最近のメルセデス・ベンツは、ハイブリッドやクリーンディーゼル、アイドリングストップなど、CO2排出量を減らす環境技術を急ピッチで多くマーケットに投入してきている。だが、その反面、エコとは無縁のスポーツカーの提案も同時に行なってきた。

今回、ドイツF1GPでワールドプレミアとなったメルセデスベンツC 63 AMGクーペブラックシリーズも、メルセデス・ベンツのスポーツカー提案だ。スポーツカーを否定するわけではないが、今回のメルセデスベンツC 63 AMGクーペブラックシリーズも古典的なスポーツカーの枠の中であり未来のスポーツカーの提案ではないようだ。

エンジンはAMG 6.3リッターV8。517馬力のパワーと620Nmという強力なトルクを比較的小さなCクラスクーペのボディに押し込む。エレガントにまとめられたCクラスクーペのボディもAMGの手により、よりワイルドに生まれ変わっている。ボンネット上部に開けられた大きな開口部に、惜しげなく使われているカーボン製のエアロなど、完全にレーシングカーを彷彿させる。19インチの鍛造ホイールの中に収められる赤く塗装さらたブレーキは、6ピストンキャリパーを誇り強大なストッピングパワーを約束する。この過激でホットなルックス通り、0-100km/h加速がなんと4.2秒という超俊足もスーパースポーツとして評価できる。

インテリアもバケットシートがセットされていて、徹底的にレーシーにまとめられている。赤いシートベルトが、特別なメルセデス・ベンツであることを主張する。これだけレーシーにまとめているのに、ナビゲーションなどの快適装備はそのままというのが、サーキット専用車ではない証でもある。

超特別なメルセデスベンツC 63 AMGクーペブラックシリーズの価格だが、115,430ユーロで1ユーロ113円換算で約1300万円。円高ということもあり、少々割安感？　もある価格設定。ヨーロッパでの投入は2012年1月。日本マーケット導入は未定だ。