トヨタ ハリアー新車情報・購入ガイド パワフル&スポーティな2.0Lターボを搭載。祝! 歩行者検知式自動ブレーキを全車標準装備化!
■歴代モデルが高い人気を誇った高級SUVのパイオニアがハリアー
トヨタは、高級SUVである「ハリアー」をマイナーチェンジし発売を開始した。
トヨタ ハリアーは、1997年に初代モデルが登場。高級SUVというジャンルを切り開いたパイオニア的存在だ。高級SUVというイメージをけん引したのは、当時日本には導入されていなかったレクサスRXだった。高級車ブランドとして、北米で話題になったレクサスRXと同じクルマということで、ハリアー人気はドンドンと高まっていった。なんと、レクサスRXのエンブレムをハリアーに貼りかえるオーナーも多くいたほどだ。
同様に2代目ハリアーもヒットモデルとなる。2003年に登場し、モデル途中からハイブリッド車も追加され、より高級SUV感をアピールした。
そして、レクサスRXが2009年にデビューする。この3代目レクサスRXは、トヨタブランドのクルマとは異なることを鮮明にした。ハリアーとしては販売されず、レクサス専用モデルとなった。
国内には、ヴァンガードが投入されたことで、ハリアーは終了となる予定だったようだ。しかし、このヴァンガードがほとんど売れない状況となる。そこで、トヨタはハリアーを継続生産。なんと、3代目ハリアーが出るまで販売されロングセラーモデルとなった。
そして、3代目ハリアーは、ほぼ国内専用車となり2013年12月にデビューした。レクサスとの関係がなくなったことから、販売面で少々心配されたものの、発売1か月での受注は20,000台と好調。ただし、ハイブリッド車の比率は約40%と低めの結果となった。高級SUVということもあり、ハイブリッド車の価格は当時3,610,000円からと、やや高めの価格設定だった。それに対して、ガソリン車は2,720,000円からと価格差が大きかったこともあり、ガソリン車中心の売れ行きとなったようだ。
■350Nmの大トルクを発揮する2.0Lターボ。ハリアーの最もスポーティなグレードに
今回行われたトヨタ ハリアーのマイナーチェンジでは、ガソリン車には8AR-FTS型の2.0L直噴ターボエンジンが搭載された。このエンジンは、ダウンサイジングエンジンで、2.0Lながらターボを装着することで、V6 3.5L並みの最大トルクを誇り、低燃費であることが特徴だ。出力は、231ps&350Nmになる。
従来のハリアーは、自然吸気の2.0Lエンジンが用意されていたが、1,600㎏級の車重では、高速道路などでやや非力感があった。より力強いハイブリッド車となると、4WDしか選択できず価格はFFガソリンモデルと比べると、80万円近く価格が上がり選びにくい状態だったので、2.0Lターボ車はその間を埋めるモデルといえるだろう。
ただし、ハリアーはほぼ国内専用車であるのに、この8AR-FTS型の2.0L直噴ターボエンジンはハイオク仕様となっている。これは、このエンジンが主に欧州や北米向けに開発されたものであったことが理由だ。せめて、国内に導入するのならレギュラーガソリン仕様にするくらいの配慮は必要だろう。
同じトヨタのC-HRは、オーリスなどに搭載されていたハイオク仕様の1.2Lターボをレギュラーガソリン使用に変更して搭載しているくらいだ。さらに、ハイオク仕様ながらエコカー減税にも対応していないので、顧客の負担はさらに増える。ハイブリッド車は、もちろんエコカー減税免税になっている。
そして、この2.0Lターボ車は、スポーティグレードとして位置付けられている。より優れた走行性能とするために、フロントとリヤにパフォーマンスダンパーを搭載。車両のロール剛性を上げることで、高速走行時における優れた直進安定性や操縦安定性を確保した。
さらに、走行制御モードスイッチにスポーツモードを追加。より力強い加速感とスポーティ感あふれるハンドリングを両立した。そして、専用の18インチアルミホイール(切削光輝+ダークグレーメタリック塗装)、スモーク調メッキ加飾ヘッドランプ、専用フロントグリル(アッパー&ロア)、ウルトラスエード
+合成皮革(ブラック×レッド)シート表皮、シフトパネル(メタルカーボン)などで、他のグレードと差別化されている。
■トヨタ セーフティセンスPが標準装備化され優れた安全性能を得た
装備面では、ようやく歩行者検知式自動ブレーキである先進予防安全装備「トヨタ セーフティセンスP」が全車に標準装備された。ハリアーは、サイド&カーテンエアバッグも全車標準装備化されているので、これで高級車といえる安全性能を得たことになる。
そして、アクセルとブレーキの踏み間違えによる衝突被害軽減に効果があるインテリジェントクリアランスソナーの機能が強化された。まず、低速走行時などアクセルが踏まれない場合も作動。超音波センサーを8個に増やし、右左折時やハンドルが切れている状態でも衝突緩和が可能となった。
より、安全性が高まったインテリジェントクリアランスソナーだが、こちらは最上級グレードのみに標準装備化。他のグレードは28,080円のオプションとなった。ハリアーは、高級SUVであるという位置付けであるのならば、わずか28,080円程度の装備なら積極的に標準装備化して、すべてのグレードが優れた安全性能をもつクルマであることをアピールするべきだろう。
また、右左折の際、16灯のLEDランプが内側から外側へ流れるように光るシーケンシャルターンランプを採用。先進性を強調するとともに、周囲からの被視認性を高め、予防安全性を高めている。さらに、ヘッドランプ点灯時、ウィンカー操作やステアリング操作と連動して点灯するLEDコーナリングランプを設定。交差点への右左折進入などに、歩行者や障害物をより早く確認できるよになり、夜間での安全性を高めている。
外観デザインは、アッパーグリルを薄くしロアグリルをよりワイドにすることで、トヨタ独自のアンダープライオリティをよりダイナミックに演出。タフなSUVというよりは、スポーティな精悍さを強調。リヤビューは、リヤコンビネーションランプを赤色の面発光とし、アイコニックなデザインとした。
外板色には、新色ダークレッドマイカメタリック、ダークブルーマイカメタリックを含む全6色を設定。
グレードは、上級パッケージ“Metal and Leather Package”を新設定した。
■トヨタ ハリアーのグレード選び
トヨタ ハリアーの選び方。安全装備は、歩行者検知式自動ブレーキである「トヨタ セーフティセンスP」が全車に標準装備化され、サイド&カーテンエアバッグも標準装備化されているので、どのグレードを選んでも高いレベルの安全性能を誇る。
ただし、アクセルとブレーキの踏み間違えによる被害軽減が可能なインテリジェントクリアランスソナーが一部グレードにオプション設定になっている。28,080円という安価なオプションなので、必ず装備したい。狭いところで壁などに擦ってしまうような事故も減るので、日常的にも効果がある装備だ。
ハリアーの選び方は、まずパワーユニットの選択から。2.0Lエンジン車が最も安価な設定になっていて、その次が2.0Lターボ、そしてハイブリッドが最も高価になっていく。予算に余裕があるのなら、やはり積極的に2.5Lハイブリッド車を選びたい。燃費も21.4㎞/Lと優れていて、エコカー減税も免税だ。価格は高いが、免税のメリットがある。また、4WDのみの設定なので、積雪地域でも使える。さらに、より低燃費なクルマであることが求められる時代。ハイブリッド車は、人気が高い。元々、ハリアーは高いリセールバリューを誇るが、さらにハイブリッド車はリセールバリューが高いので、短期の乗り換えでもメリットがある。
そして、選びにくいのが2.0Lターボ車だ。力強さでは、ハリアーのグレード中最もパワフルだ。しかし、ハイオク仕様でエコカー減税にも対応していない。単に速いハリアーが欲しいという人には向くが、燃費や燃料費などのランニングコストを考えるとちょっと微妙といったところ。
コストパフォーマンスを考えるのなら、2.0Lガソリン車だ。燃費も16.0㎞/Lと良好で、エコカー減税にも対応する。ただし、さすがに2.0Lエンジンでは余裕があるとはいえない状況。とくに、高速道路などでは多少深くアクセルを踏むことが多くなり、ストレスを感じるときがある。とくに、4WD車はこうした傾向が強くなる。街中中心で使ったり、力強さが無くてもストレスに感じないという人であれば、コストパフォーマンスに優れたグレードだ。
グレードは、予算重視ならELEGANCEでも十分といった仕様となっている。ただ、ELEGANCEはターボ車を除き、LEDヘッドライトやLEDシーケンシャルターンランプやLEDコーナリングランプが装備されていない。そうなると、PREMIUM以上が無難といったところだ。それ以上のグレードは、好みで選べばいい。
■トヨタ ハリアー価格
■トヨタ ハリアー価格
・ELEGANCE 2.0L 2WD 2,949,480円/4WD 3,143,880円
・ELEGANCE 2.0Lターボ 2WD 3,380,400円/4WD 3,574,800円
・ELEGANCE 2.5Lハイブリッド+ E-Four(電気式4輪駆動) 3,774,600円
・PREMIUM 2.0L 2WD 3,249,720円/4WD 3,444,120円
・PREMIUM 2.0Lターボ 2WD 3,519,720円/4WD 3,714,120円
・PREMIUM 2.5Lハイブリッド+ E-Four(電気式4輪駆動) 4,074,840円
・PREMIUM 2.0L “Metal and Leather Package” 2WD 3,599,640円/4WD 3,794,040円
・PREMIUM 2.0Lターボ “Metal and Leather Package” 2WD 3,850,200円/4WD 4,044,600円
・PREMIUM 2.5Lハイブリッド+ E-Four(電気式4輪駆動)“Metal and Leather Package” 4,424,760円
・PROGRESS 2.0L 2WD 3,780,000円/4WD 3,974,400円
・PROGRESS 2.0Lターボ 2WD 4,050,000円/4WD 4,244,400円
・PROGRESS 2.5Lハイブリッド+ E-Four(電気式4輪駆動) 4,604,040円
・PROGRESS 2.0L “Metal and Leather Package” 2WD 4,129,920円/4WD 4,324,320円
・PROGRESS 2.0Lターボ “Metal and Leather Package” 2WD 4,380,480円/4WD 4,574,880円
・PROGRESS 2.5Lハイブリッド+ E-Four(電気式4輪駆動)“Metal and Leather Package” 4,953,960円
【関連記事】
- トヨタ ハリアー/ハリアーハイブリッド新車情報・購入ガイド スタイリッシュなインテリアとなった特別仕様車「Style ASH(アッシュ)」デビュー
- トヨタ ハリアーハイブリッド新車試乗評価 ハイブリッドシステムで得た、静かで滑らかな走りは、まさに高級SUVの真骨頂!
- トヨタ ハリアーG's新車情報・購入ガイド 迫力あるスポーティSUVへ大変身!
- トヨタ ハリアー(ガソリン車)新車試乗評価 高級SUVとしての高いクオリティ。ただし、2.0Lエンジンでは・・・
- トヨタ ハリアー新車情報・試乗評価一覧
- マツダCX-5試乗記・評価 1クラス上のSUVに超絶深化!
- マツダCX-5新車情報・試乗評価一覧
- 【三菱アウトランダーPHEV 長期評価レポートvol.11】 クルマ好き女子、PHEV初体験! イケメン度、燃費性能にウットリ!?
- 【三菱アウトランダーPHEV 長期評価レポートvol.15】(後編)往復1,200㎞走破! 一般道でまさかの燃費29.0㎞/L! 持続可能なクルマ社会をけん引するのは、PHEVだと実感!(東京~神戸走行完結編)
- 三菱アウトランダーPHEV長期評価レポート一覧
- 三菱アウトランダーPHEV試乗記・評価 ビルシュタイン製サス&ボディ剛性アップで、走りの質が大幅に向上した新グレード「Sエディション」
- 日産エクストレイル新車情報・購入ガイド 運転支援機能「プロパイロット」搭載で、死角なし!
- 日産エクストレイル新車情報・試乗評価一覧
- SUV新車情報・試乗評価一覧
【オススメ記事】
- フォルクスワーゲン ポロ新車情報・購入ガイド ついに全長4m越えに! 3ナンバー化した6代目新型ポロは、1.0L直3ターボを搭載【ニュース・トピックス】
- 三菱エクリプスクロス試乗記・評価 さすが4WDの三菱! 豪快にリヤタイヤを振りだすような走りも楽しめる絶妙なS-AWCに脱帽!【レビュー】
- 【日産リーフ 長期評価レポートvol.6】 日差リーフの実電費チェック! (一般道編)コツコツ電費を稼ぐe-Pedal【評論家ブログ : 日産リーフ】
- メルセデス・ベンツSクラス新車情報・購入ガイド 約20年振りの直6エンジンに、ISGを組みあわせた次世代エンジンを搭載!【ニュース・トピックス】
- 【日産リーフ 長期評価レポートvol.5】 日差リーフの実電費チェック! (高速道路編)実電費アップは、こだわりの空力性能にあり!【評論家ブログ : 日産リーフ】
- 三菱エクリプスクロス新車情報・購入ガイド スタイルに走り、装備とスキ無しの完成度を誇るコンパクトSUV。ガソリン車だけしかないことが、唯一の弱点?【ニュース・トピックス】
- 【日産リーフ 長期評価レポートvol.4】 30歳代クルマ好き女性、初めての電気自動車! その評価は?【評論家ブログ : 日産リーフ】
- 日産セレナe-POWER新車情報・購入ガイド ついに、シリーズハイブリッドシステムを搭載したセレナ! 5ナンバーミニバン、ハイブリッド車戦争へ加速!!【ニュース・トピックス】
- マツダCX-8試乗記・評価 際立つ運転のしやすさ! こだわりの「躍度」を雪上でチェック!【レビュー】
- 日産テラ(TERRA)新車情報・購入ガイド ナバラベースのSUV中国でデビュー! 日本への導入は?【ニュース・トピックス】
【関連記事】
- トヨタRAV4(50系)新車情報・購入ガイド 新型RAV4デビュー直前? 最後の改良か?【トヨタ】
- ホンダWR-V試乗記・評価 大満足か後悔か? 成功か失敗か? 見極め重要なコンパクトSUV【ホンダ】
- 日産エクストレイル(T33型)vs トヨタ ハリアーハイブリッド(80系)徹底比較!【対決】
- マツダCX-80試乗記・評価 すべてに大人の余裕を感じた国内フラッグシップ3列SUV【マツダ】
- 三菱 アウトランダーPHEV新車情報・購入ガイド 大幅改良&値上げ。それでも、コスパ高し!!【三菱】
- スズキ フロンクス試乗記・評価 価格、燃費値を追加。欧州プレミアムコンパクトに近い上質感【スズキ】
- 【動画】三菱トライトン 後悔・失敗しないための試乗レビュー ピックアップなのに、乗り心地が・・・【三菱】
- スバル レガシィ アウトバック(BT系)新車車情報・購入ガイド 早くもお買い得な特別仕様車「Black Selection」登場!【スバル】
- マツダCX-80新車情報・購入ガイド ラグジュアリーSUVの極みへ!【マツダ】
- 2024 バンコク国際モーターショーレポート 三菱編【BLOG】
【オススメ記事】
- ホンダN-BOX新旧比較 公開・失敗しないためのクルマ選び【対決】
- 速報!2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー「ホンダ フリード」に決定!!【イベント】
- トヨタRAV4(50系)新車情報・購入ガイド 新型RAV4デビュー直前? 最後の改良か?【トヨタ】
- 2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー 10ベストカー取材会開催!【イベント】
- 【動画】トヨタ アルファード (40系)後悔・失敗しないための内外装レビュー【トヨタ】
- ホンダWR-V試乗記・評価 大満足か後悔か? 成功か失敗か? 見極め重要なコンパクトSUV【ホンダ】
- 日産エクストレイル(T33型)vs トヨタ ハリアーハイブリッド(80系)徹底比較!【対決】
- 日産フェアレディZ新車情報・購入ガイド 2025年モデルが登場! 納期は? 転売ヤー対策は?【日産】
- BMW M2クーペ(G87)試乗記・評価 「サーキットで乗ってみたい!」クルマ好き女子が試乗!【BMW】
- 2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー、栄えある10ベストカーが決定! 今年のナンバー1は、どのクルマに!?【イベント】
CORISM公式アカウントをフォローし、最新記事をチェック!