2つの個性で低迷PHEVの販売増を狙う!?
トヨタはミドルサイズのSUVである新型RAV4 PHEV(60系)を2026年3月9日に発売する。
新型RAV4 PHEV(60系)は、2025年12月に発売された6代目新型RAV4をベースとしたPHEV。PHEV化したことで、6代目新型RAV4が追求する「どこへでも行けそう、なんでもできそう」という価値観をさらに拡げるモデルとして設定された。
新型RAV4(60系)の大きな特徴は、顧客ニーズの多様化に対応し、基準車ともいえるスタイリッシュな「Z」、流行りのアウトドア系デザインとした「Adventure」という2つの個性を設定。より自分好みのデザイン選べるようになっている。
こうしたユーザーニーズの多様性へ対応は、PHEVでも引き継がれた。「Adventure」の設定は見送られたものの、基準車の「Z」と走行性能を大幅に高めた「GR SPORT」と2タイプが設定された。これにより、新型RAV4は、ハイブリッド2タイプ、PHEV2タイプ、計4タイプから選択できるようになっている。
外観はほとんど一緒なのだが、ZハイブリッドとZ PHEVでは、PHEVの車重が260㎏も重い。これだけPHEVの車重が重いと、ボディ補強やサスペンションの仕様変更など、最適化するために大きなコストアップとなる。
しかも、「GR SPORT」に専用パーツの開発も加わる。多額のコストを投入してでも、顧客ニーズに対応。PHEVのイメージリーダーに「GR SPORT」を据えて、PHEVの販売台数増を狙いたいトヨタの戦略を感じる部分だ。
とはいえ、新型RAV4 PHEV(60系)の月販基準台数は 700台。年間では8,400台になる。トヨタの新車販売店数であれば、もっと売れるようにも思える低めの数値目標だ。ただ、それでも先代となる5代目RAV4 PHEVデビュー時の月販目標台数は300台。約2.3倍も販売目標になっている。多くはないが、現実的な数値なのだろう。
EV航続距離150㎞! 電気自動車では不安な人にピッタリなPHEV
さて、新型RAV4 PHEVのPHEVシステムは、トヨタ車初となる新世代プラグインハイブリッドシステムを搭載した。新開発の大容量リチウムイオンバッテリーを採用。電力のロスを低減するSiC(シリコンカーバイド)半導体をPCU(パワーコントロールユニット)に採用した。
その結果、システム最高出力は、先代RAV4 PHEVの306㎰から329㎰へ23㎰もアップ。より、力強くモータードライブ車らしい豪快な走りが楽しめる。
また、バッテリー容量の増大と電力ロス低減技術によって、EV航続距離(充電電力使用時走行距離)は、先代RAV4 PHEVの約95kmから約150kmへと約55㎞アップした。EV航続距離や充電など、電気自動車に興味はあるが、まだ不安がある。そんな人には、まさにピッタリなモデルといえる。
PHEVで悩ましいのがバッテリー容量。バッテリー容量を増やせば、EV航続距離(充電電力使用時走行距離)は長くなるが、その分、車重は増加し電費面では効率が悪くなる。
しかも、車両価格も大幅アップする。つまり、EV航続距離(充電電力使用時走行距離)が長ければよいという単純なものでもない。ただ、EV航続距離が長くなる分、CO2の排出量は減ると予想できるので、環境性能という面ではプラスになるだろう。
そして、この大容量リチウムイオンバッテリーを活かし、新型RAV4 PHEVには、アクセサリーコンセント(AC100V・1500W/非常時給電システム付)+外部給電アタッチメント+ヴィークルパワーコネクターが標準装備されている。この機能があれば、AC100Vで1500W以内なら、車両を電源車として使え、アウトドアで家電製品が使用可能となり利便性は大幅に向上。さらに、災害などでの停電時も電源車となり、もしもの時に役立つ。
PHEVは環境によく、走りも楽しめる! を、具現化した「GR SPORT」
新型RAV4 PHEV「Z」グレードの外観デザインは、わずかだが変更が加えられている。「Z」グレードは、PHEV専用となるブラックのアクセントでフロントまわりやアンダーボディ、足元を引き締め、先進的かつスポーティな印象を高めた。
そして、やはり注目はPHEVにのみ用意された「GR SPORT」だ。「GR SPORT」は、専用デザインが施された。SUVに必要なのか? と、思わせるほどのスポーティなエアロパーツが装着されている。このエアロパーツ類は、空力の前後バランスを追求した性能と、スポーティなデザインを両立した機能美を実現した。ひと目で、他のRAV4とは異なることをアピールしている。
そして、駆動用リチウムイオンバッテリーも補強部材として活用。ボディ剛性の向上と低重心化を実現している。
こうした剛性アップされたボディを活かすために、「GR SPORT」ではサスペンション関連を中心としたライトなチューニングが施されている。
「パフォーマンスダンパー」は、車体に減衰特性を付与し、走行中に生じるボディの変形を素早く収束。車体の不快なねじれや振動、不安定な挙動を抑えることができる。そして、リヤサスペンションメンバーのブレース補強。よりダイレクトな操舵感を高めた。
剛性アップされたボディには、専用チューニングされたサスペンションが組み合わされた。微低速域から摩擦を細かく制御し、最適な減衰力を発生させることで、優れた操縦安定性を発揮する。その他、電動パワステの専用EPSチューニングも施され、スポーティグレードらしい手ごたえのある操舵感や的確な操作性が味わえる。
新型トヨタ RAV4 PHEV(60系)のグレード選びは?
新型RAV4 PHEV(60系)のグレードは、ZグレードとGR SPORTグレードの2タイプとなる。新車価格差は30万円GR SPORTが高価になる。
グレード間の装備差は、まず外観パーツ類がそれぞれ異なる。Zグレードに標準装備でGR SPORTに標準装備されていない装備は、アルミルーフレール、運転席・助手席(3段階温度設定)、運転席シートポジションメモリー(2メモリー付)、前席シートベンチレーション、運転席オートスライドアウェイ、アダプティブハイビームシステム[AHS]、LEDアクセントランプなどだ。
逆にGR SPORTグレード専用装備を除き、GR SPORT標準装備で、Zグレードに標準装備されていない装備は、アルミペダル、タコメーター、除電スタビライジングプラスシート(運転席)などになる。
前席シートベンチレーションなどが標準装備されているZグレードは、豪華仕様といったところ。GR SPORTグレードは、Zグレードほどではないものの十分な仕様といえる。むしろ、走行性能をアップするための専用装備類が多く、上手く差別化されている。
上手く差別化されたことで、グレード選びが難しい。端的に言えば、充実装備を重視するのであれば、Zグレード。走行性能を重視するのならGR SPORTグレードになる。
しかし、装備もよいZグレードの方がGR SPORTグレードの方が30万円も安価だ。こうなってくると、よほどGR SPORTグレードが好きという人以外は選びにくくなる。
また、困ったことに、リセールバリューという視点で見ると、やはりGR SPORTグレードの方が高値になる可能性が高い。リセールバリュー重視で、走行性能にこだわりたいのであれば、GR SPORTグレードという選択になる。
新型RAV4 PHEV(60系)のリセールバリューはどうなる?
新型RAV4 PHEV(60系)のリセールバリューを先代RAV4 PHEV(50系)の中古車相場から予想してみた。
*中古車相場は、2026年3月現在
先代RAV4 PHEV(50系)Zグレード中古車相場(2023年式):約420~460万円
2022年10月時の新車価格:約563万円
新車価格に対する中古車相場価格比:約75~82%
<参考>
先代RAV4 ハイブリッドG 4WD(50系)のリセールバリュー
先代RAV4 ハイブリッドG 4WD(50系)Zグレード中古車相場(2023年式):約360~430万円
2022年10月時の新車価格:約430万円
新車価格に対する中古車相場価格比:約84~100%
先代RAV4 PHEV(50系)の新車価格に対する中古車相場価格比は、ハイブリッド車と比べると、約9~18%も安価な数値となった。これは、PHEVは補助金が出ていたことが影響している。新車価格から補助金を引いた金額が本来の価格とみなされているようで、やや低めのリセールバリューになっている。
こうした経緯があるため、新型RAV4 PHEV(60系)も、あまりリセールバリューは高くならないと予想できる。ただし、オーナーは補助金を得ているので、リセールバリューが多少下がっても、それほど損するようなことはないだろう。
トヨタ RAV4 PHEV(60系)新車価格
・RAV4 Z 6,000,000円
・RAV4 GR SPORT 6,300,000円
日産エクストレイル(T33型)vs トヨタ ハリアーハイブリッド(80系)徹底比較
三菱アウトランダーPHEV VS トヨタRAV4 PHV(50系)徹底比較評価
トヨタ RAV4 PHEV(60系)燃費、航続距離、ボディサイズなどスペック
代表グレード RAV4 GR SPORT(E-Four)
ボディサイズ:全長4645×全幅1880×全高1685mm
ホイールベース:2690mm
車両重量:1990㎏
駆動方式:E-Four(4WD)
最小回転半径:5.7m
エンジン型式:A25A-FXS型 直列4気筒
排気量:2487㏄
エンジン最高出力:186PS(137kW)/6000rpm
エンジン最大トルク:229N・m(23.4kgf・m)/4400-4800rpm
フロントモーター型式:2VM型
フロントモーター最高出力:206PS(151kW)
フロントモーター最大トルク:208N・m(21.2kgf・m)
リヤモーター型式:4NM型
リヤモーター最高出力:55PS(41kW)
リヤモーター最大トルク:123N・m(12.5kgf・m)
システム最高出力:329PS(242kW)
WLTCモード燃費:21.5㎞/L
充電電力使用時走行距離(WLTCモード):145㎞
動力用主電池種類: リチウムイオンバッテリー電池
サスペンション前/後:ストラット/ダブルウィッシュボーン
タイヤサイズ前後:235/50R20
【関連記事】
- スズキ フロンクス VS ホンダWR-V 200万円台SUV選びに後悔・失敗しないための徹底比較・評価【対決】
- トヨタ RAV4(60系)新車情報・購入ガイド 知能化へ第1歩「アリーン」を初搭載! 【トヨタ】
- BYD SEALION 6 2025年12月に発表のPHEV! Japan Mobility Show 2025【その他】
- マツダCX-80 vs 日産エクストレイル クルマ選びに後悔・失敗しないための徹底比較・評価【対決】
- トヨタ クラウンセダン新旧比較 クルマ選びに後悔・失敗しないための徹底比較・評価【対決】
- 2025 バンコク国際モーターショーレポート<三菱編> 新型エクスフォースHEVデビュー!【BLOG】
- トヨタ プリウスPHEV新車情報・購入ガイド ブラックを使ったパーツ類で精悍さをアップした特別仕様車「G ナイトシェード(Night Shade)」を投入【トヨタ】
- マツダCX-80試乗記・評価 売れてるグレードなどを調べてみた! すべてに大人の余裕を感じた国内フラッグシップ3列SUV【マツダ】
- ホンダ WR-V vs トヨタ ヤリスクロス クルマ選びに後悔・失敗しないための徹底比較・評価【その他】
- トヨタ クレスタワゴン?! 群馬自動車大学校 東京オートサロン2025レポート【イベント・モーターショー】
【オススメ記事】
- トヨタ RAV4 PHEV(60系)新車情報・購入ガイド 優れた走りが楽しめるGR SPORTを設定!【トヨタ】
- ホンダ フリード新旧比較 後悔・失敗しないための新車購入ガイド【対決】
- BMW M135 xDrive(F70)試乗記・評価 割り切りが必要な乗り味【BMW】
- モータースポーツ、2つのカテゴリーで頂点を目指す!「トーヨータイヤ」東京オートサロン2026レポート【イベント・モーターショー】
- 中空リム採用で静粛性アップ!?「WEDS」 東京オートサロン2026レポート【イベント・モーターショー】
- サーキットからヴィンテージカーまで、「止まる」にこだわるブレーキの「DIXCEL」! 東京オートサロン2026レポート【イベント・モーターショー】
- ダイハツ e-ハイゼット カーゴ、e-アトレー新車情報・購入ガイド 価格高めでも装備は充実。使い勝手も良好!【ダイハツ】
- スズキ フロンクス VS ホンダWR-V 200万円台SUV選びに後悔・失敗しないための徹底比較・評価【対決】
- 三菱デリカD:5(CV系)新車情報・購入ガイド S-AWC採用で、走りの質がさらにアップ! 人気グレード&ボディカラーは?【三菱】
- コンパニオン&キャンギャル画像集 PART4 東京オートサロン2026レポート【イベント・モーターショー】
CORISM公式アカウントをフォローし、最新記事をチェック!
























