中国生産、限定3,000台のBEVが新型インサイト
ホンダは、BEV(バッテリー電気自動車)である新型インサイトの発売を開始した。新型インサイトは、中国マーケット用BEVである「e:NS2」をベースにしたクロスオーバーSUV。新型インサイトは、中国で生産され日本に導入される。国内の販売台数は、3,000台の限定だ。
すでに、ホンダは北米メインのBEVである0シリーズの開発・生産の中止を発表。本来、日本にも導入されるはずだった0シリーズからの撤退は、国内営業戦略面で大きな軌道修正が必要だったはず。
すでに、ホンダはN-ONE e:やN-VAN e:といった軽BEVで好評を得ているだけに、国内ホンダ営業にとっても、0シリーズは必要な車種だった。
そこで、0シリーズの穴を埋めるべく急遽短期的なリリーフとして投入されたと思わるのが、今回登場した新型インサイトだ。
ホンダらしい、スポーティでユニークな新型インサイト
新型インサイトの外観デザインは、「Knives out」をテーマに、鋭い刃をイメージさせる刺激的なフォルムを追求。
フロントとリヤのデザインは、エッジの効いたラインを多用したスポーティシルエットをもつ。さらに、ライトやポジションランプなどの灯体が個性的。色々な光の演出があり、ひと目で新型インサイトと分かるほどだ。
インテリアは、「Sukkiri comfort」をテーマとし、圧倒的な快適性を追求した。「Less is more(少ないほうがより豊かである)」の考え方のもと、「豊かさは、装備や加飾の数ではなく、わずらわしさからの解放にある」と定義。広さ感やすっきり感を重視した。
インパネデザインは、最近のホンダ車らしい横方向の広さを感じる水平基調のデザイン。ダッシュボード上部は、スッキリしたノイズの無いデザインを採用。前方の視界も良好だ。
メーターは、9.4インチ デジタルグラフィック。センターディスプレイは、大型の12.8インチディスプレイを装備する。
荷室は、仕切り板で分割される二段タイプ。荷室容量は505L。カーゴリッドを上段にセットしリアシートをフォールダウンすれば、最長1875mmのラゲッジスペースが出現。長尺物の積載はもちろん、車中泊が可能なスペースとなっている。
十分な航続距離535㎞!
新型インサイトは、フロントに駆動用モーターを搭載した前輪駆動。搭載モーターの最高出力は204㎰、最大トルク310Nm。1,770㎏の車重に対しては、十分に力強さを感じるスペックだ。
バッテリーの総電力量は、68.8kWhと大容量。航続距離(一充電走行距離WLTCモード)は、535㎞と十分な距離を確保した。電費(一充電距離÷バッテリー総電力量) 約7.8km/kWhとなっている。
BEVに搭載されるリチウム電池は、温度に対してとてもセンシティブ。暑くても寒くてもNGで、性能が低下する。そのため、ホンダは徹底した温度管理を行った。
水加熱電気ヒーターやチラーと呼ばれる冷媒を用いて冷却水を冷やす装置を使用しバッテリー温度を管理。バッテリーを適温に保つことで、安定した性能を発揮させている。
ただ、やや物足りないのが急速充電時の受電能力。新型インサイトは80kWに対応しているが、最近のBEVでは100kW超も珍しくない。急速充電器の高出力化が進んでいるからだ。アップデートして欲しいポイントでもある。
街中で便利な減速セレクターを装備
その一方、運転しやすさと言う面では、減速セレクターが装備されたのは高評価ポイント。3段階で回生ブレーキの減速度をコントロールすることができる。
最も減速度の高いモードでは、多くのシーンでアクセルペダルの操作だけで加減速できる設定となっている。
また、減速セレクターは、ガソリン車のエンジンブレーキのように使えるので、車間距離維持などでちょっと減速したいときや、カーブでの軽い減速などにも使えるので便利。いちいちブレーキを踏む必要がないので、ドライバーの疲労軽減にもなる。
そして、ドライブモードは「NORMAL」、「SPORT」、「ECON」、「SNOW」の4つ。SPORTモードには、走りの楽しさを高めるため、アクティブサウンドコントロールを採用。滑らかで伸びやかなサウンドにより加速感を強調し、減速時のサウンド制御も行うことで、走行全体を通じて一体感を実現し走る楽しさを演出している。
充実した豪華装備。選択肢は無しの1グレード設定
そして、新型インサイトは、充実した標準装備も魅力的だ。下記の豪華装備が標準装備化されている。
・電力消費を抑えながら快適な暖房を提供するインテリジェントヒーティングシステム。国内向けホンダ車として初採用。
・室内で好みの香りを楽しむことができるアロマディフューザーをも国内向けホンダ車として初採用。
・本革シート
・ヘッドアップディスプレイ
・BOSEプレミアムサウンドシステム
・電動スモークドガラスサンルーフ
・フロントシートベンチレーション
・アクティブノイズコントロール
など、上級装備が標準装備されているので、満足度は高い。新型インサイトは、中国生産のため導入されるグレードは1グレードのみ。メーカーオプションの設定もない。
BYDとも勝負できるリーズナブルな価格設定? 実質的な購入か価格は420万円から!
そんな新型インサイトの新車価格は、5,500,000円。ボディサイズや搭載リチウムイオンバッテリーの容量、装備などをから、なかなか攻めたリーズナブルな価格だ。中国元に対しても円安状態なので、かなり戦略的な価格と言える。
さらに、新型インサイトに対して、国の補助金(CEV補助金)は130万円。これだけの高額な補助金が出るため、新型インサイトは実質420万円で購入できることにある。
これだけリーズナブルになると、BYDなどの中国製に対抗できそうだ。中国生産であることのメリットを生かした価格設定ともいえる。この価格なら、積極的にBEV購入も検討してもよい価格だろう。
ホンダ インサイト新車価格
・インサイト 5,500,000円
ホンダ インサイト電費、航続距離、ボディサイズなどスペック
| 代表グレード | インサイト |
| 全長×全幅×全高 | 4,785mm×1,840mm×1,570mm |
| ホイールベース | 2,735mm |
| トレッド(前/後) | 1,545mm/1,550mm |
| 車両重量 | 1,770kg |
| 一充電走行距離(WLTCモード) | 535km |
| バッテリー種類 | リチウムイオン |
| バッテリー総電力量 | 68.8kWh |
| 電費(一充電距離÷バッテリー総電力量) | 約7.8km/kWh |
| 駆動方式 | FF(前輪駆動) |
| モーター最高出力 | 150kW(204ps) |
| モーター最大トルク | 310Nm |
| サスペンション | 前:マクファーソン式/後:車軸式 |
| タイヤサイズ | 225/50R18 |
| 最小回転半径 | 5.9m |
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