フォード フィエスタ新車試乗評価 走りにスタイル、圧倒的な完成度を誇るが、知名度の低さが難点 [CORISM]

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【フォード】2014/03/06

 

 

日本での知名度は低いが、世界的には人気モデルとなっているフォージド フィエスタ

フォード フィエスタ

 フォード は、日本では販売網が手薄なこともあって存在感の薄いメーカーになっている。ヨーロッパ製のフォード車に力を入れたり、アメリカ製のフォード車に力を入れたり、販売方針に一貫性がなかったことも理由だ。

最近は、ワンフォードのスローガンの下、世界のフォードの開発部門の持つ資源を集めて世界市場向けのクルマを開発するようになり、クーガフォーカス などを作ってきた。さらに今回のフィエスタも同様である。

フォード フィエスタという車名を日本では知らない人も多いくらいのクルマだが、世界的に見ればコンパクトカークラスで売れ行きナンバー1のクルマであり、全クラスを総合しても6位に入るくらいに良く売れているクルマである。

フルモデルチェンジで登場した新型車は、特徴的なデザイン、直噴ターボ仕様のエコブーストエンジン、軽快なフットワークなどを特徴とする。

エクステリアは、フォードのキネテックデザインによって作られていて、ウェッジの効いたシャープな切れ味のある外観を特徴とする。インテリアもなかなか良くできていて、デザイン・質感ともクラスの水準を超えた印象がある。

日本で使うことを考えると、純正カーナビがインパネにビルトインされないのはやや残念なところだが、そのことを除けばフィエスタの出来はなかなか良い。

フォード フィエスタ
フォード フィエスタ
フォード フィエスタ

フォード フィエスタ

 

圧倒的に出来の良いフットワークと1.0Lエコブーストエンジン。ただし、サムシフト方式は使いにくい

フォード フィエスタ

 フォード フィエスタに搭載されるエンジンは、直列3気筒1.0L。いわゆるダウンサイジング直噴ターボ仕様のエンジンで、フォードはこれをエコブーストと呼んでいる。

気筒数を少なくし排気量を小さくした直噴仕様のエンジンに、インタークーラー付きターボを装着してトルクを得るもので、最近の欧州車に多く見られる手法を採用している。

動力性能は74kW/170N・mを発生するから、1.0Lの排気量でパワーなら1.5L級、トルクは1.7L級のエンジンに相当する実力を持つ。これで比較的コンパクトなボディを走らせるのだから、元気の良い走りが得られるのは当然である。

トランスミッションは、6速のデュアルクラッチが組み合わされ、これもなかなか良くできていた。低速域でギクシャク感を与えることなく、スムーズに走り出し、アクセルの踏み込みに応じて滑らかな変速を見せるからだ。

他のメーカーではこのクラスにシングルクラッチを採用する例が多いが、フィエスタはややおごられた仕様のデュアルクラッチが採用され、変速時のトルク抜けのないスムーズな変速を実現している。これはとても良い点だ。

残念なのは、積極的にマニュアル操作をするときの操作性。シフトレバーの先端に設けられたボタンを押して操作するサムシフト方式が採用されていて、これだと操作時にハンドルから手を離さなければならない。パドルシフト方式に変更したほうが良いと思う。

パワートレーンのデキもなかなか良かったが、それ以上に好感が持てたのが足回りだ。箱根のワインディングロードを軽快に駆け抜ける気持ちの良い足回りを持っていた。やや硬めの足回りながら、乗り心地も良くてコンパクトカーにありがちな安っぽさを感じさせることがない。操縦安定性は、それ以上に優れている。

欧州でチューンされたフォード車の足回りは、日本のメーカーからも高く評価されていて、フォード車をベンチマークにして、ヨーロッパで足回りのチューニングを進めるメーカーもある。フィエスタにも、そんな優れた足回りが備えられている。

フォード フィエスタ
フォード フィエスタ
フォード フィエスタ

 

まだまだ割高感はあるが、価値あるクルマ。売れないのは、売り方の問題?

フォード フィエスタ

 こうしたシャシー性能の良さを味わうと、改めて日本でもっと売れないものかと思う。多くのユーザーが抱くフォード車のイメージは、エクスプローラーに代表されるようなアメリカ製の大きなクルマというものでしかない。欧州製の、というか最近のワンフォードで開発されたフォード車が日本のユーザーに浸透していないのは残念なことだと思う。

その一方で、多くのユーザーにとってどこで売っているのか分からないフォード車は、少々良くても積極的に勧めにくい面がある。アフターサービスの便利さを考えたら、近くに販売店があったほうが良いからだ。

フォード フィエスタの価格は229万円からの設定で、やはり輸入車だなと思わせるような割高感がある。フォードの販売規模から考えると、この水準に抑えるのも大変だったのだろう。ただ、先進緊急ブレーキを始めとする各種の安全装備や、コンパクトカーとしては高い充実度を持つ快適装備などを考えたら、価格の割高感も多少は薄まってくる。

フォード フィエスタ
フォード フィエスタ
フォード フィエスタ

フォード フィエスタ価格、燃費、スペックなど

フォード フィエスタ

■フォード フィエスタ1.0エコブースト価格:2,290,000円

代表グレード フォード フィエスタ1.0エコブースト
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 3,995×1,720×1,475mm
ホイールベース[mm] 2,490mm
トレッド前/後[mm] 1,470/1,460mm
車両重量[kg] 1,160㎏
総排気量[cc] 997cc
エンジン最高出力[kw(ps)/rpm] 74(100)/6,000rpm
エンジン最大トルク[N・m(㎏-m)/rpm] 170(17.3)/1,400-4,000rpm
ミッション 6速パワーシフトAT
タイヤサイズ 195/45R16
JC08モード燃費 17.7㎞/L
定員[人] 5人
税込価格[円] 2,290,000円
発売日 2014/2/1
レポート 松下 宏
写真 編集部

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