スバル インプレッサ新旧比較 失敗・後悔しないクルマ選び

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【対決】2024/04/03

【2023年】新型インプレッサと旧型はどう違う?燃費や価格、走行性能を新旧比較

 

後悔・失敗したと思わないためのインプレッサ選びとは?

 

2023年4月に新型スバル インプレッサ(6代目GU系)が発売された。GU系インプレッサは、Cセグメントのコンパクトカーとしての実用性だけでなく、スポーティな走りと優れた4WD性能をもつモデルとして根強い人気を誇る。

今回のフルモデルチェンジは、プラットフォームやパワーユニットなどは5代目GT系インプレッサとほぼ同じ。新世代アイサイトを除き、劇的進化というよりは、熟成された印象だ。

また、新型GU系がデビューしたことで、先代となるGT系インプレッサの中古車も徐々に増え始めた。プラットフォームやパワーユニットは、ほぼ同じであることを考えると、新型GU系インプレッサか、予算を抑えることができる中古車先代GT系インプレッサか、どちらを選ぶべきか悩ましいところだ。

そこで、新旧インプレッサの燃費や価格、走行性能について比較・評価。購入後、後悔・失敗したと思わないための、クルマ選びの参考にしてほしい。

 

 

スバル インプレッサの歴史・概要

 

1992年に初代スバル インプレッサが誕生した。4ドアハードトップと5ドアハッチバックのスポーツワゴンという2タイプのボディをもつモデルである。話題となったのは、WRXだ。WRXは、世界ラリー選手権のために開発された。全長4,340mmという小さなボディに、2.0L水平対向4気筒ターボのEJ20型エンジンとスバル自慢の4WDを組み合わせている。そのため、240psもの出力を発揮する。初代インプレッサは大ヒットモデルとなった。

2000年に2代目インプレッサが登場。基本的なコンセプトは、初代インプレッサと同じである。しかし、大きな丸目ヘッドライトが物議を呼んだ。その結果、2002年の改良と同時にデザインが刷新されている。

2007年に3代目インプレッサが登場した。同時に、インプレッサWRXは独立したブランドへと移行した。そのため、車名をWRX STIとしている。このモデルから、現在でも使われている新技術のSI-DRIVEやマルチモードDCCDなどが投入された。

2011年に4代目インプレッサがデビュー。このモデルから、少々車名がややこしいことになる。従来のハッチバックはスポーツへ、アネシスと呼ばれていた4ドアセダンはG4へとサブネームが変更されている。

4代目インプレッサから、自動ブレーキを含む予防安全装備パッケージ「アイサイト」を搭載したグレードが設定された。2015年には、小さな1つのモーターを装備したハイブリッド(現e-BOXER)が登場した。

 

5代目GT系スバル インプレッサ フロントスタイル
5代目GT系スバル インプレッサ

2016年に、5代目GT系インプレッサが登場した。先代に比べ、走行性能や安全装備は大幅に進化している。プラットフォーム(車台)は、最新のSGP(スバル・グローバル・プラットフォーム)が採用され、運動性能も劇的に進化した。

安全装備は、全車に販売当時の予防安全装備パッケージ「アイサイト」と、歩行者エアバッグを標準装備。そのため、国産Cセグメントのコンパクトカーの中で、トップレベルの安全性能を手に入れた。これらが高く評価され、2016-2017日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞している。

6代目GU系スバル インプレッサ フロントスタイル
6代目GU系スバル インプレッサ

2023年4月に6代目GU系インプレッサが登場した。プラットフォームやパワーユニットは、5代目の改良版が搭載されている。ハード面は、5代目とほぼ同等だが、細部に改良が加えられている。その結果、熟成極まる上質なコンパクトカーに仕上がった。

 

 

先代のイメージを残し、スポーティになった新型インプレッサ(6代目)

コンセプト&外装デザイン比較

6代目GU系スバル インプレッサ リヤスタイル
6代目GU系スバル インプレッサ

新型インプレッサ(6代目GU系)の開発コンセプトは、行動的なライフスタイルへといざなう「ユーティリティ・スポーティカー」だ。FUN to Driveな気持ちになる運動性能とスポーティな外観デザインを目指した。

6代目GU系スバル インプレッサ フロントフェイス
6代目GU系スバル インプレッサ フロントフェイス

6代目GU系スバル インプレッサ リヤアップ
6代目GU系スバル インプレッサ リヤアップ

新型インプレッサのデザインは、5代目GT系のイメージを残しつつも、よりシャープでスポーティとなった。張り出したフェンダーは迫力があり、全体的に躍動感のあるフォルムとなった。

5代目GT系スバル インプレッサ リヤビュー
5代目GT系スバル インプレッサ リヤビュー

5代目GT系インプレッサは、スバルの新デザインフィロソフィー「DYNAMIC x SOLID」を量産モデルとして初めて全面採用した。「DYNAMIC x SOLID」とは、安心をイメージさせるソリッドな塊感をベースに、楽しさを感じさせるダイナミックな躍動感を融合させたデザインである。

5代目GT系スバル インプレッサ フロントフェイス
5代目GT系スバル インプレッサ フロントフェイス

5代目GT系インプレッサの特徴は、面の張りの強い塊感あるデザインだ。ワイド&ローを強調し、ヘキサゴンモチーフのフロントグリル、Cシェイプのポジションランプなどのデザインモチーフを際立たせることで、スポーティなデザインとしている。

5代目GT系スバル インプレッサ リヤアップ
5代目GT系スバル インプレッサ リヤアップ

ボディサイドは、「ダイナミックブレード」と呼ばれるキャラクターラインを採用した。そのため、立体感のあるダイナミックなスタイルを実現した。

5代目GT系インプレッサのデザインは、6代目GU系である新型インプレッサと比べても古さをあまり感じさせない。2016年デビューのため古く感じてもよい年式だが、現代でも好まれるデザインとなっている。

 

 

 

アイサイトの進化で大きな差になった新型インプレッサの予防安全性能

予防安全装備の比較

 

5代目GT系インプレッサは、非常に安全性能に優れたモデルだ。予防安全装備が義務化する前から自動ブレーキを含む予防安全装備パッケージ「アイサイト」を追加し、国産車初の歩行者エアバッグを標準装備している。

自動ブレーキの検知対象は、先行車両の他に歩行者と自転車だ。2017年の改良では、アイサイトの夜間走行における歩行者の認識性能を強化した。さらに、後退時自動ブレーキシステムや、アイサイトセイフティプラスとしてサイドビューモニター機能を追加している。安全性を重視するのであれば、2017年の改良後モデルがよい。

5代目GT系インプレッサの安全性能は、2016年デビューのモデルながら、現在でもクラス平均レベルを維持している。一方、6代目GU系である新型インプレッサの予防安全装備パッケージ「アイサイト」は、飛躍的な進化を遂げ、クラストップレベルになった。

従来、アイサイトはステレオカメラ方式だが、6代目GU系インプレッサのアイサイトには、広角の単眼カメラがプラスされた。カメラは、これで合計3つ。広角カメラが追加されたことで、今まで見えなかった部分が見えるようになった。そのため、衝突リスクがより軽減されたのだ。

重要な自動ブレーキの検知対象は、歩行者と自転車、自動二輪に対応している。広角カメラによって、交差点内で右左折時の歩行者や自転車、バイク、対向車などを発見できるようになった。交差点内は、衝突リスクの高い場所だけに、6代目GU系インプレッサはより安全なクルマになった。

予防安全性能は、クラストップレベルの実力を誇る最新アイサイトと、旧アイサイトでは大きな差がある。衝突リスクを減らし、安全性能重視なら6代目GU系インプレッサという選択になる。

 

 

新型インプレッサは、やや小さくなった室内空間

内装、室内空間比較

 

6代目GU系インプレッサ、5代目GT系インプレッサ スポーツの室内寸法は以下の通りだ。

  室内長×室内幅×室内高 荷室容量
新型インプレッサ(6代目GU系) 1,930mm×1,505mm×1,200mm 315L
5代目GT系インプレッサ スポーツ 2,085mm×1,520mm×1,200mm 345L

5代目、6代目インプレッサともに、若干異なるとはいえ、プラットフォーム(車台)は共通のSGP(スバル・グローバル・プラットフォーム)が使われている。そのため、ホイールベースは2,670mmと同じだ。しかし、室内長と室内幅ともに、先代の5代目GT系インプレッサの方が広い結果になっている。だが、6代目GU系インプレッサの後席スペースは、数値ほど狭く感じなかった。

6代目GU系スバル インプレッサ 荷室
6代目GU系スバル インプレッサ 荷室

5代目GT系スバル インプレッサ 荷室
5代目GT系スバル インプレッサ 荷室

荷室も同様に、5代目GT系インプレッサの方が多い結果となっている。そのため、5代目GT系インプレッサ スポーツでは積載できたのに、6代目GU系インプレッサだと積載できない荷物があるため注意が必要だ。

6代目GU系スバル インプレッサ インパネ
6代目GU系スバル インプレッサ インパネ

6代目GU系スバル インプレッサ インパネ メーター
6代目GU系スバル インプレッサ メーター

5代目GT系スバル インプレッサ インパネ 
5代目GT系スバル インプレッサ インパネ

5代目GT系スバル インプレッサ メーター
5代目GT系スバル インプレッサ メーター

6代目GU系インプレッサのインパネ周辺のデザインは、あまり代わり映えしない。11.6インチセンターインフォメーションディスプレイ非装着車だと5代目インプレッサと大差のないインテリアと感じるだろう。メーターはデジタル化されていないため、やや古さを感じる。

6代目GU系スバル インプレッサ フロントシート
6代目GU系スバル インプレッサ フロントシート

6代目GU系スバル インプレッサ リヤシート
6代目GU系スバル インプレッサ リヤシート

5代目GT系スバル インプレッサ フロントシート
5代目GT系スバル インプレッサ フロントシート

5代目GT系スバル インプレッサ リヤシート
5代目GT系スバル インプレッサ リヤシート

ただし、決定的に違うのがフロントシートだ。6代目GU系インプレッサには、新開発のシートが採用された。仙骨と呼ばれる骨盤部分をしっかりと抑え、上体や頭が大きく揺れないようになっている。さらに、フレーム部分などの構造を見直した。その結果、より快適な運転が楽しめるシートになっている。

新型インプレッサ(6代目GU系)の優位点は、新開発のシートと11.6インチセンターインフォメーションディスプレイだ。その他の部分では、5代目GT系インプレッサが優れている部分もある。新開発のシートと11.6インチセンターインフォメーションディスプレイに対する優先度が低ければ、5代目GT系インプレッサという選択もありだ。

 

 

より洗練されたスポーティな走りとなった新型インプレッサ

走行性能、燃費性能比較

 

新型インプレッサ(6代目GU系)のエンジン出力、燃費(WLTCモード以下同)は以下の通りだ。

  最高出力 最大トルク 燃費
2.0Lガソリン 154ps 193Nm 14.0km/L(FF)

13.6km/L(4WD)

2.0Le-BOXER

(ハイブリッド)

145ps+13.6ps

(モーター)

188Nm+65Nm

(モーター)

16.6km/L(FF)

16.0km/L(4WD)

5代目GT系インプレッサスポーツの出力、燃費(WLTCモード以下同)は以下の通りだ。

  最高出力 最大トルク 燃費
1.6Lガソリン 115ps 148Nm 14.0~14.1km/L(FF)

13.5km/L(4WD)

2.0Lガソリン 154ps 196Nm 13.0~14.0km/L(FF)

12.4km/L(4WD)

2.0Le-BOXER

(ハイブリッド)

145ps+13.6ps

(モーター)

188Nm+65Nm

(モーター)

15.2km/L(4WD)

コストパフォーマンスに優れる5代目GT系インプレッサの1.6L車

5代目GT系スバル インプレッサ エンジン
5代目GT系スバル インプレッサ エンジン

6代目GU系インプレッサの燃費は、若干だが全パワーユニット向上させている。しかし、ハイブリッドの2.0L e-BOXERは、モーター走行できるシーンがとても少ない。出力の小さなモーターを1基のみしか搭載していないからだ。そのため、燃費はガソリン車より少し良い程度だ。燃費を重視する人には、選択しにくいモデルである。

小さなモーターを搭載したe-BOXERは、わずかとはいえ、モーターがエンジンをアシストしてくれる。そのため、アクセルレスポンスは良好だ。両車ともに、気持ちの良い走りが楽しめるので、最もお勧めするパワーユニットだ。

車重は、両車ともに1,500kg台のため、なかなかパワフルだ。6代目GU系インプレッサの2.0Lガソリンエンジンも十分なパワーで不満はない。5代目GT系インプレッサに設定された1.6Lガソリンエンジンも過不足ない力強さを持っている。価格も安価な設定のため、コストパフォーマンスに優れるモデルだ。

5代目GT系インプレッサと6代目GU系インプレッサのハード部分は、共通の2.0L e-BOXERが使われている。制御が刷新され、よりスムースでショックの少ないパワーユニットになった。わずかだが、EV走行できる領域も増えた印象だ。

 

コントロール性に優れる6代目GU系インプレッサ

6代目GU系スバル インプレッサ エンジン
6代目GU系スバル インプレッサ エンジン

 

新旧インプレッサは、SGP(スバル・グローバル・プラットフォーム)を使用している。しかし、ハンドリングやフットワークは大幅に進化した。SGPは、構造用接着剤の使用部分を従来の7mから30mへと大幅に拡大した。サスペンションの取り付け部分の剛性もアップしている。さらに、2ピニオン式電動パワーステアリングを採用するなど、様々な改良が加えられた。その結果、ステアリング操作に対しての反応速度が早く、スポーティなハンドリングになった。

運転性能は、新型である6代目GU系インプレッサが大きく上回る。4WD車の魅力は、抜群の安定感とコントロール性の高さだ。6代目GU系インプレッサは、車体をより安定するため、フロントタイヤのグリップの限界が来る前に、積極的に後輪側へ駆動力を配分している。ドライバーは、ステアリング操作に集中するだけでよいため、簡単で安心だ。そのため、運転していて楽しいクルマに仕上がった。

 

スポーティなハンドリングというと、サスペンションが硬いクルマが多い。しかし、6代目GU系インプレッサの乗り心地はしなやかさが際立っている。5代目GT系インプレッサと比べ、バネレートが下げられているため、乗り心地がより快適になった印象だ。また、ルーフに高減衰マスチック接着剤を採用した。その結果、ルーフの共振を止め、音の収束性が向上している。さらに、乗り心地の良さにも貢献している。ルーフを軽く叩くと6代目GU系インプレッサの方が静かな印象だ。雨音も小さく、静粛性も優れている。

5代目GT系インプレッサと6代目GU系インプレッサを比べると、パワーユニットや燃費の差はそれほど大きくはない。しかし、ハンドリングやコントロール性、静粛性、乗り心地は大きく進化している。走りをより楽しみたいなら、新型インプレッサ(6代目GU系)という選択になる。

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新型インプレッサは大幅に価格帯が上がった

価格比較

新型インプレッサ(6代目GU系)の価格は以下の通りだ。

  FF 4WD
インプレッサST 2,299,000円 2,519,000円
インプレッサST-G 2,783,000円 3,003,000円
インプレッサST-H 2,992,000円 3,212,000円

5代目GT系インプレッサの中古車相場は以下の通りだ。*2023年8月調べ

  価格
2020年式 約140~200万円
2018年式 約90~170万円

新型インプレッサの新車価格は、5代目GT系インプレッサスポーツに比べ、大幅に上昇した。5代目GT系インプレッサスポーツの最上級グレード(STIスポーツを除く)アドバンスが2,783,000円に対し、新型インプレッサ(6代目GU系)の最上級グレードST-H AWDの価格は3,212,000円と、約43万円上がっている。

5代目GT系インプレッサの中古車相場は、高年式の2020年式が新車価格の約68~70%位と順調に値下がりしている。6代目GU系インプレッサの新車価格が大幅に上昇したことも加わり、5代目GU系インプレッサの買い得感が非常に高くなっている。6代目GU系インプレッサ エントリーグレードの価格以下で、5代目GT系インプレッサの最上級グレードが十分に狙えるのだ。5代目GT系インプレッサの中古車であれば、6代目GU系インプレッサの新車より90~120万円ほど安く手に入れることができる。

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