居住性や積載性を重視した「大人のアクティブキャビン」が新型クラウンエステート
トヨタは、クラウンシリーズの4番目モデルとして新型「クラウンエステート」の発売を開始した。これにより、クラウンシリーズはクロスオーバー、スポーツ、セダン、エステートと全ラインアップが完成したことになる。
また、初代クラウンが登場したのが1955年。この新型クラウンエステートのデビューは、クラウン誕生70周年という記念すべき年になった。
クラウンシリーズは、セダンを除き、すべて中型前輪駆動車ベースのGA-Kプラットフォームを使う。しかし、クラウンスポーツのみ、スポーティな走行性能を重視したためショートホイールベース化。それぞれ、モデルのキャラクターに合わせて味付けを変えてきた。
今回の新型クラウンエステートは、「大人のアクティブキャビン」をコンセプトとして開発。ワゴンとSUVのクロスオーバーということもあり、積載性を重視。クラウンクロスオーバーと同じホイールベースとなった。
SUV色強めのワゴンとSUVのクロスオーバーモデル
新型クラウンエステートは、ワゴン(エステート)とSUVのクロスオーバー車。従来のこうしたクロスオーバーモデルは、スバル アウトバックのようにどちらかというとワゴンをベースとしてSUVテイストをプラスする傾向が強かった。そのため、ワゴンテイストが強い。
ところが、新型クラウンエステートは、アプローチ方法が逆だ。SUVをベースとして、ワゴン(エステート)テイストをプラス。そのため、SUVテイストが強いワゴンとのクロスオーバーモデルとなっている。
新型クラウンエステートは、他のクラウンシリーズと共通のイメージを感じさせるハンマーヘッドフェイスをもつ。また、グッと張り出した筋肉質なリヤフェンダーとルーフに向けて絞り込まれたボディラインは、クラウンスポーツのような安定感とスポーティさを兼ね備えている。なかなか、塊感と躍動感があるデザインになっている。
新型クラウンエステートは、「上質」「洗練」「余裕」と「機能性」を併せ持つ、ワゴンとSUVを融合させた新しいデザインとしたという。
各モデルでこだわった外観デザインをもつ、クラウンシリーズ。しかし、インテリアに関しては、シリーズ共通の「アイランドアーキテクチャー」を採用。水平基調で、広々とした印象を与えるインパネデザインとなっている。こだわりの外観デザインと同じく、インテリアもそれぞれの個性を表現して欲しいところだ。
インテリアカラーは、3色設定。クラウンシリーズ共通の「ブラック」と、大人の華やかなアクティビティに寄り添うイメージの「サドルタン」に加え、アクティブで洗練された印象の「グレイッシュブルー」をPHEV専用色として、クラウンシリーズで唯一採用している。
新型クラウンエステートは、荷室も重視した。それほど広いとは言えないが、通常時570L、リヤシート格納時1,470Lの荷室容量を確保した。広さだけでなく、使い勝手にもこだわった。後席折りたたみ時に長さ2mの完全フルフラットスペースを生み出す新機構「ラゲージルーム拡張ボード」をトヨタ車初採用。車中泊が容易になるだけでなく、レジャーやアウトドアなど様々なシーンにおいて色々な使い方が可能となっている。
PHEVのモーターを使って、クラウンスポーツよりパワフル仕様の2.5Lハイブリッド
新型クラウンエステートに搭載されたパワーユニットは、クラウンスポーツと同じく、2.5Lハイブリッドと2.5Lプラグインハイブリッドの2タイプを設定。2.5Lハイブリッドは、ちょっとしたこだわりが加わり、システム最高出力が243㎰とクラウンスポーツに比べ9㎰アップしている。
フロントモーターの出力をクロスオーバー、スポーツに対して約5割向上させた結果だ。フロントモーターは、62㎰アップの182㎰となっている。モーターそのものも変更されていて、従来の3NM型から5NM型となった。この182㎰をアウトプットする5NM型モーターは、PHEVのフロントモーターと同じだ。パワーアップされたことで、多くの荷物を積んでもストレスのない余裕のある走りが可能となっている。
2.5Lプラグインシステムは、クラウンスポーツと同じものを使用。システム最高出力も同じ306㎰と同じとなっている。EV走行距離(WLTCモード)は89㎞と十分な距離を誇る。
ストレスなく長距離移動できる上質なサスペンション
新型クラウンエステートのサスペンションは、フロントがストラットリヤがダブルウィッシュボーンとなっている。クラウンシリーズは、上質な乗り心地で高い評価を得ているモデル。新型クラウンエステートでは、ストレスなく長距離移動ができる乗り味を追求。しっかりとした操舵感や質感高い乗り心地が得られるようなサスペンション設定を行った。
また、大きなボディサイズながら、軽快で重厚感のある走りを実現するために、後輪操舵システムであるDRS( Dynamic Rear Steering)に独自のセッティングを施した。このDRSにより、全長4,930mmという大きなボディながら、最小回転は5.5mとコンパクトカーに近い小回り性能を得た。狭い駐車場での出し入れも容易になる。
そして、減衰力可変ダンパーのAVS(Adaptive Variable Suspension)にも減衰力の向上と摩擦低減を図る独自の設定を加えた。
車両のキャラクターを変えることができるドライブモードは、「ノーマルモード」、「スポーツモード」、「リヤコンフォートモード」の3つを設定。その差をより明確にし、ドライバーや同乗者の好みに合わせた上質で快適な走りを実現している。
充実装備の2グレード設定だが・・・
新型クラウンエステートは、2.5LハイブリッドのZ、2.5L PHEVのRSの2グレートとシンプルな設定。両グレード共に充実装備が魅力。
例えば、2.5LハイブリッドのZグレードには、本革シートが標準装備。好みで選択できるメーカーオプションはパノラマルーフ程度。予防安全装備なども、標準装備されていて万全だ。その分、価格もグッと高めで新型クラウンエステートZの新車価格は6,350,000円となった。
トヨタ クラウン エステート新車価格
・クラウンエステートRS 8,100,000円
・クラウンエステートZ 6,350,000円
トヨタ クラウンエステート燃費、ボディサイズなどスペック
代表グレード クラウンエステートZ
全長×全幅×全高 4,930mm×1,880mm×1,625mm
ホイールベース 2,850mm
トレッド(前/後) 1,605mm/1,615mm
最低地上高 175mm
車両重量 1,890kg
荷室容量 570L
エンジン型式・タイプ A25A-FXS型 直4DOHC ハイブリッド
総排気量 2,487cc
システム最高出力 243㎰
燃費(WLTCモード) 20.3㎞/L
駆動用主電池 バイポーラ型ニッケル水素電池
駆動方式 E-Four(電気式4輪駆動)
サスペンション 前:ストラット、後:マルチリンク式
タイヤサイズ 235/45R21
最小回転半径 5.5m
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