トヨタ シエンタ試乗記・評価 想像以上にシッカリとした足回りと優れた低燃費性能は◎。ただし、自動ブレーキが標準装備ではない点が☓ [CORISM]

はてなブックマークに追加 Googleブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録
【トヨタ】2016/07/15

 

■動力性能はそれなりな1.5Lガソリン。しかし、燃費性能は秀逸で高評価!

トヨタ シエンタ

 シエンタ のガソリン車は、FFと4WD で搭載エンジンが異なり、FF車には燃焼効率を向上させた新世代エンジンの2NR-FKE型エンジンが搭載されている。パワー&トルクは80kW/136N・mを発生する。この数値は1500cc級のエンジンとして特に優れたものではない。シエンタは、背の高いミニバン タイプのクルマなので、車両重量がちょっと重くて1300kgに達しているが、シエンタのガソリン車を一般道で走らせて不満を感じるシーンはなかった。

元気良く走らせるためには、絶対的な動力性能がもっと高いほうが良いかも知れないが、ファミリーユースのミニバンという性格を考えたら、この性能で十分である。

動力性能と同時に大きく向上したのが燃費性能だ。FF車全車にアイドリングストップ機構を装着することなどによって、車両重量の重いミニバンなのに20.2km/Lを達成している。ハッチバック タイプのコンパクトカー のような燃費というわけにはいかないが、20km/Lを超える燃費は納得モノである。

アイドリングストップ機構は、ブレーキを踏んでいないと継続されないほか、ブレーキを踏み込むとエンジンが再始動するというトヨタ独特の設定だが、再始動時の振動や騒音も比較的良く抑えられている。ただ、ブレーキペダルから足を離した瞬間に、アクセルを踏み込むような動作をすると、少しギクシャクした動きを見せることがあった。落ち着いてペダルを踏み変えたい。

トヨタ シエンタ
トヨタ シエンタ
トヨタ シエンタ

■ガソリン車よりも力強さを感じるハイブリッド車。燃費は27.2km/Lを達成!

トヨタ シエンタ

 ハイブリッド車 の搭載エンジンは1NZ-FXE型で、燃費効率を追求したチューニングの結果として54kW/111N・mのパワー&トルクを発生する。これに45kW/169N・mを発生する電気モーターを組み合わせ、システムとしては73kW(100ps)のパワーを発生する。絶対的な動力性能はガソリン車を下回ることになるが、ハイブリッド車ならではのスムーズな走りにより、走りのフィールはガソリン車を上回っている印象を受けた。

静かでスムーズに発進するほか、低回転域ではモーターのトルクが貢献することもあって、ガソリン車以上の力強さを感じる。ハイブリッドシステム自体は、リダクションギア付きのTHSⅡで、エンジンも含めたシステムはアクア 用を流用している。アクアに比べて車両重量が重いので、ギア比を変更して走りが鈍くならないように対応している。

EV モードを選択すれば、しばらくの間はモーターだけで走ることが可能だが、ちょっとアクセルを踏み込むなどすると、すぐにエンジンがかかるので、EVモードの領域はそれほど広いものではない。

ハイブリッド車の燃費は27.2km/Lだ。アクアの燃費には遠く及ばないが、これは車両重量の違いによるものだ。ファイナルギア比を低くしたことも影響している。それでも3列シート車で27.2km/Lというのはとても良い燃費性能である。ミニバンとして断トツの燃費であるのは間違いない。

2016年秋には、ライバルのホンダ フリードがフルモデルチェンジする。新型フリードは、1.5Lのハイブリッドと1.5Lガソリンの2タイプが用意されていて、シエンタと同じ構成。燃費やパワーがどうなるか楽しみな1台だ。シエンタ購入時には、ジックリとフリードと比較してから購入するといいだろう。

トヨタ シエンタ
トヨタ シエンタ
トヨタ シエンタ

■選んではいけないオプションは16インチアルミホイール! これを選ぶと、コンパクトミニバンではなくなる? その理由は?

トヨタ シエンタ

 シエンタの足回りは、想像以上にしっかりした印象だった。この部分は、高評価できるポイントだ。とかくミニバンは、背の高いボディに加え、乗員の快適性を重視して柔らかめの足回り設定になりがちだ。結果として、コーナーでの挙動が落ち着かないものになったりしがちだが、シエンタはそれが意外なくらいなく、しっかりとしたハンドリング性能を誇る。

これは、走りの基本となる高いボディ剛性を確保した上で、前後のサスペンションを不快な振動や揺れを抑えたフラット感のあるものにチューニングした結果である。コーナーなどでも、安定感のある走りを実現していた。

なお、シエンタのタイヤは全車に15インチが標準装着されるほか、ハイブリッド車を含めたFF車には16インチタイヤがオプション設定されている。16インチタイヤなら操縦安定性が高まるのだろうが、これはお勧めしない。最小回転半径が5.2mから5.8mになり、小回りの効かないクルマになってしまうからだ。この最小回転半径は、アルファード /ヴェルファイア といった大型ミニバン並みだ。狭い駐車場などでは、小さいクルマなのに苦労するだろう。

トヨタ シエンタ
トヨタ シエンタ
トヨタ シエンタ

■自動ブレーキはまさかのオプション! サイド&カーテンエアバッグとセットで装着することをお勧めする!

トヨタ シエンタ

 逆に全車にオプション設定のトヨタセーフティセンスCとサイド&カーテンエアバッグはぜひとも装着したいオプションだ。歩行者検知式の自動ブレーキではないのだから、せめて全車標準装備にしてほしい。トヨタセーフティセンスCは、赤外線とカメラを組み合わせた簡易型の自動ブレーキを含めたシステムである。今どきのクルマには、必需品といえるものである。実際に購入する場合には、こうした安全装備には予算を確保して万全の仕様にしたい。

試乗したシエンタG(7人乗り)の本体価格は198万円。これにディーラーオプションのカーナビを始め、LEDランプパッケージ、自動ブレーキを含むトヨタセーフティセンスCなど、いろいろなオプションが装着されて255万円ほどの仕様になっていた。Xグレードを選び、LEDパッケージを省略すれば30万円くらい安くなるので、それがリーズナブルな選択だと思う。

シエンタハイブリッドG(6人乗り)の本体価格は233万円弱。これにディーラーオプションのカーナビを始め、LEDランプパッケージ、自動ブレーキを含むトヨタセーフティセンスCなど、いろいろなオプションが装着されて287万円ほどの仕様になっていた。値引きを考慮しても諸費用を含めたら300万円を超えるような予算である。小さいからといって、安いクルマではない。

ハイブリッド車は、ガソリン車に比べると35万ほど高い。距離を走るユーザーならハイブリッド車の燃費で価格差を取り戻せる可能性もあるが、ほとんどのユーザーは取り戻せない。ハイブリッド車のほうが良く売れているが、ガソリン車を選ぶのは現実的な選択である。

トヨタ シエンタ
トヨタ シエンタ
トヨタ シエンタ

■トヨタ シエンタ/シエンタ ハイブリッド価格

■トヨタ シエンタ(SIENTA)価格
●1.5Lガソリン車
・X“Vパッケージ” 7人乗り 2WD 1,689,709円/6人乗り 4WD 1,831,091円
・X 7人乗り 2WD 1,816,363円/6人乗り 4WD 1,957,745円
・G 6人乗り/7人乗り 2WD 1,980,327円/6人乗り 4WD 2,121,709円

●1.5Lハイブリッド車
・X 7人乗り 2WD 2,226,763円
・G 6人乗り/7人乗り 2WD 2,329,855円

■トヨタ シエンタ(SIENTA)ハイブリッド燃費、スペックなど

定員[人]7人

代表グレード トヨタ シエンタ(SIENTA)ハイブリッドG 7人乗り
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 4,235×1,695×1,675mm
車両重量[kg] 1,380kg
総排気量[cc] 1,496cc
エンジン最高出力[ps(kw)/rpm] 74(54)/4,800rpm
エンジン最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] 11.3(111)/3,600〜4,400rpm
モーター最高出力[ps(kw)] 61ps(45kw)
モーター最大トルク[kg-m(N・m)] 17.2kg-m(169N・m)
システム全体[ps(kw)] 100ps(73KW)
ミッション 電気式無段変速機
最小回転半径[m] 5.2m
バッテリー 種類/容量(Ah) ニッケル水素/6.5
価格 2,329,855円
レポート 松下 宏
写真 編集部

【関連記事】

(レポート:松下 宏

【オススメ記事】

【関連記事】

【オススメ記事】