【メルセデス・ベンツ E350ブルーテック 試乗評価】エコカー減税率100%のクリーンディーゼル搭載モデル [CORISM]

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【メルセデスベンツ】2010/04/13

新世代のディーゼル[BlueTEC]。 そして待望のワゴンが登場

メルセデス・ベンツ E350
 ディーゼルを皮切りにして、ハイブリッドの投入など、エコ戦略を強力に進めるメルセデスベンツ。そのコンセプト全体を表すのがブルーエフィシェンシーというもの。すでにレポートしているように、直噴+小排気量(1.8リッター)+ターボという、今ドイツ車勢が好む組み合わせのE250CGIなどはまさにブルーエフィシェンシーの先陣となったモデルだ。
 そもそもEクラス自体が2009年にモデルチェンジしたばかりで、セダンはその際に発表&発売されていたのでお馴染みではある。まぁ、簡単に言ってしまえば、ディーゼルエンジンが追加されただけ。一方、待望だったのがステーションワゴン。意外に思う人もいるかもしれないが、今回のディーゼルエンジンとともに新たに追加され、7年ぶりのフルモデルチェンジとなる。
 まずステーションワゴンの内容からチェックしていくと、セダンより120ミリもオーバーハングが延長されているだけに、その恩恵を存分に享受したラゲッジルームはかなり広い。数値で見ると655リッターで、リヤシートを倒せば1910リッターにもなるというからかなりの余裕ぶりだ。メルセデスの中核モデルたるEクラスの面目躍如といったところか。
 そのほか、ラゲッジ以外の部分。つまり前後席やインパネまわりなどはとくにセダンとステーションワゴンで変るところはなし。これまたEクラスらしく、各部のクリアランスやスペースなどはかなり余裕があり、運転席まわりのデザインもじつに落ち着く感じ。毎度のお馴染みではあるのだが、「ああ、やっぱりメルセデスっていいよな」と思うことしきり。派手なわけでもなく、どこがどうというわけではないのだが質感の絶妙な演出などが影響していると評価。
メルセデス・ベンツ E350ブルーテック(セダン)

メルセデス・ベンツ E350ブルーテック(セダン)

メルセデス・ベンツ E350
メルセデス・ベンツ E350


メルセデス・ベンツ E350ブルーテック フロントビュー(ワゴン)

メルセデス・ベンツ E350ブルーテック フロントビュー(ワゴン)

メルセデス・ベンツ E350
メルセデス・ベンツ E350

新世代のクリーンディーゼルエンジンを搭載

メルセデス・ベンツ E350
 そして気になるのがやっぱりディーゼルユニット。CDIとして以前からラインナップされていたが、大きな進化点はトラックなどに使用されている「尿素SCR触媒によるディーゼル排出ガス処理システム」を採用していること。このシステムをメルセデスはブルーテックと呼んでおり、グレード名にもなっている。この尿素SCR触媒というのは、簡単に言ってしまえばアンモニアとNOxを化学反応させることで、ディーゼル最大の問題のNOx(窒素酸化物)を軽減させるのが仕組み。実際にラゲッジ下には尿素を入れるタンクが設置されていて、補充が必要となる。タンク容量は24リッターで、1000キロに1リッターの割合でしか減らないというからマメに補充する必要はないだろうが、あとで紹介するように日本では広く普及しているシステムなので意外に手に入りやすく、困ることはないだろう。ちなみになくなったところでエンジンが急に止まるということはない。
 さらに排出ガスを再循環させる可変ノズルタービンのターボやコモンレール式燃料噴射システムと組み合わせて大きな威力を発揮。具体的にはNOxが先代のE320CDI比で約69%削減。日本のポスト新長期規制はもちろんのこと、ヨーロッパで2014年施行予定のEURO6にも適合しているのがポイントで、確かに新世代のクリーンエンジンと言っているのもうなづける性能である。ちなみにこのシステム自体は日産ディーゼルなどが開発し、日本でもバスやトラックですでにお馴染み。今日産&ルノーとダイムラーの提携が話題になっているが、日産ディーゼルはすでに提携しているというのがこのシステム採用の背景にある。
メルセデス・ベンツ E350

国内で販売されているディーゼルAT車として初めてエコカー減税100%を達成した。ディーゼルらしく太いトルクがあり、ここぞという時のパンチも申し分ない。

メルセデス・ベンツ E350

AdBlueと呼ばれる尿素水溶液のタンクを搭載する。これによりNOxを大幅に低減でき、先代のE320CDI比で約69%も削減されているというから驚きだ。

メルセデス・ベンツ E350

AdBlueのタンクを搭載するため、スペアタイヤはもちろんパンク修理キットも搭載できない。そのため新型Eクラスで唯一ランフラットタイヤを装着している。

【メルセデス・ベンツ E350ブルーテック 試乗評価】エコカ...

環境性能だけでなく静粛性の高さもかなりのレベルと評価

メルセデス・ベンツ E350
 実際の走りはというと、まず走りにパンチが出た。E320CDIもなかなかのポテンシャルを持っていると思っていたが、実力はそれ以上。レッドゾーンは4000回転ちょっとではあるものの、ここぞというときのパンチはディーゼルとは思えないほど。低速トルクが厚いから当然なのだろうが、これは排気ガスをまた戻すEGRに頼らないからというのも関係していそうで、ブルーテックならではの進化点と言っていい。
 また太いトルクという点では巡航は極上で、低回転でゆるゆると流す感じなのはとても気持ちがいいし、すでに高い完成度を見せている足まわりと相まって、味わいはじつに深い。今までにない高級車の乗り味の新境地というのを見せつけてくれる。
 音に関しては、まず車外で聞くとディーゼルということがわかるにはわかる。あまり詳しくない人でも変った音がするなと気付くハズ。ちなみにニオイも「妙に清々しい」感じで、やっぱりガソリンとも並みのディーゼルとも違う感じだ。走り出すと低速時や加速時で、これまた気にしていると少々高音が際立っているなという印象は受けるが、それもホントに気にしているから。いきなりなにも言われず乗せられればこんなもんだよな、で済んでしまうレベルだろう。また巡航に入って負荷が減ればとても静かで、エンジンそのものの存在はまったく意識しなくて済むようになるので、問題はまったくなしだ。
 価格はセダンのE350ブルーテックアバンギャルドが798万円。E350ブルーテックステーションワゴンアバンギャルドが833万円。E320CDIよりも約60万円安い設定だが、燃費は10km/Lぐらいだったので、車重などを考えればかなりいいが、毎度言うように元が取れる価格ではないので悪しからず。ブルーテックの環境性能、その思想に共感して買うものだろう。
 ただし、補助はじつに手厚い。ポスト新長期規制をクリアしているので、自動車取得税と重量税は全額免除。具体的にはセダンが約42万円で、ステーションワゴンで約43万円が免除となる。もちろん新車購入補助金も対象だ。さらに平成22年度予算でクリーンエネルギー自動車導入促進対策費補助金が審議をパスすれば、ガソリン車のE300との価格差の半分が補助されることになるので、以前よりも買いやすくなっているのは確かだ。
メルセデス・ベンツ E350

インテリアの質感の高さなどは、さすがメルセデス・ベンツらしいもの。

メルセデス・ベンツ E350

フロントシートはしっかりと体を包み込み、長距離ドライブでも快適だ。

メルセデス・ベンツ E350

後席のスペースは、大柄な男性でもゆったりとくつろぐことができる広さ。


メルセデス・ベンツ E350

メーターは中央にインフォメーションディスプレーを備え、視認性も良好だ。

メルセデス・ベンツ E350

ミッションはパドルシフト付きの7速ATを搭載。滑らかな変速が印象的だ。

メルセデス・ベンツ E350

日本仕様はトランクの内張が専用となっており、ゴルフバッグ4個を搭載可能。


メルセデス・ベンツ E350
メルセデス・ベンツ E350
メルセデス・ベンツ E350

ワゴンはオーバーハングが延長(120ミリ)されていることもあり、最大で1910リッターものラゲッジ容量を確保している。後席の収納はラゲッジにあるレバーを引くだけと簡単で、セダンのトランクスルー機構も同様の操作でOKだ。

メルセデス・ベンツ E350

代表グレード
メルセデス・ベンツ E350ブルーテック アバンギャルド
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高)
4870×1855×1455mm
車両重量[kg]
1910kg
総排気量[cc]
2986cc(ターボディーゼル)
最高出力[ps(kw)/rpm]
211ps(155kw)/3400rpm
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm]
55.1kg-m(540N・m)/1600〜2400rpm
ミッション
7速AT
10・15モード燃焼[km/l]
13.2km/l
定員[人]
5人
税込価格[万円]
798.0万円
発売日
2010/2/24
レポート
近藤暁史
写真
近藤暁史

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