知ってるようで知らない!アメリカ国内の新車販売台数事情を斬る[2010年7月編][国沢光宏 コラム][CORISM] [CORISM]

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【ビジネス・経済】2010/08/06

トヨタ 北米向け専用車「TOYOTA Tundra」

日本国内じゃ実感ないけど・・・伸び率著しい韓国勢に注目!

ホンダ 北米専用車「アコード クロスツアー」

ホンダ 北米専用車「アコード クロスツアー」

 いろんな場面でアメリカの販売台数の動向がニュースとして取り上げられるけれど、GMやフォード、クライスラー、トヨタ、ホンダ、日産といった上位メーカー以外、全体像は語られない。果たしてどんな順位になっているのだろうか? 発表されたばかりの7月のデータを分析してみたいと思う。
 まず上位4メーカーだけれど、ここ数年同じメンバーである。トップ3はGMとフォード、そしてトヨタ。7月の台数がGM20万台、フォード17万台、トヨタ16万9千台といった具合。フォードとトヨタを見ると、勝ったり負けたり。3位から少し離れてホンダ(同11万2千台)。
 次のグループはクライスラーと日産で、それぞれ9万3千台と8万2千台。このあたりまで日本のメディアでもよく伝えられているのでご存じのことだろう。興味深いのが、ここからの順位である。数字だけ見ると7位は日産から3万台近く引き離された5万3千台の現代自動車(ヒュンダイ)。
 しかし! 8位を見ると同じ韓国勢の起亜自動車が入ってる! クルマ通ならご存知の通り、現代自動車と起亜自動車は同じメーカーなのだ。シャシもエンジンも、本社機能まで同じ。生い立ちの違いでアカウントを分けているだけ。両ブランド合計すれば8万9千台になりクライスラーと日産の間に入る。
 現代自動車も起亜自動車も日産より伸び率が大きいため(出すクルマ全てがヒットしているから凄い)、5番手争いは来年にも韓国勢の優勢となるだろう。ちなみに日本に住んでると実感出来ないだろうが、韓国勢はアメリカ以外の地域だとトヨタに勝っている。このあたりで真剣に対策をしなければ厳しい。
 9位は大きく引き離されて3万2千台のVW(フォルクスワーゲン)。世界の雄であるVWもアメリカじゃ苦戦してます。主力のゴルフ(北米名:ラビット)はカローラやシビックと同じ価格帯で販売しており、日本人から見ればお買い得感高い。けれどアメリカ人からすればブランドイメージや信頼感が低いのだという。
 10位はスバルである! アメリカでニーズの少ない乗用車タイプの4WDを主力にしている割に大健闘してます。直近のアメリカ販売政策が大成功したということ。特に価格で頑張ったレガシィの売れ行きにより、11位のBMWを5百台引き離すことに成功。ちなみにスバルは2万4千台でした。
12位がマツダの2万1千台。13位ベンツで1万9千台で続く。残る日本勢の三菱自動車と言うと、ここ10年の新型車を全てハズしており、今や5千6百台という厳しい台数いなってしまった。かつてはスバルを凌ぎ、マツダと好勝負をしていたのに。以上、直近のアメリカ情勢でした。

[国沢光宏 コラム:バックナンバー]
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(レポート:国沢 光宏

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