2020年1月、新車販売台数ランキング 最繁忙期直前に不安の残る結果

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【ビジネス・経済】2020/02/16

 

2020年1月販売台数

 

消費税増税が効いている? 大幅前年比割れした1月

2020年1月の登録車新車販売台数は、221,464台となった。前年比88.9%と大きく販売台数を落としている。乗用車も同様で、192,821台となり前年比88.5%となった。

軽四輪車総販売台数は138,639台で前年比87.2%。軽乗用車は、108,373台で前年比86.9%となった。

登録車、軽自動車共に、大幅前年比割れとなった1月。やはり、消費税増税の影響がジワジワと効いてきている印象だ。

2~3月は、年度末ということもあり最繁忙期になる。こうしたマーケットの低迷は、最繁忙期前に非常に不安を感じさせる要素となっている。

 

 

ベスト5中、軽自動車4台がランクイン

ホンダN-BOX
ホンダN-BOX新車情報・試乗評価一覧

自販連と全軽自協のまとめによる2020年1月の新車販売ランキングは別掲のようになった。

首位のN-BOXからデイズ、スペーシア、タントと上位4車種を軽自動車が占めている。前月はN-BOX、デイズ、スペーシアの順で、ライズとカローラを挟んでタントだったが、1月はタントがやや盛り返した。

タントは、さらにその前月の11月に2万台を超える台数を記録してN-BOXを抜いたが、12月はその反動で大きく台数を減らして順位を下げていた。

1月は少し盛り返したものの、まだ後遺症が残っているような状況だ。一時的なキャンペーンなどで台数を伸ばしても、その反動が大きく出るようでは意味がない。11月のタントにはN-BOXの連続首位を止めるという意義はあったものの・・・。

トップ10には、ほかにムーヴが6位に入っていて、軽自動車が半分の5車種を占めている。

 

 

1~5位 トヨタ ライズ絶好調! 登録車ナンバー1を獲得!!

トヨタ ライズ
トヨタ ライズ VS スズキ クロスビー

登録車ではややびっくりする結果が出た。なんと、登録車の首位(総合5位)がカローラやプリウスではなく、ライズとなった。

ダイハツから供給を受けるコンパクトSUVのライズは、5ナンバーサイズの手頃なボディで比較的手頃な価格設定のSUVモデルということで、まあ売れる要素を持つクルマではあった。ただ、ハイブリッドなどもなく、1.0Lターボのみの設定で登録車トップになるほど売れたのはやや意外だった。

ダイハツブランドの姉妹車ロッキーと合わせると、1万3000台レベルになり、総合でも3位に相当する数字になるほど売れている。

2月には、コンパクトカーであるトヨタ ヤリスとホンダ フィットが投入される。2月以降、ベスト10は大きな変動があると予想できるので注目したい。

2020年1月新車販売台数ランキング 1~5位

1)N-BOX               18,953台( 98.8%)
2)デイズ               14,266台(105.4%)
3)スペーシア             12,411台( 86.5%)
4)タント               12,332台( 94.0%)
5)ライズ               10,220台(19-11)

 

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6~10位 モデル末期ながらe-POWER人気で頑張っている日産ノート

日産ノート
日産ノート長期評価レポート一覧

7位がカローラ、8位がノート、9位がシエンタ、10位がセレナという順で、1月はノートとセレナで日産がやや盛り返した印象。

特にノートはモデルサイクルが長期化しているにもかかわらず、またフルモデルチェンジが近いとも言われているのに、eパワーの人気で良く頑張っている。

逆に、ホンダは軽自動車のN-BOXが首位だったものの、登録車はトップ10に1台も入ることができなかった。フィットは2月中旬に発売が開始される。2月は、どこまで登録が進むか楽しみだ。

トップ10の車種で、前年に比べて台数を伸ばしているのはモデルチェンジのあったデイズとカローラだけ。ほかの車種は、新規投入のライズを除いていずれもマイナスを記録しており、新車販売が全体に伸び悩み傾向になることを示している。

2020年1月新車販売台数ランキング 6~10位

6)ムーヴ                8,957台( 86.5%)
7)カローラ               8,480台(129.2%)
8)ノート                7,529台( 65.8%)
9)シエンタ               6,831台( 79.4%)
10)セレナ                6,781台( 67.1%)

 

 

11~20位 もうひと頑張り欲しかったフリード

ホンダ フリード
ホンダ フリード新車情報・試乗評価一覧

11位から20位までの車種では、11位にやっとホンダのフリードが登場する。ホンダはフリードに注力するしかない状態なので、もう少し伸ばしたいところだが、わずかな差でトップ10には届かなかった。

12位はプリウス。プリウスでさえ、ここまで順位を落している。かつての神通力は完全に薄れてしまったようだ。

13位はこれもモデルサイクルが長期化しているアクア、14位がルーミー、さらに17位のヴォクシー、19位のRAV4、20位のアルファードと、6車種をトヨタ車が占める結果になった。豊富な車種をバランス良く売っているのがトヨタだ。

軽自動車は15位のミラ、16位のアルト、18位のハスラーの3車種が入った。フルモデルチェンジを受けたばかりのハスラーは、ほぼ前年並の数字。これは、新型の発売が1月後半からであったことが影響している。2月以降には、販売台数を伸ばしてくるだろう。また、11位から20位までの車種も多くが前年に比べて台数を落している。

 

2020年1月新車販売台数ランキング 11~20位

11)フリード               6,759台(100.9%)
12)プリウス               6,659台( 76.4%)
13)アクア                6,622台( 74.6%)
14)ルーミー               6,193台( 95.4%)
15)ミラ                 5,841台( 63.6%)
16)アルト                5,636台( 99.5%)
17)ヴォクシー              5,557台( 76.8%)
18)ハスラー               5,534台(100.3%)
19)RAV4                 5,549台(-------)
20)アルファード             5,147台( 87.1%)

 

 

21~30位 マイナチェンジ効果で絶好調となったインプレッサ

トヨタRAV4
トヨタRAV4新車情報・試乗評価一覧

21位から30位までには、それぞれにいろいろな話題のある車種が入った。最も注目されるのは、インプレッサで前年に比べて2倍を超える売れ行きになっている。これは、マイナーチェンジ効果によるものだろう。

前年の台数が比較の対象外となるRAV4を除くと、伸び率では断然のトップ。ほかに2倍を超える売れ行きになった車種はない。

28位のN-WGNは、ブレーキ部品の不具合から脱してやっと販売できる状況になった。新聞では1月20日から生産を再開したと報じられていたので、月内に生産されたクルマが納車されて何とか台数をまとめたというところだろう。それでも、まだ前年に比べて2割以上少ない台数ですから、2月以降の販売に期待がかかる。

 

ハイト系軽自動車の人気低迷

ホンダ フィット
ホンダ フィット新車情報・試乗評価一覧

このランクでは、軽自動車N-WGNのほかに22位のワゴンRが入っただけ。ワゴンRが20位以下というのはかなり低いランキング。これは、人気が完全にスペーシアなどのスーパーハイト系に移行していることを表している。かつてのベストセラーカーが、この順位というのも時代の流れで止むを得ないところだ。

コンパクトカーは21位のタンクと、24位のソリオ、25位のヴィッツと3車種が入った。ヴィッツは、2月に発売されるヤリスに移行することになるので、この先はランキングから消えていくことになる。

SUV系の車種は、26位のC-HRと27位のヴェゼルの2車種。比較的人気を集めるSUV系の車種もモデルサイクルが長くなってくると台数は落ち込んでくる。また、ミニバンは29位のステップワゴンと30位のノアの2車種でした。これもモデルサイクルが長期化している。

 

2020年1月新車販売台数ランキング 21~30位

21)タンク                4,893台( 90.4%)
22)ワゴンR               4,182台( 56.3%)
23)インプレッサ             4,160台(211.7%)
24)ソリオ                3,642台( 94.8%)
25)ヴィッツ               3,579台( 67.7%)
26)C-HR                3,543台( 81.9%)
27)ヴェゼル               3,508台( 77.0%)
28)N-WGN               3,372台( 78.0%)
29)ステップワゴン            3,254台( 68.3%)
30)ノア                 3,190台( 78.0%)

 

 

30位以下 国内販売にテコ入れが必要なマツダ

31位以下の車種では、31位のロッキーと32位のCX-30が一定の売れ行きを確保。マツダにとっては、CX-30を主力車種にしたいのであれば、もう少し台数を伸ばしたいところだ。

さらにいえば、マツダ2は41位、マツダ3に至ってはCX-8よりも少ない52位にとどまっている。マツダは、国内販売のてこ入れが必要な状況にある。

 

クラウン復活の兆しなし。セダンマーケット崩壊か?

トヨタ クラウン
トヨタ クラウン新車情報・試乗評価一覧

もうひとつ目立つのが、40位のフォレスター。台数やランキングはともかく、前年比が36.3%増を記録している。1月に台数を伸ばした数少ない車種だ。

逆の意味で目立っているのがクラウン。前年比は37.9%と大きく落ち込んでいて、1,764台しか売れていない。それでも、セダンとしては、唯一ベスト50に入っている。国産セダンマーケットは、もはや瀕死の状況だ。

<レポート:松下 宏>

2020年1月新車販売台数ランキング 31位以下

31)ロッキー               3,153台(19-11)
32)CX-30                 2,955台(19-10)
33)エスクァイア             2,878台(106.1%)
34)eKワゴン               2,849台( 68.4%)
35)キャスト               2,758台( 76.8%)
36)CX-5                 2,742台( 82.9%)
37)エクストレイル            2,740台( 81.0%)゛
38)ジムニー               2,559台(106.2%)
39)スイフト               2,539台( 93.6%)
40)フォレスター             2,172台(136.3%)
41)マツダ2               2,124台(19-9)
42)パッソ                2,119台( 65.7%)
43)ヴェルファイア            2,001台( 55.3%)
44)クラウン               1,764台( 37.9%)
45)ハリアー               1,748台( 59.1%)
46)シャトル               1,736台( 73.6%)
47)フィット               1,735台( 30.8%)
48)ランドクルーザーワゴン        1,672台( 61.5%)
49)クロスビー              1,599台( 75.2%)
50)CX-8                 1,539台( 49.6%)
51)トール                1,511台( 46.0%)
52)マツダ3               1,472台(19-5)
53)デリカD:5              1,365台(144.8%)
54)エブリイワゴン            1,493台(110.4%)
55)ウェイク               1,221台( 59.0%)
56)ジムニーワゴン            1,206台( 89.7%)

 

 

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