スバル ボクサーエンジンを21年ぶりに全面刷新 [CORISM]

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【スバル】2010/09/27

スバルのコア技術である水平対向エンジンに関する技術やノウハウの粋を結集して開発された「新世代ボクサーエンジン」

ロングストローク化などで燃費が約10%向上

富士重工業 群馬製作所 大泉工場

スバル群馬製作所大泉工場内に専用工場を新設。高品質と高い生産効率を実現する生産体制を整えた

 富士重工業は、環境性能と走行性能を高次元で両立した新型水平対向エンジン「新世代ボクサーエンジン」を開発した。
 今回開発された新エンジンは、エンジンの基本骨格であるボア・ストロークを見直し、これまで車体への搭載要件から困難とされてきたロングストローク化や燃焼室のコンパクト化を実現。さらに、吸気ポート形状最適化やポート内への隔壁設定、TGV(タンブル・ジェネレーテッド・バルブ)やEGR(エキゾースト・ガス・リサーキュレーション)クーラーの採用などにより、高い燃費性能を実現した。
 また、吸・排気バルブともに連続可変バルブタイミング機構「AVCS(アクティブ・バルブ・コントロール・システム)」を採用。特に吸気側にはバルブタイミングの進・遅角両制御を可能とする中間ロック式とし、吸・排気バルブのタイミングを緻密にコントロールする。このほか、ボア径縮小やNAに特化した仕様としたことで、主運動系部品の軽量化や高効率な小型オイルポンプの採用を実現。フリクションロスを約30%低減させた。さらにエンジン冷却回路をブロック側、ヘッド側に分離させ冷却効果を最適化することで、燃費性能、出力特性を高めた。
 以上の改良で、約10%の燃費向上を実現。排気量は4気筒2500㏄と同2000 ㏄の2種類のエンジンを用意する。ボクサーエンジンの全面刷新は、1989年発売の初代「レガシィ」に搭載した第2世代ボクサーエンジン以来、21年ぶりとなる。富士重工業では群馬製作所大泉工場内に専用工場を新設し、今年秋に発売の新型「フォレスター」に搭載するのを皮切りに今後の主力エンジンとして展開していく。

エンジン概要[新世代ボクサーエンジン 2000cc自然吸気]

エンジン形式 水平対向4気筒DOHCエンジン
総排気量 1995cc
圧縮比 10.5
ボア/ストローク 84mm/90mm
最高出力 109kW
最大トルク 196Nm

[参考:現行型ボクサーエンジン 2000cc自然吸気]

エンジン形式 水平対向4気筒DOHCエンジン
総排気量 1994cc
圧縮比 10.2
ボア/ストローク 92mm/75mm
最高出力 109kW
最大トルク 191Nm

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(レポート:CORISM編集部

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