レクサスNX300h新車試乗記/評価 進化し続けるスポーティなハイブリッド車、レクサスNX300hを試す! [CORISM]

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【レクサス】2014/08/12

■ヤバイくらい、かっこいい!

レクサスNX300h
 「やばい」という言葉は、本来具合の悪さや不都合なことを意味する。しかし、最近の若者の使い方では、やばい=最高! すごくいい! と、大きく意味を変えている。

 2代目ISは、大きくデザインテイストを変えてきて、レクサス のブランドイメージも変わってきたように感じた。そして、初のコンパクト SUV である新型レクサスNX をひと目みるなり、大きく変化したレクサスデザインに「こいつは、やばい!」と、40後半のオヤジが叫んでしまうほど強烈なインパクトがあった。

 フランクフルトショーで公開されたコンセプトモデルのレクサスLF-NX ほどのキレキレっぷりこそ市販車になって穏やかになったものの、塊から削り出したようなシャープなエッジの組み合わせは圧倒的な力感をもっている。

 とくに、リヤコンビネーションランプの複雑な造形や、それにつながるサイドのキャラクターラインやCピラーからのラインなど、それは複雑な凹凸で組み合わされていて、鉄板はこんなに加工しやすいものなのか? と、勘違いしてしまうくらいだ。このデザインを成立させるために、ボディ設計や生産技術などは、多くの苦労もあったという。

 また、切れ長のキリッとしたライトを中心としたフロントフェイスも精悍だ。女性のアイメイクで、ラメを使ったようなキラキラ感が特徴。3眼のLEDヘッドライトは、L字型に発光。LEDは片側6個となり、ロービーム状態では3つのL字が光る。

 これだけでも十分なくらいのキラキラ感だが、さらにアローヘッド形状のLEDクリアランスランプがヘッドライト下に配置される。なんと左右で78個のLEDが使われる豪華さをもつ。クリアランスランプもL字に見えるので、よく見るとL字だらけのフェイスといえる。クルマに乗り込む前から、ドキドキしてくるようなデザインになった。

レクサスNX300h
レクサスNX300h
レクサスNX300h

■ゴルフバック真横に3本積載可能! 高い積載性と利便性をもつラゲッジスペース

レクサスNX300h
 期待値MAXで、運転席に座るとエクステリアデザイン同様に塊から削り出されたような質感をもつセンターフレームが目に飛び込んでくる。太くタフな印象で、SUVらしさをアピールする。

 その上部に設置されているナビのモニターは、7インチと今時のクルマとしては少々小さい。ドライバーから見て、かなり奥に設置されているので視線変化は少なくて安全だが、地図が見にくい印象を受けた。

 また、操作はシフトレバー後方に設置されたタッチパッド付きのリモートタッチ。従来のものと比べるとずいぶん使いやすくなったが、動きがヌルヌルした感覚。カッチリとした感じが欲しい。ただし、クラウン なのタッチパネル式のナビやエアコン操作系に比べれば、姿勢や視点変化も少なく、より安全に確実に操作できる。

 そして、荷室を積極的に使うユーザーにうれしいのが世界初となる電動リクライニング&電動格納機能付き後席6:4分割可倒式シートだ。この機能、ラゲッジスルームだけでなく、後席横、運転席と3か所から後席シートをコントロールする。ゴルフをやらない人には、まったく意味が無いのだが、ラゲッジスペースには、9.5インチのゴルフバックが真横に3本置ける。真横に3本積めると積み下ろしも便利なので、ゴルファーにとっては使いやすい荷室となっている。このクラスで、ゴルフバックを真横に積める荷室をもつクルマは少ない。

レクサスNX300h
レクサスNX300h
レクサスNX300h

レクサスNX300h

■よく曲がり、あまりロールしない安定感あふれるフットワーク!

レクサスNX300h
 試乗したのは、レクサスNX300h FスポーツのFF車。プラットフォームやハイブリッドシステムは、基本的にトヨタ ブランドのハリアー と同じものが使われてる。このあたりが、レクサスが高級車ブランドの弱点でもある。クルマとしては大きく違うものの、クルマ好きにとっては、ハリアーの高級バージョンでしかないと思われてしまうこともある。やはり、レクサス専用のハードが欲しい。

 走り出すと、ハリアーとは違うクルマであることがすぐに分かる。ハリアーのゆるっとした足回りから、レクサスNXはパリッ、ピシっとしたフットワークになっている。走ることが楽しいとはあまり感じないハリアーとは全く違い、レクサスNXは背が高く重心高が高いSUVなのに、峠道では次のカーブが待ち遠しい気持ちになる。とにかく、よく曲がる! それが第一印象だ。

 指先でタイヤの感触が感じられるハンドリングを目指したというのも、大げさな話ではないと実感。とくに、Fスポーツには、車両の前後にパフォーマンスダンパーを装着し、ボディのたわみや振動を吸収。さらに、ショックアブソーバーの減衰力を30段階で制御するAVSも装備されている。角の取れたややカタ目の乗り心地だ。

 カーブでも、これがSUV なのか? と、思うほどクルマがロールしない。S字カーブを高速で走っても、ロールの戻りが素早いので、スイッと次のカーブへアプローチできる。高い旋回Gが加わった状態でも、ボディが強固なためとパフォーマンスダンパーの効果で修正舵の必要がなく、一定の舵角を維持したままキレイにカーブをクリアしていく。

 レクサスNX300hは、ハイブリッド車のため後席シート下にニッケル水素バッテリーを設置している。そのため、重心もやや下がり重量バランスも含め良い方向になっているのか、気持ちよく走っていると、だんだんSUV特有の重心高が感じなくなってくるほどだった。アクアもそうだったが、電池の積載位置を工夫したことで、重量バランスもよく、FF車ながらスポーティなコーナーリング性能をもっているのが、最近のトヨタ製ハイブリッド 車の傾向だ。

 レクサスNX300hには、ハイブリッド車のモーターを使ったばね上制振制御が加わっていて、車体の揺れを制御。より快適な乗り心地としている。

■プレミアムブランドを自ら標榜するなら、安全装備の標準装備化を!

レクサスNX300h
 少々、やり過ぎ感があったのがアクディブサウンドコントロールだ。ガソリン、ハイブリッド共に装備されている。この機能は、エンジンやミッションの状況に合わせたサウンドを電気的に生成。自動的に専用スピーカーから出力するというものだ。とくに、アクセルを力強く踏み込むとウオォォーンと、擬似的に作られたサウンドとは思えないくらい元気の良いサウンドが聞こえてくる。ハイブリッドのレクサスNX300hでは、低速時でもこうしたテイストがプラスされている。何も擬似的に作らなくても・・・、と思ってしまった。

 ここまでやらなくても、IS300hでもやってきたように、ハイブリッド車のリニアな加速フィールはさらに進化したようで、ほとんどガソリン車との違和感が無いくらいまで熟成されている。レクサスNX300hのシステムパワーは197psと余裕のパワーを発揮する。

 こういった装備を標準装備化するのであれば、もう少し安全装備面の充実を図ってほしい。ただでさえ、トヨタは追突被害軽減自動ブレーキなどの装備が遅れている上に、500万円を超える高級車なのに、ミリ波を使ったプリクラッシュセーフティシステムですらオプションだ。

 笑えてくるかもしれないが、性能は違うものの同じミリ波を使った追突被害軽減自動ブレーキが、スズキコンパクトカー ソリオ に標準装備されている時代なのだ。

 この機能に全車速追従機能が新たに付いたレーダークルーズコントロールが付き、オプション価格は64,800円。これくらいの金額の装備がオプションになるというのは・・・。せっかく良いクルマに仕上がっているだけに、レクサスNXの安全装備をすべてオプション化した国内営業は、レクサスブランドのスローガンをマイナスの意味でのAMAZING IN MOTIONとして、自ら選択してしまった。

レクサスNX300h
レクサスNX300h
レクサスNX300h

■新型レクサスNX300hの選び方は?

 さて、レクサスNX300hの選び方だが、まずはすべてオプションとなっている安全装備の選択から。レーダークルーズとプリクラッシュは必須アイテム。クルマの大きさを考えたら、パノラミックビューモニターとブラインドスポットモニターも欲しい。

 これらの装備を装着することが前提で、ハイブリッド車らしい静粛性とラグジュアリー感を得たいのならバージョンLがよい。3眼LEDヘッドライトも標準装備されている。後席の電動リクライニング&格納機能も標準装備されているので、荷室をよく使う人も便利だ。AWD かFFかは、使い方次第。

 そして、ハイブリッドでもスポーツドライビングがしたいのであれば、当然、Fスポーツという選択になる。走行性能を優先した足回りになってはいるものの、AVSやばね上制振制御により、質の高いカタめなフットワークなので市街地走行でも苦にならない。ただし、こちらは3眼LEDヘッドライトがオプションなので、これは必ず選択したい。

 恐らく、リセールバリューはFスポーツが高めとなる可能性が高い。短期の乗り換えで、Fスポーツなら乗り換え時に高値で買い取ってもらえる可能性がさらに高まるだろう。

 その他、アウトドアでも使うということであれば、やや高い気もするが56,160円(バージョンL)/64,800円(その他のグレード)のオプションでAC100V・1500wの外部給電ができるコンセントがあるといい。ハイブリッド車の電池から電力を取り出せるので、アウトドアでも色々な家電が使えるようになる。

 さて、競合はというと、同じようなロールーフ型SUVであれば、2014年夏に投入されるBMW X4 だろう。また、同じくX3アウディQ5 もライバルとなる。輸入車の方が、レクサスNX300hに対して価格は高めの傾向。このクラスではQ5にハイブリッドがあるが、燃費はそれほど良くなく価格は735万円と高価。対して、唯一クリーンディーゼル を導入しているのがX3。価格は592万円とレクサスNX300h Fスポーツに近い価格帯となっている。

 各社、それぞれ個性的なモデルなので、シッカリと試乗比較して選びたい。

■レクサスNX価格、燃費、スペックなど

レクサスNX300h
■レクサスNX200t価格
・NX200t 2WD 4,280,000円 4WD 4,540,000円
・NX200t versionL 2WD 4,920,000円 4WD 5,180,000円
・NX200t F SPORT 2WD 4,920,000円 4WD 5,180,000円
・NX200t l package 2WD 4,420,000円 4WD 4,680,000円

■レクサスNX300h価格
・NX300h 2WD 4,920,000円 4WD 5,180,000円
・NX300h versionL 2WD 5,560,000円 4WD 5,820,000円
・NX300h F SPORT 2WD 5,560,000円 4WD 5,820,000円
・NX300h l package 2WD 5,060,000円円 4WD 5,320,000円

代表グレード レクサスNX300h F SPORT AWD(NX200t F SPORT AWD)
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 4,630×1,845×1,645mm
ホイールベース[mm] 2,660mm
トレッド前/後[mm] 1,570/1,570mm
車両重量[kg] 1,850(1,800)kg
総排気量[cc] 2,493(1,998)cc
エンジン最高出力[kW/rpm] 112/5,700(175/4,800-5,600)rpm
エンジン最大トルク[N・m/rpm] 206/4,400-4,800(350/1,650-4,000)rpm
フロントモーター 最高出力105kw 最大トルク270Nm
リヤモーター 最高出力50kw 最大トルク139Nm
ミッション 6速AT(電気式無段変速機)
JC08モード燃費(㎞/L) 19.8(12.4)㎞/L
定員[人] 5人
税込価格[円] 5,820,000(5,180,000)円
発売日 2014年7月29日
レポート 大岡智彦
写真 編集部

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(レポート:大岡 智彦

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