日産エルグランド(E53系)新車情報・購入ガイド・解説
新型日産エルグランド(E53系)を解説
日産は、Lクラスミニバンの「エルグランド」を16年振りにフルモデルチェンジして発売を開始した。新型エルグランドは、このフルモデルチェンジで4代目となる。
国内フラッグシップミニバンとなる新型エルグランド(E53系)の特徴は、いつまでも乗っていたくなるグランドツーリング体験の提供だ。
そのために、新型「エルグランド(E53系)」には、シリーズハイブリッドシステムである第3世代「e‑POWER」を搭載。発電専用の直3 1.5Lターボを搭載した。これにより、16.8㎞/L(WLTCモード)という低燃費性能を手に入れた。
1.5Lエンジンを使うことで、ライバル車であるトヨタ アルファード&ヴェルファイアに対し、自動車税で差別化ができた。アルファード&ヴェルファイアは、2.5Lエンジンを使用する。そのため、新型エルグランドであれば、アルファード&ヴェルファイアに対して、1.3万円/年の節税が可能となった。
そして、誰もが安心して運転が楽しめるようになる電動駆動4輪制御技術「e‑4ORCE」を搭載。新型エルグランド(E53系)では、全グレードに「e‑4ORCE」を搭載。今のところ、前輪駆動(FF)の設定はない。
さらに、ミニバンは乗り心地が重要。そこで、インテリジェントインテリジェント ダイナミックサスペンションを採用し、乗員全員が乗り心地の良さ体感できるようにした。また、このインテリジェントダイナミックサスペンションは、快適な乗り心地の提供だけではなく、「運転の愉しさ」をレベルアップさせてくれる。
新型エルグランド(E53系)は、割り切った2グレード設定。エントリーグレードのX e‑4ORCEが6,897,000円。上級グレードのG e‑4ORCEが7,579,000円となる。
その他、NMC(日産モータースポーツ&カスタマイズ)から、新型「エルグランド(E53系)」をベースにしたカスタムカー「AUTECH」、「AUTECH LINE」、「VIP」、「ステップタイプ」を発売。「AUTECH」は8月上旬、その他モデルは。2026年7月16日より発売する。
ライバル車に大敗。なぜ、16年ぶりのフルモデルチェンジとなったのか?
なぜ、エルグランドが約16年振りのフルモデルチェンジとなったのか? 誰もが疑問に思う部分でもある。
その理由は、まず、ライバル車であるトヨタ アルファード&ヴェルファイアとの戦いに大敗を喫したこと。大敗した大きな理由のひとつが「小さく見える」ことだった。
E52系エルグランドは、走行性能を重視。全高を低くして、重心を下げ、リヤサスペンションに、初のマルチリンク式を採用。アルファード&ヴェルファイアを上回る走行性能と、優れた乗り心地を提供した。
全高を低くしたことでアルファード&ヴェルファイアを超える走行性能を手に入れた。だが、結果的に「小さく見える」と不評。ミニバンは、いわゆるオラオラ系デザインが主流。より大きく威圧感を与えるようなデザインが好まれていたからだ。
デビュー直後から、「小さく見える」ことで、強烈な向かい風を受け、エルグランド(E52系)の販売も失速。
その一方、アルファード&ヴェルファイアは、虎視眈々と30系へとフルモデルチェンジ。エルグランドの低迷理由となった「小さく見える」から学び、全高を維持しながら、ダブルウィッシュボーン式リヤサスペンションを採用し、エルグランドと同等レベルの走行性能を手に入れた。
さらに、エルグランドには設定の無いハイブリッド車の燃費性能も向上し、商品力をアップ。もはや、アルファード&ヴェルファイア一人勝ち状態となっていった。
こうした販売低迷に加え、当時、ハイブリッド車が無かった日産にとって、純ガソリン車では、フルモデルチェンジしても勝負にならないとうい判断やリソース不足も加わる。さらに、エルグランドは、ほぼ国内専用車だったため、採算性もマイナス要因となった。
しかし、足りなかったハイブリッドシステムは、e-POWERが登場。e-POWERは、進化し続けた。さらに、電動4WDであるe‑4ORCEも加わり、アルファード&ヴェルファイアと、勝負できる技術が揃ったことが、16年振りのフルモデルチェンジにつながっている。
e-POWER、e‑4ORCE、インテリジェント ダイナミックサスペンションの三位一体による、上質な走行性能
新型エルグランド(E53系)には、第3世代が搭載された。エンジンは、発電専用設計となるZR15DDTe型を搭載。全長約5mの新型エルグランドに対して、なんと直3 1.5Lという小さなエンジンが搭載される。このエンジンから、前後のモーターへ電力が供給され、500Nm超といわれている最大トルクを発揮。2,440㎏(G e‑4ORCE)と、超重量級ボディでも優雅な走りが楽しめる。
また、この第3世代e-POWERは、モーター・発電機・インバーター・減速機・増速機の5つの主要部品をひとつにまとめた5-in-1「e‑POWER」電動ユニットで、コンパクトな設計となっている。その結果、燃費性能は、16.8km/L(WLTCモード)となった。
そして、新型エルグランドの駆動方式は、全グレード電動4WDである「e‑4ORCE」が採用された。4WDというと、滑りやすい路面など、悪路で活躍するシステムというイメージが強いが、「e‑4ORCE」はそれだけではない。
加減速による車体の揺れを抑え、スムースで快適な乗り心地を提供。さらに、モーターとブレーキの統合制御に加え、リヤモーターのトルクを積極的に活用することで、より気持ちのよいコーナリングを実現する。
この「e‑4ORCE」の機能をより生かしたサスペンションが、「インテリジェント ダイナミックサスペンション」。走行シーンに応じて4輪の減衰力を最適化。車体の揺れを抑え、落ち着いた挙動を実現することで、「e‑POWER」と「e‑4ORCE」により提供される快適な乗り心地と、運転の楽しさをさらに高めてくれる。
こうした機能を統合制御する走行モードは、COMFORTモード、ECOモード、STANDARDモード、SNOWモード、SPORTモード、PERSONALモードの計6つから選択可能だ。
マーケットニーズに合致しているのか? 注目の内外装デザイン
新型エルグランド(E53系)のデザインコンセプトは「The private MAGLEV」。MAGLEVとは、リニアモーターカーという意味。リニアなスピード感と威風堂々とした佇まいが融合した唯一無二のデザインとした。
「タイムレスジャパニーズフューチャリズム」を具現化。フロントグリルは日本の伝統工芸である「組子」をモチーフとし、シグネチャーランプへと連続した設えを施している。リヤコンビネーションランプは、横一文字タイプで同じ組子パターンを配している。
コンセプトはともかく、新型エルグランドは、スピード感あるデザインとなった。ただ、日産は伝統的なオラオラ系デザインが嫌いなようだ。マーケットニーズとはやや異なるようにも見えるが、このデザインが、Lクラスミニバンを好む顧客層にどう判断されるかが販売面での重要なポイントになりそうだ。
インテリアも外観デザイン同様に、エッジの効いたスピード感あるデザインとなっている。日産は、プライベートラウンジのような空間を目指した、としているが、かなりコッテリ系なので、ちょっと違和感がある。
また、ラウンジのような落ち着いた雰囲気を出すために、木目調パネルやシームレスな静電スイッチなどを効果的に使い高級感を演出している。
そして、先代エルグランド(E52系)で不評だった運転席の景色は、顧客ニーズに合わせ、かなり高めになった。ユーザーニーズとは「他車を見下ろすような優越感」だ。運転席に座るとき、多少よじ登るようになるものの、その景色はかなり高く「見下ろす感」は抜群。先代エルグランド(E52系)で、不評だった部分はすべて取り除かれている。
そして、内装関連では、エクステリアの組子パターンのキルティングで統一感を持たせている。そして、ディスプレイは、14.3インチの大画面統合型インターフェースディスプレイを採用。アルファード&ヴェルファイアのように、センターコンソール上部に大型ディスプレイという、定番デザインとは異なり、先進感がある。
ただ、内装面もアルファード&ヴェルファイアのギラギラとた高級感とは異なり、全体的にシックな印象が強い。このあたりも、マーケットでどう判断されるか注目ポイントだ。
通常グレードなら、G e-4ORCE一択! その訳は?新型日産エルグランド(E53系)のグレード選び
新型エルグランドは、シンプルな2グレード設定となった。全車e‑4ORCEとなり、エントリーグレードのX e‑4ORCE、上級グレードのG e‑4ORCEとなっている。グレード間の価格差は、約68万円となる。
大きな装備差は以下の通り。
・テーラーフィットシート生地
・前席ベンチレーションシート
・2列目ベンチレーションシート
・100V AC電源(1500W)
・ハンズフリーオートスライドドア
・アドバンスドドライブアシストディスプレイ 14.3インチカラーディスプレイ
・プラズマクラスター技術搭載フロントオートエアコン
・NissanConnectインフォテインメントシステム(14.3インチ、Google 搭載(ナビ機能含む)+その他
・ドライブレコーダー(前後セット)
・ETC2.0ユニット(ビルトインタイプ)
・後席専用モニター(ルーフ取付タイプ)取付パッケージ
・プロパイロット(ナビリンク機能、渋滞時ハンズオフモード、車線変更支援機能付)
・インテリジェント ディスタンスコントロール(ナビリンク機能付)
新型エルグランド(E53系)のグレード間装備差は、かなり大きい。X e‑4ORCEには、豪華装備や先進装備だけではなく、ドライブレコーダー(前後セット)やETC2.0ユニット(ビルトインタイプ)といった必需装備までオプションになっている。700万円弱のクルマで、そこまで外す? と、いった印象だ。
ラグジュアリーミニバンなので、やはり一定の豪華さは必須。ベンチレーションシートやテーラーフィットシート生地、プロパイロット(ナビリンク機能、渋滞時ハンズオフモード、車線変更支援機能付)は必須装備ともいえる。
また、ラグジュアリーミニバンのリセールバリューは、やはり最上級グレードが高めになる傾向がある。そのため、リセールバリュー面も含め、新型エルグランドのグレード選びは、G e‑4ORCEがお勧めとなる。高速道路などで、一定条件を満たすと手放し運転が可能となる「プロパイロット2.0」がお勧めオプションだ。
より、上質感を望むなら「AUTECH」がお勧めだ。
新型日産エルグランド(E53系)のリセールバリューは? アルファード&ヴェルファイアを超える?
新型エルグランド(E53系)のリセールバリューは、不透明感が強い。16年振りのフルモデルチェンジであり、先代エルグランド(E52系)のリセールバリューがあまり参考にならないからだ。
人気次第ということになるのだが、アルファード&ヴェルファイアと同等レベルになる可能性もある。逆に人気が低迷すれば、先代エルグランド(E52系)と同じようなリセールバリューになることも十分考えられる。
とはいえ、Lクラスミニバンは、人気カテゴリーでもあるため、極端に悪くなることは無いと予想できる。
クルマのリセールバリューを研究する「リセバ総研(リセールバリュー総合研究所)」の予測を一部抜粋すると、下記の通りとなる。
「旧型と同列には比較できないでしょう。それに、アルファード級に対してひさびさとなる競合車種の出現です。供給不足や初物ご祝儀相場で、リセールバリュー値(残価率)が100%前後で推移する可能性は否定できません。
現行型(40系)アルファード・ハイブリッド車の場合、リセールバリュー値は、2026年7月11日時点で当年式が92%程度、経年1年落ち以降は80%台後半を推移しています。
エルグランドの場合はそのさらに下、経年1年落ち以降で80%に届くかどうか、70%台後半あたりに着地するのではないかと予想します。」
新型のリセールバリューはどうなる?歴代モデルとアルファードの関係は?
40系トヨタ アルファード/ヴェルファイア新車情報・購入ガイド
日産エルグランド(E53系)新車価格
| 駆動 | エンジン | グレード | 価格(円) |
| 4WD | ZR15DDTe | X e‑4ORCE | 6,897,000 |
| G e‑4ORCE | 7,579,000 |
日産エルグランド(E53系)燃費、ボディサイズなどスペック
代表グレード キックスG e-4ORCE
全長×全幅×全高 4,995mm × 1,895mm × 1,975mm
ホイールベース 3,000mm
最低地上高 165mm
最小回転半径 5.8m
車両重量 2,440kg
駆動方式 電動4WD(e-4ORCE)
トランスミッション -
タイヤサイズ(前後) 235/60R18
サスペンション形式 前:ストラット 後:マルチリンク
エンジン型式 ZR15DDTe
エンジン種類 直列3気筒DOHC
総排気量 1,498cc
最高出力 103kW(140PS)/5000rpm
最大トルク 228N・m(23.2kgf・m)/3600rpm
フロントモーター型式 YM52
フロントモーター最高出力 151kW(205PS)/4400-8500rpm
フロントモーター最大トルク 330N・m(33.7kgf・m)/0-4300rpm
リモーター型式 MM45
リモーター最高出力 100kW(136PS)/5500-10900rpm
リヤモーター最大トルク 195N・m(19.9kgf・m)/0-3000rpm
電力用主電池 リチウムイオン電池
WLTCモード燃費 16.8㎞/L
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