【ザ・対決 比較試乗】トヨタ 2代目 プリウス(中古車) 対 トヨタ 新型 プリウス 徹底評価 ROUND2 〜総合評価〜 [CORISM]

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【対決】2009/09/09

評価する達人たち

小さくて軽く、誰でも買える価格帯、そして燃費がよいということを信念としてクルマを評論。大本命といわれている車種さえ外してでも自らの信念を貫き通す熱いハートをもつ。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員としても、その信念は変わらない。
学校の先生から自動車雑誌編集者経て、モータージャーナリストになったという異色の経歴を持つ。元教師ということもあり、分かりやすい評論に定評がある。さらに、クルマの細部まで見逃さない観察力はハンパではない。最新のクルマから、ヒストリックカーまで幅広い知識をもつ。
歯に衣を着せぬ原稿で、なにかと話題の自動車評論家。歯切れの良い文章も分かりやすく、多くのファンをもつ。カートップやベストカーなど多数の自動車雑誌に寄稿するだけでなく、WRCなどのTV解説まで幅広い活動を行なっている。

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コダワリ評価:Hybrid System 〜ハイブリッド・システム〜

トヨタ 新型 プリウス 中古車 トヨタ 2代目 プリウス
新型 トヨタ プリウス G[FF] ハイブリッドシステム
トヨタ プリウス S(2代目・中古車)[FF] ハイブリッドシステム
松下 宏 さまざまな面で進化を遂げているが、THS IIと呼ぶトヨタのFF車用ハイブリッドシステムの基本はキャリーオーバー。初代から2代目へのときほど進化の幅は大きくない。

10
2代目モデルの段階でトヨタのハイブリッドシステムは完成の域に達していた。リッターあたり30kmを超える燃費性能はハイブリッド車でなくては達成できないものだ。

8
片岡 英明 改良型のTHS IIを採用し、リダクションギアを加えて走りと環境性能を高めた。システム出力を高め、クールEGRや電動エアコンの改良で燃費を向上。パワーモードも装備する。

9
THS IIのシステム出力は新型の136馬力に対し113馬力にとどまる。可変電圧システムも650Vに昇電されたが、2代目は最大500V。エンジンは1.5リッターと新型より300cc小さい。

8
国沢 光宏 基本的には2代目と同じながら、小型&軽量化が可能となる高回転型モーター+リダクションギアを使うという、従来型よりひとつ新しいフェイズのシステムに進化している。

10
性能的には十分なレベルに達していたが、いろんな意味で過剰品質&コスト高のパーツを使っている。新型の開発にあたり、最重点対応項目がコストダウンだったという。

9
SUBTOTAL 29 25

コダワリ評価:Engine & Suspension 〜エンジン&足回り〜

トヨタ 新型 プリウス 中古車 トヨタ 2代目 プリウス
新型 トヨタ プリウス G[FF] 走り
トヨタ プリウス S(2代目・中古車)[FF] 走り
松下 宏 高速巡航時の燃費を向上させるため排気量を拡大したが、それで性能が上がったのは当然のこと。足まわりはグレードによる違いが大きい。いいのは17インチタイヤ装着車だけ。

8
新型車に比べるとエンジンの動力性能や燃費で不利になるのはやむを得ないし、足まわりも従来のモデルのほうが分が悪くなるのは仕方ない。タイヤも進化しているからだ。

6
片岡 英明 EV領域が広げられ、モーターだけの走行距離が長くなっている。1.8リッターエンジンを得てステージに関わらず軽快な走りが可能だ。冴えたフットワークと向上した乗り心地も魅力のひとつ。

9
1.5リッターエンジンは十分な実力。一般的な走りのシーンでは不満のない性能を身につけている。フットワークは軽快だが、乗り心地はやや硬質。ブレーキの感覚にも慣れが必要だ。

7
国沢 光宏 排気量アップしただけでなく、エンジン始動時にぶるぶる感を抑える制御など加え、一段と滑らか&静かなエンジンになった。足まわりは大幅進化でなくバージョンアップ程度。

8
エンジン始動時に賑やか。振動も伴う。とはいえ十分納得できる程度です。マイナーチェンジで乗り心地を改善した。新型プリウスの「L」グレードと比べても遜色ないレベル。

7
SUBTOTAL 25 20

コダワリ評価:Extrior Design 〜エクステリアデザイン〜

トヨタ 新型 プリウス 中古車 トヨタ 2代目 プリウス
新型 トヨタ プリウス G[FF] 外観
トヨタ プリウス S(2代目・中古車)[FF] 外観
松下 宏 2代目プリウスをほとんど焼き写しにしたかのような新型車のデザインは何とも物足りない。空力特性を高めたり、後席のヘッドクリアランスを拡大したとしても、独創性には欠ける。

8
今にして思うと、2代目プリウスのデザインは普遍性のあるいいデザインだった。でも、今後は新型の走る台数が増えるにつれて鮮度が下がっていくので、評価も8点までだ。

8
片岡 英明 好評だった2代目を正常進化させたデザインだ。空力性能を徹底的に追求し、サイド部を意識的に立たせCd値0.25を達成した。リヤビューはもう少し変化があってもよかった!?

8
今見ても色あせていない、まとまりのいいデザインだ。先進性が感じられ、ファミリーカーとして付き合いやすいデザインである。日本で使うのにいいサイズ感で、これもいいところ。

7
国沢 光宏 サイド&リアビューは非常によくなった。完全にワンランク車格が高くなったイメージ。ただフロントデザイン(とくにボンネット先端)の形状ときたら徹底的にイケてません。

7
あまり「いい」といえないデザインながら、見慣れたせいだろう。あまり違和感なし。むしろ「プリウスウらしい」ボディシルエットだと、世間では認識されているようだ。

7
SUBTOTAL 23 22

コダワリ評価:Intrior Design 〜インテリアデザイン〜

トヨタ 新型 プリウス 中古車 トヨタ 2代目 プリウス
新型 トヨタ プリウス G[FF] インパネ周り
トヨタ プリウス S(2代目・中古車)[FF] インパネ周り
松下 宏 センターコンソールやタッチトレーサーなど新しいチャレンジをしたインテリアはいい点も多いが、エネルギーモニターが位置、色、大きさなどから見にくくなったのが難点。

8
古くはなったが、今でもあまり古さを感じさせない。液晶モニターが標準装備されて、エネルギーの配分が見やすく表示されるのがいい点。新型車ではそれが失われてしまった。

7
片岡 英明 センターメーターは変わっていないが、前方の遠いところのインジケーターを充実させ、情報量を多くしている。ピラーの形状を工夫し、前後の死角も減らした。質感は今一歩だ。

8
センターメーターを採用し、インパネとセンターコンソールを分離しているから足元が広々としている。ウォークスルーも可能だ。ステアリングなどの調整幅は新型より少ない。

8
国沢 光宏 センターコンソールタイプを採用。左右のウォールスルーができなくなってしまった。「G」グレードと「S」グレードの「品質感の差」をもう少し付けてもよかったと思う。

8
後期型のインテリアは「シボ」の質感も高くなり、なかなか満足度の高い仕上がりになっている。液晶画面を標準装備するなど、コストもかかっている感じ。悪くないです。

7
SUBTOTAL 24 22

コダワリ評価:Packaging 〜パッケージング〜

トヨタ 新型 プリウス 中古車 トヨタ 2代目 プリウス
新型 トヨタ プリウス G[FF] フロントシート
トヨタ プリウス S(2代目・中古車)[FF] フロントシート
松下 宏 ルーフの形状を変えることで後席のヘッドクリアランスを拡大したり、ラゲッジスペースを拡大するなどしている。フルモデルチェンジしたことの意味は間違いなくある。

10
アメリカでもよく売れたのは、体の大きな人にも不満のないパッケージングをもっていたからだ。新型車との間に差は確かにあるが、空間設計の基本はすでによくできていた

8
片岡 英明 ホイールベースは変わっていないが、前後の余裕が増した。とくに後席の居心地がよくなっている。頭上空間が増え、大柄な人でも無理なく座ることが可能だ。収納も充実している。

9
海外市場も見据えているため前席、後席ともに不満のない広さだ。ただし、大柄な人だと後席の頭上と膝元の余裕は今一歩にとどまるだろう。ラゲッジルームはあまり広くない。

8
国沢 光宏 ベースとなるシャーシはオーリス。カローラ級のクルマだと考えていい。「ゴルフバッグが2つしか入らない」という声に応え、ゴルフバッグを3つ入るようにした。

9
プレミオ/アリオンに近いシャーシを使っており、本来なら新型プリウスより上級だった。ただ基本設計が古いため、キャビンスペースやラゲッジスペースで新型に抜かれてしまった。

8
SUBTOTAL 28 24

コダワリ評価:総合評価

トヨタ 新型 プリウス 中古車 トヨタ 2代目 プリウス
新型 トヨタ プリウス G[FF] 試乗
トヨタ プリウス S(2代目・中古車)[FF] 試乗
松下 宏 ホンダ インサイトがハイブリッドの話題を盛り上げ、エコカー減税が始まった直後の絶好のタイミングで、新型プリウスが登場してきた。2モーターのストロングハイブリッドによる燃費のよさをさらに進化させ、インサイトに性能面で明確な差をつけたほか、価格でも頑張った印象を与えている。不満な点もあるが、全体としては合格点だ。 2代目プリウスは改めていいクルマだったと思う。新型プリウスに2代目モデルから継承した部分が多いのは、2代目のデキのよさを示すものといってもいい。新型車は走りも燃費もよくなったが、2代目モデルにも十分な魅力がある。今後中古車の流通量が増えて相場が下がってくれば、ますます選ぶ意味が出てくると思う。
片岡 英明 大方の予想を裏切って205万円からのバーゲンプライスで登場した。しかも横滑り防止装置とサイド&カーテンエアバッグが標準装備だ。装備と価格のバランスがいいのは220万円のSから。メカニズムはTHS IIの改良型だが、きめ細かい改良と新しい1.8リッターエンジンを得て、走りの実力を飛躍的に向上させた。魅力はとてもある。 継続生産とし、プリウスEXと車名を変え189万円の価格で送り出した。こちらもバーゲン価格だが、横滑り防止装置やサイドエアバッグなどは装備されていない。となると新型との実質的な価格差はないに等しい。思い切って中古車を買うという手もありだろう。先代プリウスのタマ数が一気に増えてきた。これからは手頃な価格で程度のいいクルマが店頭に並ぶはず。
国沢 光宏 2代目プリウスのすべての性能を5〜10%程度向上させたと理解すれば間違いなかろう。ちなみに最も小さい「向上部分」は実用燃費。最も大きい進化が静粛性だと思う。したがって2代目プリウスのユーザーなら、少なくない金額差を出してまで乗り換えることもないんじゃなかろうか。中古車を手頃な価格で入手できればお買い得です。 25万円の補助金が貰える人なら、新車も購入出来る「プリウスEX」を推奨しておく。エコ減税とあわせれば実質的に40万円も安くなりますから。中古車ならグレード&装備内容をジックリ吟味したい。フル装備の「G」を150万円以下で入手できればお買い得だと思う(ここにきて2代目プリウスの相場はジワジワ上昇中)。
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(レポート:CORISM編集部

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