナでは、コンセプトを「みんながおでかけを快適に楽しめる。家族との遠出を最大限楽しむためのミニバン」として開発された。

まず、BIGでは、クラストップレベルの室内長を確保。3列目のシートスライドは、セレナだけだ。BIGと関係は無いが、運転席からの視界もよいのも特徴。安全面だけでなく、運転もしやすいと感じるはずだ。

そして、EASYでは、プロパイロットリモートパーキングなどの先進技術で運転をサポート。

今回、新しく投入された最上級グレード「ルキシオン(LUXION)」には、高速道路上で一定の条件を満たすとハンズオフで走行できる最先端の運転支援システムである「プロパイロット2.0」が標準装備されている。

この機能は、運転が苦手な人が運転するよりクルマの動きがスムースで安全と感じるほど高いレベルにある。高速走行中ハンズオフできる車種は、まだまだわずかしかなく、Mクラスミニバンに標準装備されたことは高く評価できる。より、多くの人が安全で快適な移動が可能となるからだ。

FUNでは、車内Wi-Fiを用意。車内でゲーム機なども使えるようになった。また、e-POWERには100V1500W電源が用意された。この機能を使うと、アウトドアで炊飯器やレンジ、電気ストーブなど家電が使えるようになり、キャンプなどでは、新しい楽しみ方ができる。そして、災害時などには、電源車としても使えるなど、もしもの時に頼りになる。

6代目新型日産セレナ リヤスタイル

 

 

新開発1.4L e-POWER搭載!

 

そして、驚いたのがパワーユニット。エクストレイルに搭載された世界初量産可変圧縮比機能をもつ1.5L VCターボをベースとしたe-POWERユニットが搭載されると思われた。しかし、6代目新型セレナ(C28)に搭載されたのは、新開発で発電専用ともいえる1.4LのHR14DDe型が搭載された。

この1.4Lエンジンは、先代の1.2Lと比べると出力を16%アップした98ps(72kW)となった。モーターは、先代セレナやリーフと同じEM57型。エンジンの出力が上がったことで、発電能力もアップ。発電能力の向上により、モーター出力も先代セレナの136ps&320Nmから、163ps&315Nmにアップしている。

6代目新型日産セレナ e-POWER

 

では、なぜ6代目新型セレナ(C28)には、エクストレイルに搭載された1.5L VCターボのe-POWERが使われなかったのか? その答えは明確。コストと販売価格が主要因だった。

まず、6代目新型セレナ(C28)に、204ps&330Nmを誇るe-POWERはオーバークオリティと判断された。さらに、VCターボe-POWERは、コストが高く販売価格も高くなるため、6代目新型セレナには不向きとされたのだ。VCターボe-POWERの完成度が非常に高かったため、6代目新型セレナに非搭載となったのは、少々残念に感じた。

だが、この1.4Le-POWER、想像以上に出来がよかった。バッテリーの電力が十分であれば、アクセルを軽く踏んでいる状態では、ほぼモーターのみで走行。走りだして少しするとエンジンが始動するが、エンジンの存在感がない。気にしていないと、エンジンが始動したことも気が付かないほど。振動も少なくエンジン音などの騒音が、しっかりと抑え込まれていて静粛性はとても高い。

先代セレナのe-POWERでは、信号待ちでもバッテリー残量が少ないとガンガンエンジンを回し発電していたが、6代目新型セレナは非常にスマート。バッテリー残量が少なくても、停止時や低速走行時にはなるべくエンジンを始動しない制御になっている。こうした制御は、ノートにも採用されているが、より洗練された印象だ。

今回は試すことができなかったが、6代目新型セレナ(C28)ではナビで目的地設定すると、ナビ情報を基に目的地付近でEV走行できるよう、経路上での充放電をマネジメントをする世界初の技術も搭載されている。

また、6代目新型セレナ(C28)は、先代セレナに対して+27psアップの163psというモーター出力になった。この出力アップにより、6代目新型セレナはよりパワフルで伸びのある加速を披露。高速域で、ややパワー不足感があった先代セレナの弱点を完全に克服。気持ちよい走りに貢献している。

6代目新型日産セレナ インパネ

6代目新型日産セレナ メーター

 

 

燃費に影響大! ダイエットが必要なプラットフォーム

 

ただ、燃費に関しては微妙な数値となった。先代セレナの燃費値は、17.2~18.0㎞/L(WLTCモード以下同)。これ対して、6代目新型セレナは18.4~20.6㎞/Lとなった。先代モデルと比較すると大幅に燃費が向上している。

ライバル車であるホンダ ステップワゴンe:HEVの燃費は、19.5~20.0㎞/L。最上級グレードでは燃費で負けているものの、廉価グレードでは勝っている状態だ。

しかし、最大のライバルといえるヴォクシーハイブリッドの燃費と比較すると、大差が付いている。ヴォクシーハイブリッドの燃費は、23.0㎞/Lと飛び抜けている。

これだけの大差が付いた理由は、やはり車重が影響している。6代目新型セレナの車重は、1,790~1,850㎏。これに対して、ヴォクシーハイブリッドの車重は1,640~1,670㎏と150~180㎏も軽い。これだけ車重が異なると、燃費差も広がるのも当然だ。

6代目新型セレナの車重が重いのは、改良が加えられてきたとはいえ、C25型3代目セレナから継続され続けていること上げられる。ヴォクシーハイブリッドのプラットフォームは、最新のGA-Cベースの改良型。これでは、なかなか勝負にならない。燃費差は、パワーユニットの差というよりプラットフォームの差といえるだろう。

6代目新型日産セレナ センターコンソール

 

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グラグラしないフットワーク

 

6代目新型セレナでは、リヤサスペンション部分を刷新。サスペンションの剛性は50%、ロール剛性も20%もアップした。新開発ハイカット特性ショックアブソーバーも装備している。

こうした改良が加えられたことで、6代目新型セレナは、ゆったりとした穏やかな走りを得た。とくに感心したのは、ステアリングを切り出した瞬間のロール感。

先代セレナは、速度が高かったり急カーブだと車体がイッキにグラッと傾いた。当然、乗員も体が大きく振られる。これは、クルマ酔いの原因にもなる。しかし、6代目新型セレナでは、クルマがゆっくりと徐々に傾くのだ。そのため、ドライバーも乗員も安心感があり快適。しっかりと、フロントタイヤに荷重をかけてあげると、よく曲がるようになった。

ただ、運動性能という面では、ヴォクシーと比べると、明らかに重心が高い。ヴォクシーほど、高い速度域での安定感はない。この部分では、ヴォクシーがこのクラスで頭ひとつ抜け出している。

乗り心地は、評価が分かれそうだ。6代目新型セレナは、あくまでファミリーカーとしての乗り心地を重視。ややソフト系で、乗り心地はよい。先代セレナでは、やや強めに感じたリヤサスのゴツゴツした突き上げ感もかなり軽減されている。

ステップワゴンも同様の傾向。ヴォクシーは、操縦安定性重視のやや硬め。段差などでは、それなりに衝撃が伝わるものの、収まりはよく不快な印象はない。6代目新型セレナとヴォクシーとでは、走りの個性が異なるので、購入時はしっかりと試乗して比較してみるとよい。

ヴォクシーより明らかに良かったのは、アクセルレスポンス。ヴォクシーハイブリッドは、アクセル操作に対して反応が遅い部分が感じられた。しかし、6代目新型セレナ1.4Le-POWERのアクセルレスポンスは抜群。微小な操作に対してもしっかりと反応。スムースで伸びのある加速感も気持ちよい。

6代目新型日産セレナ 走行性能

 

 

ガソリン車の設定あり! しかし、進化幅が・・・

 

さて、6代目新型セレナには、従来通りMR20DD型2.0Lガソリンエンジン仕様も用意された。出力は150ps&200Nmと変更はない。燃費は13.0~13.4㎞/L。先代セレナは、13.2㎞/Lなのでほとんど進化はしていない。

ノートやエクストレイルでは、日産の電動車イメージをアピールするため、ガソリン車の設定はしなかった。しかし、やはり背に腹は代えられないのか、6代目新型セレナではしっかりと設定してきた。カーボンニュートラル時代なので、ちょっと残念な設定だ。

エンジンそのもののは、ほとんど進化していない。だが、CVTは改良した。リニアな出力特性に制御を変更。パドルシフトを追加している。進化幅が小さく、日産もあまり力を入れていないように見える。

1.4Le-POWERはFFのみだが、ガソリン車には4WDの設定がある。ガソリン車は、あくまで降雪地域用といった印象が強い。ヴォクシーには、ハイブリッドでも4WDがあるので、早急に1.4Le-POWERにも4WDが欲しいところだ。

2.0Lガソリン車の走行フィールは、パワーユニット以外の進化分があり乗り心地やハンドリング、静粛性などは、先代セレナを大幅に上回っている。よいクルマに仕上がっているものの、1.4Le-POWER車と比べるとかなり物足りなさを感じてしまう。

ハイウェイスターV同士の価格比較では、ガソリン車が約42万円安となる。かなり価格差があるので、とにかく予算重視というのであれば、ガソリン車も悪くはない。

6代目新型日産セレナ フロントシート

6代目新型日産セレナ セカンドシート

6代目新型日産セレナ サードシート

 

 

6代目新型日産セレナのグレード選び

 

時代はカーボンニュートラル。こうなると、やはり6代目新型セレナのグレード選びでは、1.4Le-POWER一択だ。ガソリン車は、4WDが必須であくまで予算重視という人向けだ。ただ、これからは電動車時代。純ガソリン車のリセールバリューが大幅に下落することも予想できる。そうなると、購入時の価格差も縮まるので、短期・中期での売却を考えているのなら、多少無理してでも1.4Le-POWERを選んだ方がよいかもしれない。

1.4Le-POWERでのグレード選びは、スポーティな仕様のハイウェイスターVがお勧めだ。ただ、この上級グレードでもオプション設定が多い。フルオプション化すると、最上級グレードで新グレードとなるルキシオン(LUXION)に近い価格になる。こうなると、ハンズオフ機能があるプロパイロット2.0を標準装備したルキシオンを選んだ方がよいだろう。

ルキシオンは、新グレードなのでリセールバリューがどうなるか不明だが、装備が充実しているのでハイウェイスター並みに高くなる可能性がある。

<レポート:大岡智彦

6代目新型日産セレナ 荷室

 

 

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6代目新型日産セレナ 分割式リヤゲート

6代目新型日産セレナ(C28型)価格

 

・e-POWER X  3,198,800円

・e-POWER XV  3,499,100円

・e-POWER ハイウェイスターV  3,686,100円

・e-POWER LUXION   4,798,200円

・X  2,768,700円

・XV  3,088,800円

・ハイウェイスターV  3,269,200円

<2022年12月21日セレナガソリン車4WDモデルの価格追記>

・X 3,034,900円

・XV 3,355,000円

・ハイウェイスターV 3,535,400円

6代目新型日産セレナ e-POWER LUXION

6代目新型日産セレナ オーテック

 

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6代目新型日産セレナ(C28)燃費、ボディサイズなどスペック

 

代表車種:e-POWER ハイウェイスターV

ボディサイズ:全長4,765×全幅1,715×全高1,870mm

ホイールベース:2,870mm

最小回転半径:5.7m

乗車定員:8名

最低地上高:135mm

車両重量:1,810kg

サスペンション形式 前/後:ストラット/トーションビーム

エンジン型式・種類:HR14DDe型 直3DOHC

排気量:1,433㏄

エンジン最高出力:72kW(98ps)/5,600rpm

エンジン最大トルク:123Nm(12.5kgf・m)/5,600rpm

フロントモーター最高出力:120kW(163ps)

フロントモーター最大トルク:315Nm(32.1kgf・m)

モーター型式:EM57

燃費(WLTCモード):19.3㎞/L

バッテリー種類:リチウムイオン

タイヤ前/後:205/65R16

 

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