【動画あり】ダイハツ タント/タントカスタム新車情報・購入ガイド 新型タント、燃費でスペーシアに後れを取ったが、待望の両側スライドドアを装備
新型ダイハツ タント/タントカスタム試乗評価
■新型ダイハツ タントカスタム試乗レポート
搭載されるターボ仕様のエンジンは、基本的にキャリーオーバーだが、47kW/92N・mのパワー&トルクは余裕十分といった感じ。軽量化を進める一方で、右側リヤドアのスライド化などによって960kgになった車両重量に見合った性能である。ちょっとアクセルを踏み込めば、ターボが効いて力強い加速が得られるのが良い。
タントのタイヤは基本的に14インチだが、ターボ仕様のエンジンを搭載するRSだけは15インチになる。むやみにタイヤを大きくするのは必ずしも歓迎しないが、しっかりした味付けと乗り心地を持つシャシーと合わせた操縦安定性を考えると、15インチタイヤの良さも納得できる。
新型タントでは、ターボ車も4WD車も、4WDのターボ車も全部含めてエコカー減税の免税が適用されるようになった。ターボの2WD車の26.0km/Lの燃費はスペーシアとも互角である。
■ダイハツ タントカスタム試乗評価 高価な軽自動車だが、クラスを超えたハイパフォーマンスモデル
■新型ダイハツタント試乗レポート
ダイハツ タイトはこれまで、左側にセンターピラーのないミラクルオープンドアを特徴としてきた。今回はそれを継承して開口部を拡大するとともに、ヒンジ式(スイング式)だった右側のリヤドアもスライド式に変更した。最近はミニバンの大半が左右にスライドドアを採用しており、新型ダイハツ タントでもそうした要望が強かったという。
また、助手席のシートのスライド量を拡大し、さらに運転席からも助手席のシートを容易に動かせるようにすることで、広い室内空間をより使い勝手の良いものにしている。
新型タントのエンジンはアイドリングストップ機構の採用などによって、全車がエコカー減税の対象になっている。数値性能を見ると、ライバル車であるスペーシアに対してやや及ばない。しかし、新型タントの燃費は28.0km/Lというレベルなので、十分な低燃費性能をもつ。無意味な燃費競争をして、ユーザーのニーズから離れるよりもずっと良い。
3代目ダイハツ タントは、両側スライドドアなど、使い勝手を大幅強化
ダイハツは、スーパーハイト系軽自動車であるダイハツ タントをフルモデルチェンジし発売を開始。新型ダイハツ タントは、これで3代目のモデルとなる。
2代目ダイハツ タントは、2007年にデビュー。全長や全幅はすでに限界ギリギリの軽自動車は、よりスペースを確保するために、上方へとスペースを求めた。タントは全高を高くしたスーパーハイト系と呼ばれるジャンルに属し、その全高は1,750mmに達している。そのため、小さい子供なら室内で立てるくらい上方へゆとりのあるスペースを実現した。
ただ上方へスペースを広げただけではない。タントがヒットした最大の理由は、センターピラーレスとなるミラクルオープンドアの存在だ。助手席側のドアは90度近くまで開き、後席側はスライドドアとなる。通常あるはずのセンターピラーが無いため、ドアの開口部分はとにかく広大。チャイルドシートの子供を乗り降りさせるときなど、非常に便利な機能だ。さらに、シルバー層の乗り降りにも便利ということもあり、絶大な人気を誇るユニークな存在となった。
3代目となった新型ダイハツ タントも、その伝統のミラクルオープンドアを継承。その使い勝手の良さを、さらに伸ばす手法が取り入れられている。2代目タント唯一の弱点とされていた、右側のヒンジドアも3代目新型タントには、スライドドアが採用された。小さい子供が乗るケースが多いこのクラスでは、ヒンジドアで隣のクルマや障害物にぶつけることが無くなるため、スライドドアは便利だ。これで、ライバルであるスズキ スペーシアと比較すると、デメリットはなくなりミラクルオープンドアの優位性がさらに際立ち、ドアの使い勝手ではスペーシアを一歩リードする。
さらに、よりスペースと使い勝手にはこだわった。助手席のスライド幅を従来比10㎝拡張し、38㎝のロングスライド化を実現。後席下部の出っ張り部分をなくし、広大なフラットスペースを確保した。これにより、A型ベビーカーをたたまず、収納でき、大型ダンボール箱やビールケースなども積載可能。大きな荷物もミラクルオープンドアと助手席ロングスライドによる広大な間口からラクな姿勢で積載が可能になった。
また、軽自動車初「助手席シートバックレバー」を採用し、楽に助手席の操作ができるようになった。高齢者や子供にもうれしい機能。高齢者が体をかがめる必要なく、乗り降りすることをアシストする助手席乗降グリップを設置。強い日差しを遮り、後席乗員のまぶしさを軽減する格納式リヤドアサンシェードも採用された。
燃費は28.0㎞/Lとスペーシアに後れを取ったが・・・
新型ダイハツ タントの燃費は28.0㎞/Lとなり、スズキ スペーシアの29.0㎞/Lに及ばなかった。燃費戦争を繰り広げる軽自動車において、後出しで燃費での勝負に負けるというのは、ここしばらく無かったことだ。しかし、これには訳がある。ミラクルオープンドアは、その解放感を得ることで、どうしても車重が重くなる。ボディの剛性確保のため多くの補強が必要となるからだ。
そのデメリットを克服するために、ダイハツはボンネット、フェンダー、バックドアなどを樹脂製に変更し、約10㎏の軽量化を実現。さらに、骨格部分を見直し補強部品の削減や高張力鋼板の適正配置などにより、約60㎏の軽量化を施した。
このまま勝負にでれば、スペーシアの戦いに負けはしなかったのかもしれないが、ダイハツは軽量化できた分を、走りの質向上に充てた。防音・吸音材の追加。静粛性を大幅に向上させている。これは、コンパクトカーなど登録車からタントへダウンサイジングしている顧客が多いため、コンパクトカークラスの静粛性を得るためだ。
新型タントVSスペーシアの燃費は、スペーシアに軍配が上がったが、カスタム同士になるとタントカスタムが28.0㎞/Lに対して、スペーシアカスタムが27.8㎞/Lと、新型タント カスタムが勝つという結果になっている。ターボ車に関しては、両車とも26.0㎞/Lだ。
最近のダイハツは、ムーヴ以来走行性能の向上についても積極的だ。新型タントは背が高いため、重心が高くなり操縦安定性は物理的に良いとはいえない。そのため、ふらつきを軽減させるフロントスタビライザーのグレード拡大など、安定した車両姿勢の維持を実現。乗り心地の向上やフロント13インチベンチレーテッドディスクブレーキなど走りの質もアップしている。
ダイハツが軽自動車界に高い安全装備を持ち込み話題となった、追突被害軽減自動ブレーキなどの装備であるスマートアシストも当然用意されている。「低速域衝突回避支援ブレーキ機能」「誤発進抑制制御機能」「先行車発信お知らせ機能」車両の横滑りなどを防止する「VSC&TRC」の4つの機能を備えた「スマートアシスト」を全グレードに設定している。安価でも非常に高い効果がある装備なので、この装備は絶対に装着したほうがよい。また、スズキやホンダに合わせ、急ブレーキを後続車に知らせるエマージェンシーストップシグナルも新たに設定されている。
ナビ・オーディオ関連では、スマートフォン連携ナビが採用され、スマートフォン感覚の操作に対応し、使いやすさを向上した。車内でのタッチパネルが流行しているが、車内でのタッチパネルは安全性や操作性でもおすすめできない。走行中揺れている車内では、タッチパネルでは確実に触りたい場所が触れない。さらに、姿勢変化や視点変化が大きく安全性が高いとも言えないからだ。もうひと工夫欲しいポイントでもある。
新型ダイハツ タントは、決して安い価格帯のクルマではない。そのため、ファーストカーとして使う顧客も多い。そんな顧客向けに、なんと10.2型天井吊り下げ式後席モニターまで用意されている。これは、もうちょっとした高級ミニバン的な装備だ。
そして、新型ダイハツ タントのボディタイプは当然2通り用意されている。通常のタントは、親しみやすいデザインを継承。バックドアレリーフとLEDリヤコンビランプをリンクしワイド感を表現している。サイドビューは、メリハリのある凹凸で丸みのあるドア断面で柔らかな雰囲気にまとめられている。
インテリアの上面はフラットになり広がり感を強調。数々の収納スペースが用意されている。ベージュのインテリアカラーは、暖か味もあり明るく広々感も強調され好感度は高い。
その対極にあるといえる新型タントカスタムは、押し出し感の強いアクのあるフェイスをもつ。LEDヘッドランプ&クリアランスランプで、ギラギラ感を強調。エアロパーツ類でスポーティ&ワイルドな雰囲気でまとめられている。
インテリアはブラックを基調に、シルバーの加飾をいれハイコントラストでクールな空間を演出。大型の3連メーターもタントとは大きく違うポイントのひとつだ。
メリットのある価格引き下げ!
ダイハツのこだわりは、価格にもある。コスト削減を価格にも反映させている。クルマは新型車が出るたびに高額になり、コスト削減した分は利益とするメーカーが多い中、価格引き下げという姿勢は顧客目線では高く評価できる。もちろん、エントリーグレードの価格引き下げは、営業的にライバル車より安く見せる広告が打てることから、来店誘導につながるという戦略もある。ただ、新型タントの場合、エントリーグレードでシンプル装備ながらスマートアシストを装備でき、十分に乗れるグレードなので価値は高い。
新型タントでは、エントリーグレードのLグレードで5万円引き下げ117万円。新型タントカスタムのXグレードで8万円引き下げの147万円となっている。
新型ダイハツ タントの選び方だが、タントはXグレード以上がおすすめ。当然、スマートアシストは装備したいのでX SAがベストだ。その上のGグレードとの大きな違いは、右側パワースライドドアやアルミホイール、ドアミラーターンランプくらい。右側パワースライドドアが欲しければ、42,000円のオプションで選べばよい。
新型タントカスタムは、基本2グレードしかないので、ターボか自然吸気エンジンかという選択になる。X SAが152万円に対してRS SAが163万円なので、価格差は11万円。ファーストカーとして使ったり、長距離移動・高速道路をよく使うなどで、予算に余裕があるならターボのRS SAがおすすめだ。パワーは圧倒的に違うので余裕のある走りが楽しめる。さらに、燃費も26.0㎞/Lと自然吸気エンジンの28.0㎞/Lと大きく違わない。
実際に購入する人は、シッカリと競合させて値引き額をアップさせたい。競合させるのは、現在は2車種。スズキ スペーシアとホンダN BOXだ。さらに、年明け早々には、日産からデイズ ルークスが投入される予定だ。デイズ ルークスがデビューしたら、3車種と競合させれば大幅値引きも可能だろう。スーパーハイト系軽自動車は、これから戦国時代に突入するといってもいいだろう。
ダイハツ タント/タントカスタム価格、燃費、スペックなど
■ダイハツ タント価格
・L 2WD 1,170,000円 4WD 1,291,000円
・L“SA”2WD 1,220,000円 4WD 1,341,000円
・X 2WD 1,300,000円 4WD 1,421,000円
・X“SA”2WD 1,350,000円 4WD 1,471,000円
・G 2WD 1,410,000円 4WD 1,531,000円
・G“SA” 2WD 1,460,000 4WD 1,581,000円
■ダイハツ タントカスタム価格
・Xカスタム 2WD 1,470,000 4WD 1,591,000円
・カスタム X“SA”2WD 1,520,000円 4WD 1,641,000円
・カスタム RS 2WD 1,580,000円 4WD 1,701,000円
・カスタム RS“SA”2WD 1,630,000円 4WD 1,751,000円
ダイハツ タント/タントカスタム画像集
ダイハツ タント基本性能動画
新型ダイハツ タントの注目ポイントは、両側スライドドア、燃費、大きく変化したカスタムのデザイン?
ダイハツは、新型ダイハツ タント/タントカスタムを10月3日に発表する。そして、新型ダイハツ タント/タントカスタムのティザーキャンペーンを開始。専用サイトを立ち上げ、1万円相当のカタログギフトがもらえる先行予約キャンペーンを実施した。今回のフルモデルチェンジで、新型タントは3代目のモデルとなる。
2代目ダイハツ タントは、2007年にデビュー。タントは、ハイト系軽自動車と呼ばれるムーヴ以上に全高を高くしたスーパーハイト系と呼ばれるジャンルに属するモデル。全高は1,750mmに達しており、小さい子供なら室内で立てるくらい上方へゆとりのある空間を生み出している。
そして、タント最大の特徴は、センターピラーレスとなるミラクルオープンドアだ。助手席側のドアは90度近くまで開き、後席側はスライドドアとなる。センターピラーが無いため、ドアの開口部分は広大。チャイルドシートの子供を乗り降りさせるときなど、非常に便利な機能だ。さらに、シルバー層の乗り降りにも便利ということもあり、絶大な人気を誇った。
そんなタントのライバルだったのが、スズキのパレットだ。ピラーレスのミラクルオープンドアを持たないスズキのパレットは、両側スライドドアを装備しタントと差別化を図った。そのため、お互い一長一短状態が長きに渡り続いていた。
そこで、今回のフルモデルチェンジで、新型ダイハツ タントは弱点だった右側のヒンジドアをスライドドアとした。これにより、フルモデルチェンジし改名したスペーシアを一歩リードすることになる。
ハードの使い勝手については、新型ダイハツ タントがスペーシアを上回る状態になったものの、懸念材料もある。元々、センターピラーレスという仕組みは、ピラーが無いためボディを補強する必要がある。そのため、スペーシアに対して2代目タントは80㎏前後重い。この重さの差は、ボディ重量の約10%になるくらいなので、燃費に大きく影響を及ぼすことになる。
当然、ダイハツもそのあたりは十分に理解しているだろう。両側スライドドアになっただけでなく、新型タントも気合いの入った軽量化技術が投入されるだろう。
そして、その軽量化技術の結果、新型タントの燃費がどうなるのかも重要なポイントだ。スズキとダイハツは、熾烈な燃費戦争を繰り広げているだけに、新型タントの燃費にも注目だ。これで、新型タントがクラストップの燃費となったのなら、新型タントがスペーシアをリードする結果に。逆にタントが燃費でスペーシアを超えられない場合は、お互い一長一短といった状況にもなるだろう。
デザイン面では、新型タント カスタムにはLEDを使った演出が加わっているようだ。先代タントより、よりワイルドな雰囲気を前面に出している。なんとなく、N BOXカスタムに近い顔にも見える。スペーシアカスタムが、押し出し重視というよりは、スタイリッシュになったのに対して、逆方向のデザイン手法でライバルと差別化したようだ。
さらに、ダイハツはムーヴのマイナーチェンジで、急に走りの質を上げるチャレンジを開始した。静粛性や乗り心地はかなり進化しただけに、新型タントの走りにも注目したい。ファーストカーとして使用されることも多い新型タントだけに、長距離走行でも疲れないというのは大事なこと。さらに、コンパクトカーなど、普通車からのダウンサイザーを満足させるための戦略ともいえる。
当然、新型タントにもスマートアシストが装備される。この装備は、ムーヴでも高い装着率を誇るオプション装備。うっかりミスで起きる事故をスマートアシストが被害軽減、または回避してくれるので、ぜひとも装着したいオプションだ。
最後に、新型ダイハツ タントの価格だ。ミラクルオープンドアは、コストが高くなるはずだが、スペーシアには意地でも負けたくないだろう。もちろん、ホンダのN BOXにもだ。そうなると、価格も随分リーズナブルな設定になる可能性が高い。装備による差があるにせよ、今までのスズキVSダイハツの戦いから予想すると、新型タントの価格はスペーシアを若干下回る可能性が高いと予想できる。
新型タントの誕生で、スペーシアの値引き額も多くなることが予想できるので、先行予約キャンペーンに惑わされることなく、しっかりと新型タントとスペーシアを競合させて購入するといいだろう。
新型ダイハツ タント ティザー広告
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