【ボルボ V60 試乗評価 】フレンドリーでカッコいい!! [CORISM]

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【ボルボ】2011/05/16

いつだって、ボルボのワゴンは憧れだ

  約10年ぶりのフルモデルチェンジとなったボルボS60(セダン)のワゴンモデルがV60だ。ボルボといえば、1990年代後半に850エステートと呼ばれるワゴンが大ブームを巻き起こした。その影響で国産車であるレガシィやステージア、クラウン、アコードなどなど各社ワゴンボディを発売。ボルボ850エステートは、そんなワゴンブームの火付け役だ。だれもがボルボといえばワゴンと答えた時代。ワゴンユーザーの憧れでもあった。その後、Vシリーズでなんとか850エステートのブームをもう一度と願うボルボだったが、その願いはかなわずワゴンブームは終焉を迎えた。
 昔の話が長くなったが、つまり、このボルボV60は、そんな850エステートを彷彿させるようなインパクトのある美しさをもっている。フロント部分は、セダンのS60と同じだが、伸びやかに流れるようなダブルウェーブのウエストラインを経由してつながるリヤビューは、S60よりさらに流麗さを増した。ルーフが長くなった分だけ、その印象が強くなるのももちろんだが、後方に行くほど窓が小さくなるウェッジシェイプのデザインは、ちょっとクーペっぽくも見える。850エステートの時もそうだったが、ひと目ハートを引き付けられてしまったほどだ。これがまた、問答無用のイタリア系のカッコいいデザインというよりは、少し優しさをもったフレンドリーな印象。ドイツ車のイカツイ系デザインとは、まったく対極にあると言ってもいい。気に入れば、スタイルだけで買っても満足度は高評価である。
ボルボ V60
ボルボ V60
【ボルボ V60 試乗評価 】フレンドリーでカッコいい!!


ボルボ V60

 インパネはセダンであるS60と共通。ボディデザインほど、流麗さは感じない

ボルボ V60

 1.6リッターは、ツインクラッチ式6速。3リッターは、6速ATだ

ボルボ V60

 ステアリング右のダイヤルで、ナビ等の操作も可能

ボルボ V60

スポーティな走りだとういうが、それほどでもない。運転しやすさはピカイチ

 ボルボの走りはどうも・・・、ボルボ自身もそう思っていたようでこのV60では、かなりスポーティな味付けがなされた。DSTCと呼ばれる横滑り防止装置には、ドリフトすら可能とするほどだ。ドリフトなんて、ほとんど関係ないが、実際に運転していて一番感じたのはコーナー・トラクション・コントロールだ。これは、内側の駆動輪にブレーキをかけ、より曲がりやすくする機能。サスペンションの強化やステアリングのギヤレシオを10%クイックにしたことなどの相乗効果により、とにかく良く曲がる。全幅が1845ミリと、それなりに大柄なボディなのだが、狭いカーブでも意外と気を使うことなく走ることができる。クルマがスッと向きを変えるのも早いし、ハンドルを切る量も少ないようだ。とてもドライバーに優しくフレンドリーだ。
 だが、こういった使いやすさとスポーティというのは若干意味が違ってくる。残念ながら、今回の試乗では、今までのボルボとさほど大きく変わった印象はない。試乗コースとなった箱根ターンパイクは、急勾配の高速カーブが続く。このコースで少しボルボV60 を楽しもうとすると、3分の1走ったくらいでブレーキが奥へ入っていく。フェード気味になった。ハンドリングそのものは、クイックで良く曲がるし、ロール(クルマの傾き)も穏やかで安心感がある。乗り心地も快適だ。しかし、ブレーキを含め全体的にスポーティと語るほどではないというのが印象を評価したい。
ボルボ V60
ボルボ V60
ボルボ V60


ボルボ V60
ボルボ V60
ボルボ V60

1.6エンジンのDRIVeがお勧め

 搭載されるエンジンは、セダンのS60と同じ直噴で180馬力を発揮する1.6リッターターボエンジンと304馬力の直6、3リッターエンジンの2タイプ。お勧めは1.6リッターエンジン。10・15モード燃費は12.6km/lと、もう一声欲しいところだがパワー&トルク感とも、これで十分すぎるほど。エコカー減税対象車であることも、積極的に選ぶ理由にもなる。
 直6の3リッターエンジンは、スムーズさで1.6リッターエンジンをはるかに上回る。アイドリング時の騒音も静かなので、燃費よりも高級感を望む人に向く。3リッターとはいえ、4.5リッター並みの440Nmを発揮するので、高速道路のクルージングはとにかく快適だ。
ボルボ V60

 よりアグレッシブなスタイルになるT6 R-DESIGN

ボルボ V60

 T6 R-DESIGNの駆動方式は、AWDとなる

ボルボ V60

 T6 R-DESIGNのレザーシート。大胆なツートーンカラーだ

ドイツ車とは違う価値がある

 ボルボの誇る安全神話も健在。日本では死亡者事故の35%が歩行者だという。衝突速度が50km/hから25km/hになると、致死率が8%から1%へ激減するそうだ。当たり前だが、歩行者事故時にはどれだけ速度を落とせるかが重要ということになる。V60では、30km/h未満での追突を回避、または軽減するシティ・セーフティを標準装備している。
 また、オプションでレーダーとカメラで人やクルマを感知して、もしもの時にはフルオートブレーキで衝突を回避・軽減するヒューマンセーフティが25万円で用意される。すでに発売されているS60では、なんと約7割ものユーザーが選んでいるというオプションだ。
 実際に購入を考えるのなら、1.6リッターエンジンを搭載するDRIVeが395万円。これをベースにして、ナビパッケージがプラス25万円、さらに安全性を高めるセーフティパッケージを追加してプラス25万円。合計445万円がもっともお勧めの仕様となる。ナビパッケージは、お好み次第だが、外せないのはやっぱりセーフティパッケージ。高速道路を多用するユーザーには、全車速追従機能付きクルーズコントロールが付く。常に混雑する日本の高速道路では、抜群に使い勝手がよく運転していても疲れない。さらに、ヒューマンセーフティまで装備されるので、快適と安全が両方手に入る。
 フレンドリーな走りと美しいスタイル、そして先進の安全性。ドイツ車のように、走りが云々というものに興味がないのなら、ぜひとも一度味わってみる価値のあるクルマがボルボV60だ。
ボルボ V60

 1.6リッターのDRIVe専用のロゴ。エコカー減税対象車だ

ボルボ V60

 DRIVeは215/55R16が標準。レザーパッケージを選択すると215/50R17になる

ボルボ V60

 T6 R-DESIGNは、スタイリッシュな235/40R18を履く。足回りは少々カタメのセッティング

代表グレード ボルボV70 DRIVe
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 4630×1845×1480mm
車両重量[kg] 1560kg
総排気量[cc] 1595cc
最高出力[ps(kw)/rpm] 180ps(132kW)/5700rpm
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] 24.5kg-m(240N・m)/1600〜5000rpm
トランスミッション 6速AT(湿式デュアルクラッチ)
10・15モード燃費[km/L] 12.6km/L
定員[人] 5人
消費税込価格[万円] 395.0万円
発売日 2011/06/4
レポート 大岡 智彦
写真 CORISM編集部

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(レポート:大岡 智彦

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