アウディQ5新車情報 新エンジンと8速ATで大幅燃費向上を果たしたSUV [CORISM]

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【アウディ】2012/11/25

トップレベルの燃費性能になったが、ライバル BMW X3には届かず

アウディQ5
 アウディは、ミッドサイズのSUVであるアウディQ5を大幅な仕様変更を行い発売を開始した。

 アウディQ5は、2009年に国内で発売。ミッドサイズのSUVとしながらも、全幅は1,900mmというワイドなボディサイズをもつ。日本の道路事情を考えると、かなり大型なボディサイズで使い難い。しかし、この大型のボディであっても、クルマの使いやすさの指標である最小回転半径は、5.4mと意外にも小回りは得意。5ナンバーミニバンの平均が5.5mなので、全幅1,695mmのミニバンよりも数値的には小回りが得意というSUVだ。

 そんな威風堂々としたワイドボディに、アウディ流のデザインが重ねられ、SUV車にありがちな泥臭さはなく、都会派のSUVらしさをアピール。当然、アウディ自慢のクワトロ(AWD)は、オフロード性能にも磨き上げられていて、都会派なのにハードは本格派SUVだったりする。

 そんなアウディQ5は、日本デビューから4年目に大幅なマイナーチェンジを行なっている。とくに、今回は燃費向上のために、新エンジンと新ミッションが搭載された。

 まず、エンジン。2Lエンジンが新開発の4気筒直噴2.0Lターボエンジンとなった。このエンジンは、10kW(13ps)の出力向上を果たし165kW(224PS)/4,500-6,250rpmとした。そして、注目の燃費は、JC08モードで12.5km/Lと大幅に燃費性能を高めている。

 例えば、なぜか同じグループのVWティグアン2L、AWDの燃費は1640kgで11.5km/L。Q5に比べて軽くて燃費が悪い。国産ではスバル フォレスター2.0XTが、1590kgで13.2km/Lである。燃費ではフォレスターが勝るが、車重が290kgも軽い。1,880kgという、この重いアウディQ5の車重を考えると、12.5km/Lという燃費性能はBMW X3の1,830kg、13.4km/Lには及ばないもののトップレベルと評価できる。

 また3.0L V型6直噴スーパーチャージャーエンジンは、従来の3.2Lモデルとの比較で、2ps/70Nmプラスとなり、200kW(272PS)/4,780-6,500rpm、400Nm(40.9kgm)/2,150-4,780rpmとなった。こちらも、出力向上を果たしながら、JC08モード燃費は11.1km/Lと約 15%の燃費向上を達成している。ダウンサイジングコンセプトに基づき開発された小型軽量の加給機の搭載をはじめ、スタート ストップシステム(アイド
リングストップシステム)などを組み合わせた効果によるものだ。

 こういったエンジンの改良点をさらに生かすために、この新型アウディQ5は従来の7速ティプトロニックから8速ティプトロニックへと変更されている。ミッションの多段化は、これも低燃費の一環として行われており、BMWなども8速AT化が進めれている。多段化にすることのメリットは、低回転域で最大トルクを発生するエンジンの特性を生かし、なるべく早い段階で高いギヤを使いエンジンの回転数を下げ低燃費化することにある。また、エンジンの熱効率が良い回転数を細かくコントロールして使える。ただし、デメリットもあり、ミッション単体が重く大きくなり、高速走行を中心でなるべく8速に入れる環境でないと燃費効果は出にくい傾向にある。

 エクステリアでのポイントは、新しいヘッドライトデザイン。バイキセノンヘッドライトユニットのほぼ全周にわたって配置されるLEDポジショニングランプが、細く均質な光の環を作り出している。LEDを使ったフェイスまわりのデザイン処理は、さすがアウディデザインの力量を感じさせる部分。また、シングルフレームグリルは、上部コーナーの角が落とされ6角形となった。その他は、フロントバンパー、エアインレット、フロントフォグライトなどもデザインを一新されている。パッと見た目は、さほど変更された印象がないものの、よく見ればまったく違うというデザイン変更。営業サイド的には、4年目の変更なのだから、大きくイメチェンさせて、初期のQ5オーナーに買い替えを促したかったところだろう。

 インテリアは、ステアリングホイールの形状が見直され、3本スポークの新デザインとなった。多くのコントロールスイッチ類は細いクロームリングを備え、センターコンソールのパネルはピアノブラック仕上げとなっている。3.0TFSIは標準で、2.0 TFSIはオプションで装着されるレザーパッケージでは、3 色のレザーシート、さらにデコラティブパネルには、3種類のウッドパネルが用意された。より自分だけのオリジナリティある仕様にすることができているのは、高級車を選ぶ顧客にとって、ウレシイ仕様変更だ。

 また、スポーティな専用デザインのエアロパーツやスポーツサスペンション、19インチアルミホイール、
スポーツシートなどを装着する、S-lineパッケージをオプションで用意している。

 新型アウディQ5の価格は、2Lが579万円で3Lが673万円となっている。価格は2Lで5万円ほど値上がりはしているものの、新エンジンと8速ATが装備されたことを考えれば、お買い得感はある。しかし、BMW X3xDrive20iが541万円と、2LはBMW X3の割安感が目立つ。また、X3にはクリーンディーゼル車であるxDrive20d BluePerformanceが存在し、564万円とQ5の2Lより安く、最大トルクは380Nmという大トルクを発生し燃費は18.6km/Lという低燃費。

 さて、アウディQ5とBMW X3どちらを選ぶかとなると、デザインは好みなので経済性をどう考えるかだろう。2Lのガソリン車の燃費比較では、X3が優位で車両価格も安い。また、燃料費という視点では、ハイオク仕様のガソリン車と軽油では30円/L以上の価格差があるので、X3のディーゼルはQ5を圧倒し、車両価格も安い。そうなると、Q5はデザインで買うSUVということになりそうだ。アウディにもクリーンディーゼル車は存在する。クリーンディーゼル車の国内投入にも期待したい。

アウディQ5

アウディQ5 価格、燃費、スペックなど

<アウディQ5価格 燃費(JC08モード燃費)>
・2.0 TFSI quattro 5,790,000 円 12.5km/L
・3.0 TFSI quattro 6,730,000 円 11.1km/L

<アウディQ5 2.0TFSIクワトロスペック>
全長×全幅×全高(mm) 4,630×1,900×1,660
ホイールベース(mm) 2,810
トレッド:フロント(mm)1,615 トレッド:リヤ(mm)1,615
最低地上高(mm) 205
車両重量(kg)1,880
最小回転半径(m)5.4
JC08モード燃費(km/ℓ)12.5km/L
エンジン型式 CNC
総排気量(cc)1,984
エンジン種類 直列4気筒DOHCインタークーラー付ターボ
ボア × ストローク(mm) 82.5×92.8
圧縮比 9.6
最高出力[ネット]165kW(224PS)/4,500-6,250rpm
最大トルク[ネット]350Nm(35.7kgm)/1,500-4,500rpm
燃料タンク容量(ℓ)75
トランスミッション 8速 ティプトロニックトランスミッション
サスペンション:フロント 5リンク+スタビライザーバー 
サスペンション:リヤ トラペゾイダル+スタビライザーバー
タイヤ 235/60 R18

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(レポート:CORISM編集部

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