
4,000回転を超えるとドラマチックになる水平対向エンジン

ケイマン の軽いクラッチを踏みエンジンをスタートすると、背後からエンジン音が響いてくる。エンジンは、パネルで覆われていて見ることは出来ないが、エンジンの鼓動が伝わってくる。しかも、911 よりエンジンとドライバーの距離が近いため存在感が強い。
パーキングブレーキは、電子制御となりハンドブレーキレバーが無くなった。MT車とハンドブレーキはセットだと思っていたので、少し違和感があったがシフトレバーを1速に入れてスタート。
シフトは節度があり、小刻みに気持ち良く各ギヤに吸い込まれる。低回転から充分なトルクがあり、頻繁にシフトチェンジをしなくても高いギヤでスムーズに走れる。市街地でも「ポルシェ だから」、「MT車だから」と言った垣根は低く、気楽に運転が楽しめる。
そんな乗用車的な運転から、郊外に出てアクセルペダルを床まで踏めば「やっぱり、ケイマンはポルシェだ」。
大人しかったエンジンが、4000回転を越えてからドンドンとドラマチックになる。背後からエンジン・サウド、エキゾースト・サウンド、バイブレーションが体中を包み込み、エンジン回転が上昇すればするほど心も体も痺れてくる。やっぱりスポーツカー はイイな〜と唸ってしまう。



リーズナブルなケイマンか? パワフルなケイマンSか? 悩ましいが、超おすすめなスポーツカーだ!

ポルシェ ケイマンは、スポーツカーだからと言っても乗り心地は良い。勿論、固さはあるが、しなやかな固さである。
路面の凹凸は、剛性のあるボディでしっかり受け止め、必要な路面情報はステアリングに伝えてくる。峠でのケイマンの運転は楽しい。ハンドルを切るとフロントが鋭く切れ込んでいく。アクセル、ブレーキ、クラッチ、ハンドルの連携が気持ち良く、クルマとの会話をしながら自分がクルマと一体になった感じがする。
意図的にドリフトをしようと、ブレーキを残しながらカーブに入ってステアリングを切ってもアンダーステアになるだけで、リヤタイヤは路面を離さない。アンダーステアの設定とPSM(ポルシェ・スタビリティ・マネージメントシステム)により、公道ではスピンになる可能性が少なく安全である。
過剰なパワーを持った刺激的なケイマンSから乗り換えた直後だったので、ベースモデルのケイマンは少々物足りなかった。
その一方で、全体的にクルマが軽快に感じた。エンジンは前モデルの2.9Lからダウサイジングされた直噴2.7L。ケイマンSに比べれば少ないが、パワーは202kW(275PS)もあり、しかも水平対向6気筒であり、吹け上がりは鋭い。
別の機会に右ハンドル+PDK仕様のケイマンに乗ってみたら、物足りないと感じたパワーも充分以上で、アクセルを踏み込むだけでシフトダウンして猛然と加速する。
アイドリングストップも付いていて、ケイマンSより排気量が少ない分だけ燃費が良い。特に最近のハイオク・ガソリンの価格を考えると絶対的な速さを求めないなら10kg軽量で装備の差はあるが100万円以上安価なケイマンの選択も賢いと思う。
ポルシェと言えば911かもしれないが、ケイマンも紛れもなくポルシェだ。カッコが良く、911よりスポーツ度が高く、ポルシェの中では手の届き易い価格も魅力的。ポルシェが欲しい人、或いは大人のスポーツカーが欲しい人にはお勧めだ。ライバル車はオープンで値段の安いポルシェ ボクスター である。クルマ好きなら一度は乗りたい、乗り続けたいのがポルシェである。



ポルシェ ケイマンS価格、スペックなど

・ポルシェ ケイマンS価格:7,950,000円(6MT)/8,440,000円(PDK)
・ポルシェ ケイマン価格:6,290,000円(6MT)/6,780,000円(PDK)
・ポルシェ ケイマンGTS価格:9,150,000円(6MT)/9,790,000円(PDK)
最高速281km/h0-100km/h加速4.9秒
代表グレード | ポルシェ ケイマンS PDK |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 4,380×1,800×1,295mm |
ホイールベース[mm] | 2,475mm |
総排気量[cc] | 3,436cc |
エンジン最高出力 | 239kW (325PS) |
エンジン最大トルク | 370N・m |
ミッション | 7速PDK |
定員[人] | 2人 |
税込価格[円] | 8,440,000円 |
レポート | 丸山和敏 |
写真 | 編集部 |



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