ホンダN-ONE e:(JG5系)試乗記・評価 違和感なく運転しやすい軽BEV! リセールバリューも予想!

ホンダN-ONE e:(JG5系)試乗記・評価の目次
なぜ、N-ONE e:なのか? どうして、N-BOX e:ではないのか?
「なぜホンダ初の軽乗用BEVが、新型N-ONE e:(JG5系)なのか?」と多くの人が疑問に思ったかもしれない。
ホンダには、軽自動車市場で圧倒的な人気を誇るスーパーハイトワゴン、N-BOXがある。本来であれば、日本で最も売れているN-BOXをBEV化するのが自然な流れだと考えるのが普通だろう。
事実、2025年度上期の販売台数を見ると、N-BOXは約9.8万台。一方、N-ONE e:のベースモデルであるN-ONEの販売台数は約0.9万台と、10倍以上の差がある。販売面で見れば、N-ONEをBEV化しても大きな台数は見込めそうにない。
成功モデルとされる日産サクラでさえ、年間販売台数は約0.6万台。月間では1,000台前後にとどまる。両側スライドドアをもち背が高いスーパーハイトワゴンのカタチでなければ、軽乗用BEV市場で主導権を握るのは難しいという実情があるからだ。
たとえN-BOX e:を投入して大ヒットしても、電動パワーユニットを月数千台単位で安定供給できるのか? 両側パワースライドドアを備えるN-BOXはもともと高価な車種であり、BEV化によりさらに価格が上昇すれば、果たして軽自動車市場で受け入れられるのか? そもそも、現在のBEV用パワーユニットをN-BOXの構造に搭載できるのか?——こうした課題が山積していることは想像に難くない。
むしろ、次期N-BOXのフルモデルチェンジにあわせて、BEVに最適化したパッケージングを施し、完成度の高い「N-BOX e:」を投入するという戦略なのかもしれない。
ただし、気になる動きもある。中国のBYDは、2026年にスーパーハイト系軽BEV「ラッコ」を日本市場に投入すると発表している。この「BYDラッコ」の価格設定や販売状況次第では、今後登場が予想されるN-BOX e:の方向性に、大きな影響を及ぼす可能性があるだろう。
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N-ONE e:の外観デザインは「N-ONE」とはまったく異なる

車名こそ同じN-ONEだが、新型N-ONE e:の外観、特にフロントフェイスは、ガソリンモデルのイメージを継承しているものの、全く異なるデザインに仕上がっている。
ボンネットフードの位置は高められ、より存在感のあるフロントマスクへと進化。ヘッドライトも刷新され、LEDランプの外周を円形に囲むリング状のデイタイムランニングライトを採用し、クリッとした可愛らしい“目元”を演出している。
左右のヘッドライトをつなぐブラックのカバーはスクエア形状となり、中央部分には充電ポートを配置。向かって左側が普通充電口、右側が急速充電口だ。
フロントバンパー下部のエアインテークは小型化され、真正面から見ると“おちょぼ口のタヌキ”のような表情に。愛着が湧くデザインとなっている。

リヤビューも変更点が多い。リヤガーニッシュが廃止され、ナンバープレートの取り付け位置が下方に移動。これにより視覚的な重心が下がり、より安定感のある印象となった。リヤコンビネーションランプは、ホワイトリングタイプへと変更され、クリーンで洗練されたイメージを醸し出している。

注目すべきは、新型N-ONE e:の全高が1,545mmに設定された点だ。都市部のシティコミューターとしての使用を想定するなら、使い勝手の良さは極めて重要。とりわけ、全高制限が1,550mm以下に設定されていることの多い、やや古い立体駐車場にも対応できるため、日常使いの利便性が高まっている。
より運転しやすくなった新インパネデザイン

外観デザインと同様に、インパネまわりも新たな意匠が採用されている。水平基調のシンプルなデザインとし、ダッシュボード上部はノイズレスでスッキリとした印象に仕上げられている。

また、ボンネット位置の上昇とシートの着座位置が高められたことで、左右の見切りが良くなり、車両感覚がつかみやすい。視界も広がり、運転のしやすさが向上している。
さらに、自然なドライビングポジションを確保するため、ステアリングは従来よりも37mmドライバー側に近づけられた。軽自動車では珍しいテレスコピック(前後調整)機構も継続採用されており、自分好みのポジションに細かく調整できる。視界の良さと最適なドライビングポジションの両立は、安全運転にも直結する重要な要素であり、評価ポイントとして見逃せない。

一方、インテリアの質感については、競合である日産サクラと比較するとやや質素な印象を受ける。もう一段階の上質感が欲しいところだ。

とはいえ、軽自動車ならではの実用性もきちんと確保されている。新型N-ONE e:の後席には、座面を跳ね上げるチップアップ機構を採用。背の高い荷物も効率よく積載できる。さらに、後席は5:5の分割可倒式で、フラットな荷室アレンジも可能。コンパクトなボディながら、実用性の高いシートアレンジと、十分な後席の居住性を備えている。

N-ONE e:の航続距離295㎞は短い? それとも長い?

続々と登場する新型BEVの多くが、こぞって「航続距離の長さ」を強調している。これは、BEVに対するユーザーの懸念の多くが、航続距離の短さに集中しているからだ。実際、BEVの購入を見送ったユーザーの理由として、「航続距離への不安」が上位に挙げられている。
こうした背景を踏まえ、新型N-ONE e:は軽自動車ながら29.6kWhという大容量のリチウムイオンバッテリーを搭載し、WLTCモードでの一充電あたりの航続距離は295kmを実現。仮に実用航続距離を約80%と見積もっても、約236kmは走行可能という計算になる。
この航続距離を「短い」と見るか「十分」と感じるかは使い方次第だ。筆者個人の経験から言えば、日常的な移動手段としては十分な数値である。
というのも、実航続距離約200kmのBEVを日常的に使用し、1日あたり約250kmを仕事で移動することもあるが、これまで大きな支障を感じたことはない。
250km程度の移動であれば、途中で1〜2回は食事やトイレなどの休憩を挟む。そうしたタイミングで15分程度の急速充電を行えば、移動を継続するのに十分な電力が確保できるのだ。必ずしも30分フルで急速充電を行う必要はない。こうした“継ぎ足し充電”をうまく活用すれば、実航続距離200kmクラスのBEVでも、300km/日程度の移動なら大きなストレスを感じずに使える。
もちろん、充電という行為自体が「手間」であることは否定できない。だが、その代わりに、BEVならではの高い経済性、優れた静粛性、そして滑らかで力強い加速性能を享受できる。
ただし、毎日のように400km/日を超える長距離移動があるユーザーにとっては、実航続距離200kmのBEVでは充電頻度や所要時間がネックになりやすい。このような使い方を想定するのであれば、実航続距離が400km前後のBEVを選ぶべきだろう。
気を付けたいことは、「航続距離は長ければ長いほどよい」というわけではない。航続距離が長くなるということは、搭載するバッテリー容量が増えることを意味する。そのぶん車両重量は増加。結果として電費が悪化し、短距離移動ではかえって非効率になる。また、車両価格も高価になる。
だからこそ、BEV選びでは、自分のライフスタイルや使用目的に合った“ちょうどいい航続距離”を選ぶことが重要になる。
その点でいえば、新型N-ONE e:が実現する295kmという航続距離は、軽自動車本来の使い方──日常の足として街乗りや近郊移動を中心に活用する──という用途においては、非常にバランスが取れたスペックだと言える。1日300km程度の移動であれば、レジャーにも十分対応可能だ。
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急速充電性能にも差あり!N-ONE e:は50kW対応で実用性が高い

さて、ここではN-ONE e:と日産サクラの電費(1kWhあたりの走行距離)を、カタログ値ベースで比較してみよう。
■ホンダ N-ONE e:
- 航続距離(一充電走行距離):295km(WLTCモード)
- バッテリー容量:29.6kWh
- 電費(航続距離 ÷ バッテリー容量):約10.0km/kWh
■日産 サクラ
- 航続距離(一充電走行距離):180km(WLTCモード)
- バッテリー容量:20.0kWh
- 電費(航続距離 ÷ バッテリー容量):約9.0km/kWh
このように、カタログ値ベースの電費では、後発モデルであるN-ONE e:がサクラを約1.0km/kWh上回っており、効率の高さがうかがえる。
この差には、車重や空気抵抗といった物理的要因のほかに、パワーユニットそのものの技術差も大きく影響している。特に、BEVの心臓部とも言える「駆動用リチウムイオンバッテリーの温度管理」が、電費に直結する要素となっている。
リチウムイオンバッテリーは、非常にデリケートな性質を持ち、周囲の温度に大きく左右される。高温すぎても低温すぎても性能が著しく低下するため、最適な温度を維持することが重要となる。
その点、N-ONE e:では、高コストな液冷システムを採用し、バッテリー温度を厳密に制御。寒冷時にはヒーターで加温し、暑い時にはラジエーターで冷却するなど、安定した性能を発揮できるよう設計されている。
一方、日産サクラは、軽自動車としての価格帯を重視しており、コストを抑えた空冷方式を採用している。この温度管理の違いが、電費にも如実に表れていると考えられる。
また、充電性能にも違いがある。N-ONE e:は最大受電能力が50kWであるのに対し、サクラは最大30kW。つまり、急速充電時にはN-ONE e:の方が短時間で多くの電力を充電できる。
最近、90kW級以上の大出力をもつ急速充電器が増えているが、サクラとN-ONE e:共に大出力の急速充電器を受け入れる能力はない。そのため、急速充電での時短メリットがないのは残念な部分でもある。
ただし、軽BEVの多くは短~中距離移動が中心となるため、充電は基本的に自宅での普通充電がメイン。そうなると、急速充電の性能差が必ずしも決定的な差になるわけではなく、「どちらが優れているか」はユーザーの使い方次第と言えるだろう。
滑らかな加速感が特徴のN-ONE e:の走り

さて、いよいよ試乗だ。運転席に座ると、N-ONE e:の着座位置がガソリン車に比べてやや高く設定されていることに気づく。これは、フロア下に駆動用リチウムイオンバッテリーを搭載したことによるものだ。
この着座位置の高さに加え、ボンネットフードも高めに設計されており、加えてテレスコピック(前後調整)機構付きのステアリングとの組み合わせによって、理想的なドライビングポジションが取りやすい。視界は広く、車両感覚もつかみやすい印象だ。走り出す前から、「これは運転しやすそうだ」と感じさせてくれる。
アクセルを踏み込むと、N-ONE e:はBEVらしく静かに、そして滑らかに走り出す。搭載されるモーターは、軽自動車の自主規制値いっぱいの最高出力64ps、最大トルクは162Nmを発生。ライバルである日産サクラも同じく64psだが、最大トルクは195NmとN-ONE e:を上回る。
とはいえ、このトルク差は日常的な走行シーンではほとんど感じられない。実際に違いを感じたのは、モーター制御のキャラクターだ。
N-ONE e:は、アクセル操作に対して終始穏やか。アクセルを強く踏み込んでも、トルクを一気に立ち上げることなく、滑らかに速度を上げていく。急加速のような刺激はないが、十分な加速力があり、とてもスムーズ。例えるなら、上質な自然吸気エンジン車に近いフィーリングで、ガソリン車から乗り換えても違和感の少ない制御となっている。
一方で、サクラのモーター特性は、モーター駆動モデルらしい豪快さを感じられるセッティング。アクセルを強めに踏み込むと、トルクがグンっと一気に立ち上がり、瞬間的に加速する。「BEVならではのパンチある走り」が体感でき、多くの人が思わず「速っ!」と声に出してしまうような加速感だ。
こうした違いは、性能の優劣というよりはフィーリングの好みの問題だろう。
個人的には、サクラのようにモーターの瞬発力を生かした制御の方がワクワク感があって好みだ。とはいえ、どちらが自分に合っているかは実際に体感してみないと分からない部分も大きい。購入を検討している方には、ぜひ両車をしっかりと試乗し、それぞれの乗り味を比較することをおすすめしたい。
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ガソリン車を圧倒するN-ONE e:の静粛性と運動性能
N-ONE e:に乗ってカーブをひとつ曲がれば、その運動性能の高さに驚かされる。カーブでは、まるで路面に吸い付くような安定感があり、特に高速道路のジャンクションのような大きく弧を描くカーブでは、その走りの良さが際立つ。
軽ハイト系ワゴンといえば、全高が高くトレッド(前後輪の左右幅)が狭いため、操縦安定性に不安があるのが一般的。しかし、N-ONE e:はそれを感じさせない。これほどまでに優れた操縦性を実現している最大の理由は、床下に搭載された大容量のリチウムイオンバッテリーだ。
車両の最下部に重いバッテリーを配置したことで、重心が大幅に下がり、車体の安定性が飛躍的に向上している。実際、ホンダによればN-ONE e:の重心高はガソリン車比で62mmも低くなっているという。これが走行中のしっかりとした接地感と、カーブでの姿勢安定性に直結しているのだ。
さらに、静粛性の高さもBEVならではの大きな魅力だ。
N-ONE e:は、電動車ならではの静かな走行音を実現しており、一度この静粛性を体感すると、もうガソリン車には戻れなくなるほど。とにかく静かだ。
その一方で、あまりに静かなために、これまでエンジン音にかき消されていたロードノイズ(路面からの音)が逆に気になってくる場面もある。特に荒れた路面を走行する際には、タイヤや足回りから伝わる音が際立って感じられる傾向がある。
こうした現象はN-ONE e:に限ったことではなく、BEV全般に見られる特徴だ。
なお、ホンダの資料によれば、N-ONE e:のLグレードとGグレードでは、上級となるLグレードの方が遮音性の高い素材を使用しており、静粛性もやや高いとされている。
N-ONE e:はスポーティさより、運転のしやすさ重視?
N-ONE e:のステアリングギヤレシオは、ガソリン車に比べて約18%クイックに設定されているという。数値上は俊敏なハンドリングが想像されるが、実際にステアリングを握ってみると、その印象はやや異なっていた。
試乗前は、よりシャープでクイックな操舵感を期待していたものの、実際のハンドリングは「平均的な軽自動車よりやや機敏」といった程度で、過度な敏捷性は感じられなかった。むしろ、穏やかで自然な操作感のほうが際立っており、ステアリングの初期応答も滑らかで扱いやすい。
その結果として、誰もが違和感なくスムーズに運転できる、万人向けのハンドリング性能に仕上がっている印象だ。過度にスポーティさを追求するのではなく、日常ユースにおける運転しやすさや快適性を重視したチューニングといえるだろう。
ややソフトで、乗り心地を重視した足まわり
N-ONE e:の乗り心地は、全体的にややソフトな印象を受ける。街乗りでの快適性を重視したセッティングが施されており、普段使いにおいては快適だ。
大きな段差や路面の凹凸が連続するような場面では、多少の突き上げ感があるものの、不快に感じるほどではなく、十分に許容範囲内に収まっている。近年のホンダ車は、N-BOXをはじめとして街乗りでの乗り心地を重視する傾向が見られ、N-ONE e:にも同様の方向性が反映されているといえる。
街乗り中心の使い方であれば、このソフトなセッティングは好ましく感じられるだろう。
一方で、高速道路など速度域の高い場面では、路面のうねりに対して車体の揺れがやや収まりにくい印象を受けた。N-ONE e:は航続距離が長く、力強い加速性能を備えているため、高速走行を視野に入れた使い方にも十分対応できる。そう考えると、もう少し引き締まったサスペンションでもよかったのではないかと感じた。
停止できるワンペダル「シングルペダルコントロール」は、やっぱり便利
N-ONE e:には、「シングルペダルコントロール」と呼ばれる機能が搭載されている。この機能により、いわゆるワンペダルドライブが可能となる。
BEVでは減速時に、モーターによる回生ブレーキを活用することで運動エネルギーを電力として回収でき、エネルギー効率が高まる。ガソリン車におけるエンジンブレーキのような感覚で減速する制御は、多くの電動車でも採用されている。
ホンダがN-ONE e:で採用したシングルペダルコントロールは、その制御をさらに進化させたものだ。アクセルペダルの戻し具合に応じて回生ブレーキの強さを段階的に変化させ、アクセルをわずかに戻すと穏やかに減速し、完全に戻すと強めの減速力が働く。このため、状況に応じて加速から停止まで、アクセル操作だけでスムーズに制御することが可能だ。
アクセルとブレーキの踏み替えが不要となるため、操作がシンプルになるだけでなく、運転中の疲労軽減にもつながる。最初はやや慣れが必要だが、一度慣れてしまえば「もうこの機能がないクルマには戻れない」と感じるほどだ。
なお、日産サクラにも「e-Pedal」と呼ばれる類似機能が搭載されているが、こちらは完全停止までの制御には対応していない。最終的にはブレーキペダルを踏む必要がある。
当初、日産も停止までのワンペダル制御を目指していたようだが、さまざまな調整の過程で制約が生じ、現在の仕様となったという。
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N-ONE e:のおすすめグレードは「e:L」? それとも「e:G」?
ホンダ N-ONE e:のグレード構成は、エントリーグレードのe:Gと上級グレードのe:Lの2種類となっている。両グレードの新車価格は以下の通り。
- e:G:2,699,400円
- e:L:3,198,800円
その価格差は約50万円と大きめだが、装備内容を確認すると意外とシンプルな違いであることがわかる。
e:Gには非装備で、e:Lに標準装備されている主なアイテムは以下の通り。
- 急速充電ポート(e:Gはオプション設定)
- 9インチ Honda CONNECTディスプレー(e:Gはオプション設定)
- 本革巻ステアリングホイール
- 14インチアルミホイール
装備点数はそれほど多くないが、ひとつひとつが比較的高価な装備であるため、結果的に車両本体価格で約50万円の差が生じている。
この価格差をどう受け取るかは使い方と予算次第だが、急速充電ポートや9インチディスプレーは、多くの一般ユーザーにとって“必須装備”といえる。特に外出先での充電機会が多いユーザーにとっては、急速充電ポートがないと実用面で不便を感じる場面も出てくるだろう。
その一方で「近所でしか使いません」。自宅の充電だけでOK、というユーザーにとっては、無駄な高額装備でもある。あえて、高額な急速充電口をユーザー自ら選択できるようにしたのは、合理的でもある。
ただし、e:Gグレードでもこの2つの装備はオプションで選択可能。その場合、装備を揃えても価格差は約20万円程度に縮まる。
予算をなるべく抑えたい場合は、e:Gに必要な装備だけを追加する方法が合理的。一方で、ステアリングやホイールなど、内外装の質感も含めてトータルでの満足度を求めるなら、e:Lグレードを選ぶのが安心だ。
N-ONE e:のリセールバリューは?
BEV(バッテリー電気自動車)は、国や自治体からの多額の補助金を受けられるのが特徴だ。だが、その補助金がリセールバリューに大きく影響する点には注意が必要である。
というのも、補助金を差し引いた実質購入価格が「本当の新車価格」として市場で見なされる傾向があり、そのぶん中古車市場での査定額は大幅に低くなりやすいのだ。
N-ONE e:の場合、2026年1月時点での国からの補助金額は57万4,000円。上級グレードのe:L(車両本体価格:3,198,800円)であれば、補助金適用後の実質価格は約262万円となる。
参考までに、すでに多くの台数が流通している日産サクラの中古車相場を見てみよう。
<日産サクラ Gグレード(2023年式)中古車相場>
- 価格帯:約140万〜170万円
- 当時の新車価格に対する中古車相場:約46〜56%(2026年1月調べ)
一般的に、中古車相場が高ければ、その車のリセールバリューも高くなる。つまり、日産サクラの新車価格比で約46〜56%という数値は、軽自動車としてはかなり低めのリセールバリューといえる。
N-ONE e:のリセールバリューも、新車としての人気や中古車市場での評価に左右される部分が大きいが、仮にサクラと同程度の水準にとどまるとすれば、大きな期待はしにくいだろう。
ここで理解しておきたいのは、リセールバリューは車両そのものの性能や品質ではなく、「中古車市場での需要と供給のバランス」で決まるという点だ。たとえクルマとしての完成度が高くても、中古車としての需要が少なければ価値は下がる。
N-ONE e:のリセールバリューが仮に低めに推移したとしても、新車購入時には国からの補助金が支給されるため、そのぶん購入負担は軽くなっている。結果として、売却時の価格が低くても、実質的な損失は抑えられるケースが多い。
逆に言えば、良質なBEVであるN-ONE e:の中古車が将来的に割安で流通するようになれば、中古車としては“狙い目”となる可能性がある。神コスパ中古車候補だ。
さらに、ホンダはリセールバリューの低さを補うべく、残価設定型ローン(残クレ)に低金利を設定している。2026年1月現在、N-ONE e:の残クレ金利は実質年率2.5%と、N-BOXの4.9%に比べて大幅に低い。この差は、N-ONE e:のリセールバリューが低く見込まれていることを反映した販売戦略とも考えられる。
ホンダとしては、リセールの低さによって総支払額が高くなることを避け、月々の支払額を抑えることで他の軽自動車と競争力を保つ狙いがあるのだろう。
ホンダN-ONE e:の中古車在庫一覧<ガリバー>
ホンダ N-ONE e:電費、航続距離などスペック
| 代表グレード | N-ONE e:L |
| 全長×全幅×全高 | 3,395mm×1,475mm×1,545mm |
| ホイールベース | 2,520mm |
| トレッド(前/後) | 1,305mm/1,305mm |
| 車両重量 | 1,030kg |
| 一充電走行距離(WLTCモード) | 295km |
| バッテリー種類 | リチウムイオン |
| バッテリー総電力量 | 29.6kWh |
| 電費 | 約10.0km/kWh |
| 駆動方式 | FF(前輪駆動) |
| モーター最高出力 | 47kW(64ps) |
| モーター最大トルク | 162Nm |
| サスペンション | 前:ストラット式/後:車軸式 |
| タイヤサイズ | 155/65R14 |
| 最小回転半径 | 4.5m |
ホンダ N-ONE e:価格、補助金
| e:G | 2,699,400円 |
| e:L | 3,198,800円 |
| 補助金 | 58万円(2026年4月登録以降、2026年4月現在) |
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