国内で売れるクルマのひとつがミニバン で、このジャンルではトヨタ ノア ／ヴォクシー が圧倒的な売れ行きを示している。これを追撃すべく登場したのが新型ホンダ ステップワゴンだ。

新型ホンダ ステップワゴン は、今回のモデルが5代目で、画期的なクルマ作りがなされている。後部ドアに縦開きのほかに横開きも可能にしたわくわくゲートを採用。このわくわくゲートが画期的で、小さな手荷物の積み下ろしが楽になるほか、3列目シートの床下収納によって後方からの乗り降りも可能にしたからだ。また、搭載エンジンをダウンサイジング直噴1.5Ｌターボとしたのもポイントである。

新型ホンダ ステップワゴンは、これまで低床・低重心パッケージを徹底してきた。今回のモデルもその基本は変わらないが、全高をやや高くしたのがこれまでの路線をやや変更した部分だ。日本では、室内の広さが素直に伝わるような全高の高さは、ミニバンの売れ行きを決める重要な要素のひとつである。

全高の高さは重心高の高さにつながり、操縦安定性に大きな影響を与える。そのため、本当なら全高を抑えたパッケージングのほうが良い。ただし、それでは、マーケットのニーズと逆になり売れなくなってしまう。過去に、そうした選択をして売れなくなったモデルが、いくつか存在している。

これまでのステップワゴンも、低全高のパッケージングで操縦安定性などの面て優位を保っていたが、小さくて狭く見えるのが弱点とされていた。実際に室内寸法はセレナ よりも広いのに、狭いと思われる面だったのだ。そうしたこともあり、今回のモデルでは方針を転換し、見た目も実際の室内空間も大きくしたのが特徴だ。

　新型ステップワゴンは、低床・低重心パッケージングをベースに、全高を高くしただけでなく、ホイールベースも延長している。これによって室内空間はグンと広くなった。

室内高は＋30mmと全高を高くした分以上に高くなっているし、1列目と3列目の間のタンデムディスタンスはホイールベースの延長分よりも拡大され40mm広くなった。全席で大人が快適に座れる空間が確保された。

それ以上に注目されるのが、左右非対称に分割して床下に収納できる3列目のマジックシート。これによって、後方のわくわくゲートからの乗り降りを可能にした。

乗車定員は2列目にキャプテンシートを採用した2名-2名-3名の7人乗りが基本。オプションで2列目に6：4分割のベンチシートが全グレードにオプション設定されており、これを装着すると8人乗りになる。

新型ステップワゴンを後方から見ると、わくわくゲートを備えたバックドアが左右非対称にデザインされている。これまでにない感覚のモダンなデザインだ。

わくわくゲートは、全車に標準装備でミニバンの新しい使い勝手を提示している。小さな荷物はわくわくゲートを少しだけ横開きにすることで、狭い場所でも簡単に積み下ろしがでる。また3列目のシートを床下収納した状態なら、このゲートから人が乗り降りすることもできる。また大きな荷物を積むときには従来のような縦開きが可能だ。

こんな自在な開閉が可能なドアは、冷蔵庫などでは例があるが、クルマではこれまでにない画期的な使い勝手を実現する新発想である。

ただし、わくわくゲートの装着に加え、全高が高くなったこともあって、バックドアのサイズは大きく重くなった。開いたときの取っ手も高い位置にあるので、小柄な女性には高くて重いドアが操作しにくい。そのため、わくわくゲートが開発されているので、わくわくゲートを中心に割り切って使うといいだろう。

■ホンダ ステップワゴン価格（全車1.5Lターボ、CVT、7人乗り）
・B 2,288,000円/4WD 2,547,200円
・G 2,480,000円/4WD 2,717,600円
・G・EX FF 2,588,000円/4WD 2,804,000円

■ホンダ ステップワゴンスパーダ価格（全車1.5Lターボ、CVT、7人乗り）
・SPADA 2,725,000円/4WD 2,962,600円
・SPADA・Cool Spirit 2,887,000円/4WD 3,081,400円