搭載エンジンはいずれも直噴＋インタークーラー付きターボ仕様で、クーパー用の3気筒1500ccが100kW/220N・mのパワー＆トルクを発生し、クーパーS用の4気筒2000ccが141kW/280N・mを発生し、ともに電子制御6速ATと組み合わされている。

両方のモデルに試乗したが、実力的にはクーパーでも十分なものがあり、クーパーSなら余裕十分の実力を持つというイメージだった。

1500ccエンジンは3気筒なので、振動が出やすいのだが、ミニ5ドアではそれが良く抑えられていて、違和感を感じるようなシーンはなかった。今どきの3気筒は、振動で違和感を感じさせるようではないけない。アクセルを全開にしたときの加速感には、やや物足りなさを感じたものの、それはクーパーSのエンジンと比較するからであって、常用域での走りには特に不満はない。街乗り中心で使うなら、何の問題もなく使えると思う。

2000ccの4気筒エンジンは吹き上がりのスムーズさと力強さが増し、正にミニクーパーならではのスポーティな走りが楽しめる。ミニ5ドア車は、ボディが大きくなったことで、車両重量がクーパーSで50kg(クーパーは60kg)重くなっているが、それを感じさせない走りを実現する。低めの着座位置で路面が近くに見えるのは3ドアと変わらず、ゴーカート感覚の走りは5ドアでも変わらずに得られる。

　足回りはやや硬めの設定で、これは3ドアとほとんど変わらない印象だった。5ドアがファミリーユースを狙ったというのなら、もっと快適な乗り心地にしても良いのではないかと思ったほどだ。そのほうが、明確な個性分けができると思う。

ミニ5ドアの価格はやや高め。ミニは全体に高めの価格設定なので、5ドアだけが特に高いというわけではない。3ドアとの20万円弱の価格差も適当なところといえるだろう。この価格差なら、5ドアの販売比率が相当に高くなるのではないかと思う。

・MINI Cooper 5 DOOR 1.5L / 直列3気筒 6速AT ¥2,980,000
・MINI Cooper S 5 DOOR 2.0L / 直列4気筒 6速AT ¥3,500,000

代表グレード	ミニ クーパー5ドア
ボディサイズ［mm］（全長×全幅×全高）	4,000×1,725×1,445 mm
ホイールベース［mm］	2,565mm
トレッド前/後［mm］	1,500/1,500mm
車両重量［kg］	1,260kg
総排気量［cc］	1,498cc
エンジン最高出力［kw(ps)/rpm］	100（136）/4,400
エンジン最大トルク［N・m/rpm］	220（オーバーブースト時230）/1,250－4,300
ミッション	6速AT
タイヤサイズ	175/65R15
JC08モード燃費	17.9km/L
定員［人］	5人
税込価格［円］	2,980,000円
発売日	2014/10/2
レポート	松下 宏
写真	編集部