アウディA1スポーツバックは、3ドアのA1に対して使い勝手を高めた5ドアモデル。ミニをライバルとしてデビューしたアウディA1。しかし、アウディブランドでは、ミニのようなユニークなブランドと同じ土俵に上がることができず、結果的に実用的な5ドアであるA1スポーツバックを導入。A1の主力はスポーツバックとなっている。

　そんなアウディA1スポーツバックを、よりスポーティな雰囲気にまとめたのが、500台の限定車であるアウディA1スポーツバックadmired limitedだ。エクステリアは、マットブラックのシングルフレームグリルや、フロントバンパー、ルーフスポイラーなどS-lineエアロパーツ系でスタイリッシュにまとめられている。いたずらにミニの路線を追うより、こういったアウディ定番のスタイリングキットでまとめたほうが、素直でアウディファンのツボにはまるはず。

　さらに、バイキセノンパッケージ、コントラストルーフ、ブラックドアミラーハウジング、17インチアルミホイールなどを採用。細部にもこだわり、標準のA1とは全く違うエクステリアにしているのは、限定車ならではのこだわりのひとつといえるだろう。ホイールは、5スポークVデザインアルミホイール（7.5J×17）で、タイヤサイズは215/40R17となっている。4mに満たないコンパクトなボディサイズに、17インチホイールというだけでも、大きく見えてカッコいいのだが、ホイールのデザインが秀逸で、スポークがより長く見える工夫がされている。そのため、17インチホイールなのだが、18インチ並みに大きく見える視覚的効果がある。エアロパーツとの組み合わせで、より塊感のあるスタイルとなった。

　インテリアは、チェッカーフラッグデザインフロアマット、ボディ同色のエアコン吹き出し口、カラードスリーブをアクセントに、MMI 3G+ナビゲーションも標準装備している。全体的に、ハデハデしさはなくワンポイント的なアクセントとして使われているのがよい。あまり、派手にデコレーションされると、子供っぽくなってしまうので、これくらいがちょうどよいだろう。

　ボディカラーは、ミサノレッドをはじめ、グレイシアホワイト、アイスシルバー、ファントムブラックの4種類の設定。パワートレインはベース車と同様、122ps＆200Nmをアウトプットする1.4L TFSI ガソリン直噴ターボエンジンに、7速Sトロニック トランスミッションを組み合わせ、JC08モード燃費は17.8km/Lとなっている。

　同時に登場した限定車で、185psというパワフルなエンジンを搭載したA1アーバン レーサー リミテッドがある。このモデルのエンジンを標準仕様に戻し、5ドアにしたのがA1スポーツバックadmired limitedといえるだろう。

　アウディA1スポーツバックadmired limitedの価格は、349万円。ベース車が293万円なので、56万円高となっている。ベース車と比べると、ずいぶん高価な印象が強い。しかし、標準装備化されている数々のオプション類を含めると、かなりお買い得な価格設定だ。ベース車にS-lineパッケージを装着したいと考えている顧客なら、迷わずアウディA1スポーツバックadmired limitedを選んだほうがよい。限定車ということで、値引きゼロを提示してくるかもしれないが、じっくりと商談して一定の値引き条件が得られれば、さらにお買い得となる。

　ただし、ミニなどと比べると349万円という価格は安くない。ミニ クーパーSクラブマンが341万円で、パワーはA1スポーツバックを圧倒する。そのあたりを十分比較検討して購入する必要がある。