【新型日産ノート長期評価レポートvol.21】 卓越した走りの質&高コスパ! クルマ好きなら絶対NISMO! ノートe-POWER NISMO試乗評価 [CORISM]
ノートe-POWERの魅力を倍増した、究極のスポーツモデルNISMOデビュー
日産ノート のマイナーチェンジで、新たに追加されたノートe-POWERは、手軽にEV(電気自動車)感覚を楽しめるユニークなコンパクトカー だ。
EV のリーフ と同じように、モータードライブの楽しさを、既存のパワートレーンを使って実現した。ノートe-POWERは1.2LのHR12DE型直列3気筒エンジンを積んでいる。このエンジンを回して発電を行い、発電した電力を使ってモーターを駆動するシリーズ式ハイブリッド 車なのだ。エンジンは発電のみで、モーターのみで駆動する点が、他のパラレルハイブリッド方式を使うハイブリッド車と大きく異なる点だ。
ノートe-POWERは、SモードやECOモードで回生ブレーキの強弱をアクセルコントロールで自在に操れるe-POWER Driveも魅力のひとつだ。発進から停止までアクセル操作ひとつで可能となり、アクセルとブレーキの踏み換え回数が激減するため、疲労軽減の効果もある。この独特のe-POWER Driveは、新鮮な感覚で楽しい。だが、デビュー時のカタログモデルでは、よりハンドリング性能やスポーティな走りを追い求めていくと、やや物足りなさを感じることもあった。ノートe-POWERの走りをもっと楽しめるスポーティグレードの設定が欲しかった。
そんなニーズに応え、走りの楽しさにこだわる人のために開発され、送り出されたのがノートe-POWER NISMO だ。
専用コンピュータなど、NISMOらしい細部にわたるチューニング
ノートe-POWER NISMOのエスクテリアは、ガソリン車のノートNISMOに限りなく近い。精悍なエアロパーツをまとい、アルミホイールは専用デザインの6.5Jの16インチとした。ただ、e-POWER NISMOのタイヤは、ブリヂストン ポテンザではなく燃費も意識した195/55R16サイズのヨコハマDNA Sドライブを履いている。
e-POWER NISMOは、ガソリン車のNISMOより車重が増えているから、フロントにクロスバーを追加。重量バランスまで考慮し、車体も補強されている。この高剛性ボディを生かし、ダンパーも減衰力を高めた。リアもスプリングと減衰力を変えている。
パワートレーンに変更はない。だが、コンピュータの制御を変えるチューニングを行った。エコモードは標準モデルと同じだが、ノーマルモードとSモードはアクセルワークに対する応答レスポンスを鋭くしている。発電を行う3気筒エンジンの充電制御も変更した。
エクステリアと同じように、インテリアも精悍なデザインだ。ブラック基調のスポーティな内装で、エアコンの吹き出し口やシフトレバー周辺、ステアリングの頂点にはレッドの差し色を入れてアクセントとした。ジムカーナなどのタイトターンでは、ステアリングの位置が分かりやすい。
フロントシートは、NISMO設計のリクライニング機構付きスポーツシートだ。サーキット走行のようなハードな走りでも身体をしっかりとホールドしてくれる。オプションでレカロ製バケットシートも選べるが、スエード調のNISIMOシートもいい仕上がりだ。
標準車とは全く異なる走りの質感! 価格は高めだが、装備やパフォーマンスを考慮すれば激安!?
ノートe-POWER NISMOの試乗は、まずノーマルモードで走り出した。カタログモデルよりアクセルを踏み込んだときのレスポンスは鋭いし、加速したときのパンチ力も違う。
ノートe-POWER NISMOは、ガソリン車と比べると車重が100kg以上増えている。しかし、 リーフ と同じ254Nmという大トルクは誇るモーターはトルクフルで、サーキットでも山岳路でもパワー不足を感じさせない。アクセルを踏んだ瞬間から、爽快な加速が始まる。
アクセルを離したときの回生ブレーキも強めにかかるように、味付けも変えている。再加速したときの加速も力強い。独特のフィーリグで最初は戸惑ったが、すぐに慣れた。
また、雪道も走ってみたが、下り坂では EV のように回生ブレーキが効果的に利く。速度コントロールは驚くほどラクだ。
Sモードを選ぶと、さらに応答レスポンスが鋭くなる。アクセルをグッと踏み込むと刺激的な加速を披露した。シートバックに身体を押し付けられるくらい強めのGを感じる。登坂路でも息切れしないで豪快に駆け上がった。ホットな走りをしたときもバッテリー残量は思いのほかあり安定している。
ハンドリングも洗練度を高めた。ホットにサーキットを攻めても、足はしなやかに動く。シャシーとサスペンションを強化した効果は絶大だ。パワーステアリングの味付けを変えていることもあり、クルマの動きはリニアだった。ステアリングを切ると狙ったラインにたやすく乗せることができる。ロールも無理に押さえ込むのではなく自然体の動きだ。
気持ちいいハンドリングに加え、乗り心地も絶妙だった。引き締まった乗り味だが、ガツンとくるショックを上手に抑え込んでいる。ブレーキングしたときの減速感も安心できるものだった。
ノートe-POWER NISMOの価格は、2,458,080円。e-POWER Xの価格と比べると50万円ほど高い。ちょっと高く感じるかもしれない。だが、これほどのNISMO専用パーツの装備やボディ補強、専用チューニングコンピューター(VCM)などの、内容の濃いファインチューニングが施されている。ここまで高いレベルのチューニングが施されていることを考えると、50万円程度の価格アップは逆にお買い得といえるレベルだ。走りにこだわるクルマ好きには、積極的に選びたい魅力的な1台といえる。
ノートNISMOモデル主要装備
e-POWER NISMO、NISMO、NISMO S共通の主要装備
・専用フロントグリル、リヤバンパー(リヤフォグランプ付)、ルーフスポイラー、サイドシルプロテクター
・シャークフィンアンテナ
・専用LEDハイパーデイライト(車幅灯連動)
・専用ブラックルーフライナー
・専用本革・アルカンターラ®巻3本スポークステアリング
(レッドセンターマーク、レッドステッチ、ガンメタクローム加飾付)
e-POWER NISMO専用装備(上記共通装備に加えて)
・専用エンブレム(フロント/リヤ)(NISMOと共通)、e-POWERエンブレム
・専用フロントバンパー(NISMOと共通)
・専用ブルーアクセント入りグリル
・YOKOHAMA DNA S.driveタイヤ&16インチアルミホイール
・専用エキゾーストテールエンド(テール径:φ85)(NISMOと共通)
・専用アルミ製アクセル・ブレーキペダル
・専用アルミ製フットレスト(nismoロゴ入り)(NISMO Sと共通)
・専用チューニングコンピューター(VCM)
・専用サスペンション
・専用フロント強化スタビライザー(NISMO Sと共通)
・専用ボディ補強(フロントクロスバー/フロントサスペンションメンバーステー(トンネルステー)/
トンネルステー/リヤサスペンションメンバーステー/リヤクロスバー)
・専用車速感応式電動パワーステアリング
・専用ファインビジョンメーター(nismoロゴ入り)
・専用スエード調スポーツシート(nismoロゴ入り、レッドステッチ付)&ドアトリム
NISMO専用装備(上記共通装備に加えて)
・専用エンブレム(フロント・リヤ)(e-POWER NISMOと共通)
・専用フロントバンパー(e-POWER NISMOと共通)
・ブリヂストンPOTENZA RE080タイヤ&16インチアルミホイール
・専用エキゾーストテールエンド(テール径:φ85)(e-POWER NISMOと共通)
・専用サスペンション
・専用チューニングコンピューター(ECM)
・専用ボディ補強(フロントトンネルステー/リヤトンネルステー)
・専用車速感応式電動パワーステアリング
・専用シート地(トリコット)&ドアトリムクロス
NISMO S専用装備(上記共通装備に加えて)
・専用エンブレム(フロント・リヤ)
・専用フロントバンパー(エアダクト付)
・専用ブリヂストンPOTENZA S007タイヤ&17インチアルミホイール
・専用エキゾーストシステム(テール径:Φ100)
・専用コンビメーター(nismoロゴ入り、260km/hスケール)
・専用アルミ製アクセル・ブレーキ・クラッチペダル
・専用アルミ製フットレスト(nismoロゴ入り)(e-POWER NISMOと共通)
・専用チューニングコンピューター(ECM)
・専用サスペンション
・専用フロント強化スタビライザー(e-POWER NISMOと共通)
・専用ブレーキシステム(リヤディスクブレーキ)
・専用ボディ補強(フロントトンネルステー/リヤトンネルステー/フロントサスペンションメンバーステー/
リヤクロスバー/リヤアンダーフロアVバー/リヤサスペンションメンバーステー)
・専用車速感応式電動パワーステアリング
・専用スエード調スポーツシート(nismoロゴ入り、レッドステッチ付)&ドアトリム
日産ノートe-POWER NISMO/ノート e-POWER/ノート価格
■日産ノートe-POWER NISMO/ノート e-POWER/ノート価格
・ノート ニスモ系
e-POWER NISMO 2,458,080円
NISMO(HR12DDR) 2,094,120円
NISMO S(HR16DE NISMO S専用チューン) 2,328,480円
・HR12DE-EM57(モーター) 2WD
e-POWER S 1,772,280円
e-POWER X 1,959,120円
e-POWER MEDALIST 2,244,240円
・HR12DE(1.2L) 2WD
S 1,393,200円
X 1,495,800円
MEDALIST X 1,627,560円
・HR12DE(1.2L) 4WD
X FOUR 1,711,800円/スマートセーフティエディション 1,827,360円
MEDALIST X FOUR 1,843,560/スマートセーフティエディション 1,929,960円
・HR12DDR(1.2Lスーパーチャージャー)2WD
X DIG-S 1,738,800円
MEDALIST 1,985,040円
日産ノートe-POWER NISMOスペックなど
代表グレード | 日産ノート e-POWER NISMO |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 4,165×1,695×1,530mm |
ホイールベース[mm] | 2,600mm |
トレッド前/後[mm] | 1,470/1,475mm |
車両重量[kg] | 1,250kg |
総排気量[cc] | 1,198cc |
エンジン最高出力[kw(ps)/rpm] | 58(79)/5,400 |
エンジン最大トルク[N・m(kgf・m)/rpm] | 103(10.5)/3,600~5,200 |
モーター[型式] | EM57 |
モーター定格出力[kw(ps)] | 70(95) |
モーター最高出力[kw(ps)/rpm] | 80(109)/3008-10000 |
モーター最大トルク[N・m(kgf・m)/rpm] | 254(25.9)/0-3008 |
タイヤサイズ | 195/55R16 |
定員 | 5人 |
税込価格 | 2,458,080円 |
発売日 | 2016/12/12 |
レポート | 片岡英明 |
写真 | 編集部 |
コメント
【関連記事】
- 日産オーラ ニスモ(AURA NISMO) tuned e-POWER 4WD試乗記・評価 絶賛! まるで後輪駆動のような楽しい走行性能【日産】
- 【動画】60系トヨタ プリウス 試乗レビュー! 超低燃費性能と、気持ち良い走りを高次元で融合!【トヨタ】
- 【動画】60系トヨタ プリウス内外装レビュー こだわりポイントを詳細レポート【トヨタ】
- トヨタ カローラシリーズ新車情報・購入ガイド スポーティな特別仕様車「ACTIVE SPORT」新投入!【トヨタ】
- スバル インプレッサ新旧比較 失敗・後悔しないクルマ選び【対決】
- スバル インプレッサ vs トヨタ カローラスポーツ徹底比較評価 失敗・後悔しないクルマ選び 【対決】
- トヨタ プリウス新旧比較 失敗・後悔しないクルマ選び【対決】
- アウディA3新車情報・購入ガイド これぞプレミアムブランド! リサイクル素材を積極採用した限定車【アウディ】
- 新車トヨタ ヤリス VS 中古車トヨタ カローラスポーツ徹底比較 失敗・後悔しないためのクルマ選び【対決】
- スバル インプレッサ試乗記・評価 五臓六腑に染みわたる「人、中心」のスバル哲学【スバル】
【オススメ記事】
- ホンダN-BOX新旧比較 公開・失敗しないためのクルマ選び【対決】
- 速報!2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー「ホンダ フリード」に決定!!【イベント】
- トヨタRAV4(50系)新車情報・購入ガイド 新型RAV4デビュー直前? 最後の改良か?【トヨタ】
- 2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー 10ベストカー取材会開催!【イベント】
- 【動画】トヨタ アルファード (40系)後悔・失敗しないための内外装レビュー【トヨタ】
- ホンダWR-V試乗記・評価 大満足か後悔か? 成功か失敗か? 見極め重要なコンパクトSUV【ホンダ】
- 日産エクストレイル(T33型)vs トヨタ ハリアーハイブリッド(80系)徹底比較!【対決】
- 日産フェアレディZ新車情報・購入ガイド 2025年モデルが登場! 納期は? 転売ヤー対策は?【日産】
- BMW M2クーペ(G87)試乗記・評価 「サーキットで乗ってみたい!」クルマ好き女子が試乗!【BMW】
- 2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー、栄えある10ベストカーが決定! 今年のナンバー1は、どのクルマに!?【イベント】
CORISM公式アカウントをフォローし、最新記事をチェック!