日産オーラ ニスモ(AURA NISMO) tuned e-POWER 4WD試乗記・評価 絶賛! まるで後輪駆動のような楽しい走行性能
日産オーラ ニスモ tuned e-POWER 4WD試乗記・評価の目次
オーラNISMOに待望の4WDが新登場!
日産のモータースポーツ活動で培ってきた技術とノウハウを駆使して開発され、送り出されたのがノートオーラNISMOである。デビューから3年足らずの間に2万台を超える販売を記録し、オーラ全体に占めるNISMOの割合は約18%に達した。余勢を駆って仲間に加えたのが、オーラNISMOチューンドe-POWE 4WDだ。気合が入っていることは、FF(前輪駆動)のオーラNISMOと多くの点で差別化を図っていることからも分かる。
2021年8月、ノートオーラNISMOが加えられたとき、筆者は「4WDモデルがあれば、さらにNISMOは魅力を増すだろう」と試乗記に書き添えている。走りの楽しさにこだわるNISMOファンも同じ意見の人が多かったようだ。この声に応えた結果がオーラNISMOチューンドe-POWE 4WDということになる。
ダウンフォースを効かせながら、ドラッグを低減したこだわりのエアロフォルム
オーラNISMOチューンドe-POWE 4WDのエクステリアは、最新のノートオーラに準じたデザインだ。だが、クリスタルカットグリルやリップスポイラー付きのエアロバンパーなど、専用のフロントマスクとした。リアもバンパーだけでなく左右にエアスプリッターと呼ばれるカナードを配している。ルーフスポイラーも後方まで伸ばしてエアロダイナミクス効果を強めるように変更した。
アルミホイールもオーラNISMOチューンドe-POWE 4WDは、エンケイ製のスペシャル品だ。FF車のホイールより軽量化を図るとともに、ホイール内のエアも排出しやすい形状としている。
インテリアは、FFのオーラNISMOと大きく変わるところはないが、オプション設定となっているレカロ製スポーツシート(前席44万円)のリクライニング機構が電動式に進化した。
また、要望の多かったヘッドレストスピーカー内蔵のBOSEパーソナルプラスサウンドシステムがオプションで選べるようになったことも嬉しいニュースだ。
ブラック基調の内装にレッドの挿し色を加え、ドライバーの前には専用の12.3インチのフルTFTメーターをセットしている。グレーを基調にレッドを加えた合皮とファブリックのシートが標準だ。
パワーアップしたリアモーターが走りの肝?
新たに加えられたNISMOチューンドe-POWER 4WDのハイライトは、そのメカニズムにある。発電用とした1.2LのHR12DE型直列3気筒DOHCエンジン(60kW/103N・m=82ps/10.5kg-m)にモーターを組み合わせているが、前輪を駆動するモーターの出力はベースモデルと変わっていない。最高出力は100kW(136ps)/3183〜8500rpm、最大トルクは300N・m(30.6kg-m)/0〜3183rpmだ。
大きく違うのは、リアモーターである。最高出力は50kW(68ps)から60kW(82ps)/3820〜10024rpmにパワーアップされ、最大トルクも100N・m(10.2kg-m)から150N・m(15.3kg-m)/0〜3820rpmへと大幅に増強させた。
ドライブモードは3種類のままだが、エコモード、ノーマルモード、そして加速力とレスポンスが高まるNISMOモードとしている。始動したときのデフォルトはエコモードだ。
オーラNISMOは、ベース車とドライブモードの制御を変えている。エコモードでもベースモデルのスポーツモードと同じ性格の味わいとしているから、アクセルを踏み込んだときの応答レスポンスは鋭い。
スタートダッシュでもライバルを置き去りにできるだけの実力派だ。しかも、減速Gは他のモードより強めに効くから、街中中心の走りを想定した走りではワンペダルドライブを楽しめるだろう。クリープ現象もあるから発進はラクだし、停止するときもほとんどブレーキを使うことがない。
ノーマルモードも専用チューニングだが、守備範囲が広く、街中の走りから高速道路まで余裕でこなす。メリハリの効いた加速フィールが得られ、応答レスポンスはさらにシャープになる。モーターの後押しが力強く、息切れしないのもいい。そして、リアの駆動力配分も増すから、ハンドリング特性までも変わった。
また、このモードでは回生を緩やかにし、アクセルを閉じた時の減速力を抑え気味としている。ワンペダルドライブに違和感を抱いている人にも使いやすいモードと言えるだろう。
NISMOモードは、走りの楽しさにこだわるマニアが病みつきになるモードである。アクセルを踏み込むと、背中をシートバックに押しつけられる刺激的な加速を味わえ、グッと前に出た。しかも、力強いダッシュ力が持続するし、コーナー手前でアクセルを緩めるとエコモードに迫る強力な減速力が得られる。滑らかなパワーフィールと高い静粛性も、これまでのチューニングカーと違うところだ。加速は俊敏だが、上品な大人の走りを身につけている。
後輪駆動のような走りを得たNISMOチューンドe-POWE 4WD
オーラNISMOチューンドe-POWE 4WDのサスペンションは、ストラット/トーションビームの組み合わせだ。もちろん、ショックアブソーバーとスプリングを変え、ワイド化した17インチのアルミホイールにはグリップ性能の高いミシュラン製のパイロットスポーツ4(205/50ZR17)を組み合わせた。
電動パワーステアリングも専用にチューニングしている。ハンドリングは軽やかだ。コーナー入り口でステアリングを切り込んだときの動きが滑らかなことに加え、足の動きもいい。だから狙ったラインに無理なく乗せることができる。
タイトコーナーやS字コーナー、そしてパイロンスラロームでも意のままの走りを楽しませてくれた。4WDでも驚くほど素直で、よく曲がる。スラロームでは若干のロールを感じさせながら、狙った方向に気持ちよくクルマと鼻先が向きを変えた。リズミカルにパイロンをクリアするなど、身のこなしは軽やかだ。しかもリアのグリップ感が素晴らしく、ホットな走りでもきちんと仕事をしている。コントロールできる領域は驚くほど広いと感じられた。
驚かされたはNISMOモードである。切れ味鋭いハンドリングを身につけていながら、リアの落ち着きと接地感のバランス感覚が絶妙だ。リアのトラクションを感じながら、鮮やかにクルマが狙った方向に向きを変える。パイロンスラロームでもアクセルワークの加減だけで気持ちよくクルマが向きを変え、狙い通りにピタリと寄せるのも難しくない。
リア駆動のスポーツモデルのように、アクセル操作とステアリングでコントロールする楽しさは格別だ。モーターの存在感と4WDの存在感が際立つ、今までにない感覚も新鮮に感じる。
FFのNISMOは、ちょっと乗り心地が硬めだと思ったが、4WDは当たりがソフトだ。リアシートでも快適性は高い。ちなみに標準のスポーツシートもホールド性とサポート性は良好だった。着座位置も思いのほかスポーティな味わいとなっている。
新たにノートオーラに加わったオーラNISMOチューンドe-POWE 4WDは、これまでのFFのNISMOと比べると40万円ほど価格が高い。だが、パンチの効いた刺激的な加速フィールや4WDならではの高いコントロール性などを考えると、リーズナブルなファインチューニングカーだと感じられた。真打ちの登場である。
<レポート:片岡英明>
日産ノート オーラ ニスモ(AURA NISMO)新車価格
・オーラ ニスモ(FF) 3,072,300円
・オーラ ニスモ tuned e-POWER 4WD(4WD) 3,473,800円
日産ノートe-POWER vs ホンダ フィットe:HEV徹底比較!
日産ノートオーラNISMO燃費、ボディサイズなどスペック
代表グレード ノート オーラNISMO tuned e-POWER 4WD
ボディサイズ:全長4120×全幅1735×全高1505m
ホイールベース:2580mm
車両重量:1390kg
駆動方式:4WD(e-POWER 4WD)
最小回転半径:5.2m
エンジン型式:HR12DE型 直3 DOHC 12バルブ
排気量:1.198L
エンジン最高出力:82PS(60kW)/6000rpm
エンジン最大トルク:103N・m(10.5kgf・m)/4800rpm
フロントモーター型式:EM47
フロントモーター最高出力:136PS(100kW)/3183 -8500rpm
フロントモーター最大トルク:300N・m(30.6kgf・m)/0-3183rpm
リヤモーター型式:MM48
リヤモーター最高出力:82PS(60kW)/3820 -10024rpm
リヤ最大トルク:150N・m(15.3kgf・m)/0-3820rpm
WLTCモード燃費:-
動力用主電池種類: リチウムイオン電池
サスペンション前/後:ストラット/トーションビーム
タイヤ前後:205/50ZR17
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