ホンダ プレリュード試乗記・評価 爽快! 新世代クーペ誕生!!続報、 中高年が買っている? 1ヶ月で2400台受注。人気カラーは定番の白
中高年に人気のプレリュード、売れ過ぎて受注停止も?
2025年10月10日追記
ホンダは、新型プレリュードの販売が、発売から約1カ月後となる10月6日時点で約2,400台となり、月間販売計画の約8倍と好調な立ち上がりとなっていると発表した。
ホンダは、想定を超える受注を得たことで、現在一部販売店で受注停止の措置が取られていると公表。好調な受注状況を受け、増産を含めた対応を行う予定。
販売好調というプレリュード。しかし、ホンダディーラーの数は2,000店舗以上ある。つまり、2,400台の受注ということは、1ヶ月で1店舗当り約1台程度しか売れていないということになる。ホンダの国内営業も販売計画300台/月と、やや弱気の数値だったので、月間販売計画の約8倍となったとみることもできる。
とはいえ、SUV全盛でクーペやセダンがほとんど売れない時代に、クーペのプレリュードを販売し、ホンダらしさをアピールする姿勢は称賛に値する。わずかな顧客数とはいえ、ニッチな顧客の満足させることもブランド価値向上につながる。発売初期は、プロダクトの魅力で売れるが、長期間に渡り一定の販売台数を維持していくためには、ホンダ国内営業の営業力の見せ所となりそうだ。
そして、新型プレリュードの購入層は、主に50代・60代の中高年。これは、新型プレリュードの新車価格が600万円オーバーという高価な価格も影響しているのだろう。こうした50代・60代の中高年が主にな購入層ということもあり、売れ筋ボディカラーも保守的。約90%がモノトーン系となった。
新型プレリュードのボディカラー構成比
・ムーンリットホワイト・パール 63%
・メテオロイドグレー・メタリック 16%
・クリスタルブラック・パール 11%
・フレームレッド 10%
ホンダブランドをけん引するイメージリーダーも担う新型プレリュード
2023年10月、ジャパンモビリティショーのホンダブースに展示され、話題をさらったのが第6世代目となる新型ホンダ プレリュードだ。その後、沈黙を守っていたが。7月31日にウェブサイトでティザー情報が公開された。
6代目新型プレリュードのエクステリアは、ショーカーとほとんど変わっていない。イメージカラーはムーンリットホワイト・パールで、フレームレッド、メテオロイドグレー・メタリック、そしてクリスタルブラック・パールの4色が用意されている。インテリアのメインカラーはブルー×ホワイトだ。
近年、ホンダはブランドとしての独自性を失い、チャーミングなイメージが年を追うごとに薄くなっていった。年齢層が下がるにつれて好意度が低下し、ファンは他メーカーのブランドに流れている。そこで拡大するハイブリッド市場へ、他社にはない電動スポーツモデルを投入することにしたのだ。ホンダとしては、久しぶりに送り出すクーペスタイルのスペシャリティカーである。
高揚感を生み出すグライダーをイメージ
6代目新型プレリュードのグランドコンセプトは「UNLIMITED GLIDE」だ。大空を自由にどこまでも飛べるグライダーを発想の基点としている。優雅に滑空するような高揚感と非日常のときめきを感じさせるクルマを目指し、デザインにもこだわった。正式発売は9月5日だ。メーカーオプションなしのモノグレード構成での展開としているが、初年度限定、数量限定でオンライン専売の2トーンモデルも設定している。
6代目新型プレリュードのエクステリアは、グライダーが滑空するような高揚感を生み出す、低くシャープなフロントノーズと抑揚のある滑らかなボディラインが特徴だ。切れ長のヘッドライトは羽ばたく勢いを表現し、厚みのあるフェンダーからもスペシャリティカーらしい特別感が伝わってくる。スムースでクリーンなルーフラインから2ドアクーペに見えるが、実際はリアゲートを装備したハッチバッククーペだ。
6代目新型プレリュードのインテリアは、運転席と助手席を明快に分けたワンbyワンスタイルで、運転席はホールド性を高めたスポーツシート、助手席はほどよく包まれる快適な空間とした。ステアリングの内側に大型の丸型メーターを2つ並べ、その両側に補助メーターを配している。中央の見やすい位置にセットしてディスプレイは大きいが、視界の邪魔にならない。
価格が高過ぎる? 600万円オーバーのクルマなら、パワーシートくらい欲しい!
驚かされたのは、新車価格が600万円を超えるスペシャルティカーなのに、助手席はおろか運転席も手動調整式だったことだ。カップルのためのスペシャリティカーなのだから、パワーシートは必須の装備だろう。
ついでに言えば、インテリアの質感ももう少し高めたい。ヨーロッパ勢と比べ、手触り感や質感は物足りない。だが、後席は何とか座れるスペースを稼ぎ出した。ラゲッジルームも2名分の荷物を積めるスペースを確保している。だが、パーセルカバーがオプションなのは不満だ。
高評価! タイプR由来のサスペンション
プラットフォームやサスペンションなどのメカニズムは、シビックのフラッグシップと位置付けられているタイプRをベースとしている。そのホイールベースを2605㎜に切り詰め、サスペンションなどに専用セッティングを施した。
デュアルアクシス・ストラットサスペンションにZF社製のアダプティブ・ダンパー・システムを組み合わせ、タイヤは大径の19インチになる。もちろん、駆動方式は前輪駆動のFWDだ。
シビックと共通のe:HEV
気になるパワートレインは、1993ccのLFC型直列4気筒DOHC直噴アトキンソンサイクルエンジンに2つのモーターを加えたホンダ自慢のハイブリッドシステム、e:HEVを搭載する。
シビックと基本スペックは同じで、エンジンの最高出力が104kW(141ps)/6000rpm、最大トルクは182N・m(18.6kg-m)/4500rpmと発表された。モー0ター出力は、最高出力135kW(184ps)/5000〜6000rpm、最大トルク315N・m(32.1kg-m)/0〜2000rpmを発生する。バッテリーパックは、72セルのリチウムイオンバッテリーだ。
五感を刺激する「ホンダS+シフト」に酔う!
6代目新型プレリュードのパワートレインの凄いところは、ハイブリッドシステムのスマートさにエモーショナルな操る喜びを融合したことである。ドライバーの運転操作とクルマの応答がシンクロし、五感で意のままの走る楽しさを感じられるようしたことだ。これを実現させた技術が「ホンダS+シフト」だ。これは、高く評価できるポイントだ。
シビックなどのe:HEVには、車速とエンジン音を連動させるリニアシフトコントロールという制御が組み込まれている。これを進化させ、ワクワクする走りを実現したのがプレリュードのS+シフトだ。
最初は、シビックと同じようにDレンジに入れて走り出した。e:HEVは負荷をあまりかけない、流すような走りでは発電に専念している。だが、加速していくと車速に合わせてエンジンの回転数を制御するようになり、ステップATのような気持ちいい変速(感)を味わうことが可能だ。ドライバーの感性に合った加速フィールは、とても楽しい。
そのはるか上を行く楽しさを実現しているのがS+である。セレクターレバーの右側にあるS+ボタンを押すとメーターの表示がパワーメーターからタコメーターに切り替わった。そしてキャビン内に気持ちいいエンジン音が聞こえるようになる。否が応でも気分が高揚し、アクセルを踏む込む右足にも力が入ってしまう。
パンチ力はそれなりだが、演出は驚くほど上手だ。エンジン回転の上昇とリンクして、耳に心地よいエンジン音が響き渡る。レッドゾーンの6000回転まで軽やかに回り、キレのいいレスポンスも際立っていてドラマチックだ。軽い変速ショックを伴うニクイ演出も施した。制御に騙されているのだが、変速感の味付けは絶妙だ。パドルシフトを操作しての擬似変速もその気にさせてくれる。
ワインディング路で楽しいのが、コーナー手前での減速だ。ブレーキをチョコンと当てると間髪を容れずブリッピングを行い、回転を合わせての滑らかな擬似的シフトダウンが入るのである。鮮やかなシフトダウンは、ベテランレーサーに勝るとも劣らない。リズミカルにギアを落とし、気持ちよく加速態勢に入って加速していく。
もちろん、GTモードとコンフォートモードでの流すような走りでもスポーティな味わいが強かった。守備範囲が広く、オールマイティなレスポンスと上質な乗り味を楽しめるGTモードも好印象だ。動力性能はそれなりだが、エンジン音を奏でながらの走りはデートカーの面目躍如たるものだ。
コンフォートモードでもモーターの後押しがあるから、気持ちよくスピードを乗せていく。うまく乗れば、実用燃費もいいはずだ。ほとんどのシーンをモーターでこなすこともできるが、やはり楽しいのはS+モードを使っての走りだった。その操る楽しさを知ってしまうと病みつきになるはずである。
痛快&爽快ハンドリング!
6代目新型プレリュードらしさを感じるのは、異次元の痛快なハンドリングだ。低重心、ワイドトレッドのプレリュードは、リニアで一体感が高く、連続するコーナーを回るのが楽しい。大小のコーナーを気持ちよく曲がる感覚が強く、ハンドリングはクイックである。
アグレッシブな走りは得意中の得意だ。回転モーションをレスポンスよくタイヤへ伝え、狙ったラインに寸分狂いなく乗せることができた。タイトコーナーでも意のままにクルマが向きを変え、そこからの脱出速度も高い。ボディやシャシーは高剛性だが、それ以上にバランス感覚のよさに魅せられた。気持ちよく曲がるクルマなのである。
タイヤは235/40R18サイズのコンチネンタル製プレミアムコンタクト6だ。扱いやすく、乗り心地や静粛性も高いレベルを実現していた。ドライブモードの違いは明快で、好ましい。GTモードはロングドライブなどで重宝するだろう。曲がる性能に加え、止まる性能も満足できるものだった。6代目の新型プレリュードは、時代にふさわしい魅力的なスペシャルティカーに仕上がっている。
<レポート:片岡英明>
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ホンダ プレリュード新車価格
・プレリュード 6,179,800円
ホンダ プレリュード燃費、ボディサイズなどスペック
代表車種 | ホンダ プレリュード |
---|---|
全長×全幅×全高 | 4,520×1,880×1,355mm |
ホイールベース | 2,605mm |
最低地上高 | 135mm |
車両重量 | 1,460㎏ |
総排気量 | 1,993cc |
エンジン型式 | LFC |
エンジンタイプ | 直列4気筒DOHC16バルブ |
最高出力 | 141ps(104kw)/6,000rpm |
最大トルク | 182N・m/4,500rpm |
モーター最高出力 | 184ps(135kw)/5,000-6,000rpm |
モーター最大トルク | 315N・m/0-2,000rpm |
燃費(WLTCモード) | 23.6km/L |
駆動方式 | 前輪駆動(FF) |
トランスミッション | - |
サスペンション型式 | 前:ストラット 後:マルチリンク |
タイヤサイズ 前後 | 235/40R19 |
最小回転半径 | 5.7m |
バッテリー種類 | リチウムイオン |
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