好評の外観デザインはそのままに、内装は大幅に質感向上
先代モデルのスイフトは、スズキが初めて本格的に取り組んだ小型乗用車だった。それまでのスズキは、軽自動車をベースにボディとエンジンを拡大したモデルを登録小型車として作っていたが、世界市場をターゲットにすることを考えると、本格的な小型車が必要ということで開発したモデルだった。
従来の軽自動車とは違う開発過程を経て作られたモデルだけに、先代スイフトはデキの良さが高く評価された。その成功モデルを受け継ぐのが今回のスイフトだ。
特徴あるデザインや、軽快なフットワークできびきびした走りのコンパクトカーという基本コンセプトを継承発展させる形でのフルモデルチェンジが行われた。
そのためか、好評だった外観デザインは丸で先代モデルかと思うくらいに良く似ている。ひと目でスイフトと分かるのは良いが、ひと目見ただけでは先代なのか新型なのか分からないくらいに良く似ている。
あまりにも似過ぎているのではないかという指摘に対し、「ボディの全長を95mmも拡大するなどプロポーションが大きく変わったのに従来のモデルと同じように見えるのは、それを狙ったデザイン的な成功だ」と言われると、何となく納得させられてしまいそうになる。でも、もう少し違った良さが表現されても良かったと思う。
外観がほとんど変わらない印象なのに比べると、内装は大きく変わった印象がある。インパネ回りのデザインや樹脂パネルなどの質感が上がり、グンと良くなった印象。操作系なども悪くなく、ホールド性と座り心地に優れたシートなども含めて室内空間はとても良くできてている。シートリフターやチルト&テレスコピックステアリングによって誰にでも最適なドライビングポジションが得られるのも良い。
強いてえば、後席に乗り込むときの開口部がやや小さめなのが難点。乗り込んでしまえば後席の居住空間にも不満はない。ただ、後席の中央には3点式シートベルトもヘッドレストレイントも用意されていない。
ハンガリーで生産されるヨーロッパ向けのモデルには、シートバックにリトラクターを設けたきちんとした3点式シートベルトが装備されていることを考えると、日本向けを2点式にしてしまうのは何としても承服しがたいところ。
法規との関係で日本でもそう遠くない時期に3点式に変更されるのは間違いないのだが、法規で背中を押される前に自らの意志と姿勢で安全な3点式シートベルトを装備するのでなくてはほめられない。
従来の軽自動車とは違う開発過程を経て作られたモデルだけに、先代スイフトはデキの良さが高く評価された。その成功モデルを受け継ぐのが今回のスイフトだ。
特徴あるデザインや、軽快なフットワークできびきびした走りのコンパクトカーという基本コンセプトを継承発展させる形でのフルモデルチェンジが行われた。
そのためか、好評だった外観デザインは丸で先代モデルかと思うくらいに良く似ている。ひと目でスイフトと分かるのは良いが、ひと目見ただけでは先代なのか新型なのか分からないくらいに良く似ている。
あまりにも似過ぎているのではないかという指摘に対し、「ボディの全長を95mmも拡大するなどプロポーションが大きく変わったのに従来のモデルと同じように見えるのは、それを狙ったデザイン的な成功だ」と言われると、何となく納得させられてしまいそうになる。でも、もう少し違った良さが表現されても良かったと思う。
外観がほとんど変わらない印象なのに比べると、内装は大きく変わった印象がある。インパネ回りのデザインや樹脂パネルなどの質感が上がり、グンと良くなった印象。操作系なども悪くなく、ホールド性と座り心地に優れたシートなども含めて室内空間はとても良くできてている。シートリフターやチルト&テレスコピックステアリングによって誰にでも最適なドライビングポジションが得られるのも良い。
強いてえば、後席に乗り込むときの開口部がやや小さめなのが難点。乗り込んでしまえば後席の居住空間にも不満はない。ただ、後席の中央には3点式シートベルトもヘッドレストレイントも用意されていない。
ハンガリーで生産されるヨーロッパ向けのモデルには、シートバックにリトラクターを設けたきちんとした3点式シートベルトが装備されていることを考えると、日本向けを2点式にしてしまうのは何としても承服しがたいところ。
法規との関係で日本でもそう遠くない時期に3点式に変更されるのは間違いないのだが、法規で背中を押される前に自らの意志と姿勢で安全な3点式シートベルトを装備するのでなくてはほめられない。
全長は95mmも拡大されたが、ひと目見ただけでは先代か新型か分からないくらいに似ている。ヘッドライトは若干ツリ目になった感じに。
インパネ回りのデザインや樹脂パネルなどの質感が向上し、グンと良くなった内装。シートはホールド性と座り心地に優れており、とても良くできた室内空間を確保している。
リヤシートは6:4分割可倒式。すべて倒すとほぼフラットなラゲッジスペースが出現する。またラゲッジボードの下は、サブトランクとして使用できる。
さらに進化した欧州仕込みの走り
新しいスイフトは取り敢えず標準系のみがデビュー。スポーツスポーツは追って登場することになる見込みです。
ボディは5ドアハッチバックのみで従来と変わらないが、基本プラットホームを新しくしてホイールベース(+40mm)や全長(+95mm)を延長している。たた、ボディの拡大は衝突安全性の向上などに大半が振り向けられ、室内空間は室内長が20mm長くなっただけだ。
搭載エンジンは先代モデルの途中から搭載されるようになった1.2Lで、これにワゴンRなどに採用された副変速機付きのCVTが組み合わされている。
動力性能は67kW/118N・mで、数値的にはごく平均的なレベルと評価できる。実際に走らせた印象も、特に元気が良いという感じではないが、それなりに良く回ってボディに見合った性能という印象。ボディが大きくなった割には重量増が抑えられているので、余計にそのように感じるのだと思う。
芦ノ湖スカイラインなどのワインディングを走らせても、パワフル過ぎない分だけアクセルを踏み込めるので、楽しく走れる感じになる。
試乗車は最上級グレードのXSだったので、CVTが7速マニュアルモード付きになってパドルシフトが備えられていた。シフトレバーにはマニュアル操作の機構は備えられていないが、パドルのほうが扱いやすいので問題はない。積極的にレバーを操作して走ったときのレスポンスも上々でこれも楽しい走りにつながっていた。
このパドルシフトはDレンジのままで走行中に操作しても反応するから、軽いエンジンブレーキが欲しいときに有効。CVT車はアクセルペダルから足を離しただけではエンジンブレーキがかかりにくいので、この操作によって簡単にエンジンブレーキがかけられるのは良い。なお、Dレンジでパドル操作したときは、しばらくすると元のDレンジの無段変速に戻る仕組みだ。
今回のスイフトでパワートレーン以上に良くできていたという印象を与えるのは足回りだ。前回のモデルと同様、ヨーロッパで走り込むことで磨き上げ、その仕様に日本でさらに改善を加えることでできあがったという足回りは、なかなか絶妙な走り味を味わわせてくれた。
個人的に現行スイフトを所有しているが、それとは比べ物にならないくらいに乗り心地が良くなっているだけでなく、操縦安定性のレベルも極めて高いものがある。最上級グレードのXSには横滑り防止装置のESPが標準で装備されていたが、それが介入する前に高い操縦安定性を示していた。
ステアリングはかなりきびきび感のある反応を示した。ステアリングを切るとすぐる曲がる感じのダイレクト感のあるシャープなステアリングフィールで、個人的には中立付近ではもう少しダルというか、遊びがあったほうが良いてようにも思うが、この味付けを好む人も多いだろう。
騒音や振動はこのクラスの平均を超えている。先代モデルと比較したら格段に良くなっていて、段差を超えるときなどに安っぽい音を感じさせないのが良かった。
取り回しの良さはちょっと微妙な感じ。試乗した16インチタイヤの装着車は最小回転半径が5.2mでちょっと大きめ。これが15インチタイヤを履くXGになると4.8mになって納得モノの数字になるから、良いとも悪いともいえる感じ。まあ何とか許容範囲にある。
ボディは5ドアハッチバックのみで従来と変わらないが、基本プラットホームを新しくしてホイールベース(+40mm)や全長(+95mm)を延長している。たた、ボディの拡大は衝突安全性の向上などに大半が振り向けられ、室内空間は室内長が20mm長くなっただけだ。
搭載エンジンは先代モデルの途中から搭載されるようになった1.2Lで、これにワゴンRなどに採用された副変速機付きのCVTが組み合わされている。
動力性能は67kW/118N・mで、数値的にはごく平均的なレベルと評価できる。実際に走らせた印象も、特に元気が良いという感じではないが、それなりに良く回ってボディに見合った性能という印象。ボディが大きくなった割には重量増が抑えられているので、余計にそのように感じるのだと思う。
芦ノ湖スカイラインなどのワインディングを走らせても、パワフル過ぎない分だけアクセルを踏み込めるので、楽しく走れる感じになる。
試乗車は最上級グレードのXSだったので、CVTが7速マニュアルモード付きになってパドルシフトが備えられていた。シフトレバーにはマニュアル操作の機構は備えられていないが、パドルのほうが扱いやすいので問題はない。積極的にレバーを操作して走ったときのレスポンスも上々でこれも楽しい走りにつながっていた。
このパドルシフトはDレンジのままで走行中に操作しても反応するから、軽いエンジンブレーキが欲しいときに有効。CVT車はアクセルペダルから足を離しただけではエンジンブレーキがかかりにくいので、この操作によって簡単にエンジンブレーキがかけられるのは良い。なお、Dレンジでパドル操作したときは、しばらくすると元のDレンジの無段変速に戻る仕組みだ。
今回のスイフトでパワートレーン以上に良くできていたという印象を与えるのは足回りだ。前回のモデルと同様、ヨーロッパで走り込むことで磨き上げ、その仕様に日本でさらに改善を加えることでできあがったという足回りは、なかなか絶妙な走り味を味わわせてくれた。
個人的に現行スイフトを所有しているが、それとは比べ物にならないくらいに乗り心地が良くなっているだけでなく、操縦安定性のレベルも極めて高いものがある。最上級グレードのXSには横滑り防止装置のESPが標準で装備されていたが、それが介入する前に高い操縦安定性を示していた。
ステアリングはかなりきびきび感のある反応を示した。ステアリングを切るとすぐる曲がる感じのダイレクト感のあるシャープなステアリングフィールで、個人的には中立付近ではもう少しダルというか、遊びがあったほうが良いてようにも思うが、この味付けを好む人も多いだろう。
騒音や振動はこのクラスの平均を超えている。先代モデルと比較したら格段に良くなっていて、段差を超えるときなどに安っぽい音を感じさせないのが良かった。
取り回しの良さはちょっと微妙な感じ。試乗した16インチタイヤの装着車は最小回転半径が5.2mでちょっと大きめ。これが15インチタイヤを履くXGになると4.8mになって納得モノの数字になるから、良いとも悪いともいえる感じ。まあ何とか許容範囲にある。
搭載する1.2Lエンジンの動力性能は数値的にはごく平均的なレベルだが、それなりに良く回ってボディに見合った性能という印象となっている。
最上級グレードのXSでは、CVTがパドルシフト付7速マニュアルモードを採用。積極的にレバーを操作して走ったときのレスポンスも上々だ。
16インチタイヤの装着車では最小回転半径が5.2mと多少大きめ。これが15インチタイヤを履くエントリグレードのXGでは4.8mと納得モノの数字となる。
パワートレーン以上に良くできていたのは足回り。先代同様ヨーロッパで走り込むことで磨き上げたうえ、さらに日本で改善が加えられた。絶妙な走り味を味わわせてくれる。
望まれる安全装備の充実化
価格は従来のモデルに比べるとやや高くなっている。全車にプッシュ式のキーレススタートが採用されるなど、装備が向上した部分もあるが、逆にグレードによってオーディオがオプション設定に変わったことなどを含めるとやや高くなった印象がある。
コンパクトカーの主戦場となる価格帯は120万円台で、XGはその価格帯にあるのだから平均的といえばそうなのだが、価格的なメリットも感じさせるくらいでないとたくさん売れるクルマにならない。
また価格との関係で止むを得ないといえばそれまでだが、横滑り防止装置のESPは最上級グレードのXSだけでなく全グレードに標準装備にしたいところ。SRSサイドエアバッグなども含めて安全装備の充実化では、まだまだやるべきことが残されている。
コンパクトカーの主戦場となる価格帯は120万円台で、XGはその価格帯にあるのだから平均的といえばそうなのだが、価格的なメリットも感じさせるくらいでないとたくさん売れるクルマにならない。
また価格との関係で止むを得ないといえばそれまでだが、横滑り防止装置のESPは最上級グレードのXSだけでなく全グレードに標準装備にしたいところ。SRSサイドエアバッグなども含めて安全装備の充実化では、まだまだやるべきことが残されている。
【関連記事】
- 【スズキ 新型 スイフト 新車情報】エコと走りを磨き上げた正常進化型
- スズキ スイフトがフルモデルチェンジ! ひと足お先に欧州・ハンガリーで生産開始
- スズキ「スイフト プラグイン ハイブリッド」が国土交通省の型式指定を取得
- 【東京モーターショー2009】新発想! 短距離走行に特化したプラグインハイブリッド「スズキ スイフト プラグイン・ハイブリッド」[コンセプトカー]
(レポート:松下 宏)
【オススメ記事】
- 三菱エクリプスクロス試乗記・評価 さすが4WDの三菱! 豪快にリヤタイヤを振りだすような走りも楽しめる絶妙なS-AWCに脱帽!【レビュー】
- 【日産リーフ 長期評価レポートvol.6】 日差リーフの実電費チェック! (一般道編)コツコツ電費を稼ぐe-Pedal【評論家ブログ : 日産リーフ】
- メルセデス・ベンツSクラス新車情報・購入ガイド 約20年振りの直6エンジンに、ISGを組みあわせた次世代エンジンを搭載!【ニュース・トピックス】
- 【日産リーフ 長期評価レポートvol.5】 日差リーフの実電費チェック! (高速道路編)実電費アップは、こだわりの空力性能にあり!【評論家ブログ : 日産リーフ】
- 三菱エクリプスクロス新車情報・購入ガイド スタイルに走り、装備とスキ無しの完成度を誇るコンパクトSUV。ガソリン車だけしかないことが、唯一の弱点?【ニュース・トピックス】
- 【日産リーフ 長期評価レポートvol.4】 30歳代クルマ好き女性、初めての電気自動車! その評価は?【評論家ブログ : 日産リーフ】
- 日産セレナe-POWER新車情報・購入ガイド ついに、シリーズハイブリッドシステムを搭載したセレナ! 5ナンバーミニバン、ハイブリッド車戦争へ加速!!【ニュース・トピックス】
- マツダCX-8試乗記・評価 際立つ運転のしやすさ! こだわりの「躍度」を雪上でチェック!【レビュー】
- 日産テラ(TERRA)新車情報・購入ガイド ナバラベースのSUV中国でデビュー! 日本への導入は?【ニュース・トピックス】
- フォルクスワーゲン パサート新車情報・購入ガイド 遅れてきた大本命! クリーンディーゼルエンジンを搭載したTDIデビュー!!【ニュース・トピックス】
【関連記事】
- 日産ノート オーラ新車情報・購入ガイド 大胆イメチェンしたプレミアムコンパクトカー【日産】
- トヨタ アクア新車情報・購入ガイド オシャレな上質感をまとった特別仕様車「Z Raffine(ラフィネ)」登場【トヨタ】
- BYD ドルフィン試乗記・評価 ゆるふわ系快適電気自動車【その他】
- 日産ノートe-POWER 新車情報・購入ガイド 斬新フロントフェイスとなったマイナーチェンジ【日産】
- スズキ スイフト新車情報・購入ガイド 予防安全装備&燃費が飛躍的進化!【スズキ】
- マツダ2 新車情報・購入ガイド 大幅イメチェンに成功した新グレード「BD」ってナニ?【マツダ】
- フォルクスワーゲン ポロ 対 ルノー ルーテシア徹底比較評価【対決】
- 日産ノート オーテッククロスオーバー+Active新車情報・購入ガイド よりSUVらしさを強調した新グレード追加!【日産】
- スズキ ソリオ/ソリオ バンディット新車情報・購入ガイド スズキ独自のハイブリッド搭載車を再投入!【スズキ】
- フィアット500e試乗記・評価 ビリビリ痺れる魅力満載【フィアット】
【オススメ記事】
- 2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー、ノミネート車31台が決定!【イベント】
- マツダCX-80試乗記・評価 すべてに大人の余裕を感じた国内フラッグシップ3列SUV【マツダ】
- 三菱 アウトランダーPHEV新車情報・購入ガイド 大幅改良&値上げ。それでも、コスパ高し!!【三菱】
- スズキ フロンクス試乗記・評価 価格、燃費値を追加。欧州プレミアムコンパクトに近い上質感【スズキ】
- 日産セレナAUTECH SPORTS SPEC新車情報・購入ガイド 走りの質感を大幅向上した特別なモデル【日産】
- 日産セレナe-POWER新車情報・購入ガイド 待望の4WD「e-4ORCE」を搭載!【日産】
- ホンダ N-BOX JOY新車情報・購入ガイド オシャレ、かわいいクロスオーバーモデル【ホンダ】
- スズキ スペーシアギア新車情報・購入ガイド キープコンセプトだが魅力的!【スズキ】
- 【動画】三菱トライトン 後悔・失敗しないための試乗レビュー ピックアップなのに、乗り心地が・・・【三菱】
- 【動画】三菱トライトン 後悔・失敗しないための内外装レビュー ピックアップトラックなのに・・・【三菱】
CORISM公式アカウントをフォローし、最新記事をチェック!