ホンダ プレリュード新車情報・購入ガイド 6代目プレリュード、2025年9月発売開始! 歴代プレリュードをふり返る
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6代目プレリュード登場前に、歴代モデルをふり返る
2025年9月、6代目となるホンダ プレリュードが24年振りに復活する。プレリュードといえば、とくに3代目のBA系プレリュードは、1987年から1991年まで発売され、当時、バブル期ということもあり大ヒットモデルとなった。その大きな理由のひとつが「プレリュードに乗れば女性にモテる」というもの。女性人気も高いこともあり「デートカー」として一世を風靡した。
今回は、そんな6代目新型プレリュードの復活を受けて、歴代プレリュードに少しだけ試乗ができた。6代目新型プレリュード搭乗前に、歴代プレリュードとは、どんなクルマだったのかをレポートする。
ホンダ初のスペシャルティカーは、どの代でも革新の技術を満載!!
シビックとアコードに続いて送り出したホンダ初のスペシャルティカーが「プレリュード」である。FFと呼ばれる前輪駆動を採用して話題をまいた初代モデルが鮮烈なデビューを飾ったのは1978年11月だ。「PRELUDO」は前奏曲や前兆の意味で、音楽用語シリーズの最初の作品だった。メカニズムの多くは初代アコードのものを使っているが、ホイールベースは60㎜も短いし、2+2レイアウトのクーペボディも専用デザインだ。
82年11月には2代目にバトンを託した。リトラクタブル・ヘッドライトを採用し、副燃焼室を備えたCVCCエンジンは、ワンカム3バルブに進化している。後半に登場したSiが積むのは2.0LのDOHC4バルブだ。
サスペンションも凝ったレイアウトだった。デザインもスタイリッシュだったから、デートカーとして大ブレイク。最後まで売れ続け、16万台を販売するヒット作となっている。
リトラクタブル・ヘッドライトと低ボンネットを受け継ぐ3代目プレリュードは、87年春にベールを脱いだ。2代目が爆売れしたこともあり、デザインはキープコンセプトだった。
だが、メカニズムは、ホンダの持てる技術を積極的に採用している。エンジンは1.8Lから2.0Lに拡大され、サスペンションは4輪ともダブルウイッシュボーンだ。延ばしたホイールベースでも扱いやすいように、世界で初めてリアタイヤも動く4輪操舵の4WSをSiとXXグレードに設定した。
4代目は91年9月にモデルチェンジし、ワイドボディに生まれ変わる。S13型シルビア(日産)に奪われた主役の座を取り戻すために、エクステリアだけでなくインテリアのデザインも大胆に変えた。
全幅は、当時としてはワイドな1765㎜だ。パワーユニットも、排気量を2.2Lに拡大した直列4気筒DOHC4バルブを搭載している。フラッグシップのSi-VTECが搭載するのは、可変バルブタイミング&リフト機構を採用したパワフルなH22A型DOHC・VTECだ。4輪操舵システムは電子制御のハイパー4WSに進化した。
これに続く5代目が、20世紀で最後に登場したプレリュードだ。96年11月にベールを脱いでいる。歴代と同じように2+2レイアウトのノッチバッククーペだが、ホイールベースを35㎜延ばし、全幅は15㎜切り詰めた。
エンジンは、すべて2.2Lの直列4気筒DOHCである。主役のSiRはVTECに可変吸気システムを組み合わせた。専用チューニングを施したホッテストバージョンのSiRタイプSは、リッターあたり100psのパフォーマンスを誇る。世界初のATTS(左右駆動力配分システム)も注目の装備だ。
これまでに、5モデルを輩出したプレリュードの歴代モデルに乗る機会に恵まれた。ただし、2代目のAB型プレリュードはステアリングを握る直前にエンジントラブルに見舞われ、走行を断念している。
そこで、試乗できた4モデルについて、感じたことをお伝えしよう。だが、ショートサーキットでの試乗だったし、最高速度の制限もあったことから、印象に残ったことだけを書いてみた。
車重約900㎏の軽量ボディ
初代 SN型プレリュード
当時としては、珍しかった電動スライディングルーフを装備していたので思い出に残っているスペシャルティカーだ。
インテリアは、スピードメーターとタコメーターを同心円上に並べた集中ターゲットメーターに加え、メータークラスターから伸びたラジオのダイヤルスイッチも新鮮だった。また、オプションでコノリーレザーを用いた内装を用意していたことも驚きである。
エンジンは、アコードとおなじ1.8Lの直列4気筒SOHCで、副燃焼室を装備するCVCCを特徴とした。排ガス対策に翻弄された時代の作品だから、シングルキャブ仕様だ。
スペックは、グロス値で97ps/14.3kg-mである。当時は回転落ちの悪さを指摘されたが、今乗ってみるとそれほど違和感を抱かない。逆にキャブ仕様のキレのよさが際立って感じ取れる。パワフルではないが、900kgの軽量ボディだから不満のない実力だった。視線の移動が少なくて済む集中ターゲットメーターを装備する。
サスペンションは、前後ともストラットの4輪独立懸架だ。今のクルマと比べると、当時のFF車はアンダーステアが強く、アクセルワークにもコツを必要とする。
だが、上級グレードのXEグレードなどは、当時としては珍しいパワーステアリングを標準装備していた。ホイールベースもアコードより60㎜短い2320㎜だから扱いやすく感じる。タイヤは細い13インチだが、健気に踏ん張ってくれた。5速MTとペダル配置は、最初こそ戸惑うが、すぐに慣れ、操る楽しさが十分に伝わってくる。
バブル期、デートカーの代名詞となったモデル
3代目 BA型プレリュード
3代目プレリュードは、ウエッジシェイプを基調とするダイナミックなデザインが好評を博した2代目の流れを汲むデザインを採用する。ノーズ先端に装備する格納式のリトラクタブル・ヘッドライトは分かりやすいデザインだし、矢羽根をイメージしたフレッチングテールもエレガントだ。
超低いボンネットには、2タイプのB20A型直列4気筒エンジンが収められている。Siグレードは、DOHC4バルブで、145ps/17.8kg-mのスペックだ。高回転まで気持ちよく回るし、低回転域のトルクもそれなりに感じられた。5速MT車でも最低限の変速だけでコーナーを回れる。
サスペンションは、4輪ともダブルウイッシュボーンに進化した。それ以上に注目を集めたのが、世界で初めて採用した機械式の4輪操舵システム(4WS)だ。前輪の舵角が小さいときは同位相に動いて軽快な身のこなしを、舵角が大きくなると逆位相に動いて取り回し性を向上させる。コーナーに飛び込んでの旋回では2代目より軽やかなフットワークだ。
驚くほどシャープな最近のクルマと比べると尖ったところはなく、マイルドな操舵フィールと感じる。だが、低速で大きく転舵するとよじれたような感覚になるのが懐かしい。また、3代目より取り回し性も大きく向上し、扱いやすく感じた。ボディのしっかり感と静粛性も高められ、いい気分で運転できる。
より走りを重視したクーペ
4代目 BB1型プレリュード
全長とホイールベースを切り詰め、ワイドボディをまとったのが4代目プレリュードだ。デートカーの代名詞的な存在だったが、3ナンバー車となり、北米市場を強く意識した精悍なデザインとなっている。
パワーユニットも高性能化を図り、リーダーのSi VTECはH22A型直列4気筒DOHC・VTECエンジンを搭載した。圧縮比は10.6と高く、最高出力が200ps/6800rpm、最大トルクは22.3kg-m/5500rpmだ。このエンジンは、5000回転を境に性格だけでなくサウンドも変わる。排気量を拡大したから、余裕もある。
ステアリングを握って現代のクルマに大きく近づいたな、と感じられたのが4代目プレリュードだ。パワフルなエンジンに加え、ハンドリングもすこぶる小気味よい。電子制御4WSの採用と相まってバランスの取れた軽やかな回頭性を披露し、グリップ感だけでなくストローク感も感じ取れる。サスペンションがいいから気持ちいいコーナリングを楽しめるだけでなく、乗り心地もよかった。今の目で見ると4代目の魅力がよく分かる。
ゆっくりと走っても楽しいモデル!
5代目 BB8型プレリュード
5代目プレリュードのフラッグシップは、フロントとリアにスポイラーを装備したSiRのタイプSである。パワーユニットもパワフルで、2.2LのH22A型直列4気筒DOHC・VTECエンジンは220ps/22.5kg-mを絞り出す。さすがに気持ちいいVTECサウンドを奏でる回転域までは回せなかったが、応答レスポンスは鋭く、アクセルを踏み込むと軽やかに回転を上げていく。排気量が2.2Lあるから、意外にも実用域のトルクは豊かだ。低速コーナーでも粘り強さを見せ、ゆったりと流すように走っても楽しかった。
ステアリング操作に加え、左右の駆動力も上手に配分するATTAS(アクティブ・トルク・トランスファー・システム)を装備するから自然な感じで、あっさりとコーナーを駆け抜けていく。
アンダーステアを上手に抑え込んでスムーズなコーナリングを見せてくれるし、スタビリティ能力も高い。
1980年代までのプレリュードと剛性感や安心感も大きく違うと感じられる。歴代のプレリュードに乗り、その狙いがよく分かった。
間もなくデビューする6代目プレリュードの走りにも期待が膨らむ。これまでのプレリュードと次元の違う走りを見せてくれるはずだ。
<レポート:片岡英明>
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