フォード マスタング試乗記・評価 V8を超えた!? 想像を以上のパワフルさをもつ2.3L 直4エコブーストエンジン!
高回転域でのパワー感も上々! もう、V8はいらない!?
新型マスタング の50周年記念特別限定車に搭載されたのは、直列4気筒2.3Lの直噴ツインスクロールターボ仕様のエンジンだ。最近のフォード が展開する最新のエコブーストエンジンである。
マスタングなのにV型8気筒じゃなくて4気筒かよ、そんな風に思うユーザーがいるかも知れない。でもこのエンジンの実力は半端ではない。動力性能の数字を見ても231kW(314ps)/434N・mの実力だから、V型8気筒4.4L級のエンジンに匹敵する性能を備えている。
トランスミッションは、フォードがセレクトシフトと呼ぶパドルシフト付きの電子制御6速ATが組み合わされている。最新のATらしいダイレクト感のある俊敏な変速フィールを示す。
試乗日はウェット路面だったが、その状態でフル加速の発進を試そうとしたら、思い切りリヤが横滑りした。すぐにアドバンストラックに含まれるトラクションコントロールの機能によって抑え込まれるが、エンジンの実力が並大抵のものではないことを示していた。
新型マスタングは、ボディサイズが大きいので、車両重量も1660kgとかなり重くなるが、動力性能のレベルはその重さを大きく超えるものだ。ターンパイクの登り坂などもぐいぐい上っていく感じがあった。
低速域でのトルク感ということではV型8気筒に及ばないと思うが、ターボとは思えないような滑らかな吹き上がりによって、軽快な加速フィールが味わえる。ロングトローク型のエンジンながら、けっこう良く回るし、高回転域まで回したときのパワー感も上々である。
世界で戦えるフットワークを手に入れた新型マスタング。ドライビングモードで、シーンに合わせて自在にセッティングが可能となった!
新型マスタングは、足まわりも新開発された。前輪がマクファーソンストラット式、後輪がマルチリンク式の4輪独立懸架になった。これによる走りのパフォーマンスの向上と、ライドコンフォートの向上は明確で、スポーティカー らしく相当に硬めではあるものの、快適性をスポイルしていない乗り味を感じさせた。ホイールベースの長さや、トレッドの広さなども安定感のある乗り味に貢献している部分があるだろう。
新型マスタング50周年記念特別限定車には、パフォーマンス・パッケージが装着されていた。ボディ剛性を強化する補強材のブレース、専用のシャシーチューニング、専用のアドバンストラックのチューニング、大径ブレーキローター&キャリパー、19インチの40タイヤなどをセットにしたパッケージだ。
また、走行モードを選択するセレクタブル・ドライビング・モードが設定されていて、インパネのトグルスイッチによって、ノーマル、スポーツ+、スノー/ウェット、トラックの4種類のモードが選択できる。これによってエンジンの吹き上がりやトランスミッションの変速タイミングなどが変わる仕組みだ。またステアリングもノーマル、スポーツ、コンフォートが選択できる。
さすがに、アドバンストラックがオフになるトラックなどは選択しなかったが、ノーマルとスポーツを切り替えるだけで十分にメリハリの効いた走りが味わえた。その日の気分や道路状況、交通状況に応じて切り替えて走ったら良い。
新型マスタングの50周年記念特別限定車の価格は465万円。決して安いとはいえないが、早い段階でマスタングを手に入れたいというユーザーや、左ハンドルのマスタングに乗りたいというユーザーには絶好の存在になるだろう。ただし、個人的には左ハンドル車は、お勧めしない。
フォード マスタング50 YEARS EDITION価格、スペックなど
■フォード マスタング50 YEARS EDITION:4,650,000円
代表グレード | フォード マスタング50 YEARS EDITION |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 4,790×1,920×1,380mm |
ホイールベース[mm] | 2,720mm |
トレッド前/後[mm] | 1,580/1,645mm |
車両重量[kg] | 1,660㎏ |
総排気量[cc] | 2,260cc |
エンジン最高出力[kw(ps)/rpm] | 231 [314] / 5,500 rpm |
エンジン最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] | 434 [44.3] / 3,000 rpm |
ミッション | 6速AT |
タイヤサイズ | 255/40 ZR19 |
定員[人] | 4人 |
税込価格[円] | 4,650,000円 |
レポート | 松下 宏 |
写真 | 編集部 |
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