コスパ高い高級車【アウディA6試乗評価】 [CORISM]

はてなブックマークに追加 Googleブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録
【アウディ】2011/09/27

少し地味だが、売れるデザイン

アウディA6
 新型アウディA6との初めてのご対面。正直、アウディにしちゃ、ちょっと地味すぎ? と、感じた。精悍さとスタイリッシュさを兼ね備えたデザインで、売れまくっているアウディ。それなのに、新型A6のデザインは、想像できる範囲の中に収まり、とくに驚きはなかった。もしかしたら、ベンツEクラスやBMW5シリーズというライバルの中で、最も地味かもしれない。まぁ、多くの評論家は、こういう地味目のデザインを完成度の高いデザインなどと書くのだけれど、今までのアウディに比べれば物足りない感じがする気持ちには嘘はつけない。

 このクラスの多くは、ヨーロッパなどでカンパニーカーと言われ管理職に会社から業務や通勤のために支給されるクルマとして使われるケースも多い。カンパニーカーということになると、個人の趣味や嗜好で選ぶということもいかない。そういった用途での使い方を考えると、さすがのアウディとはいえ斬新なデザインで勝負するということができないのかもしれない。日本国内においても、ビジネスでクルマを使うような人、もしくは、いいクルマに乗りたいが目立つのは困る。でも、ベンツやBMWというのもありきたりな選択もイヤといったニーズのユーザーにはピッタリかもしれない。

アウディA6
アウディA6
アウディA6

アウディA6

やはり3L車がよいが、実際に買うなら2.8Lがオススメ

 搭載されるエンジンは、エンジンは2.8Lと3Lスーパーチャージャー付きV型6気筒の2タイプを用意。2.8Lが204馬力、28.6kg-m。3Lが300馬力、44.9kg-mを発揮し、両エンジンともアイドリングストップ機能を装備し、7速Sトロニックトランスミッションと組み合わされる。気になる燃費は、2.8Lが10・15モードで11.0km/L。3Lが10.2km/LとAWDであることを考えれば、欧州のライバルより燃費は随分良くなった。

 運転していて楽で楽しいのは、やはり3Lエンジン。2900回転で44.9kg-mというトルクを発揮するだけあり、街中ではアクセルの上に足をチョンと乗せているだけで、交通の流れを十分にリードできるパフォーマンスをもつ。ミッションもできる限り低回転を保つので、静粛性も高評価だ。

 対して2.8Lエンジンは、やはりエンジンを少し回してあげないと元気のいい走りとはいかない。アルミを多用し軽量化したというボディだが、AWDなのでボディは1790kgと軽いとはいえないので、2000回転以上くらいエンジンが回さないと、車速はグイっとは上がらなかった。その分、長距離や渋滞ではアクセルの開閉で右足にかかる負担も大きく疲れがたまる印象だ。こうなると3Lが断然にいいのだが、あんなに速くなくてもいいのも事実。実際に購入するときには2.8Lが610万円に対して3.0Lが835万円と価格差はなんと225万円もあるので、オススメは2.8Lになる。

 また、試乗した日は、とても暑く新型アウディA6の外気温計では36度と表示されていた。当然、エアコンも全開状態。さらに、渋滞。こうなると、どうやらさすがのアイドリングストップも機能しないことが多かった。エンジンの始動は早く、ストップ・アンド・ゴーを繰り返しても、ストレスが貯まることはないだろう。ただ、エンジン始動時の音は、それなりにあるので、渋滞などで短い時間に繰り返されると耳障りになってきた。値段が半額以下のプリウスの方が静かで振動も少ない。

アウディA6

 写真はV6の3Lエンジン。スーパーチャージャー付きだ

アウディA6

 オプションの20インチタイヤ&ホイール。確かにかっこいいが、交換するときは、かなり高価なものとなる

アウディA6

 奥行きもありスクエアなトランクルーム。使い勝手もよさそうだ

一段と洗練されスポーティになった

 ハンドリングは、一段と洗練された。AWDシステムである最新世代のクワトロは、フロント40%、リヤ60%のトルク配分を基本とする。走行条件により、最大でフロント70%、リヤに85%のトルクを配分する。少し前のクワトロは、ガンガンとコーナーを攻めているとAWDらしくフロントが強めにコーナーの外側に行こうとしていた。この最新世代のクワトロシステムは、かなりFRに近いハンドリング。限界近くでもスイっとノーズはイン側を向き、アクセルオンで後ろから押される感じがたまらない。地味な姿だが、走りはとてもスポーティ。AWDなので、雨や雪など路面状態が悪い時にも安心して走れるのも特徴だ。雪が多い地域に住んでいる人には、まさにスーパーエクスプレスになる。

 インテリアは、さすがアウディというべきか、シットリとした、まさに高級車といえる落ち着いた雰囲気にまとめられている。ナビは8インチと大型で見やすい。さらに、ナビが不要なときは収納できるのもいい。

アウディA6
アウディA6
アウディA6


アウディA6
アウディA6
アウディA6

戦略的価格で、高いコストパフォーマンスを実現

 さて、価格にも注目したい。2.8Lで610万円。ライバルたちよりも、それなりに安い戦略的価格。アウディA6のデザイン上の肝ともLEDヘッドライトがオプションなのが、微妙に気になるのだが、アウディのヤル気を感じさせる。クルマのクオリティを考えれば、コストパフォーマンスは高いと評価したい。

 自動車好き以外に対して、色々な方法でアプローチを試みるアウディにとって、価格は重要な要素ということだろう。いいクルマだから高価でいいという、単純な時代ではないということだ。すでに、ブランド力だけでクルマは売れない。対価以上のクオリティを感じさせられたからこそ、アウディブランドは強力になった。この新型アウディA6で、さらなるブランド力のアップを狙う。

代表グレード アウディA 62.8 FSIクワトロ
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 4930×1875×1465mm
車両重量[kg] 1790kg
総排気量[cc] 2772cc
エンジン最高出力[ps(kw)/rpm] 204ps(150kw)/5250-6500rpm
エンジン最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] 28.6kg-m(280N・m)/3000-5000rpm
ミッション 7速Sトロニック
10・15モード燃費[km/l] 11.0km/l
定員[人] 5人
税込価格[万円] 610.0万円
発売日 2011/8/24
レポート 大岡智彦
写真 編集部

【関連記事】

(レポート:大岡 智彦

【オススメ記事】