【スバル レガシィ/アウトバック 試乗記】ハタチになって、身も心もすっかりオトナ! 大きく生まれ変わったNEWレガシィの乗り味とは!?
【スバル】2009/06/28
海外市場も視野に入れボディが拡大された
1989年のデビュー以来、スポーティなミドルセダンとして、そして使い勝手に優れたステーションワゴンとして人気を集めてきたスバル レガシィが、20年を経て5代目モデルへとフルモデルチェンジした。
5代目レガシィはグランドツーリングイノベーションを基本コンセプトに、ドライバーズファン、パッセンジャーズファン、エコパフォーマンスを具現化することを目指して開発された。今回のレガシィシリーズも4ドアセダンのB4、ツーリングワゴン、SUVのアウトバックの3種類のボディを持つ。
ボディはひと回りというか、大幅に大きくなった。全長が95mmも長くなり、全幅は50mmも拡大し、全高もボディタイプによって60mm〜80mmも大きくなった。ふた回りくらい大きくなった印象である。今やインプレッサも3ナンバー車になっていることを考えるとレガシィがこの位置にくるのもやむを得ない面があるし、ボディの拡大幅は大半が居住空間の拡大に振り向けられているのだが、かなり大きくなった印象が高評価だ。
5代目レガシィはグランドツーリングイノベーションを基本コンセプトに、ドライバーズファン、パッセンジャーズファン、エコパフォーマンスを具現化することを目指して開発された。今回のレガシィシリーズも4ドアセダンのB4、ツーリングワゴン、SUVのアウトバックの3種類のボディを持つ。
ボディはひと回りというか、大幅に大きくなった。全長が95mmも長くなり、全幅は50mmも拡大し、全高もボディタイプによって60mm〜80mmも大きくなった。ふた回りくらい大きくなった印象である。今やインプレッサも3ナンバー車になっていることを考えるとレガシィがこの位置にくるのもやむを得ない面があるし、ボディの拡大幅は大半が居住空間の拡大に振り向けられているのだが、かなり大きくなった印象が高評価だ。
ボディサイズが大きくなり、かなり存在感が増している。大きなヘッドライトやフロントグリルのデザインは、いかにもレガシィらしいもの。
ツーリングワゴンはルーフが後方へ伸ばされ、実用性も考慮したデザイン。
対するB4は、スポーツセダンらしい洗練された雰囲気だ。
アウトバックは専用のフロントグリルや前後バンパー、そして大きく張り出したフェンダーを装備する。これによりSUVらしい力強さを感じさせてくれるのはもちろん、車高も上げられ悪路での走破性もきちんと考慮されている。
レガシィらしさを感じさせる個性的なフォルムが高評価
レガシィは今ではアメリカを中心に海外市場での販売台数が多くなっているため、海外市場に配慮したクルマ作りにならざるを得ない面がある。セダンとツーリングワゴンが全幅を1780mmに抑えているのは、むしろ頑張ったというべきなのかも知れない。でもアウトバックでは全幅が1800mmの壁を超えて 1820mmになった。日本では、これはさすがに大きすぎる。
ボディが大きくなったこともあって、外観デザインは力強さや存在感を感じさせるものになった。飛行機の翼をイメージしたフロントグリルは、B4/ツーリングワゴンとアウトバックではやや異なるが、レガシィらしさを継承する部分があり、全体にレガシィであることがひと目で分かるデザインに仕上げられているのは良い点だと評価しよう。
ボディが大きくなったこともあって、外観デザインは力強さや存在感を感じさせるものになった。飛行機の翼をイメージしたフロントグリルは、B4/ツーリングワゴンとアウトバックではやや異なるが、レガシィらしさを継承する部分があり、全体にレガシィであることがひと目で分かるデザインに仕上げられているのは良い点だと評価しよう。
ツーリングワゴン/B4は、飛行機の翼をイメージしたフロントグリルがとても印象的だ。
アウトバックは下部がブラックアウトされたバンパーを装備し、アウトドアテイストを演出している。
ツーリングワゴンもB4(写真本文横)もリヤコンビランプのデザインは、共通のイメージが与えられている。ランプの質感も高く、高級感を感じさせてくれる。
ゆったり広々した室内空間を実現!
インテリアはとても広々した雰囲気で、質感の高さも十分満足できるもの。運転席からの視界も広く、運転はしやすい。
新しいレガシィでは室内空間が拡大されて快適性が大きく向上した。ボディが大きくなったことの良さが実感できるのは室内に乗り込んだときだ。ドアの開口部も拡大されたので、後席に乗り込むときなどは特に楽に乗り降りできるようになった。
室内に座ると、運転席と助手席の間のカップルディスタンスや前席と後席の間隔など、いずれも拡大されてゆったりした感じになった。これはボディが大きくなったことのメリットだ。
ラゲッジスペースも大きくなった。これは幅や高さを拡大して容量を増やしただけでなく、奥行きは逆に短くして上半身を乗り入れなくても荷物の出し入れができるようにし、使い勝手を高評価しよう。
室内に座ると、運転席と助手席の間のカップルディスタンスや前席と後席の間隔など、いずれも拡大されてゆったりした感じになった。これはボディが大きくなったことのメリットだ。
ラゲッジスペースも大きくなった。これは幅や高さを拡大して容量を増やしただけでなく、奥行きは逆に短くして上半身を乗り入れなくても荷物の出し入れができるようにし、使い勝手を高評価しよう。
シートはゆったりとしているが、コーナーなどでのサポート性もしっかり考慮されたもの。左右の乗員間の距離も広げられ、快適なドライブを楽しめる。
ボディサイズ拡大の最大の恩恵が後席の居住スペースの拡大。特に前後方向のゆとりは増していて、大柄な男性でも余裕で足を組むことができるほど。
メーターは表示も大きく、とても見やすい。エコドライブインジケーターを装備し、省燃費運転をサポートしてくれる。
最新の電子デバイスを搭載し使い勝手と安全性能を高評価
今回新たに採用された電動パーキングブレーキ。サイドブレーキレバーが不要になるため、運転席まわりの収納スペース拡大にも貢献。
シートはゆったりした快適性とホールド性というかサポート性を両立させたもの。快適な座り心地とともにスポーティカーのような高いホールド性ではないが、しっかり体をサポートする形状をしている。
このほか、ボディの拡大が収納性の向上にも貢献している。前席のカップホルダーが並列式になったり、コンソールボックスの容量が拡大したり、ドアポケットが大きくなったりしたのは、使い勝手を高めるものだ。
快適装備はヒルホールド機能を備えた電動パーキングブレーキの採用が目新しいところ。安全装備はVDCを全車に標準装備するなど充実度が高まったが、ベースグレードでSRSサイド&カーテンエアバッグがオプション設定になるのが惜しいところ。
このほか、ボディの拡大が収納性の向上にも貢献している。前席のカップホルダーが並列式になったり、コンソールボックスの容量が拡大したり、ドアポケットが大きくなったりしたのは、使い勝手を高めるものだ。
快適装備はヒルホールド機能を備えた電動パーキングブレーキの採用が目新しいところ。安全装備はVDCを全車に標準装備するなど充実度が高まったが、ベースグレードでSRSサイド&カーテンエアバッグがオプション設定になるのが惜しいところ。
ツーリングワゴン(写真左・中央)のラゲッジスペースはかなり広く、大型のスーツケースも余裕で積み込むことができる。 B4(写真右)も十分なトランクスペースが確保され、通常の使用状況であればこれでも十分以上の広さといえる。
新開発のCVTは低燃費で滑らかな走りが味わえる
新しいレガシィでは水平対抗エンジンとシンメトリカルAWDという基本メカニズムは変わらないが、パワートレーンは大きく変わった。搭載エンジンは 2.5リッターがメインになり、B4/ツーリングワゴン/アウトバックの全タイプに自然吸気の2.5リッターエンジンが搭載された。またB4とツーリングワゴンのGT系には2.5リッターターボが搭載される。さらにアウトバックには水平対抗6気筒3.6リッターの新エンジンが搭載された。
2.5 リッターの自然吸気エンジンは170ps(125kW)/23.4kg-m(229N・m)を発生し、新開発のCVTと組み合わされている。スバルは軽自動車などのコンパクトカー用に早くからCVTを実用化してきたメーカーだが、上級車用のCVTは今回が初の採用となる。レガシィは5速だがほかの車種では 4速ATを採用する例も多いので、CVTの早期展開が望まれる。
このCVTは水平対抗エンジンを縦置きに搭載するスバル車専用に開発されたもの。CVTのベルトも通常のものとは違ってチェーンタイプを採用している。
実際に走らせた印象は、無段変速ならではの滑らかな走りに好感が持てたほか、アクセルワークに対する反応もとても良かった。スバルはこのCVTをリニアトロニックと呼んでいるが、まさにリニアトロニックの名前にふさわしい自然な走りのフィールがあった。
エンジン側は走りのモードの切り換えが可能なSIドライブが採用されているので、これでIモードを選んで走ると、とても滑らかで燃費の良い走りが可能になる。郊外の道を時速50kmくらいで流しているときなどは、アクセルワークに対する反応にやや物足りなさも感じたが、それくらいのほうが燃費の良い走りになる。きびきび走りたいときにはSやS#などのモードを選べるのがSIドライブの良いところと評価したい。
チェーン式のCVTということで、室内騒音が懸念されるところだったが、これは防音対策などをしっかりやることで押さえ込んでいて、CVTからの音はほとんど気にならないレベルに仕上げられていた。
2.5 リッターの自然吸気エンジンは170ps(125kW)/23.4kg-m(229N・m)を発生し、新開発のCVTと組み合わされている。スバルは軽自動車などのコンパクトカー用に早くからCVTを実用化してきたメーカーだが、上級車用のCVTは今回が初の採用となる。レガシィは5速だがほかの車種では 4速ATを採用する例も多いので、CVTの早期展開が望まれる。
このCVTは水平対抗エンジンを縦置きに搭載するスバル車専用に開発されたもの。CVTのベルトも通常のものとは違ってチェーンタイプを採用している。
実際に走らせた印象は、無段変速ならではの滑らかな走りに好感が持てたほか、アクセルワークに対する反応もとても良かった。スバルはこのCVTをリニアトロニックと呼んでいるが、まさにリニアトロニックの名前にふさわしい自然な走りのフィールがあった。
エンジン側は走りのモードの切り換えが可能なSIドライブが採用されているので、これでIモードを選んで走ると、とても滑らかで燃費の良い走りが可能になる。郊外の道を時速50kmくらいで流しているときなどは、アクセルワークに対する反応にやや物足りなさも感じたが、それくらいのほうが燃費の良い走りになる。きびきび走りたいときにはSやS#などのモードを選べるのがSIドライブの良いところと評価したい。
チェーン式のCVTということで、室内騒音が懸念されるところだったが、これは防音対策などをしっかりやることで押さえ込んでいて、CVTからの音はほとんど気にならないレベルに仕上げられていた。
レガシィ/アウトバックに搭載されるのは2.5リッターの自然吸気エンジン(写真左)がメイン。ツーリングワゴンとB4には2.5リッターターボ(写真中央)、アウトバック(写真右)には3.6リッター6気筒も用意されている。
2.5リッター自然吸気は新開発のCVT(写真)を採用する。CVTならではの滑らかさと低燃費な走りが特徴で、自然な走行フィールが味わえる。
その他のエンジンには5速ATが組み合わされ、ターボ車では6速MT(写真)も選ぶことができる。
3つの走行モードを任意に選べるSIドライブを引き続き採用する。エコな走りからスポーツ走行まで、ステージや気分によって選択できるのが魅力だ。
ターボ車はパワフルで洗練された走行フィールを楽しめる
レガシィのGT系に搭載される2.5リッターターボは285ps(210kW)/35.7kg-m(350N・m)の実力。パワーに換算すると自然吸気と比べて115psもの違いがあり、動力性能に関しては余裕十分という感じ。このエンジンでSIドライブのS#を選んで走れば、豪快な走りを楽しめる。 GT系のタイヤは標準が17インチで、Sパッケージンには18インチタイヤとビルシュタインのショックアブソーバーを組み合わせた仕様が用意されている。
どちらに乗っても感じられたのが改良されたリヤサスの安定感の高さ。コーナーなどでもしっかりと路面をとらえながらついてくる感じがあり、安心かつ安定してコーナーを抜けていくことがてきる。より安定感が高いのは当然ながら18インチ+ビルシュタインの仕様で、やや硬めのしっかりした乗り味と安定感は気持ちの良いものだ。
GT系に限らった話ではないが、従来のレガシィに比べると動力性能は向上しているが、そんなにパワフルになったイメージではなく、むしろ全体に走りの落ち着きが増した印象がある。動力性能の余裕を活かしてそれほどアクセル踏み込まなくてもスムーズに速くなっていて、走りの質が高まったという印象だ。この点では確実に良い方向に進んだと思う。
アウトバックには3.6リッターエンジンを搭載したモデルもラインナップされた。ボディの全幅が1800mmを超える上に、排気量も3.5リッターを超えて3.6リッター(自動車税の年税額は66,500円)となるため、さすがにこのモデルは日本では売れそうにない。でも排気量の余裕からくる低速トルクを生かした走りが可能で、低回転域でも力強い走りが得られる。その点では魅力的なエンジンであるのは確かと高評価なのだ。
どちらに乗っても感じられたのが改良されたリヤサスの安定感の高さ。コーナーなどでもしっかりと路面をとらえながらついてくる感じがあり、安心かつ安定してコーナーを抜けていくことがてきる。より安定感が高いのは当然ながら18インチ+ビルシュタインの仕様で、やや硬めのしっかりした乗り味と安定感は気持ちの良いものだ。
GT系に限らった話ではないが、従来のレガシィに比べると動力性能は向上しているが、そんなにパワフルになったイメージではなく、むしろ全体に走りの落ち着きが増した印象がある。動力性能の余裕を活かしてそれほどアクセル踏み込まなくてもスムーズに速くなっていて、走りの質が高まったという印象だ。この点では確実に良い方向に進んだと思う。
アウトバックには3.6リッターエンジンを搭載したモデルもラインナップされた。ボディの全幅が1800mmを超える上に、排気量も3.5リッターを超えて3.6リッター(自動車税の年税額は66,500円)となるため、さすがにこのモデルは日本では売れそうにない。でも排気量の余裕からくる低速トルクを生かした走りが可能で、低回転域でも力強い走りが得られる。その点では魅力的なエンジンであるのは確かと高評価なのだ。
レガシィはグレードにより16(写真左)/17/18インチのタイヤを装備する。18インチ仕様(写真中央)はやや硬めの乗り味ながら、安定感のある走りが楽しめる。対するアウトバック(写真右)は全車17インチ仕様となっている。
代表グレード | スバル レガシィ ツーリングワゴン 2.5i Lパッケージ |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 4775×1780×1535mm |
車両重量[kg] | 1500kg |
総排気量[cc] | 2457cc |
最高出力[ps(kw)/rpm] | 170ps(125kw)/5600rpm |
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] | 23.4kg-m(229N・ m)/4000rpm |
ミッション | CVT |
10・15モード燃焼[km/l] | 14.0km/l |
定員[人] | 5人 |
税込価格[万円] | 267.75万円 |
発売日 | 2009/5/20 |
レポート | 松下宏 |
写真 | 佐藤靖彦 |
(レポート:松下 宏)
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