15代目新型トヨタ クラウン プロトタイプ試乗記・評価「新プラットフォームを得て、驚愕の変貌」

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【トヨタ】2018/06/13

新型トヨタ クラウンハイブリッド

 

クーペのように見える6ライトウインドウとなった新型クラウン

新型トヨタ クラウン ハイブリッド6月26日、15代目の新型トヨタ クラウンがベールを脱ぎ、発売を開始する。エクステリアデザインは、2017年10月の東京モーターショーに参考出品されたプロトタイプに限りなく近い。

最大の特徴は、アウディのように、サイドのガラスエリアを6ライトウインドウにしたことだ。ドアの後ろにリアクオーターウインドウをはめ込み、Cピラーもクーペ風に寝かせている。6ライトは明るく、フォーマル色が強くなりがちだ。が、新型クラウンはクーペに見えるくらい躍動感あふれるフォルムになっている。フロントマスクも先代より風格があり、押しが強い。

サイドビューも彫刻のように面質が豊かだ。キャラクターラインの使い方もうまい。ちょっと残念なのはリアビューだ。フロントと比べ、リアまわりのデザインは風格が足りないと感じた。若々しいし、スポーティなルックスだが、前後のデザインバランスは今一歩である。クラウンにふさわしい車格感を、リアコンビランプなどで表現して欲しかった。

新型トヨタ クラウンのボディサイズは、ひと回り大きくなり、ホイールペースも70㎜延びている。が、何台も乗り継いでいるクラウン党の期待を裏切らないように、全幅は先代と同じ1800㎜を守り抜いた。輸入車だけでなく、最近は国産車にも、全幅が1800㎜を超えるクルマが増えている。日常の使い勝手にこだわったエンジニアとデザイナーの努力を讃えたい。

新型トヨタ クラウン ハイブリッド

 

 

質感が向上したインテリア

新型トヨタ クラウン ハイブリッド質感と見栄えがよくなったのはインテリアだ。ダッシュボードもシートも見栄えがよくなっただけでなく、手触りなど、感覚の部分にも踏み込んでいる。ソフトパッドで覆ったインパネやシートの表皮は、触って気持ちいい。こだわりの強いセンターコンソールのカップホルダーの作動も見どころのひとつだ。

数少ない不満は、ドアポケットの内側などが樹脂の打ちっ放しになっていることである。最高級オーナーカーなのだから、もっとこだわりが欲しい。

 

着座位置が下がり、スポーティさが増した運転席

新型トヨタ クラウン ハイブリッド新型クラウンのキャビンは、不満のない広さを確保した。ホイールベースは延びているが、実際には室内長はあまり変わっていない。延びた分は、ボンネット部分に当てられているからだ。だが、前席は先代より着座位置が低くなり、スポーティ感が強まった。スペース的にも窮屈と感じない。メーターは、腕時計のトレンドをとらえた立体的な造形で、書体にもこだわりが感じられる。若々しいデザインだし、視認性も文句なし。

新型クラウンの後席は狭いのでは、と思ったが、座ってみると足元は広いし、頭上にも余裕があった。これならマジェスタのユーザーも不満は抱かないだろう。前席の下に足も入れやすくなっているから、リラックスしてドライブを楽しめるようになっている。トップグレードのGエクスクルーシブに標準装備されるシートヒーターとリアサンシェードも便利だ。

 

レクサスLS系プラットフォームが採用された新型クラウン

新型トヨタ クラウン ハイブリッドメカニズムも洗練度を高めている。レクサスLSと基本的に同じ新世代のFR車用のTNGAプラットフォームを採用。サスペンションは、ダブルウイッシュボーンにマルチリンクの組み合わせとした。

新型クラウンは、日本専用モデルだが、ニュルブルクリンク・サーキットを徹底して走り込み、走りを鍛えている。これも、今までのクラウンと違うところだ。タイヤも215/55R17サイズのほか、ファットな225/45R18タイヤを用意している。

2.0Lターボ、2.5Lハイブリッド、3.5ハイブリッドと3つのパワーユニットを用意

新型トヨタ クラウン ハイブリッド新型トヨタ クラウンの気になるパワートレインは、3タイプ設定されている。頂点に立つのは、レクサスLCなどに採用され、好評を博している3.5LのV型6気筒DOHCにモーター、そしてエンジンの出力軸に4段の変速機を加え、擬似変速を行うマルチステージハイブリッドだ。

もうひとつ、2.5Lの直列4気筒アトキンソンサイクルエンジンにモーターを組み合わせ、熱効率40%以上を達成した新開発のハイブリッドも設定する。最後の1機種は、先代のクラウンにも積まれていた直列4気筒DOHC直噴ターボだ。こちらは最新の電子制御8速ATを組み合わせた。

 

売れ筋2.5Lハイブリッドの実力は?

新型トヨタ クラウン ハイブリッド新型クラウンで試乗したのは、クローズドコース。ステアリングを握ったのは、量産前の最終プロトタイプである。まずは、販売の主役になるであろう2.5Lエンジンにモーターのハイブリッド車に乗ってみた。アクセルを踏み込むと、モーターの後押しによってグッと気持ちいい加速を楽しめる。先代よりモーター走行の領域は広がっているし、加速も力強い。しかも、実用燃費も悪くなかった。新型クラウンの燃費値は、24.0㎞/L前後になると見込まれる。

新型クラウン ハイブリッドの制御は、驚くほど緻密だ。ノーマルモードでも軽快な加速を見せ、スポーツモードにすると、さらにキレのいい加速を披露する。クルージング時は静かだ。が、アクセルを強く踏み込むとエンジン音が一気に高まるし、アクセルをちょっと強めに踏み込むとエンジンがかかってしまう。この2つが数少ない弱点である。

新型トヨタ クラウン ハイブリッド

パワーアップされた2.0Lターボ。より刺激的な走りになった

新型トヨタ クラウン ハイブリッド次に乗ったのは、2.0Lの直噴ターボだ。サーキットに近いコース設定だったし、ボディも軽いから刺激性は一番だった。5000回転オーバーまでパワーとトルクを感じ取れ、2500回転あたりからはターボが本格的に稼働するから痛快な加速を味わえる。先代クラウンに搭載された2.0Lターボエンジンより、ややパワーアップされているようだ。

8速ATもいい仕上がりだ。滑らかに変速し、パドルシフトを使っての変速も楽しい。静粛性も高いが、加速したときのエンジン音がちょっと安っぽく感じられる。

 

豪快な加速力を誇る3.5Lハイブリッド

新型トヨタ クラウン ハイブリッド最後にステアリングを握ったのは、3.5ℓのV6エンジンにモーターのマルチステージハイブリッドだ。他のクルマに劣らぬ巧みな制御で、パワースペックも2.0Lのターボに負けていない。車重は1,900kgと重いが、それを意識させない豪快な走りを見せた。

アクセルを踏むと間髪を入れずモーターアシストによってパワーとトルクが湧き上がる。これまでは、加速時にゴムを介したようなラバーバンドフィールがハイブリッド車の弱点だった。が、多段ATのようにタイムラグなく加速し、切れ味が鋭い。静粛性も4気筒エンジンを相手にしない。

 

新プラットフォームの恩恵で、走りの進化は異次元レベル?

新型トヨタ クラウン ハイブリッドハンドリングは、クラウンとは思えないほど洗練度が高く、懐の深い走りを見せつけた。コントロールする能力は大きく向上し、セダンらしからぬ軽快なハンドリングと俊敏なフットワークを実現している。

とくに、18インチタイヤを履き、サスペンションを強化した2.5RSアドバンスは気持ちいい。これは、アスリートの後継モデルだ。ワインディングロードでは気持ちよくノーズが狙った方向に向きを変えた。タイヤは快適志向のブリヂストン製レグノGR001だったが、ハイグリップタイヤを履いているかのように路面に吸い付き、意のままに操ることができる。

新型トヨタ クラウン ハイブリッド新型クラウンのボディとシャシーは、驚くほど剛性が高かった。だからスポーツモデル顔負けの走りを手軽に楽しむことができる。コントロールできる領域が広いから安心感も絶大だ。

今までは、物足りなく感じたステアリングの操舵フィールも精緻で、好印象だった。RS系でなくても軽やかで正確である。また、扱いやすいし、取り回し性も良好だ。

 

 

フラットライドな快適な乗り心地を得た新型クラウン

新型トヨタ クラウン ハイブリッド新型クラウンの乗り心地も驚くほどよくなっていた。荒れた路面を駆け抜けても足の動きは滑らかだ。スポーツモードを選ぶと引き締まった乗り心地になる。が、フラットライドな乗り味は損なわれていない。

限られたコースでの試乗だったが、新しいクラウンの魅力は十分に確認することができた。先進安全装備も充実したから、多くの人にすすめられる。2ランクの実力アップを果たし、真の高級車に成長したのが15代目新型トヨタ クラウンだ。

新型トヨタ クラウン ハイブリッド

新型トヨタ クラウンの価格を予想。アスリート、ロイヤルのグレード名が消滅?

新型トヨタ クラウン ハイブリッドさて、新型トヨタ クラウンの価格を予想。2.0Lターボ車は450万円前後から。そして、売れ筋となる2.5Lハイブリッド車は500万円ぜんごから。3.5Lハイブリッドは600万円前後からになると予想。

そして、新型トヨタ クラウンは、グレード展開が変更される。この15代目新型クラウンから、従来あったアスリートやロイヤルといったグレードは廃止。上級車モデルとして位置付けられたマジェスタも、姿を消すことになる。

新型トヨタ クラウン ハイブリッド新型クラウンの新たなグレード名は、従来のアスリートに相当するスポーティな仕様として「RS」、「RSアドバンス」に変更。快適性重視のロイヤルは「G」に変更。マジェスタは「Gエグゼクティブ」となる。また、その他のグレードも追加される予定だ。

<レポート:片岡英明>

<15代目新型トヨタ クラウン コンセプト参考値>

全長4,910×全幅1,800×全高1,455㎜、ホイールベース:2,920㎜

新型トヨタ クラウン ハイブリッド

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