【ランドローバー レンジローバー 試乗記】伝統的なデザインと先進装備を融合! カーボンオフセット導入で環境にも配慮 [CORISM]

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【ランドローバー】2009/12/20

マイナーチェンジで洗練されたフォルムに変身

ランドローバー レンジローバー エンブレム
 イギリスのSUVブランドであるレンジローバーがマイナーチェンジを受け、V型8気筒5リッターの新エンジンを搭載するなどの改良を行なった。レンジローバーは標準ボディのヴォーグとショートボディのスポーツがあり、その両方に自然吸気とスーパーチャージャー仕様の新エンジンが搭載されている。合計4 種類のバリエーションとなる。
 外観デザインは従来からの伝統的なレンジローバーらしさをしっかり継承しつつ、LEDヘッドライトやテールライトを採用することで、現代的な先進性が表現されている。
 インテリアは運転席でカーナビ画面を見ながら、助手席では異なる映像を楽しむことができるデュアルビュー・タッチスクリーン・ディスプレーを採用したほか、TFT液晶を使ったバーチャルインストルメントパネルが採用された面も目新しい。このインパネはパーソナライズが可能だ。さらに360度ビューが提供されるサラウンドカメラシステム、HDDナビゲーションなども全車に標準で装備されている。今回のマイナーチェンジではインテリアや装備が大きく変わった印象だ。
 新搭載されたV型8気筒5リッターエンジンは、グループ企業のジャガーと共同開発したもので、すでにジャガーの各モデルモデルに搭載されているのと同じもの。セダンやクーペのジャガーとSUVのレンジローバーという性格の違いはあるが、エンジンは自然吸気仕様がわずかにチューニングが異なるだけで、スーパーチャージャー仕様は共通のスペックだ。
ランドローバー レンジローバー フロントビュー

従来のレンジローバーらしい良さは保ちつつ、洗練された印象のフォルムを手に入れた。存在感の高さはかなりのものがある。

ランドローバー レンジローバー リヤビュー

標準ボディのヴォーグ(写真)の他、ショートボディのスポーツもラインアップ。ガラス面積が広めなのもレンジローバーの特徴。

ランドローバー レンジローバー フロントマスク

LED式のヘッドランプを採用するなど、最新のプレミアムSUVにふさわしい装備を取り入れた。大きなグリルは存在感抜群だ。

ランドローバー レンジローバー リヤコンビランプ

ヘッドライトだけでなく、リヤコンビランプもLED式を採用する。円をモチーフにしたシンプルなデザインが好印象。

ランドローバー レンジローバー 19インチタイヤ&アルミホイール

19インチの大径タイヤを装備する。オフロードでの走破性はもちろん、オンロードでの快適性やハンドリングも良好だ。

ランドローバー レンジローバー 5リッターV8スーパーチャージャー エンジン

エンジンは5リッターのV8で、自然吸気とスーパーチャージャー(写真)の2種類がある。どちらも十分な動力性能をもつ。

重量級のボディをものともしないパワフルな5リッターV8エンジン

ランドローバー レンジローバー 走り
 試乗したのは自然吸気エンジンを搭載したヴォーグと、スーパーチャージャー仕様のエンジンを搭載したスポーツの2機種。最初に試乗した5.0 V8に搭載される自然吸気エンジンは、375ps(276kW)/52.0kg-m(510N・m)のパワー&トルクを発生する。
 ヴォーグの車両重量は2540kgもあってジャガー XFと比べたら700kgも重いのだが、圧倒的な動力性能を発生する5リッターエンジンを搭載するだけに、走りの実力は相当なレベルにある。特に低速域のトルクを重視したチューニングが施されているので、重量級のボディをぐいぐいという感じで押し出していく。今回の試乗は舗装されたオンロードだけだったが、走りに関して何の不満も感じなかった。
 スーパーチャージャー仕様のエンジンを搭載したスポーツの5.0 V8スーパーチャージドは、510ps(375kW)/63.8kg-m(625N・m)の圧倒的な動力性能を発揮する。ボディとホイールベースが短くなる分だけ車両重量は軽い方向に向かうが、スーパーチャージャーの搭載によって増える部分もあり、試乗車の車両重量は2580kgだった。
 でもヴォーグとほとんど同じ重量のボディをはるかにパワフルなエンジンが引っ張るのだから、走りはスポーティというか極めて豪快なものになる。アクセルの踏み込みに応じてスーパーチャージャーの作動する音が入ってきて、同時に極めて豪快な加速が味わえる。
 ステアリングの操舵感はヴォーグとスポーツでは微妙な違いがあり、どちらもSUVらしい軽めのステアリングフィールながら舵の正確性はしっかり確保されていて、大柄なボディながら走行中には扱いやすさを感じさせた。1900mmを超える全幅なので狭い場所での取り回しは大変だが、四角いボディで見切りの良さがそれをいくぶんカバーしている。
 足回りはヴォーグは完全にオフロード走行を意識した設定だが、スポーツのほうはやや低めの最低地上高によってオンロードでのスポーティな走りにもきちんと応えてくれる。スポーツでも195mmの最低地上高があるので、たまにしかオフロードに出ない人ならこちらを選んだほうが良いと思う。
ランドローバー レンジローバー インテリア

インテリアは上質で、とてもゆったりとした雰囲気。運転席からの視界もよく、ボディサイズの割には運転も楽にできる。

ランドローバー レンジローバー メーター

メーターまわりではTFT液晶を使ったバーチャルインストルメントパネルを採用するのがトピック。パーソナライズも可能だ。

ランドローバー レンジローバー シフトレバー

ミッションはマニュアルモード付きの6速ATで、4WDのモード切替はダイヤル式。パーキングブレーキは電動タイプを採用する。

ランドローバー レンジローバー フロントシート

運転席まわりのスペースは広々している。4WDのモード切替スイッチやエアコン、そしてオーディオのスイッチも機能的に配置される。

ランドローバー レンジローバー リヤシート

ボディサイズが大きいこともあり足元や頭上、そして左右のゆとりもかなりのものがある。窓も大きく視界がいいのも見逃せない特徴だ。

ランドローバー レンジローバー ラゲッジ

リヤゲートは上下に開くので、荷物の積み下ろしなどにも便利だ。ラゲッジスペースは5人乗車時でも驚くほどの広さが確保されている。

カーボンオフセットの導入でトヨタ プリウスよりも環境に優しい!?

ランドローバー レンジローバー インテリア
 今回はオフロードで試乗する機会がなかったが、進化させたテレインレスポンスやサラウンドビューカメラの設定によって、オフロードでの走破性や扱いやすさが向上している。ランドクルーザー プラドが同様の機構を採用してきただけに、レンジローバーはさらに先に行こうとしている。
 パワフルな大排気量エンジンを搭載するだけに、レンジローバーの燃費は良くない。今回試乗した自然吸気のヴォーグで6.3km/L、スーパーチャージャー仕様のスポーツでは5.5km/Lの10・15モード燃費だ。実用燃費では5km/Lを切るのを覚悟する必要があるだろう。
 ただ、そんなレンジローバーも、カーボンオフセットによってトヨタ プリウスよりも環境に優しいといったら、すぐに分かってもらえるだろうか。レンジローバーでは今回のマイナーチェンジに合わせ、各モデルが7万 2000km走行する間に発生するC02を、ほかでの環境活動によってオフセット(相殺)する仕組みを取り入れている。
 ヴォーグで2万5000 円弱のオフセット金額が車両価格に含まれており、7万2000km走る間はCO2を発生しないのと同じことになる。環境問題を巡る排出権取引などというニュースを、レンジローバーは先取りして実現しているわけだ。
 排出権取引によるカーボンオフセットは、ある意味で免罪符を買うようなもので、分かりにくかったり納得しにくかったりする部分があるが、時代がこれを促進しようとする流れにあるのは間違いない。
 実はこの仕組みはマーチの一部グレードやアウディの多くの車種でも採用されているが、これらの車種では5000kmから1万km程度の走行分のCO2しかオフセットしていない。7万 2000kmものオフセットを実現したレンジローバーは凄いと高評価。
ランドローバー レンジローバー 走り
ランドローバー レンジローバー 走り
ランドローバー レンジローバー 走り

代表グレード ランドローバー レンジローバー ヴォーグ 5.0 V8スーパーチャージド
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 4970×1955×1880mm
車両重量[kg] 2630kg
総排気量[cc] 4999cc(スーパーチャージャー)
最高出力[ps(kw)/rpm] 510ps(375kw)/6000〜6500rpm
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] 63.8kg-m(625N・m)/2500〜5500rpm
ミッション 6速AT
10・15モード燃費[km/l] 5.5km/l
定員[人] 5人
税込価格[万円] 1554.0万円
発売日 2009/12/5
レポート 松下宏
写真 高木博史

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