ダイハツ ムーヴ カスタム試乗評価の目次
燃費より、静粛性に驚いた? !
ライバル、スズキ ワゴンRに対するメッセージで、CMでも使われている「燃費だけじゃない」。そのひとつである、クルマの基本性能を評価してみたい。試乗コースには、スラロームと緩やかに曲がるトラック型コースが用意されていた。
トラック型のコースを指定された30km/hで走行する。スタートから、数キロ走った程度で、平均燃費計は30km/L以上を表示。カタログ燃費値を見事に超えた。しかし、低速で定速走行になんの意味があるのか分からなかったが、ダイハツの意図としては、とにかく燃費が良いということが言いたかったのだろう。
ムーヴのエンジンは、ワゴンRやN-ONEに比べると高回転型。最大トルクは、5,200回転で60N・m。ライバル車は、より低い回転でムーヴより大きな最大トルクを発揮する。さらに、低燃費化対策として、ハイギヤ化されている。そのため、走り出す瞬間の加速感は、ライバルにやや劣っているものの、意外とスルッと走りだし、想像していたより力強い加速を見せた。
そして、何より驚いたのは、静粛性だ。タイヤと路面が擦れる音や、エンジン音の侵入が少ない。軽自動車にありがちな、安っぽさはイッキに減っている。ひとクラス上の、コンパクトカー以上ともいえるレベルになった。
さらに、アイドリングストップから再始動する時に、エンジンスターターが回る音であるクランキング音も大幅に低減された。今までは、いかにも安っぽくヒステリックな高音のクランキング音がしていた。都市部で何度もアイドリングストップを繰り返すと、この音に少々ウンザリな気分になったものだが、今回のマイナーチェンジで、エンジン再始動時の静粛性もクラス上以上のパフォーマンスを得た。
<ムーヴの永遠のライバル? スズキ ワゴンR/ワゴンRスティングレー試乗評価>
■スズキ ワゴンR/ワゴンRスティングレー新車試乗記 スズキの危機感が高めたワゴンR史上、最高の完成度!
<デザインで差をつけろ! ムーヴの新ライバル ホンダN-ONE試乗評価記>
■ホンダN-ONE試乗評価 元F1エンジニア渾身の軽を超えた軽自動車!!
クラス、ナンバー1のハンドリング性能
次は、ハンドリングを確かめるスラロームだ。今回のマイナーチェンジで、ムーヴは今までカスタムRSグレードにのみ採用されていたローダウンサスペンションとフロントスタビライザーが全車に標準装備となった。
フロントスタビライザーは、カーブで必要以上にクルマが傾くのを抑制し、安定した姿勢で走れるようにするためのものだ。さらに、ローダウンサスペンションにより車高が15mmダウン。最低地上高は10mm低くなった。このローダウンサスペンションにより、クルマの重心が低くなった。重心が低くなったことで、運動性能が向上。さらに、フロントスタビライザーにより、車両の安定性が増したことで、今までのムーヴとは別物といえるハンドリングを手に入れた。
運動性能なんて、軽自動車にあまり関係ないと思いがちかもしれないが、背の高く細長いムーヴのようなクルマこそ重要だ。基本的に背が高くなると重心が高くなるので、クルマは不安定になりがちだからだ。何らかの要因によって、クルマのバランスが一旦崩れると、破綻するのは早く、最悪の場合は横転すら考えられるからだ。ホンダのやたらと背の高いN-BOXが、横滑り防止装置(VSA)が標準装備されているのは、横転のリスクを下げる意味も多く含んでいる。
今までのフロントスタビライザー無しのモデルは、ハンドルを切ると、少し遅れてクルマが反応し、大きくクルマが傾いて、運転が楽しいとは、とても言えるレベルになかった。この傾きは、同乗者だって不快だった。マイナーチェンジされたムーヴは、シッカリとハンドル操作に遅れずにクルマが反応。ほぼ、思った通りの方向にクルマが動く。クルマが傾いている状態で、ハンドルを切り足しても戻しても、手応えは十分でシッカリとクルマが反応してくれた。
とくに、スラロームでは、クルマが傾いた状態から元の正常な状態に戻るスピードがスムースだ。そのため、スラロームでは左へ切ったあと、スグに右へ曲がる準備ができているので、安心してハンドルを右に切れた。クルマの傾きの戻りが遅いクルマだと、右へ左へと曲がった道をスイスイとは走れない。ムーヴのCMではないけれど、目で見えないモノだから、一度試乗して感じてみるといいだろう。この感覚は、クラストップの実力といえる。
一般的に、ローダウンサスペンションというと、運動性能は上がるが乗り心地が悪くなるのでは? と思う人も多いだろう。さすがに、そのあたりはダイハツも徹底的にチューニングを施した。従来型ムーヴのフワフワした感じが無くなり、全体的にシャキっととした乗り心地になっている。
さらに、ブレーキのフィーリングも良くなった。急制動時のシッカリ感も上がり、安心して強くブレーキを踏める。これは、前後のブレーキのサイズアップによるものだ。
マイナーチェンジとはいえ、乗ると別物に進化したダイハツ ムーヴ。ワゴンRから始まり、N-ONE、ムーヴへと、その進化は凄まじい。どのクルマを選んでも、この3台ならハズレはない。それぞれ個性があるので、シッカリと試乗して決めるといいだろう。
<ダイハツ ムーヴ カスタムの新車情報、購入ガイドはコチラ↓↓↓↓>
■新型ダイハツ ムーヴ新車情報・バイヤーズガイド 高い安全装備スマートアシスト搭載したムーヴ参戦で、ダイハツVSスズキVSホンダ三つ巴の軽自動車戦争へ
<新型ダイハツ ムーヴ カスタム新車試乗評価 スマートアシストを試乗評価コチラ↓↓↓↓>
■新型ダイハツ ムーヴ新車情報・バイヤーズガイド 高い安全装備スマートアシスト搭載したムーヴ参戦で、ダイハツVSスズキVSホンダ三つ巴の軽自動車戦争へ
ダイハツ ムーヴ カスタム 価格/スペック/燃費など
<ダイハツ ムーブ/ムーブ カスタム価格>
・L 2WD 1,070,000円 4WD 1,191,000円
・L“SA”2WD 1,130,000円 4WD 1,251,000円
・X 2WD 1,200,000円 4WD 1,321,000円
・X“SA” 2WD 1,250,000円 4WD 1,371,000円
・カスタム X 2WD 1,300,000円 4WD 1,421,000円
・カスタムX“SA” 2WD 1,350,000円 4WD 1,471,000円
・カスタム X Limited2WD 1,420,000円 4WD 1,541,000円
・カスタム X Limited SA 2WD 1,470,000円 4WD 1,591,000円
・カスタム RS 2WD 1,430,000円 4WD 1,551,000円
代表グレード | ダイハツ ムーヴXリミテッドSA スペック |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 3,395×1,475×1,620mm |
ホイールベース[mm] | 2,455mm |
トレッド前/後[mm] | 1,305/1,295 |
車両重量[kg] | 820kg |
総排気量[cc] | 658cc |
エンジン最高出力[ps(kw)/rpm] | 52PS(38Kw)/6800rpm |
エンジン最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] | 60(6.1/5,200rpm |
ミッション | CVT |
タイヤサイズ | 155/65R14 |
JC08モード燃費 | 29.0km/L |
定員[人] | 4人 |
税込価格[円] | 1,470,000円 |
発売日 | 2012/12/20 |
レポート | 大岡智彦 |
写真 | 編集部 |
【関連記事】
- 新型ダイハツ ムーヴ カスタム新車試乗評価 スマートアシストを試乗評価
- 新型ダイハツ ムーヴ新車情報・バイヤーズガイド 高い安全装備スマートアシスト搭載したムーヴ参戦で、ダイハツVSスズキVSホンダ三つ巴の軽自動車戦争へ
- ホンダN-ONE(エヌワン)新車情報/購入ガイド 売れてます! 1ヶ月で2万5000台、その内訳を分析評価する!
- スズキ ワゴンR/ワゴンRスティングレー新車情報/購入ガイド エネチャージで発電エコカー!
- ダイハツ新車情報/購入ガイド一覧
- ダイハツ新車試乗評価一覧
- 軽自動車おすすめ情報一覧
【オススメ記事】
- フォルクスワーゲン ポロ新車情報・購入ガイド ついに全長4m越えに! 3ナンバー化した6代目新型ポロは、1.0L直3ターボを搭載【ニュース・トピックス】
- 三菱エクリプスクロス試乗記・評価 さすが4WDの三菱! 豪快にリヤタイヤを振りだすような走りも楽しめる絶妙なS-AWCに脱帽!【レビュー】
- 【日産リーフ 長期評価レポートvol.6】 日差リーフの実電費チェック! (一般道編)コツコツ電費を稼ぐe-Pedal【評論家ブログ : 日産リーフ】
- メルセデス・ベンツSクラス新車情報・購入ガイド 約20年振りの直6エンジンに、ISGを組みあわせた次世代エンジンを搭載!【ニュース・トピックス】
- 【日産リーフ 長期評価レポートvol.5】 日差リーフの実電費チェック! (高速道路編)実電費アップは、こだわりの空力性能にあり!【評論家ブログ : 日産リーフ】
- 三菱エクリプスクロス新車情報・購入ガイド スタイルに走り、装備とスキ無しの完成度を誇るコンパクトSUV。ガソリン車だけしかないことが、唯一の弱点?【ニュース・トピックス】
- 【日産リーフ 長期評価レポートvol.4】 30歳代クルマ好き女性、初めての電気自動車! その評価は?【評論家ブログ : 日産リーフ】
- 日産セレナe-POWER新車情報・購入ガイド ついに、シリーズハイブリッドシステムを搭載したセレナ! 5ナンバーミニバン、ハイブリッド車戦争へ加速!!【ニュース・トピックス】
- マツダCX-8試乗記・評価 際立つ運転のしやすさ! こだわりの「躍度」を雪上でチェック!【レビュー】
- 日産テラ(TERRA)新車情報・購入ガイド ナバラベースのSUV中国でデビュー! 日本への導入は?【ニュース・トピックス】
【関連記事】
- 三菱 デリカミニ vs ダイハツ タントファンクロス徹底比較評価! 失敗・後悔しないクルマ選び【対決】
- ダイハツ ビジョンコペン 脱軽自動車!? FRになり、さらに走る楽しさ倍増!? JAPAN MOBILITY SHOW 2023レポート【ダイハツ】
- ダイハツ タントファンクロス VS スズキ スペーシアギア 徹底比較・評価 失敗・後悔しないためのクルマ選び【対決】
- トヨタ、ダイハツ、スズキ商用軽バン電気自動車、新車情報・購入ガイド 2023年度内発売へ【スズキ】
- 踏み間違いを防げ! 新車&後付け急発進抑制機能を理解し体感できるイベント開催!【イベント・モーターショー】
- ダイハツ ムーヴキャンバス新旧比較【対決】
- ダイハツ タント新車情報・購入ガイド 新たにファンクロス登場!安全・安心、気遣い満載!!【ダイハツ】
- ダイハツ ムーヴキャンバス新車情報・購入ガイド ライバル車スマイルは必要なしと判断したターボ車がお勧め!【ダイハツ】
- トヨタ ライズ新旧比較 e‐SMARTハイブリッドの実力は?【対決】
- プジョー3008GT HYBRID4試乗記・評価 初PHEV(4WD)とネコ足のおいしいマリアージュ【プジョー】
【オススメ記事】
- ホンダN-BOX新旧比較 公開・失敗しないためのクルマ選び【対決】
- 速報!2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー「ホンダ フリード」に決定!!【イベント】
- トヨタRAV4(50系)新車情報・購入ガイド 新型RAV4デビュー直前? 最後の改良か?【トヨタ】
- 2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー 10ベストカー取材会開催!【イベント】
- 【動画】トヨタ アルファード (40系)後悔・失敗しないための内外装レビュー【トヨタ】
- ホンダWR-V試乗記・評価 大満足か後悔か? 成功か失敗か? 見極め重要なコンパクトSUV【ホンダ】
- 日産エクストレイル(T33型)vs トヨタ ハリアーハイブリッド(80系)徹底比較!【対決】
- 日産フェアレディZ新車情報・購入ガイド 2025年モデルが登場! 納期は? 転売ヤー対策は?【日産】
- BMW M2クーペ(G87)試乗記・評価 「サーキットで乗ってみたい!」クルマ好き女子が試乗!【BMW】
- 2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー、栄えある10ベストカーが決定! 今年のナンバー1は、どのクルマに!?【イベント】
CORISM公式アカウントをフォローし、最新記事をチェック!