日産保管庫でしか会えない!?ホントの幻の名車発見! 【ニッサンMID4編〜日産ヘリテージコレクション探訪記その3】

名は体をあらわす!なぜMID4とネーミングされたかお分かりですね・・・?

さて日産ヘリテージコレクション探訪記第3弾はこれぞ究極!の幻の名車、MID4(II型)です。
とはいえこのMID4、今回ご紹介するII型が発表されたのは1987年と言いますから、今からもう25年も前。「日産MID4って何?」という若い読者の方も多いでしょう。今回も少し日産MID4の歴史を振り返りつつお話を進めてまいりましょう。
「日産MID4」というクルマが最初に登場したのは1985年のことでした。その年の9月、ドイツで開催されたフランクフルト・モーターショーで発表されたこの車は、名前の通りエンジンをミッドシップ搭載し4輪駆動方式を採用する、今でも主に高級スポーツカーでしか見られない珍しいメカニズムを採用した非常に画期的なクルマでした。
当時の日本車は、それまでのエンジンの最高出力を競争する時代から車両トータルでの運動性能向上を競いあう時代へと変化しつつあった時期でした。その中で、エンジンの搭載位置を車両の中心近くに置くことで慣性モーメントが少なくなるミッドシップが、駆動方式なら4輪全部で路面にエンジンパワーを余すことなく伝え、効率的かつ安定した走行ができる4輪駆動方式が、一種の理想のメカニズムとしてもてはやされることになったのです。
日本車が大きく飛躍した80年代、日産が世に問おうとしたクルマは・・・

そんな時代の雰囲気の中、トヨタは1984年に量産乗用車で日本初となるミッドシップの車、「MR2」を発売。
高性能をイメージさせるミッドシップ車でありながら200万円を大きく下回る価格で若者を中心としたクルマ好きの人気を博し、その年の「日本カー・オブ・ザ・イヤー」に輝きました。
4輪駆動のほうは、それまで主流だったパートタイム4WD方式に変わり、マツダが1985年に日本初のフルタイム4WD方式を採用した「ファミリア」を発表。
こちらもWRCのグループAに参戦し、ほぼ市販車の形のままラリー・フィールドで活躍したこともあって、大学の自動車部や峠の走り屋さんなどをはじめとした走り好きの人たちから人気を集めました。
トヨタ・マツダに先を越されたかたちの日産は、もちろん手をこまねいて見守っていたわけではありませんでした。
どうせならミッドシップで4輪駆動の理想のスポーツカーを作ろうと(なったのではないかと・・・この部分は想像です)、既存の市販車ベースではないまったく新しい車を実験車両として開発し世に問いました。それがこの「MID4」なのです。
誰もが登場を望んだ幻の名車MID4!このまま市販されていれば・・・!?

この「MID4」、フランクフルト・モーターショーに続いて開催された1985年11月の東京モーターショーでも公開されるや、大変な評判を呼び市販化を望む声が一気に高まりました。
気をよくした(と思われる・・・この部分も想像です)日産は、より市販車に近くすべくさまざまな部分に磨きをかけボディ・デザインも変更した改良型を次の東京モーターショー(1987年)に発表。それが今回ご紹介したMID4(II型、MID4ーIIとも呼ぶ)なのです。
3Lの∨6エンジンはDOHCツインターボで武装し最高出力は330馬力。足回りはF1で使われ当時やはり高性能の代名詞だったダブルウイッシュボーン式サスペンションをフロントにおごり、リアは日産自慢の4輪操舵技術、HICAS(ハイキャス)を装着。そしてもちろんミッドシップ、4輪駆動。
この考えられる限りのスペックを盛り込んだ車を前にして、とうとう日本車にもこんなすごいスーパーカーが誕生するんだと多くのクルマ好きは熱狂しその発売を心待ちにしたのです。
完成度も高くこのままの姿で市販間違いなしとも言われていたこの「MID4」は、ところがその後販売開始をアナウンスされることなく市販はおろかモーターショーからも姿を消します。いったいどんな事情があったのでしょうか・・・。
当時のクルマ好きをガッカリさせたこの経緯は、しかし多くの人に「MID4」を幻の名車として記憶させることになりました。1980年代、わずか数回のモーターショーに登場しただけのこの車のプラモデルが2000年代に入っても新発売されているという事実がそのことを裏付けていると思います。
もし「MID4」が市販されていたとしたら・・・。3年後の1990年に発売されたミッドシップ・レイアウトのホンダNSXのように、日本を代表するスポーツカーとして長く愛されるクルマとなったのではないでしょうか。
そんな「MID4」ですが、日産保管庫では片隅にひっそりと置かれており、Webサイトの「日産ヘリテージコレクション・オンライン」でも車種名欄には「MID4」という名前がないのはさみしい限りです。
実車にはなかなか会えませんが、Webサイトではカテゴリー欄で「その他」を選んで検索すると商用車の「S-Cargo」とかと一緒に出てきます。ぜひ一度、インターネットで日産ヘリテージコレクションのこの名車に会いに行ってみてください。
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