斬新な「NAGARE」デザインを初めて本格採用
マツダ プレマシーは全高を抑えたタイプの3列シートミニバン。マツダには大きめのミニバンとしてMPVがあり、ハイト系のミニバンとしてビアンテがあるので、それらとは明確にコンセプトを分けている。
基本的には従来のモデルを継承して作られたキープコンセプトのクルマだが、斬新な外観デザインやパッケージング、環境性能、走り、安全性などさまざまな面で進化を図っている。
従来のモデルでは6+ONEのパッケージングが特徴で、今回のモデルでもそれを受け継いでいるが、+ONEの部分である2列目の中央席は単にカラクリシートを採用しただけでなく、3点式シートベルト&ヘッドレストレイントを採用して安全性を高めている。
外観デザインは、これまでマツダがモーターショーなどに出品してきたコンセプトカーを思わせる「NAGARE」のデザインが大きな特徴。水の波紋というか、流れる様子を描いたかのようなボディサイドのラインは、ほかのどのクルマにもない特徴と評価していい。
このようなプレスラインを採用すると、ボディを傷つけてしまったときの修復が大変というような心配も出てくるところだが、こうした点にも配慮して対応を図った上で採用されたデザインだという。
ただ、外観に関していうと、フロント回りがマツダ車としての統一性を図ったためか、アクセラなどと似た印象で、ボディサイドの「NAGARE」デザインとの整合性が取れていないようにも思える。
適度な高さのシート高により自然な姿勢で乗り降りできる運転席に乗り込むと、インパネ回りにはドライバーオリエンテッドのデザインが採用されている。といってもBMWなどのようにはっきりした運転席重視のデザインではなく、割とおとなしい印象デザインだ。
2列目の中央席に3点式シートベルトが採用されたが、格納部分が天井に設けられていて、ベルトを差し込むバックルの部分も自立式ではないため操作性はあまり良くない。3点式シートベルトが採用されたのは評価するが、まだやるべきことが残っている。基本的には6人乗りで使うクルマだ。
3列目シートの居住空間は、何とか大人が乗れる程度。といってもヘッドレストレイントの高さを合わせにくいので、子供を乗せるための空間と割り切って考えるべきだろう。というか、ふだんは格納してラゲッジスペースとして使うユーザーが多いのではないか。
基本的には従来のモデルを継承して作られたキープコンセプトのクルマだが、斬新な外観デザインやパッケージング、環境性能、走り、安全性などさまざまな面で進化を図っている。
従来のモデルでは6+ONEのパッケージングが特徴で、今回のモデルでもそれを受け継いでいるが、+ONEの部分である2列目の中央席は単にカラクリシートを採用しただけでなく、3点式シートベルト&ヘッドレストレイントを採用して安全性を高めている。
外観デザインは、これまでマツダがモーターショーなどに出品してきたコンセプトカーを思わせる「NAGARE」のデザインが大きな特徴。水の波紋というか、流れる様子を描いたかのようなボディサイドのラインは、ほかのどのクルマにもない特徴と評価していい。
このようなプレスラインを採用すると、ボディを傷つけてしまったときの修復が大変というような心配も出てくるところだが、こうした点にも配慮して対応を図った上で採用されたデザインだという。
ただ、外観に関していうと、フロント回りがマツダ車としての統一性を図ったためか、アクセラなどと似た印象で、ボディサイドの「NAGARE」デザインとの整合性が取れていないようにも思える。
適度な高さのシート高により自然な姿勢で乗り降りできる運転席に乗り込むと、インパネ回りにはドライバーオリエンテッドのデザインが採用されている。といってもBMWなどのようにはっきりした運転席重視のデザインではなく、割とおとなしい印象デザインだ。
2列目の中央席に3点式シートベルトが採用されたが、格納部分が天井に設けられていて、ベルトを差し込むバックルの部分も自立式ではないため操作性はあまり良くない。3点式シートベルトが採用されたのは評価するが、まだやるべきことが残っている。基本的には6人乗りで使うクルマだ。
3列目シートの居住空間は、何とか大人が乗れる程度。といってもヘッドレストレイントの高さを合わせにくいので、子供を乗せるための空間と割り切って考えるべきだろう。というか、ふだんは格納してラゲッジスペースとして使うユーザーが多いのではないか。
最近のマツダのコンセプトカーに用いられている「NAGARE」デザインを市販車として初めて本格採用した。
ボディサイドの独特のキャラクターラインが、とても印象的。ひと目でプレマシーとわかる個性的なフォルムだ。
ツリ目のヘッドライトは、最近のマツダ車の定番デザインともいえる。ボンネットも立体的な造形だ。
新型プレマシーのインテリアは、マツダ車らしいスポーティなもの。質感も向上しており、上質さも感じられる。
メーターはスポーティかつ、視認性に優れたデザイン。i-stopの作動インジケーターも設置されている。
メーカーオプションのカーナビは設定されず、なぜかディーラーオプションのみとなった。画面は見やすい位置にある。
一部グレードにはi-stopも装備! 走りは自然なフィーリング
プレマシーの搭載エンジンは直列4気筒2リッターの直噴仕様のみ。ただし、ベースグレードにはアイドリングストップ機構のi-stopが装備されず、上級の2グレードのみにi-stopが設定されている。今回の試乗では上級グレードの20Sや20Eに試乗した。
i-stopの付かない20CSは装備も貧弱だし、ほかのグレードにはi-stopと関連付けて装着されている横滑り防止装置のDSCも装備されないので、これは選択の対象外と考えたほうが良いと思う。
キープコンセプトのモデルながら、新しいプレマシーの走りはけっこう変わった。大きく変わったといっても良い。マツダはロードスターというスポーツカーをたくさん作っている自動車メーカーで、ほかのモデルもスポーティな走りを持つものが多く、旧型プレマシーもまた同様だった。
それに対して今回のプレマシーでは走りのリニアリティを重視したクルマ作りがなされていて、これまでのスポーティさとは違った自然な走りの気持ち良さが追求されている。たとえば、減速しながらコーナーに入り、加速しながら立ち上がっていくといったシーンで、Gが滑らかにつながることを意識したという。
結果として、これまでのプレマシーではキビキビ感やダイレクト感が強すぎたステアリングは、しっかりした手応えを感じさせながらも穏やかな印象の切れ味を見せるようになり、アクセルワークに対する反応もまた穏やかなものになった。
これはともすれば、ダルな走りという指摘を受けかねないところだが、そんな走りの鈍さを感じさせることなく、自然な走りが実現されている。マツダにとって、大きな変化の第一歩ともいえる変化があったのがこのクルマだ。
ミニバンのプレマシーだからこうした走りを選んだのか、あるいはマツダ車全体の走りのフィールを変えていくことになるのかは分からないが、今回のプレマシーが目指した方向は間違っていないと評価できる。
i-stopの付かない20CSは装備も貧弱だし、ほかのグレードにはi-stopと関連付けて装着されている横滑り防止装置のDSCも装備されないので、これは選択の対象外と考えたほうが良いと思う。
キープコンセプトのモデルながら、新しいプレマシーの走りはけっこう変わった。大きく変わったといっても良い。マツダはロードスターというスポーツカーをたくさん作っている自動車メーカーで、ほかのモデルもスポーティな走りを持つものが多く、旧型プレマシーもまた同様だった。
それに対して今回のプレマシーでは走りのリニアリティを重視したクルマ作りがなされていて、これまでのスポーティさとは違った自然な走りの気持ち良さが追求されている。たとえば、減速しながらコーナーに入り、加速しながら立ち上がっていくといったシーンで、Gが滑らかにつながることを意識したという。
結果として、これまでのプレマシーではキビキビ感やダイレクト感が強すぎたステアリングは、しっかりした手応えを感じさせながらも穏やかな印象の切れ味を見せるようになり、アクセルワークに対する反応もまた穏やかなものになった。
これはともすれば、ダルな走りという指摘を受けかねないところだが、そんな走りの鈍さを感じさせることなく、自然な走りが実現されている。マツダにとって、大きな変化の第一歩ともいえる変化があったのがこのクルマだ。
ミニバンのプレマシーだからこうした走りを選んだのか、あるいはマツダ車全体の走りのフィールを変えていくことになるのかは分からないが、今回のプレマシーが目指した方向は間違っていないと評価できる。
サードシートは、まずまずの広さが確保されている。ただ、あくまでも子供用か緊急時のスペースといった感じは否定できない。
6+ONEのパッケージングは新型でも受け継がれた、中央席も3点式シートベルトになったが、使い勝手はあまりよくない。
サイドのサポート性の高いシートは、スポーティな走りにも耐えるもの。こものの収納も豊富に用意されている。
いまや常識となりつつある両側電動スライドドアを装備する。i-stopや横滑り防止装置のキャンセルスイッチもここにある。
フル乗車時でも最低限のラゲッジスペースは確保されている。開口部は広めに設計されており、荷物の積み込みも楽にできる。
多くの場合、このようにサードシートを収納した状態で使用されるのではないだろうか。フロアももフラットで、使いやすい形状だ。
9月までならエコカー補助金の恩恵も受けられる
今回は15インチ、16インチ、17インチとオプションも含めて3種類のタイヤを履いた試乗車が用意されていたので、全部のタイヤを試してみた。箱根のワインディングでの試乗ということもあって、15インチタイヤはすぐに鳴き出してしまうような状況で、ちょっとプアな印象もあった。逆に17インチは乗り味がちょっと硬めで、最も良いのが16インチというあまりにも当たり前の印象だった。
最後に、今回のプレマシーにはけっこう安めの価格が設定されている。2リッターエンジンの搭載車で、ミニバンのボディで、i-stopとDSCが装着されていて、20Eで192万円の価格には割安感がある。
といっても実際に購入するときには、電動スライドドアやSRSサイド&カーテンエアバッグを装着するほか、今回はなぜかディーラーオプションだけとなったカーナビも装着することになるから、合計の車両価格は250万円を超えることになる。
9月までなら、75%軽減のエコカー減税に加えて補助金も受けられるから、これによって購入予算を引き下げたい。
最後に、今回のプレマシーにはけっこう安めの価格が設定されている。2リッターエンジンの搭載車で、ミニバンのボディで、i-stopとDSCが装着されていて、20Eで192万円の価格には割安感がある。
といっても実際に購入するときには、電動スライドドアやSRSサイド&カーテンエアバッグを装着するほか、今回はなぜかディーラーオプションだけとなったカーナビも装着することになるから、合計の車両価格は250万円を超えることになる。
9月までなら、75%軽減のエコカー減税に加えて補助金も受けられるから、これによって購入予算を引き下げたい。
新型プレマシーに搭載されるエンジンは2リッター直噴4気筒のみ。ベースモデル以外のFF車はi-stopを装備している。
ミッションは5速ATを搭載する。変速は滑らかな印象だ。マニュアルモードも備えているので、スポーティな走りも味わえる。
新型プレマシーにはオプションも含め15インチから17インチまで、3種類のタイヤが用意される。ベストバランスは16インチ仕様(写真)だ。
代表グレード | マツダ プレマシー 20E |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 4585×1750×1615mm |
車両重量[kg] | 1500kg |
総排気量[cc] | 1998cc |
最高出力[ps(kw)/rpm] | 150ps(110kW)/6200rpm |
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] | 19.0kg-m(186N・m)/4500rpm |
ミッション | 5速AT |
10・15モード燃費[km/l] | 16.0km/l |
定員[人] | 7人 |
税込価格[万円] | 192.0万円 |
発売日 | 2010/7/1 |
レポート | 松下宏 |
写真 | 宮越孝政 |
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(レポート:松下 宏)
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