メルセデス・ベンツCLA試乗評価 トランクの付いたAクラス? スタイリッシュなスタイリング同様、カタメでスポーティな乗り味

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【メルセデスベンツ】2013/09/25

 

 

後席は少々窮屈だが、トランクは容量たっぷりって?

メルセデス・ベンツCLA

 メルセデス・ベンツCLAクラスは、スタイリッシュなデザインをまとった4ドアクーペだ。メルセデス・ベンツは先にCLSクラスを発売して人気を集めた経緯があり、CLSよりも小さなクラスで同じ手法を採用した。

上級車種のCLSクラスは、EクラスをベースにしたFR(4WD)車だったが、CLAクラスはAクラスのプラットホームをベースにしたFF(4WD)車である点が大きく異なる。

また、プラットホームを共用するAクラスは5ドアハッチバックのボディだが、CLAクラスはクーペ風の4ドアでトランクを持つノッチバックセダンである点に違いがある。カジュアルな感覚のAクラスに対し、フォーマルな使い方もできるのがCLAクラスである。

メルセデス・ベンツCLAの外観デザインは、まずフロントグリルの大きなスリー・ポインテッド・スターが目をひく。最近のメルセデス・ベンツ車に共通のデザインだ。個人的にはあまり好みではないが、このデザインが売れるので仕方がない。Aクラスでは上級グレード用の仕様とされていたシルバーダイヤモンドのグリルは、CLAクラスでは全車に設定されている。

ボディサイドの明快なキャラクターラインと流れるようなルーフラインなど、CLAクラスは横から見たときのデザインが特にカッコ良い。クルマのデザインは売れるか売れないかを決める大きな要素なので、このデザインは相当な強みになる。

CLAクラスは、外観のカッコ良さだけでなく、エアロダイナミクスにも優れていて、Cd=0.32という空力特性の数値は量産車として世界最高水準のものだ。

インテリアデザインの基本は、Aクラスと共通ながら、CLAクラス専用の仕様も施されていて、オプションの本革インテリアなどはメルセデス・ベンツならではの高い質感が表現されている。

室内空間は、前席についてはまずまずというか十分な広さがある。でも、後席は流れるようなルーフラインの影響を受けている。ドアの開口部が小さめで乗り降りがしにくいし、乗り込んだ後も足元空間は良いが、ヘッドルームにほとんど余裕がない。事実上、子供用という感じの後席になる。

また、FF方式を採用することが貢献してトランクルームの容量は十分なものがある。デザイン上の問題から開口部があまり大きくないが、容量は大きくてゴルフバッグを3個積めるという。

メルセデス・ベンツCLA
メルセデス・ベンツCLA
メルセデス・ベンツCLA

 

メルセデス・ベンツCLA

 

 

 

 

 

 

装備で比較するとおすすめは、少々高価だがCLA250

メルセデス・ベンツCLA

 CLA180には直列4気筒1.6Lの直噴ターボ仕様エンジンが搭載され、CLA250は直列4気筒2.0Lの直噴ターボ仕様が搭載されている。搭載エンジンによる動力性能の違いは明確なものがあり、CLA180でも必要十分な動力性能を備えるものの、スポーティな走りを楽しみたいユーザーにはCLA250がお勧めといった感じの走りの違
いがあった。

CLA180は、90kW/200N・mの実力で、低速域からターボ車らしいトルク感のある走りを実現するので、たいていのユーザーはこれで満足できるはず。CLA250になると155kW/350N・mという自然吸気なら3.5L並みの実力を持つ。走りに余裕があり、アクセルレスポンスに優れた走りが楽しめる。高速巡航時の回転数もCLA250のほうがやや低く抑えられるので、静かで快適なクルージングが可能である。

トランスミッションは7速のDCTで、上級車用の7Gトロニックとは異なるデュアルクラッチだが、その変速のスムーズさは7Gトロニックと変わらないくらいの感覚。スポーティな走りを楽しむときにはパドルを使い、ふだんは何の意識もすることなく乗れる。

また、Aクラスに比べて良くなっていたのがSモードを選んだときの制御。AクラスではSモードを選ぶと、エンジンとトランスミッションの制御がぐいぐいとかなり引っ張るようになって、走りにギャクシャク感が生じていたが、CLAクラスではそれが解消され、洗練された感じの走りを示すようになった。聞けば、最新のAクラスも同様の制御に変更されているという。

スタート/ストップ機構(アイドリングストップ機構)は割と良くエンジンが停止する。しかも、間違えてブレーキペダルを緩めるなどして再始動がかかっても、その位置でブレーキペダルを踏み込めば再びアイドリングストップに入れるのが良い。それが、何度も可能なのだ。なるべくエンジンを停止させて燃費を良くしようという考えである。

乗り心地は、CLA180とCLA250で違いがあるが、どちらもスポーツサスペンションに18インチタイヤを履いていて、やや硬めの印象だった。CLA180のほうは、もう少し快適性を重視した足回りにして、タイヤもA180のように17インチにするなどしたほうが良いように思えた。

車両本体価格はCLA180が335万円で、CLA250が459万円。実に124万円もの差がある。ただ、CLA250にはCLA180でオプションのバリューパッケージやAMGライン、ナビゲーションなどが標準で装備されているので、実質的な価格差は半分くらいになる。それで装備や仕様の差と動力性能の差があるから、お得感で考えるとCLA250のほうがお勧めだ。これに19万円のセーフティパッケージを装着すれば良い。

メルセデス・ベンツCLA
メルセデス・ベンツCLA
メルセデス・ベンツCLA

 

 

メルセデス・ベンツCLA価格・燃費・スペックなど

メルセデス・ベンツCLA

メルセデス・ベンツCLAクラス価格

・CLA 180 ¥3,350,000円
・CLA 250 ¥4,590,000円
・CLA 250 4MATIC ¥4,840,000円
・CLA 45 AMG 4MATIC ¥7,100,000円

代表グレード メルセデス・ベンツCLA180
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 4,640x1,780x1,430mm
ホイールベース[mm] 2,700mm
トレッド前/後[mm] 1,545/1,545mm
車両重量[kg] 1,470kg
総排気量[cc] 1,595cc
エンジン最高出力[kW (ps)/rpm] 90[122]/5,000rpm
エンジン最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] 200[20.4]/1,250-4,000rpm
ミッション 7速DCT
タイヤサイズ 225/40 R18
定員[人] 5人
税込価格[円] 3,350,000円
燃料 無鉛プレミアムガソリン
レポート 松下 宏
写真 編集部
メルセデス・ベンツCLA
メルセデス・ベンツCLA
メルセデス・ベンツCLA

 

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(レポート:松下 宏

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