BMW iX xDrive50試乗記・評価 450㎞無充電ドライブ! 実電費をチェック

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【BMW】2022/09/28

BMW iX xDrive50

 

カピバラ似でカワイイ? 独特の感性をもつレポーターが、電気自動車のiXに試乗

 

こんにちは! レポートを担当する齋藤眞琴です。今回試乗するのは、EV(電気自動車)専用に開発されたBMW iX xDrive50です。

私の前に登場したBMW iX xDrive50の第1印象は「デカっ」です。なんと、全長4,955×全幅1,965×全高1,695mmとかなり大柄。正直、私、コレでロングドライブするの? ってちょっと不安になりました。詳細は後述しますが、走り出すと大きさが気にならなくなる不思議なクルマでした。

デザインも特徴的です。何度かBMW車に試乗したのですが、BMWと言えば、ロングノーズのイメージがあります。ところが、iX xDrive50は、EV専用車なのでエンジンを搭載する必要がありません。そのため、ノーズはちょっと短く、とにかくホイールベースが長いのです。

とくに気に入ったのが、iX xDrive50のお顔。私、動物が大好きなので、ひと目でiX xDrive50のお顔がカピバラさんに見えて、かわいくて仕方なくなっちゃいました。

一見、迫力があるように見えるのですが、ちょっと目(ヘッドライト)が離れていて、縦型のキドニーグリルはカピバラさんのお鼻のように見えました。いやぁ、お顔を見てると癒されます!

BMW iX xDrive50

BMW iX xDrive50
ヘッドレスト一体式のフロントシート。座面に厚みがあり、ゆったりとしたラグジュアリーなサイズで座り心地は良好。サイドサポートもシッカリとしていて、スポーツドライビングにも十分に対応する。

 

 

大きなシートと近未来感あふれるインパネデザイン

 

iX xDrive50に乗るためにドアを開けた瞬間、まさかのボディにカーボン柄が! なんと、ボディにカーボンを使って軽量化されていました。まるで、スーパーカーのようです。

インテリアは、今まで見たことのないような斬新なものでした。インパネ周りは、シンプルなのですが、とてもエレガント! 12.3インチメーターに14.9インチのコントロールパネルを一体化したカーブドディプレイがドーンと存在感をアピール。このディスプレイは、わずかにドライバー側へ湾曲していて視認性を高めています。ディスプレイは、とてもキレイで見やすかったです。近未来感があって魅力的!

そして、とても感激したのがシート。とても大型で、まるでソファーのような快適な座り心地なのですが、しっかりと体をサポートしてくれます。さすが、走りにこだわるBMW車って感じです。

また、ホイールベースが3mもあるので、後席もとても広くてビックリ。後席に座って足を組んでも余裕たっぷりでした。

BMW iX xDrive50

BMW iX xDrive50

 

 

実は獰猛? スーパーカー並みの765Nmを発揮! しかも、航続距離は650㎞!

 

さて、カピバラさんは、大人しい癒し系の動物です。そんなカピバラさん似のiX xDrive50ですが、お顔に似合わず獰猛さもあるクルマでした。

iX xDrive50は4WDで、システム出力は、スーパーカー並みの523ps&765Nmという大出力を誇ります。アクセルをグッと踏み込むと、獰猛なスポーツカーに変身です。

しかも、バッテリー容量は111.5kWhと超大容量で、航続距離は650㎞(WLTCモード)となっています。

EVで必ず話題になるのが航続距離です。以前、日産リーフe+に試乗した時、航続距離は約450㎞と聞き十分だと感じていました。ですが、それでも航続距離は短いと感じている人が多いそうです。

今回、試乗するiX xDrive50の航続距離は650㎞。個人的には、これだけの距離を走れれば十分だと思うのですが、実際、ロングドライブしてみたらどうだったのかをレポートします。また、気になる実電費もチェックしていきます。

BMW iX xDrive50

 

 

桃狩りしに山梨へ! 高速道路での乗り心地や静粛性、電費の評価は?

 

さて、試乗時は真夏ってこともあり、ロングドライブのテーマは「桃狩り&湖」。まずは、山梨の農園を目指し桃狩り。その後、撮影も兼ねて山中湖を目指します!

まず、私の自宅からスタートです。アクアラインに乗り、首都高を走り中央高速へ。一宮御坂ICを目指しました。走行モードは、ECO PROをメインでエアコンは24度設定です。

中央高速の八王子ICを過ぎるまで、クルマが多く流れが悪いのでクルーズコントロールをONにして走行。車線維持機能もあるので、とても快適。

しかも、このiX xDrive50は、エアサスペンション付きなので、路面の凹凸を滑らかに吸収してくれて、とにかく快適な乗り心地でした。まるで、滑るように走る乗り心地の良さには驚きです。

走行中の静粛性は、とても優れていました。遮音や吸音がしっかりしていることに加え、EVなので騒音を出すエンジンがありません。ゴーっというロードノイズがわずかに聞こえるくらいでした。静粛性はとにかく高く、音楽をかけていないとお腹の音とか聞こえちゃうかも! ってほど静かでした。

しかも、試乗車にはBowers & Wilkins ダイヤモンド・サラウンド・サウンド・システム(1615W、30スピーカー)というオプションの超高級オーディオが装備されていました。音量を上げると、静粛性の高い車内は、もうライブ会場?ってくらいクリアなサウンドが響き、気分はアゲアゲです!

約2時間半ほど走行し、一宮御坂ICに到着です。走行距離は約160㎞でした。この時の電費は、5.3㎞/kWhでした。登り坂が続いたこともあり、EVには不向きな道でしたが、この電費は立派だと思います。

BMW iX xDrive50

 

 

背の高いSUVなのに、低重心化されタイトなカーブでも軽快で圧倒的な安定感

 

そして、一宮御坂IC近くの農園で桃狩り! 農園のスタッフにお勧めされたのが、なんと固い桃。なんと、洗って表面の毛を取ったら、皮ごと食べるという方法でした。柔らかい桃しか食べたことのなかった私にとっては、初めての体験。ちょっと不安もあったのですが、シャクシャクとした歯ごたえと、瑞々しい桃の果汁が口いっぱいに広がり、とても美味しかったです。

桃狩りは、時間内食べ放題だったのですが、残念ながら1.5個くらいで満腹。後ろ髪をひかれながら、農園を後にして、山中湖を目指します。山中湖到着後は、撮影しながら周囲を移動。その後、明神峠を抜け国道246号線を経由して第2東名新秦野ICへ向かいました。

急カーブと強烈なアップ&ダウンが続く明神峠では、iX xDrive50の気持ちよい走りが炸裂! iX xDrive50のボディサイズは、かなり大柄です。明神峠は道も狭く、カーブもキツイので、こんな大柄なクルマでは運転疲れるかなぁ、と思っていたのです。しかし、よい意味で期待を裏切られました。

iX xDrive50の車重は、約2.5トンもありますが、タイトなカーブでもクルっと向きを変え軽快に走り抜けます。大きく重いリチウムイオンバッテリーを床下に搭載したことにより、SUVとしてはかなり低重心化されています。そのため、カーブではピタッと見事なくらい安定して走ります。乗り心地もよいのに、カーブでも安定してるって凄いですね。

BMW iX xDrive50 齋藤眞琴
レポーター:齋藤眞琴 スーパースポーツバイクであるカワサキ Ninja ZX-10Rを駆る。また、レーシングカートも趣味のひとつ。 youtube Twitter Instagram

 

 

峠ではBレンジ推奨! その訳は? 一般道での電費は?

 

この時、DレンジではなくBレンジを選択。Bレンジを選択すると、アクセルをオフにすると回生ブレーキがかかり、停止までアクセル操作だけで停止できる1ペダルドライブが可能になります。

山道では、このBレンジがとても重宝しました。減速も加速もアクセル操作だけで、ブレーキを踏む必要がほとんどないのです。疲労も少ないし、慣れてくるとむしろブレーキを踏むよりスムースに走れました。

そんな走りを楽しんでいるときに感じたのですが、iX xDrive50は走り出すとクルマ大きさが気にならなくなることでした。実際、クルマはとても大きいのですが、走り出すと2クラスくらい小さなクルマに感じるほど、クルマとの一体感が強いモデルです。

さて、電費です。桃狩りをした農園から、山中湖経由で第2東名新秦野ICまでは一般道でした。山中湖周辺をグルグルと走り回ったりしたので、走行距離は約115㎞を走行。主に下り坂が多く電費に有利な条件でしたが、明神峠をガンガン走ったのに電費は6.4㎞/kWhと良好でした。

BMW iX xDrive50
オーディオやナビなどの各種操作は、タッチパネルや音声認識システムなどで操作が可能。さらに、ダイヤル式のBMW iDriveコントローラーも装備。ドライバーは、自分でもっとも使いやすい操作方法を選択できるのがありがたい。

 

 

M4並みの加速力!

 

第2東名新秦野ICからは、横浜ICを出て保土ヶ谷バイパスから首都高を経由しアクアライン、そして自宅を目指します。

第2東名区間は、できたばかりの道ということで交通量は少なく、iX xDrive50の加速力を試すチャンスでした。スポーツモードをセレクトして、アクセルを床まで踏み込んでみると、ゴンと頭を後ろから引っ張られるような力が瞬時に加わり超絶加速が始まります。首が痛くなりそうな加速力。

なんと、iX xDrive50は、0-100㎞/h加速4.6秒! BMWが誇るピュアスポーツカーM4クーペが4.2秒なので、iX xDrive50は少し遅いくらいです。しかも、iX xDrive50はモータードライブなので、極めてスムースで静かなのが魅力です。

BMW iX xDrive50

 

無充電450km走行でも、バッテリー残量は33.5kWh! 余裕の航続距離

 

高速道路では、自ら運転してみました。驚いたのが、アクセルオフ時のコースティングでした。ガソリン車でいうと、いわゆるニュートラルのような状態で走行します。

日産リーフなど、多くのEVはアクセルオフでわずかに回生ブレーキをかけ、ガソリン車のようなエンジンブレーキ感を演出していました。

ところが、iX xDrive50は、ほとんどコースティングします。そのため、アクセルオフ時でもあまり減速しません。減速しないというより、超緩やかに減速します。こうすることで電費を稼いでいるんだなぁ、と実感。ちなみに、Cd値は0.25。こうした空気抵抗の少なさも高速道路では、低電費に貢献するんですね。

また、回生ブレーキは、アダプティブと呼ばれるモードを使用しました。この機能は、アクセルオフ時にシステムが前方を走行する車両との距離を測り、車間距離が近くなってくると回生ブレーキを自動でかけてくれる便利な機能です。コースティング状態だと、意外に早く先行車に近付くので、この機能があれば、クルマが自動で減速してくれるので運転も楽になります。

そんなこんなで、新秦野ICから私の自宅までの約100㎞の電費は、下り坂が少しあったこともあり、電費は伸び6.1㎞/kWhとなりました。

そして、編集スタッフさんが私の自宅までの往復した距離を含めると、本日の走行距離はトータルで約450㎞!約70%が高速道路での走行、残り約30%が一般道という計算になります。

この約450㎞走行トータルでの電費は、5.8㎞/kWhとなりました。使った電力は、約78kWhです。iX xDrive50のバッテリー容量は、111.5kWhなので33.5kWh 残った状態でロングドライブ終了です。

BMW iX xDrive50

BMW iX xDrive50
荷室容量は500L。後席を倒すと1,750Lになる。

 

 

継ぎ足し充電すれば、1日1,000㎞も楽勝か?

 

ちなみに、この5.8kWhという電費で航続距離を計算すると、なんと約647㎞となります。カタログ値の航続距離650㎞とほぼ同じ電費となりました。

一般的なガソリン車だと、カタログ燃費値の80~90%位が相場といった印象で、カタログ値と同じなんてあり得ないと思っていただけに、iX xDrive50の電費値には驚きました。

こうしたロングドライブで感じたのは、航続距離が650㎞もあれば、なんの問題もないように感じました。今回は途中充電しませんでしが、休憩や食事中に充電していれば、さらに電力がプラスされていくので、1日1,000㎞なんてことも可能かもしれません。

ただ、編集スタッフさんに教えてもらったのですが、急速充電器もより大出力化が必要だとか。56kW出力の急速充電器で30分充電だと25kWh程度しか充電できなかったようです。

25kWhだと電費5.8km/kWh計算で、145㎞位しか航続距離が伸びません。高速道路に設置されているのは、40kW出力が多いそうなので、さらに充電量は少なくなります。

徐々に設置が増えているそうですが、90kWや150kWといった高出力の急速充電器が普及すれば、さらにEVは使いやすくなりそうです。ちなみに、iX xDrive50では、こうした流れに対応して150kWの急速充電器に対応しています。

<レポート:齋藤眞琴

BMW iX xDrive50電費

BMW iX xDrive50
エンジンが無いこともあり、特殊な方法以外、基本的にボンネットは開閉しない。エンブレム下にウインドウウォッシャー液の補充口がある。

BMW iX xDrive50
急速充電口や普通充電口は、右サイド後方に設置。BMW iXは、150kWの高出力急速充電機に対応している。

BMW iX公式サイト 

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BMW iX価格

・iX xDrive40 10,750,000円

・iX xDrive50 12,850,000円

・iX M60   17,400,000円

 

BMW iX xDrive電費、ボディサイズなどスペック

 

代表車種:iX xDrive50

ボディサイズ:全長4,955×全幅1,965×全高1,695mm

ホイールベース:3,000mm

乗車定員:5名

最低地上高:200mm

車両重量:2530kg

サスペンション形式 前/後:ダブルウィッシュボーン/マルチリンク

フロントモーター最高出力:258PS(190kW)/8000rpm

フロントモーター最大トルク:365N・m(37.2kgf・m)/0-5000rpm

リアモーター最高出力:313PS(230kW)/8000rpm

リアモーター最大トルク:400N・m(40.8kgf・m)/0-5000rpm

システム最高出力:523PS(385kW)

システム最大トルク:765N・m(78.0kgf・m)

タイヤ前/後:255/50R21

一充電最大走行可能距離:650km(WLTCモード)

バッテリー種類:リチウムイオン

バッテリー容量:111.5kWh

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