アウディQ6 e-tron試乗記・評価 上質なBEVの秀作

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【アウディ】2026/05/06

アウディQ6 e-tron quattro フロントスタイル

 

BEVに積極的なアウディ

 

アウディは、積極的にBEV(バッテリー電気自動車)戦略を推し進めている。その一環として、日本市場に送り出されたのがQ6 e-tronだ。

アウディの変革における新しいステップを示すBEV(バッテリー電気自動車)で、ポルシェと共同開発したEV専用プラットフォーム、PPE(プレミアム・プラットフォーム・エレクトリック)をアウディとして初めて採用した。

ドイツのインゴルシュタット本社では、CO2の「ネットゼロ排出」を盛んにアピールし、隣接する工場には専用のバッテリー組み立て施設がある。

アウディQ6 e-tron quattro リヤスタイル

 

より後輪側の出力をアップしたモーターを搭載し、走りの質を追求

 

日本で最初に発売されたクロスオーバーSUVスタイルのQ6 e-tronのエクステリアデザインは、躍動感あふれ強い存在感を放っている。セパレートライトデザインやブリスター処理をしたファンダーなどが新鮮だ。

リアビューでは、左右を結ぶライトストリップを備えた幅広のリアコンビネーションランプが目を引いた。驚いたことにコミュニケーション機能も盛り込まれている。

日本仕様は、3つのグレード構成だ。ボトムに位置するのは、シングルモーター、リア駆動のQ6 e-tronある。83kW hのリチウムイオンバッテリーを搭載し、電気モーターは185kW/450Nm((251ps/45.9kg-m)を発生する。

主役はクワトロ(quattro)の名で親しまれている4WD。こちらは、前後に1基ずつモーターを配した。駆動システムはトータルで285kW/600Nm(387ps/61.0kg-m)を発生する。モーターの最大トルクは、前側より後側の方がずっと大きい。

アウディQ6 e-tron quattro フロントスタイル

アウディQ6 e-tron quattro リヤアップ

 

 

パワフルだが、意外とジェントルなモーター特性

 

試乗したのは、ツインモーターのQ6 e-tronは4輪駆動のクワトロ。オプション設定のアダプティブエアサスペンションを装備していた。0-100km/h加速が5.9秒の俊足なので身構えたが、モーターの出力特性はマナーよく制御されていた。だから、加速はジェントルだ。2420kgという重いボディをなめらかに加速させ、アクセルを踏み増ししたときは間髪を入れず力強い加速を披露した。

Q6 e-tronは、加速やスピードコントロールがとても上手だ。意のままに気持ちよく、自然な感覚で加速していく。惰性走行のコースティングや減速時のブレーキ回生も上手だった。

Bレンジを選べば完全停止まで、右足の調節で行えるワンペダルドライブが可能だ。パドル操作でエネルギー回生をコントロールできるパドルシフトはオプション設定だが、使い勝手がいい。

また、ドライブモードによる性格の違いもメリハリが効いていて分かりやすかった。もちろん、キャビンはクルージング時だけでなく加速したときも静かだ。

アウディQ6 e-tron quattro インパネ

アウディQ6 e-tron quattro メーター

 

 

モーター駆動らしさを存分に楽しめるダイナミックモード

 

Q6 e-tronサスペンションは、4輪ともマルチリンク。このマルチリンクサスペンションに、電子制御エアサスペンションを組み合わせた仕様だった。

前後異サイズの20インチタイヤを履いていたが、乗り味はマイルドだ。時として重さを意識させられる場面もあったが、段差や目地などからのショックを上手に吸収し、快適な乗り心地を実現している。しかも、高速走行や流すような走りではフラット感の強い上質な乗り味だ。無駄な動きを上手に封じていた。

大きな負荷をかけない、サラッと流すような走りでは基本的にリア駆動である。だが、ダイナミックモードを選び、4輪でグリップする走りを楽しむようになるとSUVとは思えないダイナミックな走りを見せてくれる。操舵の応答レスポンスは鋭く、狙ったラインに無理なく乗せることが可能だ。

アウディQ6 e-tron quattro フロントシート

アウディQ6 e-tron quattro リヤシート

 

 

航続距離は余裕ある644㎞!

 

Q6 e-tronクワトロは、100kWhの大容量バッテリーを搭載している。気になる一充電走行距離は644km(WLTCモード)だ。2WDでバッテリー容量が83kWhのQ6 e-tronでも一充電走行距離は569kmを実現した。

これだけ航続距離が長ければロングドライブも苦ではないだろう。しかも、アウディの販売店の多くに、最新の150kW級急速充電器を配備している。使ってみたが、充電はスムーズだ。冷却マネージメントも最先端を行っている。モーターとバッテリーの冷却に力を入れたから走行中はもちろん、充電時も速やかに入っていった。

アウディQ6 e-tron quattro センターコンソール

 

 

室内も広く、上質な走り。アウディの秀作といえる出来栄え

 

Q6 e-tronのキャビンは、前席も後席も満足できる広さだ。水平基調のダッシュボードを採用し、ドライバーの前にはMMIパノラマディスプレイを組み込んでいる。

タッチディスプレイも14.5インチの大型サイズだから見やすいし、操作しやすい。運転席からの見晴らしもいいが、1940㎜の全幅は狭い道でのすれ違いや立体駐車場の入庫で気を遣うだろう。

大ぶりなフロントシートは、ホールド性に優れ、視界も良好だ。一部にリサイクル素材を採用していることも特筆できる。

リアシートも快適だった。ラゲッジルームはリアシートに大人が座った状態でも526Lと、不満のない広さを確保している。3分割可倒タイプで、畳んだときには最大1529Lまで荷室を拡大することが可能だ。少しフロアが盛り上がるのが惜しいが、容量は文句なしだろう。

また、フロントボンネットには小物の収納ボックスがあり、容量は64ℓだ。ここには充電ケーブルなどを積むことができる。

Q6 e-tronはさすが、アウディと言える秀作。上質な走りのバッテリーEVを探している人にはいい選択になるだろう。360kW(約489㎰)刺激的なスペックを秘めたスポーティグレードのSQ6 e-tronにも注目だ。

アウディQ6 e-tron quattro 荷室

アウディQ6 e-tron quattro 荷室

アウディQ6 e-tron quattro ボンネット下荷室

 

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アウディ Q6 e-tron / SQ6 e-tron新車価格

・Q6 e-tron advanced 8,390,000円

・Q6 e-tron quattro advanced  9,980,000円

・SQ6 e-tron 13,200,000円

・Q6 Sportback e-tron advanced  8,780,000 円

・Q6 Sportback e-tron quattro advanced 10,370,000円

・SQ6 Sportback e-tron 13,590,000円

 

アウディ Q6 e-tron CEV補助金

・Q6 e-tron advanced 860,000円

・Q6 e-tron quattro advanced 688,000円

 

アウディQ6 e-tron quattro航続距離、電費、ボディサイズなどスペック

 

代表車種  Q6 e-tron quattro エアサスペンション装着車

全長×全幅×全高  4,770×1,940×1,670mm

ホイールベース  2,895mm

車両重量  2,420㎏

荷室容量 526L

乗車定員  5名

最小回転半径  5.7m

モーター型式  ECF-ECC

システム最高出力  285kW(387ps)

モーター最大トルク  F:275Nm R:580Nm

一充電走行距離(WLTCモード) 644km

0-100㎞/h加速  5.9秒

バッテリー総電力量  100kWh

電費(一充電走行距離÷バッテリー総電力量)  約6.4㎞/kWh

バッテリー種類  リチウムイオン

駆動方式  4WD

サスペンション型式  前後5リンク式マルチリンク

タイヤサイズ  前:235/65R18 後:255/60R18

 

 

ライター紹介

モータージャーナリスト

片岡英明

1954年、茨城県生まれ。自動車専門誌で編集に携わった後、独立してモータージャーナリストに。新車だけでなく、クラシックカーやEVなどにも精通している。AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

 

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