ベントレー フライング スパーV8試乗記・評価 ル・マンといえばベントレー!?「オールドマザーガン」を知らずしてル・マンを語るなかれ!?

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【ベントレー】2015/07/04

 

ベントレーNewフライング・スパーV8(埼玉県加須市のワクイミュージアムにて)

 

2000年以降、アウディ以外にル・マン優勝を果たしたメーカーはどこだ!?

オールドマザーガントロフィー

1928年の「オールドマザーガン」優勝を讃え贈られた記念のトロフィー

 今年の「ル・マン24時間レース」 は、ル・マン優勝回数最多を誇るポルシェが前回1998年の優勝以来、実に17年ぶり、17回目の総合優勝を果たし、ここしばらくずっとアウディに独占されていた栄光を久しぶりに取り戻しました。

一方のアウディ は狙っていた6年連続優勝を逃していまいましたが、2000年代に入ってから16回行われている「ル・マン24時間レース」で13回優勝と近年圧倒的な強さを誇っています。

そんな、ポルシェ とアウディが印象深い「ル・マン24時間レース」ですが、かつて4連勝するなどル・マンで大活躍し、今でも優勝回数では歴代5位を誇る自動車メーカーをご存知でしょうか? そう、それがベントレー なのです。

2000年代に入りアウディ以外で優勝したのは今年のポルシェ、2009年のプジョー、そして2003年のベントレー。とはいえ、ベントレーがル・マンを席巻したのは主に1920年代。

今回、ベントレーの最新モデルの試乗と同時に、当時の栄光のモデル、「オールドマザーガン」の実車も見ることができましたので、そのあたりの歴史も少しご紹介いたします。

オールドマザーガン

右が伝説の車「オールドマザーガン」(ベントレー 4 1/2リッター)

オールドマザーガン

1927年デビュー、4気筒SOHC16バルブ4,398ccのエンジンを搭載

オールドマザーガン

1928年激闘のレースを制し見事ル・マン優勝に輝く

 

1927年からのベントレー4連覇を達成する中で生まれた伝説・・・

ベントレー フライング スパー

現在に伝統を引き継ぐNewフライング・スパーV8の運転席

 今から92年前、1923年に第1回が行われた「ル・マン24時間レース」。開催当初はフランスのローカルなイベントといった感じで出走はフランス車が大半を占めたこのレースに、イギリス車としてただ1台参加したのがベントレーでした。

途中トップを走るなど活躍を見せたベントレーでしたが、この年は結局4位で終わります。しかし車のポテンシャルに自信を深めたベントレーは翌年の第2回も参加し、見事優勝を遂げるのです。ところが第3回、第4回はマシントラブルなどで結果を残せず。

悔しい思いをしたベントレーが雪辱を期して1927年の第5回に投入したのが新型車、「ベントレー 4 1/2リッター」でした。

大排気量の4気筒16バルブSOHCエンジンを積んだこの車をトップに据え、従来の参戦車「ベントレー 3リッター」2台と合わせて3台体制で臨んだこの年は、期待の「4 1/2リッター」がクラッシュに巻き込まれ大破。しかし同じクラッシュでダメージを負いながらも残った1台の「3リッター」が見事優勝を遂げます。

そして翌年、「オールドマザーガン」の伝説が生まれるのです。

1928年、第6回のル・マンに新しく製作した2台の「4 1/2リッター」を投入したベントレーは、3台目として昨年大クラッシュした「4 1/2リッター」を修復してエントリーします。この車は他の新車2台の母体となった1年落ちの車ということで、チームメンバーから親しみを込めて「オールドマザーガン」と呼ばれました。

そしてこの年、ライバルと激しいデットヒートとなったレースで期待の新車が次々とマシントラブルでリタイア。残った「オールドマザーガン」が孤軍奮闘、見事ライバルの攻勢をしのぎ切り栄冠の座を防衛、ベントレーに初の連覇をもたらしたのです。

なお「オールドマザーガン」は、第1号製作車であるこの車を表す「001」(オー・オー・ワン)をもじって呼んだものではないか、とする説もあるそうです。

ベントレー フライング スパー

高級車だが0-100km/h加速5.2秒というスポーツ性も合わせ持つ

ベントレー フライング スパー

ホイールベースは3,065mm。4輪駆動で最高速295km/hに達する。

ベントレー フライング スパー

リアシートは写真の3人掛けの他、2人掛けの仕様も選べる

 

ル・マン活躍のDNA流れるフライング・スパーV8の印象は「かるおも!」?

ベントレー フライング スパー

全長5,315mm、全幅1,985mm、全高1,490mm、車重2,560kg

 1927年からル・マン4連覇を成し遂げたベントレーでしたが、会社の経営面では厳しい状況となり、1931年にロールスロイス社に買収された後は、高級車メーカーとしてその地位を築いていきます。

とはいえ、「ミュルザンヌ」や「アルナージ」といったル・マンのコースのコーナー名を持つ車を発売するなど、かつての栄光の伝統は今のベントレーにもDNAとして脈々と受け継がれているのです。

今回試乗した「フライング・スパーV8」もそれは同じ。全長5m、車重2.5tを軽く超える大型セダン ですが、走りは実に軽やか。ハンドルやアクセルといった操作系もドイツ車のような重々しさを感じさせることなく、手足のスッとした動きで意のままに大柄のボディを動かすことが出来ます。

このあたりは、ショーファードリブン的な使い方にも考慮しドライバーにできるだけ負担をかけない、という配慮に基づいた設定なのかもしれません。ドイツ車の重厚な操作感が嫌いな奥様でも、国産車と同じような感覚で操作できて受け入れやすい車、と感じました。

ただし本質は高剛性でがっしりした高級車。奥深い領域では、しっかり・どっしりとした操作感でドライバーに安心感を与えます。その感覚を表現するのに「かるおも!」という言葉が車を動かして最初に頭に浮かんだのでした。

今回、ベントレーについての情報は埼玉県加須市にある「ワクイミュージアム」 さんに教えてもらいました。ベントレーとロールス・ロイスの歴史を知りたくなったらぜひ一度訪れてみてください。イギリスの伝統の矜恃をしっかりと感じることができますよ。

ベントレー フライング スパー

エンジンは507PSを叩き出す4LのV8ツインターボ

ベントレー フライング スパー

「オールドマザーガン」のDNAが脈々と受け継がれている

ベントレー フライング スパー

奥深いイギリスの伝統を間近に感じられるミュージアムへ、ぜひ!

 

 

ベントレー フライングスパー V8価格、スペックなど

■ベントレー フライングスパー V8価格:19,450,000円

全長 5,315 mm 全幅 1,985 mm 全高 1,490 mm
ホイールベース 3,065 mm
最小回転半径 6.05 m
ホイールサイズ 19インチ(20,21インチはオプション)
タイヤサイズ 275/45ZR19
エンジン 4.0リッター V8ツインターボチャージド
排気量 3992 cc
最高出力 373 kW / 507 PS @ 6000 rpm
最大トルク 660 Nm(67.3kgm) @ 1700 rpm
ドライブライン 全輪駆動
トランスミッション 8速オートマチック
車両重量 2560 kg (4 seats: 2580 kg)
0-60mph 4.9秒
0-100km/h 5.2秒
最高速度 295 km/h

(レポート:堂島 昭

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