エレガントさが際立つメルセデス・ベンツCLS
2005年に誕生し、今やメルセデス・ベンツSクラスとEクラスの間のポジションを確立したのが4ドアクーペのメルセデス・ベンツCLSだ。
2代目では、シューティングブレークを設定し、新たなファン層を獲得した。その3代目は、ヘッドライトやグリルなどに新しいファッションを取り入れ、躍動感あふれるフォルムに生まれ変わっている。シンプルに見えるが、リアビューもエレガントなデザインだ。
メルセデス・ベンツCLSのインテリアは新鮮な感覚で、スポーティな味わいの中にエレガントな華やかさがある。ドアまで連続感を持たせたパノラミックなダッシュボードを採用し、精緻な仕上げだから上質ムードが高められた。
12.3インチの液晶パネルを2つも組み込むなど、見栄えもいい。エアコンの吹き出し口には、アンビエントライトと連動する64色のイルミネーションも採用した。
ナッパレザーパワーシートを前席に配し、後席はCLS初の3人がけだ。デザイン第一のパーソナルカーだからヘッドクリアランスは余裕がない。だが、足元は広く、足を投げ出しても無理なく座れる。
2.0Lターボディーゼルと3.0L直6ターボ+マイルドハイブリッドを用意した新型CLS
日本に導入されたメルセデス・ベンツCLSのグレードは2つ。ひとつは2.0Lの直列4気筒直噴ディーゼルターボを積む220dスポーツ。駆動方式は、FR(後輪駆動)だ。もうひとつは、新世代の直列6気筒DOHC直噴ターボにモーターのISG/48ボルトシステムを組み合わせたマイルドハイブリッドだ。
CLS450 4マチックスポーツのグレード名から分かるように、こちらは4WDである。トランスミッションは、緻密な制御の電子制御9速ATを採用した。
余裕あるクルージングが得意な2.0Lディーゼルターボ
CLS220dスポーツのディーゼルターボは、194ps/40.8kg-m(143kW/400Nm)を発生する。4000回転までしか引っ張れないが、真価を発揮するのは3500回転までの領域だ。2000回転以下でも厚みのあるトルクを発生し、アクセルを踏み込むと間髪を置かず気持ちよくスピードを乗せていく。
9速ATの洗練度も高いからスムースにつながり、追い越しも俊敏にこなした。滑らかさと静粛性はこのクラスとしては平均レベルだが、クルージング時は静かだ。
極めてスムースで、レスポンスに優れた直6エンジン
CLS450の4マチックが積む3.0Lエンジンは、ターボ搭載によって367ps/51.0kg-m(270kW/500Nm)を発生する。これにモーターの136ps/25.5kg-m(10kW/250Nm)が加わるのだから加速は力強い。
モーターの後押しによる豪快なパワーフィーリングが魅力で、実用域のトルクも厚みがある。アクセル操作に対して、まず、瞬時にモーターの最大トルクが立ち上がりクルマを押し出す。そして、わずかに遅れてターボのパワーがプラスされるので、アクセルレスポンスに優れるのも特徴。ターボラグを感じさせない極めてスムースなエンジンだ。
静粛性も車格に見合った実力だ。居心地がいい。だが、その気になればスポーティなサウンドを奏でる。
路面に吸い付くようなフットワークと軽快なハンドリング
メルセデス・ベンツCLSのハンドリングは、どちらのグレードも軽快だ。意のままの気持ちいいハンドリングを身につけ、フットワークも軽やかだ。ワインディングロードでは気持ちよくノーズが狙った方向に向きを変え、スタビリティ能力も高いレベルにある。
とくに、4マチックは路面に吸い付いたかのように、狙ったラインにたやすく乗せることができた。荒れた路面でも足はスムースに動き、フラットライドな乗り味を保とうとする。
価格は1000万円を大きく超えるが、CLSの上質ムードと本物感を堪能したいならCLS450 4マチックスポーツがいい。デザインを気に入っているには、CLS220dスポーツがおすすめだ。
メルセデス・ベンツCLS価格
・CLS 220 d Sports 8,150,000円
・CLS 450 4MATIC Sports 10,590,000円
・Mercedes-AMG CLS 53 4MATIC+ 12,990,000円
メルセデス・ベンツCLS燃費、ボディサイズなどスペック
代表グレード:メルセデス・ベンツCLS 220 d Sports
全長×全幅×全高 5000×1895×1430mm
ホイールベース 2940mm
車両重量 1820kg
乗車定員 5名
最小回転半径 5.4m
最高出力 194ps(143kW)/3800rpm
最大トルク 400N・m(40.8kg・m)/1600~2800rpm
JC08モード燃費 18.6㎞/L
トランスミッション 9速AT
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