新型三菱eKワゴン/eKカスタム 新車情報・購入ガイド 三菱版スカイアクティブ? 渾身の高圧縮比エンジンでクラスナンバー1燃費29.2km/Lを達成!eKワゴンの評価とは?【井川遥/佐藤健のCM動画あり!】 [CORISM]

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【三菱】2013/06/08

まさかの超高圧縮比12.0を達成したエンジン

三菱eKワゴン/eKカスタム

三菱eKワゴン

 三菱は、新型軽自動車新型「三菱eKワゴン」、「三菱eKカスタム」の発売を開始した。

 新型軽自動車新型 三菱eKワゴン、三菱eKカスタムは、2011年6月に設立された三菱との軽自動車事業に関わる合弁会社、NMKVから生まれた第1弾モデルだ。日産が主に商品企画やマーケティングを行い、三菱が開発と生産を担っているといわれており、両社のノウハウを生かし競争が激しい軽自動車マーケットで高い競争力をもつモデルを生み出すことを目的としている。

 そのNMKVから誕生した新型三菱三菱eKワゴン/eKカスタムは、29.2km/Lというクラスナンバー1低燃費実現した。このクラスの低燃費競争は、激化の一途。ワゴンRが28.8km/Lでクラストップとなったものの、数カ月後にはムーヴが29.0km/Lでクラスナンバー1を奪取する。そして、約半年後の今、eKワゴンが、クラスナンバー1燃費となった。

 この燃費戦争で、三菱eKワゴン/eKカスタムが29.2km/Lを達成できた技術の核となるのは、高圧縮比エンジンだ。圧縮比は12.0と軽自動車中トップ。この高圧縮比は、マツダのSKYACTIVでプレマシーやアクセラなどに積まれているエンジンと同じなのだ。それくらいスゴイ。一般的に、高圧縮比にすると燃費の向上が図れるが、同時にノッキング問題が発生する。とくに、高回転域を使うことが多い軽自動車にとってリスクが高い。そこで、対ノッキング対策として、軽自動車初となる水冷式EGRクーラーを装備した。EGRクーラーは、排気ガスの一部を吸気に戻し、排気ガスの浄化と燃費向上を図るシステムだ。さらに、電子制御サーモスタットも国産車初の装備としている。この電子制御サーモスタットは、冷却水の温度を細かく制御し、エンジンのヘッド部の熱をシッカリと冷やし続けることで、ノッキング対策としている。

 自然吸気エンジンの出力やトルクは、若干控えめ。三菱eKワゴン/eKカスタムが49ps&56Nmに対して、ムーヴが52ps&60Nm、ワゴンRが52ps&63Nm。車重は830kgなので、ライバルに比べやや重めといえる。これらが、走りにどう影響しているかは、試乗してからレポートしたい。ただ、逆に考えれば、あえて出力を落とし、重くしているのであれば、さらに低燃費化の伸び代はあるということにもなる。このエンジン型式は3B20。これは、三菱アイに搭載されるエンジンと同じ型式。しかし、アイの圧縮比は10.8、燃費は19.0km/Lと大きく異なるので、型式は同じでも中身はまったくのベツモノなのだ。

 自然吸気エンジンに関しては、高い評価ができる。しかし、ターボエンジンは標準レベルに達していない。ムーヴカスタムRSは、アイドリングストップ機能付きで燃費は25.2km/L。ワゴンRスティングレーもアイドリングストップ機能付きで26.8km/Lと自然吸気エンジン並の燃費を誇るが、三菱eKワゴン/eKカスタムは、アイドリングストップ機能は付かないし、燃費も22.6km/Lと大きく引き離されている。このため、よほどスタイルが好きとかでなければ、あえてターボ車は選ぶ理由がないのが現実だ。

 三菱eKワゴン/eKカスタムに搭載されるCVTは、ワゴンRと同じジヤトコ製。若干のセッティングは違うものの、同じものである。このCVTは、低燃費効果の高い停止前アイドリングストップ機能をもつ、副変速機付きCVTだ。減速時に13km/h以下になると、エンジンを停止させ低燃費化させる技術。CVTが同じなら、ミッションでワゴンRと燃費の差をつけることはできない。ボディ重量もライバル車と同等ということを考えると、やはりエンジンそのもので低燃費化するしかないという選択なのだろう。

三菱eKワゴン/eKカスタム
三菱eKワゴン/eKカスタム
三菱eKワゴン/eKカスタム

三菱eKワゴン/eKカスタム

eKカスタム

三菱eKワゴン/eKカスタム
三菱eKワゴン/eKカスタム
三菱eKワゴン/eKカスタム


三菱eKワゴン/eKカスタム
三菱eKワゴン/eKカスタム
三菱eKワゴン/eKカスタム


三菱eKワゴン/eKカスタム
三菱eKワゴン/eKカスタム
三菱eKワゴン/eKカスタム

軽自動車初の装備が満載だが、安全装備は物足りない

三菱eKワゴン/eKカスタム
 装備類では、日産のアラウンドビューモニターを採用するなど、NMKVらしい協業らしさもみせる。三菱eKワゴン/eKカスタムでは、リヤビューモニター付きルームミラーと呼ばれるこの機能は、クルマの各部に付けられたカメラの画像を合成し、クルマを俯瞰から見た映像に置き換え死角を無くす安全技術だ。ミニバンなど、大きなクルマなら理解できる装備だが、これだけ小さい軽自動車で必要な装備なのかと、多少疑問があるものの運転が苦手な人にとって安全性や利便性は大きく向上する。また、バックミラー内にモニターを入れることで、ナビを装着する必要がないので安価で取り付けることができるのもよい。上級グレードには、標準装備されている。

 さらに、タッチパネル式のオートエアコンも軽自動車初となる装備。スマフォやPCなど、タッチパネルが全盛ともいえる時代なので、まさにピッタリな装備。さらに、上質さもアピールでき、軽自動車とはいえ安っぽさを感じさせないのも評価できる。

 安全装備に関しては、物足りない。横滑り防止装置VDCがターボ以外装着されていないどころか、オプションでも選べない。ワゴンRも同様なので、日産と三菱、スズキが横滑り防止装置を装備しない安全装備軽視系、逆にホンダとダイハツが標準装備化に進み安全性装備重視系というグループに分けられる。とくに、追突軽減自動ブレーキを装備できるムーヴが、今一番安全装備を重視した軽自動車といえる。

三菱eKワゴン/eKカスタム
三菱eKワゴン/eKカスタム
三菱eKワゴン/eKカスタム

スタイリッシュなボディサイドのキャラクターライン

三菱eKワゴン/eKカスタム
 三菱eKワゴン/eKカスタムのボディデザインは、他の軽自動車より頭ひとつ抜け出た感があるスタイリッシュなものだ。ボディサイズの制約が大きい軽自動車にとって、ボディサイドに凹凸を付けるデザインは、デメリットがあるので採用されにくいと言われている。ボディの彫りが深くなると、スペースがわずかだが影響するというからだ。これだけシャープなボディサイドのキャラクターラインは、ポテっとしたデザインが多い軽自動車の中でユニークな存在だ。

 カスタムという少しスポーティな顔をもたせる手法は、もはやパターン化していて三菱eKワゴンにもeKカスタムが用意されている。標準車とはボンネット、グリル&ライト周り、フロントバンパー、サイドステップ、ルーフスポイラーなどが大きな違いだ。標準車のeKワゴンは、ひと目で日産デイズと違うデザインと理解できるのだが、困ったのはeKカスタム。ほとんど日産デイズ ハイウェイスターとの区別が付かない。若干グリルなどが違う程度にしか見えず、eKカスタムとハイウェイスターの差別化はこれからの課題だろう。

 三菱eKワゴンの価格は、エントリーグレードのEが105万円と最安値での登場だ。しかし、このEグレードにはアイドリングストップ機能は無く、CMでプッシュしている99%UVカットガラスも装備されていないので、現実的には112.5万円のMグレードから選ぶことになる。リヤビューモニター付きルームミラーが標準装備されるグレードは、最上級のGのみ。価格は、124万円。ただし、この価格だとムーヴのX SAが125万円で横滑り防止装置や追突軽減自動ブレーキ、誤発進抑制制御などがあり、安全性を重視するのならリヤビューモニター付きルームミラーでは少々物足りなくなるのでムーヴが有利となる。装備類はかなり複雑なので、自分に必要な装備を軸にジックリ他車と比較する必要がある。

三菱eKワゴン/eKカスタム
三菱eKワゴン/eKカスタム
三菱eKワゴン/eKカスタム

三菱eKワゴン/eKカスタム価格、燃費、スペック等

三菱eKワゴン/eKカスタム価格

●eKワゴン
E 2WD 1,050,000円
M 2WD 1,125,000円
4WD 1,220,000円
G 2WD 1,240,000円
4WD 1,335,000円

●eKカスタム
M 2WD 1,269,000円
G 2WD 1,368,000円
4WD 1,463,000円
T 2WD 1,430,000円
4WD 1,546,000円

代表グレード 三菱eKワゴンG
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 3,395×1,475×1,620mm
ホイールベース[mm] 2,430mm
トレッド前/後[mm] 1,300/1,290mm
車両重量[kg] 830kg
総排気量[cc] 659cc
エンジン最高出力[ps(kw)/rpm] 49〔36〕/6,500rpm
エンジン最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] 56〔5.7〕/5,500rpm
ミッション CVT
タイヤサイズ 155/65R14
燃費 JC08モード 29.2km/L
定員[人] 4人
税込価格[円] 1,240,000
燃料 レギュラーガソリン
レポート 編集部
写真 三菱自動車

新型三菱eKワゴン/eKカスタム、井川遥CM

新型三菱eKワゴン/eKカスタム、佐藤健CM

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(レポート:CORISM編集部

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