レクサス CT200h "Version L"[ボディカラー:シルバリーブルーメタリック]
全レクサス・トヨタ車に足らないキーワード「走って楽しい」「スポーティ」
1.8リッター 2ZR-FXE型「アトキンソンサイクルエンジン」+P410型「ハイブリッドトランスアクスル」を搭載したレクサス CT200hのハイブリッドシステム
トヨタの新型ハイブリッド車、「レクサス CT200h」が発売され、試乗する機会をいただいているのにもかかわらず、イマイチ心が高揚しない。もはや、もう飽きてしまった感があった。それもそのはずで、レクサス CT200hに積まれるハイブリッドシステムは、ほぼプリウスと同じであるからだ。だから、レクサス CT200h=プリウスの延長線上、というイメージも強い。それでいて価格帯も335万からで、売れ筋のバージョンCが375万円と、とても高価な価格設定もあった。
レクサスCT200hは、ある意味今後のトヨタやレクサスブランドの指針となる1台だともいえる。このクルマのコンセプトともいえる考え方に「新時代のハイブリッド・スポーツカー」としての方向性を強く感じるからだ。環境性能が叫ばれる中、燃費性能で圧倒的な勝利を収めたプリウスがある。モーターとエンジンで走るハイブリッドシステムが興味を引いたことと、ガソリンの高騰や環境問題が加速するなど複合的要因の追い風もあった。ただし、そんな爆発的ヒット商品となったプリウスにも足りないものがあったのだ。それが「走って楽しい」とか「スポーティ」といったキーワードだ。プリウスだけでなく、全トヨタ車に言えることでもある。
レクサスCT200hは、ある意味今後のトヨタやレクサスブランドの指針となる1台だともいえる。このクルマのコンセプトともいえる考え方に「新時代のハイブリッド・スポーツカー」としての方向性を強く感じるからだ。環境性能が叫ばれる中、燃費性能で圧倒的な勝利を収めたプリウスがある。モーターとエンジンで走るハイブリッドシステムが興味を引いたことと、ガソリンの高騰や環境問題が加速するなど複合的要因の追い風もあった。ただし、そんな爆発的ヒット商品となったプリウスにも足りないものがあったのだ。それが「走って楽しい」とか「スポーティ」といったキーワードだ。プリウスだけでなく、全トヨタ車に言えることでもある。
CT200hには想像を超えるスポーティさがある
画像は16インチアルミホイールを装着したモデル
そんな状況下の中、登場したレクサス CT200hは、想像を超えるスポーティさをもっていた。ハンドルを切ると、クルマが機敏にスッと何事も無かったように向きを変える。クルマのロール(傾き)も少なく、ハンドル操作に対してかなりダイレクトなフィーリングだ。クルマの重心も明らかに低い。プリウスにあったような腰高感は皆無で、ドライバーの着座位置がクルマの中心で動く、まるでBMWっぽいそんな印象だった。こういった動きは、ボディの前後に装着され、ボディの微振動などを抑えるパフォーマンスダンパーが寄与しているという。
乗り心地も、このハンドリングを支えるために、かなりガッチリと引き締められている。低速域では、タイヤが拾う路面のゴツゴツ感をシッカリとドライバーに伝えてくれる。この感じは、15インチ車が一番マシなくらいで、16インチ17インチとホイールサイズが大きくなるほど明確になっていく。さすがに歳を取ると、この乗り心地はいかがなものかなぁ、と思うもののギュインギュイン曲がるハンドリングも捨てがたい。そうなると、乗り心地は妥協する必要がある。Fスポーツという、外観をよりスポーティにしたバージョンがあるように、もう少しコンフォートよりのパッケージオプションが欲しいと感じた。
乗り心地も、このハンドリングを支えるために、かなりガッチリと引き締められている。低速域では、タイヤが拾う路面のゴツゴツ感をシッカリとドライバーに伝えてくれる。この感じは、15インチ車が一番マシなくらいで、16インチ17インチとホイールサイズが大きくなるほど明確になっていく。さすがに歳を取ると、この乗り心地はいかがなものかなぁ、と思うもののギュインギュイン曲がるハンドリングも捨てがたい。そうなると、乗り心地は妥協する必要がある。Fスポーツという、外観をよりスポーティにしたバージョンがあるように、もう少しコンフォートよりのパッケージオプションが欲しいと感じた。
オプションの17インチアルミホイール+215/45R17タイヤ
"F SPORT"専用デザインの17インチアルミホイール
よりスポーティな仕様の「レクサス CT200h "F SPORT"」
優雅で魅力的な内外装デザインと、スポーティ過ぎる走りのセッティングとのギャップに違和感
CT200h "Version L"にオプションのアイボリー本革シート+バンブーのオーナメントパネル
コンフォートよりのパッケージオプションが欲しいと感じてしまうのは、優雅なボディデザインにもある。彫りの深いフェイスやリヤデザインは、いかにもプレス加工が難しそうな凝ったデザインであり、削り出しの彫刻のような印象さえもつと評価していい。そのため、スポーティというより優雅に見える。シットリとした優雅さを持つディテールが、購買意欲を刺激する。そのため、どうも実際の乗り心地とシックリこないのだ。
インテリアデザインも同様に、細部にこだわりを感じる。パネルにバンブーを使ったインパネとアイボリーの本皮シートの組み合わせなど、なかなか粋でちょっと独特な雰囲気をもつ。そんな雰囲気をちょっと壊し気味にしているのが、ドライブモードセレクトだ。エコモード、ノーマル、スポーツとスイッチひとつでクルマのキャラクターが変わるのは、とてもよい機能だと思うが、スポーツにするとメーターが赤くなりタコメーターが出現し・・・、というのはどうも安っぽいゲームのようなのだ。インテリアデザインが、シットリとした大人の雰囲気でまとめてあるのに、インパネがゲームのようでは、全体のバランスがチグハグのように感じたのだ。この部分は好き嫌いの話になりがちなので、実際に購入を考えている人は、自分の目で確かめてみるといい。
インテリアデザインも同様に、細部にこだわりを感じる。パネルにバンブーを使ったインパネとアイボリーの本皮シートの組み合わせなど、なかなか粋でちょっと独特な雰囲気をもつ。そんな雰囲気をちょっと壊し気味にしているのが、ドライブモードセレクトだ。エコモード、ノーマル、スポーツとスイッチひとつでクルマのキャラクターが変わるのは、とてもよい機能だと思うが、スポーツにするとメーターが赤くなりタコメーターが出現し・・・、というのはどうも安っぽいゲームのようなのだ。インテリアデザインが、シットリとした大人の雰囲気でまとめてあるのに、インパネがゲームのようでは、全体のバランスがチグハグのように感じたのだ。この部分は好き嫌いの話になりがちなので、実際に購入を考えている人は、自分の目で確かめてみるといい。
「ECO」「NORMAL」「SPORT」と3つの走行モードを選べる"ドライブモードセレクトスイッチ"。さらに右のスイッチでEV走行が可能な「EVドライブモード」も選択可。
「ECO」「NORMAL」「EVドライブモード」時のメーターはブルーのイルミネーションで落ち着いたエコ走行を演出。
「SPORT」モード選択時のメーターイルミネーションは赤い照明へ変化。同時にハイブリッドインジケーターはタコメーターへと切り替わる。
フラットなラゲッジルームの床面は2重底で、床下にはデッキアンダーボックスも備える。
ミニマムながらも十分な空間を確保したリアシート。前席に比べ着座位置も高く見晴らしは十分だ。
着座位置は低め、ステアリングやペダル位置との関係も含めスポーティムード満点なフロントシート。
新しいハイブリッド「スポーツ」の姿を教えてくれる走りの性能
LEDヘッドランプはポップアップ式のヘッドランプクリーナー付き
また、スポーツモードにすると、ステアリングが重くなり電子制御部分はよりスポーティな方向へシフトする。モーターの駆動電圧も500Vから650Vへ昇圧され、クルマのキビキビ感に一層磨きがかかる。こういった新しい手法はプリウスにはなかったもので、新しいハイブリッド車の楽しみ方という点では、おもしろい提案だ。
少々気になったのが、高回転域でのエンジンフィールやパワー感。エンジン回転数がレッドゾーンに近付けば近付くほど、回転フィールは鈍り頭打ちになってくる。もうエンジン回すのやめようかなぁ(そういう意味ではエコだが)と、思うくらいだ。このあたりのフィーリングさえ、気持ちよくできれば、新しいハイブリッドスポーツ、レクサスCT200hはもっと磨きがかかるように感じた。
もはや、エコ技術なしにスポーツカーを語れない時代。個人的には、これから登場するという噂があるFT86などは、ハイブリッドの先駆者であるトヨタが出す以上、単にガソリンエンジンのみのFR車では意味がないと感じている。ガソリンエンジンのスポーツカーは山ほどある。ホンダのCR-Zがそこそこ売れているのもハイブリッドスポーツという新しい提案があったからだ。そういう意味で、レクサスCT200hの売れ行きが、今後のトヨタ系のスポーティカー開発にも大きく影響するだろう。まずは、ハイブリッド+スポーツという新提案にエールを送りたい。
少々気になったのが、高回転域でのエンジンフィールやパワー感。エンジン回転数がレッドゾーンに近付けば近付くほど、回転フィールは鈍り頭打ちになってくる。もうエンジン回すのやめようかなぁ(そういう意味ではエコだが)と、思うくらいだ。このあたりのフィーリングさえ、気持ちよくできれば、新しいハイブリッドスポーツ、レクサスCT200hはもっと磨きがかかるように感じた。
もはや、エコ技術なしにスポーツカーを語れない時代。個人的には、これから登場するという噂があるFT86などは、ハイブリッドの先駆者であるトヨタが出す以上、単にガソリンエンジンのみのFR車では意味がないと感じている。ガソリンエンジンのスポーツカーは山ほどある。ホンダのCR-Zがそこそこ売れているのもハイブリッドスポーツという新しい提案があったからだ。そういう意味で、レクサスCT200hの売れ行きが、今後のトヨタ系のスポーティカー開発にも大きく影響するだろう。まずは、ハイブリッド+スポーツという新提案にエールを送りたい。
まるで削り出しの彫刻のようなリアエンドのディテール
シャープな印象のフロントマスク
よりスポーティな"F SPORT"。Fは富士スピードウェイの頭文字に由来する
代表グレード | レクサス CT200h "Version L"[FF] |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 4320x1765x1460mm |
車両重量[kg] | 1440kg |
エンジン:総排気量[cc] | 1797cc |
エンジン:最高出力[ps(kw)/rpm] | 99ps(73kW)/5200rpm |
エンジン:最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] | 14.5kg-m(142N・m)/4000rpm |
モーター:型式 | 3JM 交流同期電動機 |
モーター:最高出力[ps(kw)/rpm] | 82ps(60kW) |
モーター:最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] | 21.1kg-m(207N・m) |
駆動用主電池 | ニッケル水素電池 |
トランスミッション | 電気式無段変速機 |
10・15モード燃費[km/L] | 32.0km/L |
定員[人] | 5人 |
消費税込価格[万円] | 430.0万円 |
発売日 | 2011/01/12 |
レポート | 大岡 智彦(CORISM編集部) |
写真 | CORISM編集部 |
レクサス CT200h "F SPORT"[ボディカラー:エクシードブルーメタリック]
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(レポート:大岡 智彦)
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