BMW初となるFF車としてデビューした初代2シリーズアクティブツアラー
BMWは、コンパクトSAT (スポーツ・アクティビティ・ツアラー)の「2シリーズ アクティブ ツアラー」をフルモデルチェンジし発売を開始した。このフルモデルチェンジで2シリーズアクティブツアラーは2代目となった。
初代BMWアクティブツアラーは、2014年に登場。ミニのプラットフォーム(車台)をベースとした、BMW初のFF(前輪駆動)車だった。アクティブツアラーは、やや全高を高め、コンパクトなボディサイズながら、より広い室内空間を実現した多目的乗用車としてデビュー。BMWはこうしたモデルをSATと呼ぶ。
スポーツモデルのイメージが強いBMWブランドにおいて、この初代アクティブツアラーは、より幅広い顧客層を得るために重要なモデル。そのため、日本仕様では日本の使用環境にも着目。当時、日本の駐車場事情は、全幅1,800&全高1,550mm以内という制限付き立体駐車場を使う顧客が多かった。このサイズを超えると車庫証明が取れないので、購入することができない。そこで、BMWは日本仕様を全幅1,800mm、全高1,550mmに収まるようボディサイズを変更し導入した。
こうした努力のかいもあり、初代2シリーズアクティブツアラーの販売は好調だった。また、2015年には派生車で7人乗りの2シリーズグランツアラーも投入。その優れたパフォーマンスが高く評価され、2015-2016日本カー・オブ・ザ・イヤーで輸入車の頂点となるインポート・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞している。
小さいボディサイズながら大きく精悍に見えるデザイン
そして、2代目となる新型2シリーズアクティブツアラーは、初代ほどボディサイズに気を使うことなく、やや大きくなった。全長は4,385×全幅1,825×全高1,565mmだ。
ボディサイズは、コンパクトななのだが、大きく見えるのが特徴。初代2シリーズアクティブツアラーのフロントフェイスは、ファミリー的で少し優しさを感じた。しかし、2代目2シリーズアクティブツアラーでは、大きな顔と八角形の大型キドニー・グリルが組み合わされて、押し出し感タップリの迫力フェイスを創り出した。また、フェイス上部両サイドにLEDヘッドライトを装着。睨みをきかせている。
リヤビューは、ドッシリと安定したデザイン。リヤコンビネーションランプは細型でサイドまで回り込んだタイプで、ワイド感をアピールする。リヤハッチゲートも大きくスクエアに開く。大きな荷物も容易に積載可能だ。
サイドビューは、機能的だ。ドアハンドルをドアパネルと一体化させたフラッシュ・ハンドルの採用。空力特性にもこだわったデザインだ。
インテリアは、BMWコンパクトクラス初となるBMWカーブドディスプレイを採用。BMWカーブドディスプレイは、メーターパネルとコントロールディスプレイを一体化させ大型化。運転席側に傾けることで視認性を高めながら、タッチ操作による操作性を向上させている。
また、シフトレバーを廃止しセンターアームレストに操作系を集中配置し先進感をアピール。こうしたデザインは、EVのiXとも共通している印象がある。
使い勝手面では、リヤシートは40:20:40の3分割可倒シートの採用。よりフレキシブルに荷室を使うことができる。荷室容量は470L、後席折りたたみ時は1,455Lもの広さになる。最小回転半径は、5.4mと小さく扱いやすい。
低燃費ではあるものの、電動化技術は投入されず
新型2シリーズアクティブツアラーに搭載されるエンジンは、ガソリンとディーゼルの2タイプ。
ガソリンエンジンは、直3 1.5Lターボで156ps(115kW)&230Nmをアウトプット。7速DCTと組み合わされ、燃費は14.1㎞/L(FF、WLTCモード)となる。最高出力発生のエンジン回転数は5,000回転、最大トルクは1,500回転と、とくに低中速域での実用性を重視したエンジンだ。
ディーゼルエンジンは、直4 2.0Lターボで最高出力150ps/4,000 rpm、最大トルク360Nm/1,500-2,500rpmとなる。コンパクトなボディの新型2シリーズアクティブツアラーには、非常にパワフルなエンジンで、かなり力強い走りが期待できる。このエンジンにも7速DCTが組み合わされ、燃費性能は19.5㎞/L(FF、WLTCモード)となかなか優秀な数値となった。
ただ、残念なのは、電動化されたパワーユニットが無いこと。とくに、BMWは電動化に積極的で、国内では最多4車種ものEVを投入しているメーカー。それだけに、せめて48Vマイルドハイブリッド機能程度でも付いたパワーユニットが欲しいところだった。
安全装備、コネクティッドなど隙の無い装備
歩行者検知式自動ブレーキなどの予防安全装備は十分なものとなっている。BMWの先進安全機能ドライビング・アシストは、全車標準装備なので、どのグレードを選んでも安心だ。
また、ユニークな機能がリバースアシスト。行き止りの駐車場、すれ違いが困難な狭い道などで、その機能をを発揮する。車両が時速35km以下で直前に前進したルートを最大50mまでを記憶し、その同じルートをバックで正確に戻ることが可能な機能。狭い道や駐車場が多い日本では、何かと頼りになる。
BMWコネクテッド・ドライブでは、BMWデジタル・キー・プラスが標準装備。車両のキーを持っていなくても、対応のスマートフォン、スマートウォッチを携行していれば、車両に近づくだけでロック解除が可能。さらに車室内にロック解除に使用したデバイスがあるだけで、エンジンの始動も可能になる。ちょっと、近未来感のある装備だ。
また、BMWインテリジェント・パーソナル・アシスタントも標準装備。AIを使い音声でエアコンやオーディオなど車両の機能を操作できる。使用頻度が多くなるたびに、ドライバーの好みを学習。より使いやすくなる。
こうした機能は、多くあるがBMWの場合、ドライバーがシステムの「名前」を自由に付けることが可能。通常は「OK, BMW」で起動するが、「2シリーズ」など、人の名前など任意の呼び名でもシステムが起動する設定ができる。愛着がわく機能だ。
新型BMW2シリーズアクティブツアラーのグレード選び、お勧めは?
新型2シリーズアクティブツアラーは、エンジンが2タイプ。それぞれ、基準車、エクスクルーシブ、Mスポーツの3グレード設定。計6グレードから選択ができる。
まず、エンジンの選択は、2.0Lディーゼル一択といったところ。電動化が進んでいる日本において純ガソリンエンジンは選びにくい。
その上で、グレード選びになる。基準車は、シンプルな仕様ななので、輸入車としての満足度という面では、少々物足りないので除外。そうなるとエクスクルーシブかMスポーツか、という選択になる。
エクスクルーシブとMスポーツの大きな装備差は、Mスポーツには専用サスペンション、パドルシフト、7速スポーツDCT、スポーツシートなどが装備される。エクスクルーシブは、センサテック・シートが装備される。価格は両車共に476万円と同じなので、装備を比べるとMスポーツの方が買い得感あるように見える。
さらに、日本マーケットでは、Mスポーツのようなスポーティグレードの人気が非常に高い。そのため、Mスポーツだとリセールバリューが高くなり、売却するときの高査定も期待できる。そうなると、やはり218d Mスポーツがお勧めだ。
新型2シリーズアクティブツアラーの値引きは、新車効果が無くなってきた1年後くらいから。初代モデルも値引き額が大きかったので、しばらくすると大幅値引きが期待できそうだ。
BMW2シリーズアクティブツアラー価格
・218i Active Tourer 4,180,000円
・218i Active Tourer Exclusive 4,470,000円
・218i Active Tourer M Sport 4,470,000円
・218d Active Tourer 4,470,000円
・218d Active Tourer Exclusive 4,760,000円
・218d Active Tourer M Sport 4,760,000円
BMW2シリーズアクティブツアラー燃費、ボディサイズなどスペック
代表グレード: 218d Active Tourer M Sport
ボディサイズ 全長×全幅×全高[mm]: 4,385×1,825×1,565
ホイールベース[mm]: 2,670
最低地上高[mm]: 166
荷室容量[L]:470
最小回転半径[m]: 5.4
車両重量[kg]: 1,600
総排気量[cc]: 1,995
エンジン種類:B47C20B型 直4 DOHCディーゼルターボ
エンジン最高出力[kw(ps)/rpm]:110(150)/4,000
エンジン最大トルク[N・m(kg-m)/rpm]: 360〈36.7〉/1,500-2,500
ミッション:7速DCT
WLTCモード燃費[km/l]:19.5km/l
0-100km/h加速性能(ヨーロッパ仕様車値)[秒]:8.8
サスペンション前/後:ストラット/マルチリンク
タイヤサイズ:205/60R17
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